帝side
暗い、ただ深い闇に俺は立っていた。空には赤黒い月、雲を貫く山の頂上、そして目の前に3つの墓石。
そうか、俺、死んだのか……。
その証拠に、翼も出していないのに体が宙に浮いていた。
?「やぁ、久しぶり……かな?」
声が聞こえた方向に振り返ると、緑髪赤目の少年ががいた。
帝「うん、久しぶり……だな。ゼフィ。」
その少年は、嘗ての俺の仲間、ゼフィリム・ヴェルデヴェルデュだった。
?「にしても恥ずかしいね!ここでわんわん声上げて泣いてたなんて!」
帝「あ……………………イヤァァァァァァァァァァァァァァ////////////!!!!!!!!!!!!」
俺をからかってきた赤茶色の髪、金眼の少年、ルアン・エスターニャ。
?「こらルアン!ミカドはあなたより歳上なのよ!そういうのはやめなさいってお姉ちゃん言ってるでしょ!」
俺をからかったルアンを叱る金髪碧眼の少女、シエル・エスターニャ。
帝「ハハハハハハハハハ!」
いつも見ていた光景に、もう見ることが叶わないと思っていた光景に思わず声を上げて笑っていた。
3人『……』
帝「な、なんだよ……ちょっ、やめろ!生暖かい目でこっち見んなよ!」
ゼフィ「いやだってさ……ミカド、泣いてるぞ?」
帝「へ?」
目を擦ると、確かに何かの液体に触れた感覚がした。
シエル「それよりミカド?私達、ずっとあなたのこと見ていたけど……」
ゼフィ「この後何が待っているか、賢いお前ならわかるよな?」
帝「あ、あの2人とも?眼が笑ってないんですけど!?ちょっおまっ、こ、こっち来んなあぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!」
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ルアン「いやー、でもミカドがここまで僕らのこと大切に思ってたなんてね〜。」
ゼフィ「まぁ、確かに。でも今思えば結構そんな兆しは確かにあったな。」
シエル「これって所謂……」
その一言で涙目で体育館座りをする俺をバッと見る3人。
帝「だからその目で見んなっつってんだろ!?」
3人『……」ニヤニヤ
帝「テメェら燃やされたいか!?」
3人『あ、ハイ、マジスンマセン。」
帝「なんでお前ら生きてた頃とそう変わんねぇんだよ……。まぁ安心できたからいいけど。」
ゼフィ「およ?ミカドが露骨にデレてる。こりゃ明日槍でも降るな。」
ルアン「ふむふむ、ミカドはツンデレ主人公系キャラからデレデレ主人公系キャラになったと。」
帝「おいゼフィお前いつまでそのネタ引き摺る!?あとルアンお前はお前で何メモってんの!?」
シエル「ま、まぁまぁ、少しは落ち着いたらどう?」
帝「だが断る。」
シエル「折角人が気を利かせてあげたのに何よそれ!?」
帝「はっはっはっはっはー!」
シエル「2人も何か言ってよぉ!」
ゼフィ「シエル、人に何かを押し付けるってのはよくないと思うんだ。うん。」
ルアン「姉ちゃん……僕は弟として悲しいよ……。」
シエル「あれぇ!?いつの間に私が悪いことになってるのよ!?そもそもあんな態度を取ったミカドが悪いでしょ!?」
帝「それを言うなら俺を殺したヴェルフリートが悪い。てかそもそもの話相手があの俺だぞ?」
3人『確かに!』
帝「いやお前らそれで納得すんなや!」
なぜだろう、これが日常茶飯事だったのにメッチャ疲れる。これを毎日やってたとなると……
帝「過去の俺マジリスペクト。」
3人『うわぁーないわー。」
うわぁい、この子達マジムカつくー。
ゼフィ「んんっ!さて、巫山戯るのはここまでにしようか。ミカド、今君は大変危険な状態だ。」
帝「ほん、どゆこと?」
ルアン「自分の体見た方が手っ取り早いよ。」
ルアンにそう言われて体をよく見ると……
帝「んん!?何かさっきより体のいろ薄くなってきてんだけど!?」
ゼフィ「そう。君は今まさに消えかけている。そこで、俺達が合体して1つになって再び実体を持って蘇るんだ。」
シエル「やだゼフィ、合体なんて……!」
帝「ひぃっ!?どうせ俺をメチャクチャにするんだろ!?○○同人みたいに!くっ!いっそのこと殺せ!」
ゼフィ「何でそうなるのかなぁ!?」
帝「ルアン気ィ付けろよ。もしかしたらゼフィの野郎男色が……!」
ルアン「わっ、ちょ!?ゼフィこっち来ないでよ!?姉ちゃん守ってー!」
ゼフィ「だからそうじゃないって!」
3人『必死に否定する辺り怪しい。」
ゼフィ「あぁもういいよ!続き言うぞ!」
チッ、ゼフィノリ悪いなぁ」
ゼフィ「舌打ちしたよこの人!?」
あ、ヤッベ、声に出てたー(棒)」
ゼフィ「もぅいいよ……ぼくお家帰る……。」
シエル「そもそも帰る家ないでしょ。」
帝「スマンスマン」
ゼフィ「絶対悪いと思ってないよこいつ……!」
笑って謝罪したが、予想通りの反応を示してくれた。
ゼフィのグヌヌ顔マジメシウマです。
ゼフィ「まぁえっと、俺達が今の君と一体化して、俺達の今持てる魔力を使って実体を持って生き返ってもらうってこと。いいね?じゃいくよ!」
帝「おいまていきなりとかごふぁっっ!!!!」
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俺、皇 帝ことエミル・キャスタニエは黄泉返(蘇)るとある土地に踏み入れていた。
帝「おいゼフィ、蘇らせてくれたことには感謝する。」
ゼフィ【どういたしまして!」
多分胸を張ってえへんとするゼフィ。
帝「だけどなぁ……
ニブルヘイムで蘇らせることはないんじゃないかなぁぁぁ!!!!」
ゼフィ【ま、まぁあれだ。修行ってことで納得してくれ?】
帝「はぁ……もういいや……………………」
気がつくと、周りには多数の魔族が。
ルアン【ミカド、こういうときどうすればいいか知ってる?】
帝「知ってる。」
帝・ルアン「【逃げるんだよぉぉぉぉ!!!!】」
あははははは!自慢じゃないが俺は足には自信があるんだよ!ちょっとやそっとじゃ……
「gaaaaaaaaaaa!」
帝「ひゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
もう何!?余裕で着いてきてんだけど!?あぁそうそう、龍神帝王の籠手は暫く調整になり、他の神器も何故か使えない。つまり自分の力で生きるしかないのだよ!ふははははははははは!!!!……………………ふっざけんなよぉぉぉ!!!
帝「お!あそこに退避だ!」
丁度よく会った崖をよじ登って、何とか逃げ切った。どうやら知能は低いようで、よじ登っては来なかった。
ゼフィ【アッハハハハハハハ!!!!ひゃぁぁぁぁぁぁぁぁだって!ひゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!アッハハハハハハハアハハハハ!ふぁはははははごへっ!げふっ!げふっ!】
ゼフィは俺の反応がツボに入ったのか、ヒィヒィ言って笑い、終いにはむせた。
帝「ゼフィ、テメェいつかその素晴らしい頭にタライ落としてやるからな。」
ゼフィ【やれるもんならやってみごふっ!!】
よし、マジでタライ落としたから暫くゼフィは起きないな。ん?復讐?やめだやめだ。あんなもん。やっても碌なことになんねぇ。それによくゼフィ達の性格考えたら復讐なんて望んでないし、実際に聞いたら……
3人『復讐?別にいいよそんなもん。」
と軽く退けられた。
帝「ってかここ仲間いないとヤバイ!」
ゼフィ【ミカド、俺達がーー】
帝「戦力になる仲間がいないとマジヤバイ!」
ゼフィ【Σ(゚д゚lll)ガーン】
帝「顔文字やめい。あとそれ口で言うなや。」
そんなことを言いながら、適当な魔方陣を書いた。とりあえず5つ書いた。
ってかどうしよう。ここ異常に花粉多い。1つ一回くしゃみしたんだけど……。
帝「まぁいいやとりあえず魔力を込めてっと。」
5つの魔方陣に魔力を送り、暫く待つ。
帝「へくちっ!だぁ、マジ花粉ヤベェ。花粉症か?」
若干魔力が乱れたが気にしない。
そして魔方陣は白く眩しい光を発した。
帝「んんんんんんー。成……功……?んふぁぁぁん!?」
光が止み、そこに居たのは
なんかよくわかんない人達だった。
To be continued.