帝side
帝「はっ!どうしたよリエル!お前の実力はそんなもんだったか!」
縦横無尽に駆け回り、リエルに次々と傷を入れて行く
リエル「グッ!コレは……マズイね、ヴェルフリート様と同格か……!」
ギル「リエル!まさかこの我がいることを忘れていたわけではあるまいな!」
リエル「そんなわけないよ!ギル様!ごめんなさいだけどお願い!」
ギル「フン!はなからそう言っておけばよかろうに……まぁ良い、行くぞ雑種!精々意地汚く足掻くことだな!」
金鎧の男がそう叫ぶと、周りに黄金の波紋が広がり、そこから、武器の一部が顔を出していた
帝「んなの当たるかよ!フォームチェンジ!ストライカー!」
そう叫び、尾を全て分離させ、64ものビットへと変形させ、宙に浮かべる
ビットから黄金の波紋目掛けてレーザーを乱射し、黄金の武器を四散させた
ギル「ほう、面白い。ならばこれはどうだ!」
今度は、さっきの倍以上の波紋が広がった
ビットも使い、次々と叩き落とすが、無限に続くために反応が遅れた
帝「ッ!捌き……切れっ!?」
ジャンヌ「
眼を瞑ってしまったが、ジャンヌが宝具を展開させたことにより、武器は次々と逸れて行く
ジャンヌ「エミルくん、私たちがいるというのに、何故頼ってくれないんですか?」
帝「いや……ただお前らを危険な目に合わせたくなかっただけで……」
ジャンヌ「それは傲慢です。いつかあなた1人だと、限界が来ます。でも、1人でできないことも、2人ならできることだっていっぱいあるんです。ですから、もっと頼ってください、一緒に戦ってください」
帝「……へいへい、わかったわかった、わかりましたよ。そんじゃ、一緒に戦ってくれるか?ジャンヌ」
ジャンヌ「はい!でもまずは、立ち上がってください」
差し出された手を掴み、起き上がった
沖田「何やら熱い展開になってきましたね!不肖ながら、この沖田も助力させていただきます!」
邪ンヌ「そろそろ私も暴れたくなってきたわ。別に今なら好きなだけやってもいいのよね?」
クー「……い、一応俺もまだ行けるぜ……!」
帝「どこが行けるぜだどこが」
水の属性のビットの回復レーザーをアニキに当て、剣を構える
帝「さて、最終決戦と行こうか!俺は次の一撃で終わらせる!アニキは先陣を切って時間を稼いでくれ!邪ンヌと総司はアニキのサポート!ジャンヌはここで待機して俺のサポートを頼む!いいな!」
『了解!』
全員が指定された命令に従って解散した
左右に持った剣をクロスさせ、地面へと突き刺した
帝「さて、チャージ開始としますかね!ジャンヌ、頼むぞ
ーー数多の星の命よ、神なる光と成りてこの剣に宿り給え
ーー今この時を以って、この刃は天を廻る光と成る」
覇煌龍の時にのみ使える神力を無の聖剣に流しつつ、光の精霊魔法と自然から得られるマナも流す
遠目から見れば、ギルガメッシュとかなんとか聞こえるがあの金鎧ヤロウの真名か?
帝「ーー月夜に浮かぶ朧なる闇よ、絶望すら呑み込むその力をこの剣に宿し給え
ーー今宵を以って、この刃は闇黒に煌めく滅びとなる」
周囲の薄暗い闇を吸収させ、闇の精霊魔法を魔剣イブリースに流す
帝「まだだ……まだ行ける……!」
[GGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGenerate!!!!]
[Transfar!!]
2つの剣に溜め込んだ力を譲渡し、一気に出力を上げた
地面から引き抜いた無の聖剣は、全てを包み込むかのように優しく輝き、魔剣イブリースは、禍々しくも、鮮やかに煌めいていた
帝「みんな、お疲れ様。あとは任せろ」
金鎧の前へ歩み寄り、全員に労いの言葉を向けた
帝「さて、あんたの真名、人類史最古の英雄、英雄王ことギルガメッシュで間違い無いな」
ギル「ほう、俺の真名を見破ったか」
帝「まぁあまり人の話を盗み聞きするような趣味はないが、自然と聞こえてきたからな。さて、武器を構えろ、英雄王。俺の最高の一撃を持って、あんたを葬ろう」
ギル「ふむ……その気概やよし!貴様がそれを望むのであれば我もその期待に応えてやろう!」
金鎧ーーギルガメッシュは、手元に波紋を広げると、そこから、剣とも槍とも見れる、ドリルのようなものを取り出した
ギル「こいつは本来、使うに値するものにしか使わんのだが、我は貴様が気に入った。名を確か、エミル・キャスタニエと言ったな。来るがいい、エミル・キャスタニエ!我が原初の一撃と貴様の最高の一撃、どちらが格上であるかを競おうではないか!」
俺は両手に持った剣を下段に構え、レーザーのように魔力を噴き出させ、ギルガメッシュは獲物を天に掲げ、それは上下逆同士に回り、周囲に赤い嵐を作り出して行く
ギル「さぁ、原初の地獄をとくと味わうといい!
帝「ーー全てを呑み込むこの刃の名は……!」
ギル「……
帝「
互いの技がぶつかり合う!
ギル「どうした!!それが貴様の全力か!!」
帝「ぐぅっ!……くっ……!」
嵐が俺の目の前へと迫る
自然と手に力が入った
帝「まだ……まだ……うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉらぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
ギル「何ッ!!??」
帝「っのままぁ……朽ち果てろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!!」
俺の斬撃が赤い嵐を押し戻し、ギルガメッシュへと肉迫した
ギル「グッ!ぐぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
巨大な爆発を起こし、ギルガメッシュはその爆音と共に散っていった
帝「ハァ……ハァ……ハハハ……力が入んねぇよ……もう……無理……」
誰かが俺の名を叫んだのを聞き、俺は意識を落とした
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息を吐くだけで、その息が白く見えるようになった
あの一撃の時の余波が、季節にまで影響したらしく、本来は夏である筈が、すっかり冬のような寒さとなっていた
吐息が白く見えるのもその所為。ましてや、雪国であるフラノールまでくれば尚更だった
帝「って、季節にまで影響与えるって、どんだけ威力やばかったんだよ……」
フラノールの教会の前の高台から街の景色を苦笑しながら見渡した
それはそうと、英雄王とぶつかり合って数日後、エミヤが体をボロボロにして帰ってきた。霊体化して帰ってくればよかっただろと言うと、何故か霊体化ができなくなっていたらしい
アニキや総司達も試したが、てんでダメなようで、エミヤが覚醒したマスターの魔力が私達に影響を与え、受肉した状態になってしまったと結論付けた
今は、エミヤもアニキも、ジャンヌ姉妹に総司ら、サーヴァントのみんなは、この地に根を下ろす者として生活を楽しんでいる
ジャンヌ「あ、エミルくん、どうされたんですか?こんなところで」
帝「……いや、ここんところドタバタしててゆっくりできてないなーって」
ジャンヌ「ア、アハハ……でも確かにそうですね。少しばかり私も魔力が……」
ジャンヌは足元をふらつかせ、俺の方にもたれかかってきた
帝「ん〜……そうだ、ジャンヌ、少しこっちに顔向けてくれるか?」
ジャンヌ「は、はい。なんですか……んむっ!?」
ジャンヌがこちらに顔を向けたと同時に、ジャンヌの唇を奪った
帝「んっ……ちゅぅ……じゅる……じゅぅ……んぢゅ……ちゅる……ぷはぁ……」
ジャンヌ「ぷぁ……エミル……くん……何を……」
帝「……サーヴァントとマスターとの粘膜接触による魔力供給だよ……言わせんな、恥ずかしい……」
恍惚とした表情のジャンヌを見て、自分の行動があんまりに恥ずかしくなって顔を背けてそう答えた
帝「……あの……さ、ジャンヌ。前、俺のことが好きって言ってたろ?そのことだけど……まぁ、受けてやらんでもないが……」
ジャンヌ「え……ほ、本当ですか!?」
帝「おう、本当だ。前に言っただろ?俺はジャンヌに幸せになって欲しいって」
ジャンヌ「はい、言ってましたね」
帝「俺の個人的な見解が多数入ってるんだけどさ、本当の幸せってのは、好きなだけ生きて、好きなだけ遊んで、好きなだけ笑って、好きなだけ食べて……んで、好きなだけ誰かに恋して、結ばれてさ。そうやって、当たり前のことを好きなようにできるってのは人間に与えられた特権だと思うんだ。それを精一杯活かして、楽しむってのが幸せの意味だと思うんだ。それに、一途なものではないけど、愛を向けることぐらいはできると思うぞ?」
そう言って、ジャンヌを優しく抱きしめる
ジャンヌ「本当に……私でいいんですか?」
帝「おう、誰がお前を否定なんてするか」
ジャンヌ「私、結構面倒くさい女ですよ?純粋な愛を向けて欲しいって言うかもしれませんよ?」
帝「そんなもん気にするはずないだろ。しっかりお前に愛を向けてやるよ。だからそんなに泣きそうな顔すんなって」
ジャンヌ「本当に私が幸せになっていいんですか?」
帝「いいに決まってる。お前の幸せを否定する奴なんかみんなぶん殴ってやる」
ジャンヌ「……そうですか……私、あなたに愛されていいんですね……」
ジャンヌはそう言うと、俺の体に手を回した
程なくして、俺の頬に白い塊が落ちた
帝「……おぉ……見ろよジャンヌ、雪だぞ」
ジャンヌ「わぁ……綺麗……ひぷしっ!」
帝「おいおい、大丈夫かよ……えっと、ほら、マフラー。手袋はーっと……」
ジャンヌ「いえ……その……えっと、マフラーはこう着けて……」
ジャンヌは俺の首をマフラーを巻くと、自分の首にもマフラーを巻いた。そのあと、俺に手袋の片方を渡してきたが、ダメだと返そうとすると、何故か怒られたので、仕方なく右手につけることに
帝「えっとそれで……左手はどうしたらいい?」
ジャンヌ「こうするんです」
俺の指と自分の指を絡めるように握り、俺のコートのポケットに入れて
帝「あぁ……成る程……」
ジャンヌ「さ、帰りましょう」
手と手、腕と腕を絡め、暖をとるべく帰路につくのだった
〈このスケコマシッッ!!!!!!!!〉
ーーんなもん言われなくてもわかってるわ!!!!!!!!
はぁ、頭が痛くなってきた……
To be continued.