帝side
帝「どぉわっ!?ちょっ!え、燕青助けて!」
投擲される無数の槍を躱し、黒髪の美男子に助けを請うた
燕青「いやぁー、人外同士の訓練に水を差すのもどうかと思うんでスルーさせていただくぜ」
帝「んな殺生なことを!?というか今さらっと俺も人外呼ばわりしたな!?それにお前も人のこと言えないからな!?」
「どうした!貴様の本領はまだこんなものではなかろうて!」
帝「アニキィ!なんとかしてくれぇ!!」
クー「すまんな……師匠には逆らえん」
帝「だぁーくっそぉぉ!!どうしてこうなったぁぁぁ!!!!」
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帝「あだだ……スカサハさんめ……アニキよくあのケルト式ブートキャンプを生きて帰って来たな……」
男湯、混浴、女湯と書かれた暖簾のうちの、混浴に入る
別に男湯でもいいのだが、混浴の方が比較的に広い
俺が今1番欲しいのはリラックスできる空間なのだ
因みに混浴にはよくイッセーが入り浸っているらしいが、あいつが入ってる時間帯は不思議な事に女性陣のみんなは基本入ってないんだよな……まぁ思いっきり笑ってやったからいいけど
帝「あー……コートもボロボロじゃねぇかよ……」
新たに新調した装備の、縁に黄色いラインが入っていて、その真ん中に黒いラインが入った青いコートを見て呟く
オリハルコン製繊維の糸と賢者の石製繊維の糸を使っているから防御力と魔法系防御、耐久性もめちゃくちゃなぐらい高いんだけどな……まぁ破れてないからいいけど、もし破れてたら
ふと、上を脱いだ後に自分の腹を見てみる
帝「大分筋肉ついたな……割れてるし……地味に硬い……その癖あんま無駄なんもついてないし……もしかして俺って着痩せするタイプ?」
ルアン【結構着痩せするタイプじゃないー?】
帝「さ、どうだかねー。さって、そんなことよりおっ風呂ーおっ風呂ー♪」
タオルを肩に担いでドアを開けた
バタンッ!!!!
全開にしたところで勢いよく閉めた
帝「あ、あれぇー……おかしいな、疲れてんのかな……こんな時間にジャンヌが風呂入ってるわけないもんなー……」
チラッと備え付けの時計を見たが、時計は寸分違わずに、午前7時を指していた
もう一度確認すべくドアをゆっくり開け……
ガタンッ!!!!
また閉めた
帝「……そうだ、こう考えればいいんだ……風呂にジャンヌなど居ないと」
一応の保険の為に腰にタオルを巻いて、再度入室した
ジャンヌ「……///」
帝「………………………………チクショウやっぱ見間違いじゃなかった!!!!!!!!!!!!」
orzってると、足音が聞こえてきた
どうせジャンヌだろ。わかってますよーだ
ジャンヌ「……あの……その……」
帝「……えっと、どうした?」
ジャンヌ「え、えっと……だから……その……一緒にお風呂に……入りませんか……?」
頬を赤らめ、もじもじしながら上目遣いで言われた
そりゃ反則っすわー……
帝「…………はい…………」
見てるこっちもなんだか恥ずかしくなって、無意識にそっぽ向いた
とりあえずそのあとは髪、体の順に洗い、湯船にゆっくりと浸かった。そして遅れてジャンヌが入ってきて、背中あわせにして入ることに
ジャンヌ「えっと、エミルくんはこんな時間にどうしてお風呂に……?」
帝「あれだよ、スカサハさんが俺に
ジャンヌ「あぁ、成る程。因みに覚えられたんですか?」
帝「覚えちまったよチクショー!鬼畜すぎるわあの人!途中殺されかけたからな!?あんなの命がいくつあっても足りねーよ!!!!燕青もアニキも助けてくれないしエミヤとオルタは逃げ回る俺見て笑ってたし、アルトリアさんだってマスターならできますってまるで獅子……いや、獅子王が崖から騎士を落とすかのようなこと言うし総司は頑張ってくださいの一点張りだしもうやってらんねーよ!!!!」」
間を空けずに全部言い切ったため、軽く呼吸困難に陥ってしまった
ジャンヌ「でも満更でもないように見えますよ?」
帝「ハァ……ハァ……まぁ……楽しくないわけが……ないからな……仲間は多いに越したことはない……楽しき事は良き事なりってな」
ジャンヌ「ふふっ、そうですね」
ジャンヌはそう言って、俺の背中に抱きついてきた
あっちょっ!?お、おっ、お、おぱ、お、おっぱいがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!
帝「あの、じゃ、ジャンヌ!?」
ジャンヌ「こうやって平穏で楽しい日々が暮らせるのも、全部あなたのおかげです。ありがとうございます」
帝「な、何を今更……別に、俺はただお前らを護るために力を振るうだけだ。今も、昔も、そしてこれからもだ!それに、ただの自己満足のためにやってるだけだ!勘違いすんじゃねぇぞ!?」
ジャンヌ「それでもいいです。結果的にそうして私達を守ってくれてるんですから」
さらに腕に力を入れて、さっきよりも密着度が高くなる
わぁぁぁぁぁぁぁ!!!!おっぱいがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!おっぱいがががががががががががが!!!!!!もうホント勘弁してください!!元気になりすぎて痛いです!!!!何とは言わないけど!!!!
この後小1時間、ジャンヌの放つ色気と俺の理性との勝負が続いた
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さて、先ほどから出ている新しい人達の紹介と、召喚された理由でも語ろうか
まず、召喚された理由だが、二週間ほど前、ニブルヘイムへ小屋や召喚の術式を消す為に行ったのだが、いちいち解体するのが面倒くさくて、大分前に吸収して使ったっきり一度も使っていなかった滅びの魔力で小屋を消していたわけなんだが、魔力の密度というか濃度が高く、その魔力に反応して出てきてしまった
ここまで言えばもうみんなもわかるであろう
俺のせいじゃん!
さて、愚痴も程々に一人一人の簡潔な紹介でもしよう
燕青「おぉ……マスター、かなり似合ってんぜ。正直惚れたわ」
まずは燕青
彼は中国の小説である、水滸伝に無頼漢として描かれた人物だ
天巧星の生まれ変わりと言われ、小柄で細身の絶世の美男子である
中国拳法のうちの1つ、燕青拳の開祖と言われているらしいが、そう呼ばれるのも納得の腕を持っている。とは言え架空の人物だが、英霊の中にはそんなやつもいるらしい
結構絡み易く、気前のいいやつで、よく俺の相手をしてくれる、俺にとっての近所の親しいお兄さん的なポジションである
因みに燕青からは、素手の格闘術を教えてもらってる
スカサハ「む……これはこれで中々そそられるものが……」
次にスカサハさん
彼女はまぁわかる通り、アニキの師匠で、アニキにゲイボルクを渡した張本人だ
こっちではスカアハと呼ばれているがそこはご愛嬌ってことで
彼女は影の国の女王で、死すら超越した神殺しである
根はいい人なんだが……彼女主催のケルト式ブートキャンプははっきり言って死ぬ
アニキの持ちネタの死亡もあそこから来たのかと思ってしまったほどにだ
彼女からは槍術を教えてもらっていて、冒頭のあれは
アル「な、なぜでしょう……なんかこう……湧いてはいけないものがじわじわと湧いてきて……じゅるり……」
次にアルトリアさん
なんと彼女はかの有名な騎士王、アーサーだったりするのだ。流石に男でなかったことにかなり驚いてしまったが……
彼女は、クラスとしてはランサーとして現界。武器は、カムランの戦いで、叛逆の騎士、モルドレッドとの一騎打ちで使用された槍、ロンゴミニアド。
当然ながらエクスカリバーは持っていないわけなんだが、俺はこう思った。もしアルトリアさんが7つに分かれたエクスカリバーを見たらどうなるんだろうと
まぁ恐ろしいこと限りないからそんなことはしないが。というかそれをする度胸も無いし
彼女からは馬術を教えてもらっている
帝「……なぁ……」
エミヤ「す、すまないマスター……あ、あまりに似合いすぎて……ぷくくくく……」
帝「……なぁってば……」
ジャンヌ「沖田さん!カメラの用意は!!」
沖田「バッチリです!なるべく多く撮れるようにここの家中を漁ってきましたから!」
帝「……なぁ……!」
邪ンヌ「あっははははははは!!!!そ、その格好実に似合っていますよ!!いっそのことその格好が一番似合う性別になればいいのではありませんか?ふぁははははははははは!!!!」
帝「……なんでこんな格好しなきゃならないんだ……」
俺は羞恥心のあまりに赤くさせ、かぶっていた麦藁帽子で顔を隠した
チラッと横目で鏡を見ると、長い金髪、こめかみあたりの髪には可愛らしいリボン、白いワンピースに麦藁帽子と、完璧な夏の女の子がそこにいた。というかそれ俺だ
髪切ろうと思って認識阻害魔法解いてのが仇となった……たまたま俺の姿を見かけた邪ンヌが俺を自分の部屋に連れ込み、着せ替え人形よろしくで着替えさせられたのである
帝「うぅ……もうヤダ……」
やはり説明と言う名の現実逃避を以ってしてもこの運命は変わらないと言うのか……!
パシャパシャとカメラのフラッシュと音が、俺を一枚、また一枚と写した
To be continued.