ハイスクールD×D 光と闇のラタトスク   作:カルパン

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砂塵戦争 覚醒

帝side

 

帝「ハハハハハハハハハ!!!!!!!来いよ、もっと来いよ!!!!龍殺しが効かない如きで怖気付くとでも思ってんのかぁ!!!!!!!!」

 

狂気に塗れたように笑い、暴風、荒れ狂う弾丸、どちらとも形容できる勢いにのせて、俺は龍の群れで剣を振るった。切る、切る、切る、切る、斬る、斬る、斬る、斬る……ただその単純な行動を、湧き上がる殺意を以て繰り返した。近寄れば斬り、片方の剣でも斬る。両手が使えなければ蹴り飛ばし、龍達を蹂躙していった。

 

ドォォォォォォォォンッッッ!!!!!!

 

帝「ハッ!んなもん俺に効くわけねぇだろ?もっと骨のあるもん撃ってこいよ!」

 

龍による火球攻撃が行われたが、そんなものは効くはずもなく、俺は攻撃を再開した。

ガキィィィィィィンッッッッッッ!!!!!!

 

俺の言葉に次いで鳴り響く金属と金属がぶつかり合う音。バチバチと火花が散り、鍔迫り合いに近い状態になる。

 

リエル「いやーごめんね?家のクソ蛇君たちが弱くって。」

 

ちっとも悪く思っていない顔で、俺にナイフを突き立ててそう言う白髪紫眼の少年、リエル。

 

帝「あぁ、あんまりにも弱すぎて腹の足しにもならねぇな。そう言うリエルは、俺を満足させてくれるのか?」

 

リエル「さぁ?どうだろね?」

 

そして俺とリエルは互いに後方へ下がる。

 

リエル「や、帝君。お久だね、元気にしてた?」

 

帝「この姿見ればわかるだろう?生憎と体はピンピンしてる。それよりリエル、これはどういうことだ。俺はニーズヘッグを倒したはずだ。なのに何故ここにいる?それに俺が知ってる頃よりマナの量が非常に多い。お前らの下らねぇ遊びか?」

 

リエル「おぉ、帝君は既に本物(オリジナル)を倒していたんだね?おめでとう。それと、君の質問についてだが……うん、下らないわけではないけどまぁあれだよ、ヴェルフリート様が僕らに提案してくれた遊びだよ。」

 

帝「ほう、人の命を散らすことが遊びと?」

 

軽く俺は無表情のまま青筋を浮かべた。

 

リエル「やだちょっと、勘違いしないで下さいます?ヴェルフリート様からはただ人間を恐怖に陥れて来いって言われただけだよ!それのどこが悪いんだい!」

 

帝「悪いところしかないからな!?んんっ、そろそろちゃんと俺の質問に答えて貰おうか?」

 

リエル「あら〜、やっぱ逃げられないか……。うん、あれはね……量産型の龍と量産型の魔龍だよ。」

 

帝「何?量産型の魔龍だと!?」

 

リエル「うん、そだよ〜。ヴェルフリート様が粗方、型を眠りながらも作ってくださるんだよ。しかもご丁寧に僕達の言うことには絶対服従するようにしてくれているからね。ホント、ヴェルフリート様には頭が上がらないよ。」

 

まったく、傍迷惑な遊びだな。こっちの苦労とかも考えろってんだ。

 

帝「だが、そんなことをして何になる?まさか人の負の感情によって復活への時期が早まるとかか?」

 

リエル「…………君のことが気持ち悪く見えてきた僕はおかしくないよね?何というか……君の推理力は化け物じみてるよ、本当に。」

 

帝「いやまぁ、そこは俺だからってことで納得しーー」

 

リエル「ないからね!?」

 

帝「むぅ、ノリ悪いな。まぁ兎も角目的がわかった以上……見す見すお前を見過ごすわけには行かないな。」

 

その一言で、俺は顔を引き締めた。

 

リエル「……帝君、家に来ないかい?今ならヴェルフリート様も君のやったことには目を瞑ってくれるよ。だから……どうだい?」

 

帝「わかりきってるだろう?俺の答えなんて、聞くまでもないんじゃないか?」

 

リエル「そりゃそうかい。わかった。何となくは予想していたよ。でもこれで……全うな遊び(殺し合い)ができるよ。」

 

暫くの沈黙の後、俺とリエルは一気に詰め寄り、互いに刃を打ち交わした。

 

帝「くっそ、やっぱナイフとじゃ分が悪いなっ!」

 

リエル「そう言う割には結構防いでるじゃないかっ!」

 

互いに激しく刃を打ち付けて何度目かの時、リエルの刃を防いだ時、言いようのない悪寒に襲われた。

 

帝「っぐっ!?」

 

急いでバックステップをしてリエルの元を離れた。

 

リエル「あ〜、やっぱわかってたか。」

 

リエルの左手には、白と黒が混ざった剣があった。

 

帝「全く、笑えないことばっかだな。よりによって、〈魂の聖剣(ソウルキャリバー)〉があるとか……。」

 

リエル「ははは、そこまでわかってのか。」

 

魂の概念に干渉することのできる創造の四神伝説に登場する剣。確か持っていた神は生と死を司る神……だったか。あいつに触れられれば、死の運命からは逃れられない。何故ならあの剣は、生と死、どちらかの概念を剣に纏わせて敵を斬ることができるから。擦り傷をつけられた程度でも死の運命からは逃れられない。一撃、浅いのを貰ってもゲームオーバー。残機などはない。正直、性質の悪いゲームでもこんな鬼畜じゃない。

 

リエル「さて、今度は僕からだ!」

 

そして始まったリエルの猛攻。一撃一撃、特に〈魂の聖剣〉の攻撃には特に全神経を集中して躱す。武器で防ぐなどはできない。〈魂の聖剣〉は、万物の生と死を選ぶことができる。それは生物以外のものも例外ではない。つまり、今ここで武器での防御に徹しても良いが、武器を壊すことは覚悟しなければならない、ということだ。

 

リエル「ほらほらどうしたんだい!!君だって持ってるんだろ!?だったらそれを使いなよ!この剣に対抗できるのは同じく創造の四神の剣以外ないんだからね!」

 

帝「簡単に言ってくれるな!俺が使いこなせていないのは知ってるだろ!」

 

リエル「そうか……だったら潔く死ぬといい!」

 

リエルはそう叫び、俺に〈魂の聖剣〉を振り下ろしてきた。

 

ここでまた死ぬってのか?……っざけんな……巫山戯んじゃねぇよ……!!!!ここで死んだら、また何もできなくなるだろ!過去とのケジメをつけるまで、死ねない……死ねるわけねぇんだよ!!!!!!!!

 

その時、俺の左手がほんの少しの光を宿した。俺はその光に可能性をかけ、剣の名を叫んだ。

 

帝「〈終の聖剣 理想郷〉!!!!」

 

振り抜いた剣は、リエルの剣を受け流し、リエルの剣はそのまま地へと振り下ろされ、爆発音にも似た音を立て、大きく砂煙を起こした。

 

帝「たく、生意気な剣だ。今だけは力を貸してやるとか……面白ぇ、調教し甲斐があるじゃねぇかよ。」

 

俺は悪態を付きながら砂煙を剣を振って吹き飛ばした。

 

リエル「なんだい、嘘をついてたのかい?しっかり使えてるじゃないか。」

 

帝「うっせ、御都合主義で発動したんだよ。」

 

そう言いながら、〈始りの聖剣 楽園〉を魔方陣から取り出す。

 

帝「あ?自分らを合体させろぉ?……あっちょおまっ!?体勝手にーー

ーー友を護り行く我が覚悟、今刮目して聞き給え!

ーー滅びを纏う煉獄の刃

ーー光を宿す嵐の刃

ーー相反せし双極の刃は始りと終の名の下に!

ーー目醒めよ!我が意思を以て!

ーー我が名は皇帝!

ーー汝の道は、今我が決意によって決定された!さぁ今ここに、我が覚悟と意思の元に、汝、始りと終を司る刃となれ!

ーー〈無の聖剣(エクスカリバー・ゼロ)〉!!!!」

 

剣に意識を一時的に奪われ、剣は本来の姿となった。刃は黄金に輝き、刀身は黒く染め上げられ、ちらほらと銀の装飾が施された剣。

 

帝「おまってめマジ巫山戯んなよ!このクソ駄剣ーーん?あ、そ、それは……ナマ言ってスンマセンっした!!!!」

 

俺と剣との遣り取りに、言葉を失ったのか、リエルは話しかけてこなかった。

 

リエル「君……怖いもの知らずだね……いつかその剣に寝首かかれるよ……!」

 

帝「知るか!意識ある以上、俺たちと同等に扱わなければこいつがなんか可哀そうだろ!」

 

リエル「ま、そんな異常性の高い君にはもう慣れるしかないね。さて、続きを始めようか!」

 

帝「あっだから待って!コンビネーションとかそんな無茶苦茶な状態でこっち来ないでぇぇぇぇぇぇ!!!!」

 

To be continued.


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