帝side
帝「俺の髪が白いのは……きっと、その1年の間にストレスでなったんだろうな。っとまぁ、こんなもんか。」
お話の続きは是非テイルズオブシンフォニア ラタトスクの騎士で!
それはそれとして、俺の過去の話はこれで終わり。周りをよく見れば、涙を流す者、苦虫を潰したような表情の者とだった。
いや、わかってはいたさ。こんなどんよりとした重い空気になることぐらい。それよりも問題は、この話を聞いて皆が俺をそれでも受け入れてくれるかどうかだ。
アーシア「そんな……酷い……酷すぎます……!」
一誠「あんまりだろ……なんで兄貴ばかり苦しまなくちゃいけねぇんだよ……!」
エミヤ「何度聞いても、あまりいいものには聞こえないな……」
邪ンヌ「あんたは……復讐しようとか思わなかったわけ?」
帝「……復讐……か。確かにしようと思ったさ。この記憶を思い出した時にな。でも、前に言っただろ?今度は、復讐ではなく過去との決着をつけるためにあいつを殺す。これ以上、俺と同じような人を生まないために」
ーーそれに、あいつを殺せるのは俺達しかいないからなぁ?ラタトスク……いや、元精霊神ギアレポスさんよ?
ラタ【やはりバレていたか。だが、今その名前で俺を呼ぶな。イライラする】
おっと、こりゃ失礼したね。
そんな中、ふと、俺の後頭部が柔らかい何かに包まれた。
ジャンヌ「もう……苦しまないでください……これからは……私達が守ります……だから……!」
どうやら、俺はジャンヌに後ろから抱かれていたようだ。
帝「……やめてくれ、ジャンヌ。今ここで君たちの優しさを受けるには……少し俺の罪が重すぎる。だから待っていてくれないか?俺がしっかりと過去との決着をつけた時、またこうやって……その……俺に優しく接して欲しいんだ。だから……な?」
ジャンヌの抱擁を振りほどき、ジャンヌにも向けて全員に言う。
でもそれは叶わないかもしれない。今度の戦いで……恐らく俺はまた死ぬだろうから……
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一誠「さぁ開幕しました!」
木場「皇 帝の!」
一誠・木場「「チキチキ!第一次正妻戦争ー!」」
一誠「ポロリはないよ!」
エミヤ「正妻戦争!?聖杯じゃなくて!?」
…………何やってんの…………?
俺の過去を皆に明かした翌日、何故か変なクイズ大会が開かれていた。
一誠「司会は私、赤龍帝皇 一誠と!」
木場「実況解説は私、聖魔剣創造の木場 祐斗でお送りしまーす!」
呆れながら見ていると、参加者が目に入った。1番左から、リアス、美優、マルタ、朱乃さん、白音、ゼノヴィア、ジャンヌ、邪ンヌ、沖田、と、ほぼ女性陣が参加していた。
いないのは……アーシアだけか。まぁアーシアはイッセーの嫁ですしおすし。
さて、少し部屋にこもらせて貰おうかね。
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帝「……やっぱり深淵剣は相手の神性が高ければ高いほど攻撃を通しやすくなるのか……」
俺が部屋で行っていたのは、神淵剣の性能実験だ。
何故か、神淵剣の元の深淵剣の能力を発揮し切れていないと思い、自分の体で実験することにしたが、どうやら予想は当たっていたらしく、俺の右腕と左腕にある傷の量は同じだが、深さが違う。
正直アニキ相手でも良かったが……なんだろう……アニキに使ってはいけない気が凄くする……
帝「っ……傷に染みるなぁ……」
水で消毒し、傷軟骨を傷口に塗るが、大分傷に染みる。例えるならば、蚊に刺されたところを掻きむしったあとにムヒを塗るようなあのヒリヒリとした痛さだ。
実験もそこそこに、部屋の片付けをして夕食の準備でもしようかと思ったその時、ドアがコンコンと、誰かによって叩かれた。
帝「?どうぞー」
ジャンヌ「し、失礼します」
ジャンヌ?こんな時間に入ってくるとは珍しい。
帝「どうしたジャンヌ?変なクイズ大会みたいなのが終わったのか?」
ジャンヌ「え、えぇ……まぁ……」
煮え切らない答えだが……ハッ!?もしかして!?
帝「腹減ったのか?それなら今準備するから少し待っててくれないか?」
ジャンヌ「エミルくんの中での私の人物像はどうなっているんですか!?ってそうではなくて……その、さっきのクイズ大会、優勝したんです……」
帝「お、おぉぅ、そうか。えーっと……おめでとう?」
ジャンヌ「それで……優勝景品が……エミルくんになんでもお願いを聞いて貰えるというものでして……」
おい待て!?俺の意思は無視か!?Why!?人権とは何処へ!?
ジャンヌ「それで……その……」
……頼むから
ジャンヌ「できれば、明日から勉強を教えて欲しいなー……なんて……」
帝「うんOK」
こんなまともなお願いなんて今まであっただろうか?いや無い!
ジャンヌ「あ、ありがとうございます!」
即答で俺が答えると、ジャンヌは花のような笑顔を浮かべた。
うん、やっぱり女の子が笑ってる顔っていいよね!
帝「まぁお安い御用だよ。ただし、やるからにはビシバシとやるからな?」
ジャンヌ「はい!明日からよろしくお願いしますね、先生!」
巫山戯るように笑うと、ジャンヌも同じく便乗してノってくれた。
んー……そうなると筆記用具が必要だな……自分が使いやすいと思う鉛筆やシャーペン、ボールペンにノート……そうだな……
帝「よし、ジャンヌ、明日一緒に出かけるぞ」
ジャンヌ「え?そ、その……2人っきりでですか?」
帝「まぁ別に2人っきりでも構わないけど……もしかして俺とだと嫌か……?」
ジャンヌ「い、いいえ!そんなことは決してありません!主に誓って!……エミルくんと2人っきり……えへへっ♪」
ぬー……何か言ってるのは聞こえるけどなんて言ってるのかは聞こえねぇ……
バリィィィンッ!!
帝「危ないっ!!!」
ジャンヌ「えーーきゃぁっ!?」
その時だった。何かが窓を突き破り、部屋の壁へと突き刺さった。
すんでのところで察知したので、すぐさまジャンヌを押し倒す形となってしまったが、場所がジャンヌの頭とほぼ同じ位置だったので、大事には至らなかった。
帝「……ねぇなんで矢文?」
窓を突き破った物の正体は矢文だった。そう、YABUMIです。
俺は立ち上がり、矢に手をかける。
帝「あ、あれ?ぐ、ぬぬぬぬぬぬ……!」
思っていたよりも深く突き刺さっていたため、ちょっとやそっとの力ではびくともしなかった。
帝「もういいいかこれで」
普通の部屋に矢が刺さっているというなんともシュールな絵になるが、この際仕方ない。
カバン掛けとかに丁度いいんじゃないか?これ。
帝「うんと、何々?…………ふむ…………」
ビリビリと紙を破き、顔を未だに赤くさせるジャンヌのところへと行き、そっと手を差し伸べた。
帝「大丈夫か?ジャンヌ」
ジャンヌ「大丈夫……と言いたいところですが、少し腰を抜かしちゃいました。エミルくんは先に行っててください」
帝「んな訳にもいかねぇしな……ちょっと失礼するぜ……よっと」
ジャンヌ「え……な、何を……?きゃぁっ///!?」
ジャンヌの膝の裏と腰に手を回し、ゆっくりとジャンヌを持ち上げた。
帝「ん?どした?まさかどっか痛かったりしない!?大丈夫!?」
ジャンヌ「い、いえ……ただ、その……こういう感じで抱えられたことは今までになかったので……///」
帝「お、おぅ、そうか。……なぁジャンヌ、明日、2時くらいに出かけねぇか?」
ジャンヌ「はい、構いませんよ。何か準備とかですか?」
帝「うん、まぁそんなとこだよ」
リビングに着いたので、ジャンヌを席に座らせ、料理の準備を始めた。
あれ、ちょっと待って?俺がジャンヌにしたのって……あぁうん、今度リアスにも機会があったらしてあげよう。
明日の午前についても考えながら、黙々と今晩のメニューである麻婆茄子を作る俺であった。
To be continued.