サーヴァントside
エミヤ「しかししぶといな。数が多すぎるというのも考えものだな。」
そう言いながら手に携えた夫婦剣で龍を斬るエミヤ。
沖田「マスターぐらいの強さになれたらいいんですけどね。まぁマスターじゃないので無理でしょうけど。」
クー「その意見には賛成だ。ってか何だよ!?素でサーヴァントと互角とか笑えねぇわ!?マスターの癖にやたら戦闘能力が高いわ、サーヴァントより強いわ……。」
ブツブツとクー・フーリンは愚痴を零しながら龍の心臓部に当たる場所を得物で突く。
邪ンヌ「あーもう!面倒臭いわね!何で私達まで巻き込まれなきゃいけないのよ!絶対あのバカのせいよ!決めました、帰ったら絶対にあのバカに絶対に美味しい物を作ってもらいます!」
ドォォォォォォォォンッ!!!!
何かがサーヴァント達の元に飛んで来た。
エミヤ「何事だ!?」
パラパラと土埃が空を舞う。そしてその土埃の中心にいたのは、
帝「痛ぇぇぇぇ!マジで容赦ないよな彼奴!あんにゃろ、去り際に変な爆弾持たせやがって!覚えとけよ!次会う時は丸刈りにしてやっかんな!」
右腕から血をダラダラと垂れ流しながらこの場にいないリエルに向けて怒りを飛ばしていた帝だった。
サーヴァントside out
帝side
剣と剣が何度も交錯し激しい剣戟を織り成していた。
リエル「さて、ここからがクライマックスだんぬ?ちょっと待ってね。どったのアラン?」
いきなりリエルは耳元で魔方陣を展開させてアランという名の誰かと会話をしていた。
リエル「えぇぇ!?何で!?今丁度良かったのにぃ!!……な!?わ、わかった!すぐ行く!」
何を聞いたのか、リエルはいきなり目の色を変えた。
リエル「ごめん帝君!ちょっと用事できちった!また遊んでね!あ、これお土産!」
リエルはそう言うと、何かを俺に渡してそそくさと帰って行った。
帝「……どうすんのよこれ……。」
一気に興ざめしてしまったので、渡された何かを確認するために右腕を開くと……
[リエル君特性爆破式玩具ナイフ!]
という文字が書かれた紙と玩具のナイフがあった。
よく観察しようとナイフの全体をまじまじと見ていると……
ピッピッピッピッピッピッ
帝「ゑ…………。」
裏面にはタイマーがついた液晶があった。
[注意!このナイフの爆発は腕一本持っていく可能性があるので使用の際は十分に注意すること!]
帝「……………………わかりやすいとこに書けやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
急いでナイフを投げようとしたが時既に遅し、ナイフが右腕から離れた瞬間に爆発した。俺は爆風に飛ばされて後ろへと飛んで行くこととなった。
帝「痛ぇぇぇぇぇぇ!マジで容赦ないよな彼奴!あんにゃろ、去り際に変な爆弾持たせやがって!覚えとけよ!次会う時は丸刈りにしてやっかんな!」
ジャンヌ「エ、エミルくん!?大丈夫ですか!?」
帝「大丈夫だよ。なんか右腕痛いけどなんとか。」
ジャンヌにそう答え、ポーチからスペシャルグミを取り出した。
帝「ぁぁぁ〜、生き返るぅ〜。」モキュモキュ
スペシャルグミを食べたことにより、先ほど失っていた体力や魔力が戻ってきた。
「ボァァァァッ!」
帝「おぅっと!?危ないなっ!」
って待て!?なんか人型もいるんだけど!?龍に跨ってるんだけど!?あれか竜騎士か!?龍関係ならなんでもいいのか!?
帝「……ツッコミ所は色々あるけど、取り敢えずはここ切り抜けないとな。よし、休憩は終わりだ。」
そう言って俺は雷切を抜刀した。
エミヤ「マスター、安静にしていてくれ。君が倒れてしまえば、私達は動けなくなるんだぞ。」
帝「ごめん、どうにも俺、守られるのは性に合わねぇんだよな。」
クー「……それが坊主の答えなら、俺らはただ従うだけだ。だが、これだけは約束してくれ。死ぬな。」
帝「分かって……あぁ、約束するよ。」
「ガァァァァァァッッ!!」
竜騎士は俺に槍を突き出す。しかし、俺は槍を受け流し、受け流した動作のまま竜騎士を斬った。
帝「絶刀の型、叢雲の構え……さぁ、俺に一撃でも入れれるかな?」
その言葉を発した瞬間、龍達が押し寄せてきた。
絶刀の型、叢雲の構えは、敵の攻撃を受け流しながら攻撃する、常時カウンター状態となる。動きを最小限に抑えるためにエネルギーの消費効率は非常にいい。しかし、極度の集中状態になるため、精神的にかなり疲れる構えだ。
そして、龍達の波が、俺を覆った。
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帝「疲れた!主に精神的に!」
龍達が灰となって消えてゆく中、俺は地面にへたり込んでいた。
エミヤ「お疲れ様だ、マスター。それはそれとして、あの竜巻、如何に治めようか。」
帝「……………………皆、これで俺ぶっ倒れたら運んで貰うぜ。」
皆が思案している中、俺はそう言って〈無の聖剣〉を取り出し、竜巻へと駆けた。
竜巻を構成するのは主に風。つまり風の概念を消せばいいんだよ!
帝「唸れ……
俺が竜巻を斬ると、次元の歪みが発生し、竜巻の風は瞬く間に次元の歪みに吸い込まれた。
帝「……なんか呆気なかったな。」
〈無の聖剣〉を戻し、少し落胆を覚えながら踵を返した。
帝「あれ、そう言えば魔龍は?」
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ジャンヌ「わぁ……すごく白くてドロドロしてますね。」
帝「うん……あ、手に付いた。ベタベタする……。そこそこ匂いキツイ……。」
ジャンヌ「エミルくん、私もう待ちきれないです!」
帝「はいはい。どうぞ。」
そう言って俺は白いドロドロの付いた棒をジャンヌに差し出す。
ジャンヌ「い、いただきます……はむっ!」
ジャンヌは、白いドロドロを口に含むと、味わうように咀嚼して飲み込んだ。
ジャンヌ「凄く温かいです。でも、濃くって喉に絡みつきます。」
帝「そう?はい、水。」
ジャンヌ「んっんっんっ……ぷぁ……!」
俺が水を渡すと、ジャンヌは喉を鳴らして水を飲んだ。
ジャンヌ「美味しいですね、マシュマロ。」
帝「うん、美味いな。チョコフォンデュがあればもっといいんだが。」
ん?何々?表現が紛らわしい?いや……事実じゃん。
あの竜巻騒動の後、メルトキオに戻り、まだ時間も余っていたので、各自自由行動とした。俺は家で久しぶりの休息を満喫していたのだが、ふと、マシュマロが食べたくなったので、リビングに行くと、ジャンヌもいたので一緒に食べることにした。
帝「さって、マシュマロ食ったらまた料理の勉強でもするか?」
ジャンヌ「はい、今日もよろしくお願いします。」
実は、ニブルヘイムでの修行中、ジャンヌが料理の勉強をしたいと言い始めた。まぁ生前女の子らしいこととかあんまりできなかったからだろうと思って教えているわけだが、なかなかに吞み込みが早く、こちらも教え甲斐があるというものだ。
帝「……熱ァッ!?」
どうやら舌を火傷したみたいだ……。痛い……。
To be continued.