一誠side
帝兄……兄貴が俺達の前から姿を消して、8ヶ月が経った。眼の前から兄貴がいなくなったということにショックを受け、グレモリー眷属の活動はほぼ不能状態。唯一動けるのは俺と木場の2人だけだ。
現在は、お世話になっている宿の食材を買いに来ている。
何処ほっつき歩いてんだよあのバカ兄が……!こっちの内情も知らないで……!
ドンッ
一誠「のあっ!?」
?「す、すまない!大丈夫か?」
考えごとをしていると、ローブを深く被った恐らく男と思う人にぶつかった。
?「ぁーすまない。全部拾うよ。」
そう言ってローブを着た男は林檎やパンが入った袋を拾っていく。
そして、ふと強い風が吹いた。
?「あっ、やっべ…………!」
一誠「あ、兄……貴……?」
帝「えーっと……久しぶり……だな、イッセー。」
ローブを被った男、俺の兄は、バツが悪そうな顔をして、頭を掻きながら俺の顔を見てそう言った。
一誠side out
帝side
リアス「うぅ……グズッ……エミルぅ……エミルが帰ってきたよぉ……!」
美優「ふぇ〜ん……もう何処かに行かないでよお兄ちゃ〜ん……!」
帝「ほ、ほらほら、2人とも泣かないでくれよ……。あとで何でも言うこと聞くから……。」
そう言った瞬間、俺の腕に抱きついていた2人の眼がキラン!と輝いた。
やべ、地雷踏んだ。
リアス「何でも……?」
帝「お、おう。何でもだ。」
美優「後で嘘とか言わない?」
帝「当たり前よぅ!お、漢に二言はないって言うし?そそそ、そもそもそんぐらいやらなきゃ俺も漢じゃないし?」
リアス「っていうことはエミルと○○○○なことや○○○○をやっても……。」
美優「○○○○なことや○○○○なことをお願いしても……。」
リアス・美優「「全部許容してくれるってことよね……?うふ、うふ、うふふ。でゅふふふふふふふ……!!!!」」
やべぇよ!女の子がしちゃいけない笑い方してるよ!うん、やっぱり何でもすると不用意に言わなければよかった。
エミヤ「ははは、マスターも罪作りな男だ。」
クー「うっわ、坊主に想い寄せてるやつ多いな……。こりゃ俺の生前の愛人の数より多いぜ……!」
帝「君らちょとうるせぇよ!?エミヤは笑ってないでどうにかしてくれよ!?あとアニキもアニキで何を比べてんだ!?」
ジャンヌ「あぁ主よ、私はこの方達に勝てるのでしょうか?どうかお答えください……!」
邪ンヌ「あんた……控え目に言って最低ね。是非煉獄の業火に焼かれることをお勧めするわ。」
沖田「むむむむむ……ライバルが多い……!」
帝「ジャンヌさん!?あんたは何を神様に聞いてんのかな!?邪ンヌさんはそな物騒なことはやめてよ!?お願いだから!!!!あと沖田も何を競ってるの!?」
ゼフィ【うわぁ……ミカドって結構女の子待らしてるね。】
ルアン【これはラノベ系統の主人公に値して……な、何!?それ以上だと!?」
シエル【ミカド……その……頑張って?】
ーー君らほんっとぶれないねぇ!?尊敬するよほんと!!
3人【【【いやぁ///。】】】
ーー褒めてないからな!?
もうやだ、僕ボケに回っていい?
一誠「…………………」
帝「どした?イッセー。」
一誠「いや、その人ら、誰?」
帝「あー……むっ、魔族の反応!逝ってくる!」
一誠「いやそれ字が違うから!?」
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そこそこの魔族が群れを成してこちら側に猛スピードで迫ってきていた。
帝「うん、結構なお手前で。」
一誠「お茶飲んだ後みてぇなこと言うなよ。」
帝「もーいーじゃーん。こんなんすぐ終わるってー。」
そう言って俺は魔族の気配のする群れに剣群を発生させた。
帝「ほらな「キシャァァッッ!!」うっさい、邪魔。」
俺は飛びかかってきた魔族を、槍ごと貫いて消した。
木場「ず、随分見ないうちに差をつけられたね……。今のだって槍の穂先に槍の穂先をぶつけて貫いていたし、技量が果てしなく上がっている気がするよ……。」
帝「まぁそこらへんは気にするな。なにせ俺だし。」
木場「それもそうだね!」
一説「木場が投げやりになった!?」
帝「イッセー、もう……諦めろ。ツッコミなんてただ疲れるだけだぜ……?」
一誠「なんで悟ったような顔してんの!?」
帝「……今度ドライグを介して俺の精神世界に来い。そこで全てがわかる。」
遠い目で俺はそう言う。だってあいつら……ツッコンでもツッコンでもキリがないもん。
帝「まーとりあえず、あれだ。俺の家来るか?」
全員『へぁ?』
まぁなんとも間の抜けた声が出ることで。
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帝「うん、ニラが挟まった。」
先程、食事処でニラの肉炒めを食べたが、上手い具合に歯にニラが挟まった。
リアス「本当?少し見せて?」
帝「うん、別にいいけど。んぁ……。」
リアス「ちゅっ。」
帝「なっ……!?」
なんと、少し口を開けた時にリアスがキスをしてきた。
帝「ったく、不意打ちはやめろよな。こっちだって心の準備があるんだからよ。」
リアス「ふふっ♪」
そんなことは気にしないと言わんばかりに腕に抱きつくリアス。諦めて、仕方ないといった表情で空いた手で頭を撫でると、気持ち良さそうに目を細めた。
ゼフィ【うわぁ、バカップルぶり炸裂だね。】
ーーはっはっは、黙りたまえホモショタ腐れニート君。
ゼフィ【どんどん俺の扱いが酷くなってるよね!?確信持って言えるよこれ!?】
いや、だって……ゼフィだし……。あ、ニラ取れた。
ルアン・シエル【【オロロロロロロロロ……さ、砂糖がオロロロロロロロロロ……!】】
ーーねぇ何!?俺が悪いの!?
シエル【いやだって……ねぇ……?】
ルアン【あんなラブコメよろしくイチャイチャバカップルぶりを見せつけられたら誰でも嫌でも砂糖を物理で吐くよ。】
え、マジ!?今物理で砂糖吐いてたの!?
もーなんか頭痛くなってきた。
まぁなんやかんやあり、俺達は俺の家に着いた。
帝「よーし、開けんぞー。」
鍵を挿し、ドアのロックを外す。そしてゆっくりと扉を開ける。
帝「ひぷちぃっ!?うっわ、なんだこれっぷちっ!?」
中は埃塗れだった。
帝「おいロイド、確か俺、お前に掃除任せてたよな?」
俺は旅の仲間だった、赤い服をきた、ツンツン髪の茶髪の青年、ロイドにドスを効かせた声で聞いた。
ロイド「い、いや違うんだエミル!これには海よりも山よりも深〜い理由がーー。」
帝「……ロイド……。」
ロイド「……はい……。」
帝「後で君には俺特製の激辛麻婆を作ってしんぜよう。」
その後、掃除を終えた家で、1人の青年の声にならない悲鳴が響いた。
To be continued.