ハイスクールD×D 光と闇のラタトスク   作:カルパン

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魔剣士

帝side

 

時刻は大体夜明け前……かな。パルマコスタ近郊にある王朝跡という遺跡の最奥部に来ていた。

 

そして奥のちょっとした広場にいる、薄めの甲冑を身に纏い、地面に剣を刺し、その剣に手を置いて待つ男がいた。

 

帝「あんたがあの矢文の差出人のダンテ……で間違い無いんだな?」

 

ダンテ「あぁ、その認識で間違い無い」

 

ダンテに確認を取ると、俺は思っていて、言いたかったことを口にする。

 

帝「なんで矢文なわけ!?普通に街ですれ違った時俺に聞こえる程度の声でここに来いって言えばよかったんじゃないのかな!?危なかったからな!?気付くのが遅かったらジャンヌ死んでたからな!?多分だけど!」

 

ダンテ「……あっ……」

 

帝「あっ……じゃねぇよ!!もしかして思いつかなかったわけ!?」

 

俺がそう言うと、ダンテは微弱ながら俺の顔の正面から自分の顔を逸らした。

 

帝「今、絶対に目逸らしたろ!?マジかよおまぇ……」

 

ちょっとこの人どっか抜けてなぁい!?その威厳のありそうな態度も今のであんまり示しがつかないんだけど!?

 

と言いたいが、ここは我慢して呑み込む。何時まで経っても要件を済ませることができない。

 

帝「はぁ……もういいよ。それで、何の用だ?」

 

ダンテ「エミル・キャスタニエ、この世界を二度に渡って救った千刃の英雄よ、この魔剣士ダンテと手合わせ願う」

 

まぁたそういう系のやつかよ……俺の周りって意外と戦闘狂が多いんだけど……

 

帝「別にいいが、もし自分を騎士とでも言うのなら騎士道なんてのは捨てろよ?でないと俺とまともに勝負できないからな」

 

ダンテ「ふん、愚問だ……そんなくだらんもの、当の昔に棄て去った」

 

帝「だといいんだがな」

 

そして2人の間で睨み合いが始まる。

 

何処からか垂れた水滴が水面にポチャンと落ちると、互いに互いの元へと駆けた。

 

帝「はっ!流石に魔剣士を自称するだけの腕はあるなっ!」

 

ダンテ「貴様こそなんだ!千刃剣士ではなく千刃剣聖とでも名乗ればいいだろうに!」

 

一瞬のうちに5度ほど剣を打ち合い、互いにギリギリと鍔迫り合いで刃を鳴らす。

 

そして遅れて5度の剣戟音が周囲に響く。

 

帝「生憎、俺の心持ちの問題なんで早々変えはしねぇよ!」

 

そう叫ぶと、ダンテの上下に神淵剣を発生させるが、ダンテはそれを後ろに飛んで避けた。

 

そしてふと、雷切に目を向けると、刃がボロボロになっていた。

 

……?おかしい、毎日整備はしているし研いでもいる……昨日だってしたし……まるで時間を奪われ……まさかあの剣……!?

 

帝「クソッ!どうしてこうも俺の相手は面倒臭いヤツばっかなんだよ!」

 

雷切を鞘に収め、無の聖剣を腕から出す。

 

ダンテ「これほど早くに俺の剣の危険性を見極められるとはな。であれば、もう大方検討も着いているだろう?」

 

帝「未だ憶測の域ではあるが、雷切にはまるで使い込まれたようなボロさが出ていた。これを仮に時間を奪われたとして考えるとお前の剣が時間を奪ったことになる。俺の知る限り物体の時間を奪う剣なんてもんは聞いたことも目にしたこともない。そして創造の四神伝説に登場する神のうちの、時間と次元を司る神、そしてその神が持っていたとされる剣、時間を奪うとは即ち時間に直接的に関係する。以上のことを踏まえて考えればその剣の正体は大体わかる」

 

ダンテ「ご名答。やはりリエルの言った通り、恐ろしい程の推理眼だ。なるほど、ヴェルフリート様がお前に一目置くのも頷ける」

 

……当たって欲しくはなかったがやっぱりこいつもあいつの奴隷か……。

 

ダンテ「しかしやはり、お前は戦士としては俺が知る限り1番の脅威だ。素の状態でその身体能力、剣聖……いや、剣神と謳われてもおかしくはない程に高い剣の技量、無駄なものを一切合切棄てた体つき、ヴェルフリート様でも恐れる推理力の高さ、そしてその剣の担い手でもある……正直、お前が本気を出そうものなら俺は一瞬で負けるとさえ思っている……」

 

帝「そりゃどうも。敵に褒められると色々と複雑なところだが……」

 

喜んでいいのかどうかわからず複雑な表情を浮かべて、左手で頭をポリポリと掻く。

 

ダンテ「だが、次からはこちらも本気だ。精々根を上げないでくれよ!」

 

帝「はっ!それがブーメランにならないといいな!ってぬぉっ!?」

 

そう言って剣を構えると、ダンテは剣で次元を歪め、上空から剣を力強く振り下ろしてきた。

 

咄嗟の判断で両手で剣を持って受け止めるも、手足が先程の衝撃で痺れてしまったせいか、上手く力が入らない。

 

帝「くっ……!チィッ!!」

 

剣を上手く傾けて受け流し、攻撃に移ろうとするも、ダンテの第二波の攻撃がそれを許さなかった。

 

帝「まだあんのかよっ!……クッソテメェやっぱチート使ってんだろ!」

 

ダンテ「1番お前に言われたくなかった言葉だな!?」

 

ダンテの左手に握られていたのは天と地を司る神の持つ剣、開星の聖剣(スペリオルム・ペネグラム)だった。

 

帝「まさか創造の四神の剣のうちの二振りを1人が持つ……流石に予想はしなかったな……!」

 

嫌な冷や汗が俺の頬を伝い、ポトリと地面に落ちる。

 

帝「……シッ!!」

 

気を引き締め、剣を飛ばすと共にダンテへと向かう。

 

ダンテ「どうした!こんなものでは倒れんぞ!まさか万策尽きたとは言うまいな!」

 

ダンテは自分に当たるかもしれない剣を数本弾き、ダンテがそう叫ぶ。

 

数本の剣がダンテを通り過ぎたのを確認すると、剣の軌道を変えた。

 

ダンテ「っぐぁっ!!??」

 

ダンテの背を剣が裂くのを音で確認し、短く飛んで、宙で縦に一回転し、その勢いを乗せて剣を振り下ろした。

 

帝「んんん??万策がどうかしたのかな!あ”っ!?」

 

ダンテは俺の攻撃を右手に持つ時元界の聖剣(クロノ・キャニス)で受け止め、左手で持った開星の聖剣で俺の足元を斬ると、地形が変わり、地面が急激な隆起を起こした。

 

帝「チッ!面倒臭ぇ能力だな!どうにか出ねぇとヤバイな……!」

 

地面はそのまま、俺を包むかのような丸になり、ちょっとした檻を作りだした。

 

帝「ッ!?嘘だろそりゃ冗談キツイな!!!!」

 

突如空いた穴から、剣閃が閃いた。

 

そのまま剣閃は数を増やし、段々と俺の体に傷を付けていった。

 

帝「っはぁ……はぁ……く……はははは……面白ぇ……!ここまで梃子摺ったのはヴェルフリートを除けばアンタが初めてかもな!」

 

檻から解放され、ボロボロの血だらけになりながらそう言い、ダンテも、背中からボタボタと血を垂れ流していた。

 

ダンテ「こちらのセリフだ……!しかしこのままでは埒が開かねぇ。次で最後……互いの最高の技を打つけ合うのはどうだ?」

 

俺はダンテの問いに剣を構えることで承諾の意を示す。

 

帝「行くぞ……!

 

ーー天を廻りし光を宿し、闇黒に煌めく滅びを宿す

 

ーー全てを呑み込むこの刃の名は……」

 

手に持つ無の聖剣に、天廻の光(ハルケ・ギニア)とテンペスト・ブレイザーのオーラが混ざり合い、蒼きオーラが発生する。

 

ダンテ「ーー我が全てを呪うがいい

 

ーー世界を憎むこの剣の名は……」

 

ダンテの持つ二振りの剣が、薄紫のオーラを宿す。

 

俺とダンテは互いに剣を上段に翳す。

 

帝「闇黒に煌めく神なる刃(グロウリアス・エーテル・ワイズ)ッッッッ!!!!」

 

ダンテ「救世を望まざる創造の剣(ディマイディアス・カリバー)ァァァァッッ!!!!」

 

そして次の瞬間、俺たちを爆煙が覆った。

 

To be continued.




や、や、や、やったー!!!!オジマンディアス様バンザーイ!!!!ファラオバンザーイ!!!!エジプトバンザーイ!!!!

どうも、カルパンです。つい先日、やっと星5が当たりましたよ〜。しかも新宿のアヴェンジャー先輩まで来ていただきました。これでしばらくは安泰……?です!

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