帝「ーー我、目覚めるは……
ーー覇の理に生涯の全てを奪われし龍神帝王なり……」
なぁリアス……見えているかい?聴こえているかい?
赤黒いオーラが火の粉と共に舞い、そのオーラの発生源である帝は、虚ろで、しかし確かな殺意を眼に宿していた
帝「ーー無双を欲し、夢想を嘲笑う……
ーー我、終焉導く終の龍と成りて……」
もし、見えているなら、そこでゆっくりと見ていてくれないか?俺が……俺が……
心の均衡が崩れ、ストレスに耐え切れずに崩壊した帝は、狂ったように口の端を釣り上げる
帝「ーー汝、永遠に治まらぬ怨恨の焱で包み込もう……!!」
[Juggernaut over Drive!!!!]
こいツをグッチャぐちャにしてコロスとこロヲ!!!!
帝の左腕が、ドス黒い赤の光を放つ
周りは暴風が吹き荒れ、瓦礫すらも吹き飛ばしていく
ヴェル「……?全然変わっていない……だと?クフッ!クハッ!クカカカカカカカカカカ!!!!何なんだその見た目だけのッガハァッ!?」
帝「……アハ、ハハ、ハハハハ……アッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!!!」
何も変わっていない帝を見て、何を勘違いしたのかヴェルフリートは慢心していると、背後から触手のようなものを腰から生やし、マスクのような物を着けた帝が、その触手をヴェルフリートに突き刺していた
帝「あれェ?おカシイナ……ほんとうはイマノで8カイクライコろそウとおもったのにナぁ……じゃァつぎはモッとハゲシくいくヨ?」
その言葉を境に、帝の攻撃は苛烈さを増した。その一撃一撃は、大地に罅を入れる程に重く、速度も素の状態とは天と地程の差がある位にまでなっていた
しかし、依然ヴェルフリートは倒れる事も無い
流石に怪奇に思ったのか、それとも体力を回復するためなのか、帝の現在の心理は分かる筈も無いが、後ろに大きく飛び退いた
ヴェル「……クックックッ……ハッハッハッハッハッ……クハハハハハハハハハハハハ!!!!良い、良いぞ!そう、もっとだ!もっと我を恨め!憎め!憎悪を燃やせ!その感情が!その一撃が我をより上へと導く!さぁ我に貴様の心をもっと喰らわせるがいい!」
帝「へェ……だかラたおれないンダ……なら……ナニモかんじなくなルくらいきミをこわせバイいんだね……」
そう言って帝はまた走り出し、ヴェルフリートに触手を振り下ろした
しかし、ヴェルフリートを通り過ぎた後、何故か帝は触手共々鋭利な刃か何かで斬られた
「あーもー……ダメじゃないですかヴェルフリート様ー。あとでアランに怒られるの僕なんですけどー?」
「ナイスですよヴェルフリート様。お陰様でまたリエルが怒髪天を貫いたアランに怒られること間違いなしです」
「あー!ダンテはまたすぐそう言う!僕ってそんなに嫌われ者?」
ヴェル・ダンテ「「何を言っておろうか?当たり前ではないか」」
リエル「うわぁーん!そんなのあんまりだぁぁぁぁぁぁぁ!!っていうかヴェルフリート様もどさくさに紛れて言わないでー!!!!」
帝「り……えル……ダン……テ……!」
場違いにも漫才を繰り広げる3人に割って入るように、恨みがましく帝が呟くと、3人は揃って帝を見る
リエル「ぅわぁー……帝君だいぶ酷いねー……大丈夫?」
ダンテ「……堕ちるところまで堕ちたな、千刃剣士。そんな醜悪な姿、見るに堪えんな……」
帝「……ねぇ、きミタチも……コわれるノカな……こわレてくれるのかナぁ……」
リエル「……そう。こりゃぁ大丈ばないね」
ダンテ「……見ていられん……ヴェルフリート様、早急にここを去りましょう。まだ儀式が途中段階です。それにもう休憩時間の上限を大幅に過ぎております」
ヴェル「む、それほどに時は経っていたと言うのか。よい、帰るぞ」
帝「ニゲルナァァァァァァァァァァァ!!!!ヴェルフリードォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!」
帝は発狂したように怒鳴り散らすと、ヴェルフリートに全速力で向かった
「ふははははは!さぁ圧制者よ!我が愛の抱擁を受け止めるがいい!」
帝「あっ……ガぁ……!!!!」
突如帝に何かが帝に落ち、帝はそれに下敷きにされる
「■■■■■■■■■ーー!!!!!!!!」
そして間髪入れずに何者かが斧剣を帝がいるクレーターに振り下ろし、大きな爆発音を鳴らした
「ふむ……リエル、この我にあの狂犬共の手綱を握らせるとは……余程命が惜しくないようだな?そのつもりであるのなら、快く貴様の腹に穴を開けてやってもよいぞ?」
リエル「ちょっ!?ギル様それはマジやめて!お願いします!このとーりっ!!」
ギル様と呼ばれたすべてが金尽くめの男は、言葉を一切濁さずに言うと、リエルは慌てて土下座をした
ギル「……貴様のその姿は幾度となく見ていた弊害か……その土下座とやらも安く見えてくるな。……面を上げることを許す。我が今興を向けておるのはあの狂犬と化した雑種だ。貴様はとっとと雑種共を滅ぼす計画とやらを進めるために帰るがいい」
リエル「ギル様ありがとー!さぁ行きましょうヴェルフリート様!あんまりモタモタしてるとまた帝君が襲って来ますよ!ほら、ダンテも急いで!」
ダンテは苛つきながらも、空間を斬り、自分達の住処へと帰って行った
ギル「……さて、雑種よ、精々この我を愉しませるがいい!フハハハハハ!!」
その頃一方数分前に遡るーー
一誠side
ドライグ【!!??相棒!どこかでお前の兄が覇龍と化しているぞ!!】
一誠「んぇ?兄貴が覇龍に?」
ドライグ【そんな呑気にしておる場合か!今こうしている間にもお前の兄は命を刻一刻と削られているのだぞ!!!!】
一誠「はぁっ!?ち、ちょっと待てどういうことだよドライグ!」
何言ってんだドライグのヤロウ!兄貴があんなもんに手を出すはずないだろ!精々リア姉が殺されたり、俺らのうちの誰かが殺されない限り……待てよ?今日確か兄貴とリア姉は出かけて……
そう思うと俺の行動は早かった。まず、みゆ姉に知らせ、次に朱乃さんにも知らせ、アザゼル先生に召集をかけてもらった
木場「何があったんだい!?イッセー君!」
1番最後にやって来た木場が慌て気味に俺に聞いた
一誠「みんな聞いてくれ!兄貴が今覇龍を使ってる!このままじゃ兄貴の命が危ない!」
俺の言葉に反応し、覇龍の危険性を知っている人は、顔を顰め、深刻そうな顔付きになり、覇龍というワードに、頭の上に?を浮かべている人もいた
アザゼル「オイオイマジかよっ!?クッソ!場所はどこだ!イッセー!」
イッセー「多分パルマコスタってとこだと思う!兄貴とリア姉がそこに行くって言ってた!」
マルタ「パルマコスタね!なら私がみんなを連れて行くわ!」
アザゼル「よしわかった!全員、5分後にはここを出る!それまで各自装備品の整備、点検、確認を済ませておけ!では解散!」
クソ兄貴……!死んでたら許さねぇからな!!
一誠side out
帝side
あれ……体が動かない……それに……何で下に落ちてんだ……?
あの後……そうだ、確かリアスが死んで、それから抑えきれないぐらいに怒りが湧いてきてそれから……
帝「ちょっとイブくぅぅぅぅぅぅん!!!!!?????」
俺が叫んだのは、イスラム教における悪魔王、イブリースの愛称?だった
そう、実は俺、転生者でありながらイブリースの生まれ変わりだったりするのです!……今思い出したけど……
まぁ生まれ変わりというか魂がほいほいとやって来て俺の体に入り込んでしまったという緩〜い感じの理由なんだけど
話を戻すが、イブリースはユダヤ教で言うサタン、キリスト教で言うルシファーに相当する力を持つ悪魔なわけで、俺の素のスペックの高さの半分以上はイブリース……えぇい面倒くさい!もうイブくんでいいよね!……えぇ、イブくんのお陰だったりする
ん?もう色々とキャラ盛り過ぎだって……?……ええやんけ……
まぁそんなイブくんとの関係だが……はっきり言って最悪だね。現在進行形で
しかも恐ろしいことに隙あらば自我を乗っ取ってこようとしてくるからヤなんだよね……今回みたいに
帝「って説明してる場合かっ!?」
ゼフィ【もういいかなーミカドー。あーゆーおーけー?】
帝「I'm OK.で、どしたん?」
ゼフィ【発音良すぎてなんかムカつく……じゃなくって、ミカド、早くそのイブくんとやらをしばかないと君ずっと意識乗っ取られたままなんじゃない?】
帝「あぁいや、今覇龍使ってる状態だからな……こうなりゃまた魂ごと俺に屈服させる他ないんだよな……あ……そうだいいこと考えた。ゼフィ、ちょっと耳貸せ」
ゼフィ【何々?……うん……うん……うんうん……ミカド……それ、君の属性的に1番やっちゃいけないやつだから!?わかってるよね!?お願いだからわかってるって言って!】
帝「贅沢言ってんじゃねぇぞゼフィ……要は勝ちゃいいんだよ、勝ちゃ」
ゼフィ【それ1番言っちゃいけないやつ!!】
っというわけでイブくんを少しコロコロしてきたわけで……
え?戦闘シーンなんていらねぇよ。ゼフィがイブくんを羽交い締めして俺がイブくんにかなり強めの腹パン何十本かいったらイブくん白旗上げちゃったし
ゲスいぃ?はっはっは、何とでもいい給え
帝「あれ……全然治んないんっすけど……」
ラタ【あれじゃね?お前の精神になんか突っ掛かってるとか。例えばヴェルフリート怖がってたり、仲間失うのが怖かったり】
帝「うぅん……否定はできんな……あ、茶柱立ってる」
きっといいことがあるよね……うん……
ドライグ【待てぇぇぇぇいお前ら!そんな茶を飲んで話をするな!せめてもう少しシリアスなムードくらい作れぇ!!】
帝・ラタ「【うるせぇぞマダオ】」
ドライグ【アッ、ハイ……】
帝「まぁ確かにヴェルフリートに対する恐怖はまだあるし仲間も失いたくない気持ちはあるな……まぁそこは仲間を守り切る意志が足りなかったってことで、これからはもっと仲間を守って行きまっしょい」
すると、俺の体が光りだした
帝「えぇぇ……ちょっとぉ……解放される理由ショボいし緩すぎないか作者ぁ……ヌグァッ!?イイッ↑タイ↓眼ガァァ!!??」
黙れ小僧と頭の中に声が響いてきた。理不尽でおじゃる
帝「あぁー……んじゃとっつぁんまったなぁー!」
『最後ぐらい真面目にやれ!!!!』
帝「グホゥァッ!お前ら……自分の事棚に上g」
言い切る前に視界がシャットダウンした
帝「痛たたた……嘘、何で精神世界で受けたダメージがこっちにも反映されてんの!?」
鼻を押さえて周りを見回すと、衝撃の光景が広がっていた
帝「なんか、
思わず目を引き攣らせた俺は多分普通なんだと思う
To be continued.
途中の帝君の覇龍、あれは一体ドコノカネキ君ナンダー(すっとぼけ