帝side
帝「さて、状況報告とでもいこうか。まず俺の方だがーー。」
メルトキオでの自宅、キャスタニエ邸のリビングで、ここ7ヶ月の状況報告となった。当然俺は、質疑応答も織りまぜながら、死んだ後のこと、ニブルヘイムでのことは包み隠さずゲロった。
帝「ーーというわけだ。まぁ確かに常識とかそういう範疇を超えた話で非情に信じ難い話だが、これもまともな一種の現実だと思ってくれ。さて、アザゼル、何か聞きたそうだが。」
アザゼル「……帝、お前は新しく、禁手を超えた禁手、禁手第二段階を会得したと言っていたな?それは木場やイッセー、ギャスパーにも出来そうか?」
帝「本人次第、としか言いようがないな。神器は宿主の想いに応えてより強力になる、という特性を最大限に発揮した結果が禁手第二段階だ。ま、幸いグレモリー眷属は
アザゼルにそう言うと、そうか。と言って何かを考え始めた。
リアス「こちらの状況も伝えるわ。まず、貴方が私たちの前から消えた直後のことだけどーー。」
そこからはリアス達の状況報告となった。どうやら、俺が死んだ後、俺が倒れていた場所に兵士の駒が落ちていたらしい。ちなみに今はリアスが厳重に保管しているとのこと。それと、その日を境にこちらの世界中で、異常気象と自然災害が相次いで発生しているらしい。最早これは厄災レベルとメルトキオの王は判断し、王から直々に、厄災対策として、〈対厄災本部
だからロイドとかはイヤホンマイクみたいな装置をつけてるのか?
リアス「ーーというわけなの。エミル、貴方はこの現象について何かわかるかしら?」
帝「…………もしかすればヴェルフリートの存在がその現象を引き起こしたのかもしれん。先程話したように、ヴェルフリートは現在力を再び蓄えるために眠りについている。それに恐らくマナが使われ、なんらかの形で自然のバランスが崩れ、このような事態が発生している……といったところか。それについては、俺はマシにさせるくらいの方法なら知っている。」
アザゼル「どんな方法なんだ?」
帝「地方地方には、ある神殿があってな。俺の配下のエイトセンチュリオンが眠っていた神殿だ。その神殿の最奥には祭壇がある。その祭壇は、その地方の龍脈やらなんやらに繋がっていてな。8つの地方を巡り歩く必要があるが、その地方の祭壇で、俺がその地方のセンチュリオンと共に、マナを流し込む。それで少しはその現象も
マシにはなるはずだ。」
一誠「龍脈やらなんやらって、スゲーハッキリしないんだけど……。」
帝「正直言ったところ、俺もどうやって何と何に繋がっているとかはわからない。この全てを見透かす〈ディスティニー・アイ〉をもってしても……。」
一誠「は!?兄貴そんな能力あったのかよ!?」
帝「いや、言ってみただけだけど?」
一誠「んなっ!?」
とはいえ、これは世界規模で危ない。ヴェルフリートが眠っているだけでもこれ、ということは目覚めれば更に状況が酷くなる。ならやはり神殿へ行くしかーー
ウーッウーッウーッ!
「ロイド・アーヴィング様、ロイド・アーヴィング様御一行はいらっしゃいますか!トリエットより緊急救援要請が発せられております!至急現地への移動をお願いします!繰り返しますーー」
俺の考え事を遮断するかのように外でサイレンが鳴った。
ロイド「エミル!話は後だ!トリエットに行くぞ!」
急かされて俺はトリエットへの魔方陣を開いた。
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やはり異常気象のせいか、トリエットは前回訪れた時よりも非常に暑い。そして、肝心のトリエットだが、巨大な竜巻がこちらに迫っていた。
帝「マルタ!メルトキオへの転移魔方陣を町の入り口に設置!リアス達は住民の避難、そしてパニックに陥れないように!俺はどうにかしてあの竜巻を止める!ぶっつけ本番だが頼むぞ!解散!」
そう叫び、俺達は解散し、マルタは指示通りに町の入り口へ、リアス達は住民の避難、俺は町を出て、どうにか竜巻を止める方法を模索した。
テンペスト・ブレイザーは……ダメだ、上手く相殺させるには出力が足りない!神淵剣で壁を……これも無理だ!どうすれば……
帝「ハハハ……ハハハハハ……巫山戯んじゃねぇぞクソが!!!!!!」
俺が遠目で目にしたのは、無数の龍ーー魔龍クラスの龍だった。ティアマト、ファブニール、ワーム等の多数の龍だった。本来、ここにいてはならない魔龍だが、ヴェルフリートの復活により、ニブルヘイムとの境が曖昧になったのだろう。それよりも思っていたのは倒したはずのニーズヘッグがここに存在していたことだった。それに前回倒した時より、マナの量が非常に多い。
クー「で、どうすんだよ坊主?」
帝「幸い、竜巻の進行速度はほぼ一定。しかもそれなりに遅い。となれば、一番脅威となるのはあの龍共だが……倒すしかねぇんだろうな……。邪ンヌ、どうにかできねぇか?一応曲がりなりにも竜の魔女なんだろ?」
邪ンヌ「あんたの魔力を媒介に召喚ならできるけど?」
帝「やっぱ遠慮しとく。……考えても仕方ないな。行くぞお前ら。ま、精々竜巻に巻き込まれないように頑張んな。最悪囮にでもなってくれてもいいし。とにかくまぁ生きて帰れや。」
エミヤ「ふむ、心外だな。そこまで私達は頼りないかね?」
帝「何を言うかと思えば……少し命の心配をしてやったぐらいで何を言う?お前らはこんなところでくたばるほど軟弱でもないだろ?」
ジャンヌ「いざとなったら宝具を使って皆さんを守ります!」
帝「さて、マスター命令だ!魔龍共を一匹残さず駆逐しろ!」
俺はそう叫び、転移魔方陣が刻まれた剣を魔龍の群れに投げた。
To be continued.