ハイスクールD×D 光と闇のラタトスク   作:カルパン

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男の娘な後輩、できました!

帝side

 

現在、俺たちオカ研メンバーは、KEEP OUT!と書かれたテープを張り巡らせた部屋の前にいた。

 

帝「いかにも何か封印してますって感じだな。」

 

リアス「深夜は旧校舎限定で出歩いてもいいと言っているのだけど、中にいる子はそれを拒否してるのよ。」

 

一誠「それって簡単に言えば引きこもり……っすよね。」

 

木場「でも実はその子が1番の稼ぎ頭だったりするんだ。」

 

一誠「木場、それマジで言ってんのか?」

 

木場「マジのマジで大マジだよ。パソコンを使って契約をしているから、契約主も顔を隠して契約できるから結構安心できるらしいんだ。」

 

パリンッ

 

イッセーと祐斗が話をしているうちに、リアスはテープやチェーンに魔力を込め、封印を解いた。

 

リアス「さぁ、開けるわよ。」

 

ギギギギギギッ

 

扉が軋むような音を立てて開く。そしてその中で俺達を待ち受けていたのは……

 

?「ひゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっっ!!!!!?????」

 

甲高い悲鳴と停止した世界だった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

帝「……あいつら大丈夫かな……?」

 

現在、俺はリアス、朱乃さん、祐斗と共に三大勢力会談の打ち合わせにある館へ訪れていた。なんでも、兄様以外にミカエルさんも来ていて、俺に話があるとかで俺は連れてこられた。

あ、そうそう。あの悲鳴の主は、金髪赤目の美少女……に見える女装をした、所謂男の娘のハーフヴァンパイア、ギャスパー・ヴラディという名のやつだ。なんとギャスパーは神器、〈停止世界の邪眼(フォービトゥン・バロール・ビュー)〉の所有者らしい。だが、ギャスパーは興奮すると無差別に神器を発動させ、リアスの手に余る力を持つために兄様ーー魔王サーゼクス・ルシファーの名の下に、封印の命を下されていた。その証拠に俺らがギャスパーの部屋に入った時に、ギャスパーはいきなりでびっくりして神器を発動させた……ということをリアスから聞いた。どうやら自分より実力が格上の者には神器は効かないらしい。だから俺と美優とマルタはあそこでも動けたわけだ。そして今は、ここにいるメンバー以外のやつらがギャスパーを鍛えている……が心配だ。

 

リアス「き、きっとイッセー達なら上手くやってくれる筈よ。」

 

帝「そ、そうだよな!きっとあいつらならギャスパーを立派に鍛えてくれるよな!絶対!……きっと……多分………………maybe……………………」

 

うわぁぁぁ…………不安しか残らねぇ!絶対トラブル発生させるよ!

 

そうこうしている間にある一室の前に。

 

コンコン

 

サーゼクス「入りたまえ。」

 

中から兄様の声がした。ということはここが三大勢力会談の打ち合わせ場所……。

 

ガチャッ

 

リアス「失礼します。」

 

朱乃「失礼致しますわ。」

 

木場「失礼致します。」

 

帝「お邪魔します。」

 

リアスをはじめ、次々と中へと入る。目に入るのは少し大きめの丸テーブルと恐らく俺達が座るであろう4つの空いた席。そして俺達の真正面で面と向かって顔を合わせているのは兄様とミカエルさんだ。

 

帝「ッ!?」

 

突然、俺の左腕が疼き出した。これは厨二病的表現じゃない。繰り返す。これは厨二病的表現じゃない。

 

ミカエル「どうぞ、そこの席におかけください。」

 

ミカエルさんが前の4つの席を指差した。そして入ってきた順に席へと座る。

 

サーゼクス「さて、今回は三大勢力会談の打ち合わせ……と先に言いたいところだが、帝君、先ずはミカエルから君への話だ。」

 

ミカエル「お久しぶりですね、帝君。」

 

帝「えぇ、ご無沙汰です。ミカエルさん。」

 

ミカエル「さて、お話というのは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

帝君、貴方には是非、神の座についていただきたい。」

 

リアス・朱乃・木場「「「!!!???」」」

 

ミカエル「……と言いたいところですが、今の貴方は勇者の一族、もとい人間側の代表として三大勢力会談に出席していただくのですから、そんなことは勿論しません。ですが代わりに聞きたいことが。」

 

帝「な、なんでしょう?」

 

笑顔で俺は答えるが、俺は左腕の疼きを抑えるので精一杯だ。何故か〈終の聖剣 理想郷〉が出そうになっているので、それを必死に抑えている。

 

ミカエル「貴方は、お持ちの武具で他に隠しているものがあるのでは?」

 

帝「……理由を聞いても?」

 

俺がそう聞くと、ミカエルさんは一振りの剣を丸テーブルの上に置いた。

 

ッ!!!!????この感じ、まさか!!!???

 

ミカエル「この剣は〈始りの聖剣 楽園(エクスカリバー・オリジン エデン)〉。天界が保管している私が見た聖剣の中ではトップクラスの力を持つ剣です。あまりに強力なため、というのを口実に、真の目的たる〈終の聖剣 理想郷〉の所有者にこれを渡すということでいつも持ち歩いて探していました。つい先日、誠が貴方を紹介してくれた時、この剣が貴方に反応しているのを感じ取りました。本来、この剣は〈終の聖剣 理想郷〉にしか反応を示しませんがこの剣は貴方に反応した。つまり貴方自身こそが〈終の聖剣 理想郷〉の所有者ではないのかと。」

 

帝「……お見事です、ミカエルさん。その通り、俺は“創世の四神伝説”に登場する、始りと終を司る神が所持していた内の片方の剣、〈終の聖剣 理想郷〉の所有者です。」

 

ミカエル「やはりそうでしたか……。」

 

リアス「エミル?その、創世の“四神伝説”って何かしら?」

 

ん?リアスは知らないのか?

 

帝「えーっと、“創世の四神伝説”ってのは、この世界のありとあらゆるものを創造した4人の神の物語ってことだ。皆名は無いが、それぞれ司るものが異なっている。先ず、始りと終を司る神、生と死を司る神、天と地を司る神、次元と時間を司る神。そしてそれぞれの神は二振りずつ剣を持っていて、そのうち、ここにある〈始りの聖剣 楽園〉と、〈終の聖剣 理想郷〉が、始りと終を司る神が所持していた剣だ。」

 

朱乃「ですが、名前に合った能力が無い気がするのですが?」

 

帝「はい、何せ俺はこの剣は未だ俺を認めてくれていないんです。」

 

木場「認めていない?」

 

帝「あぁ、この剣は認めた者にしか本当の力を貸さない。つまり俺はまだこいつに認めてもらってないのさ。」

 

何故力を貸さないか。それは俺でも分からない。ま、それが分かってるなら苦労しないがな。

 

ミカエル「何はともあれ、〈終の聖剣 理想郷〉の所有者が見つかってよかったです。帝君、この剣は貴方へ。この間のお礼です。」

 

帝「……?あぁ、はいはいはい、俺が御使いの人に神淵剣と神剣を渡したあれですね。」

 

ミカエル「はい。是非この剣を魔王のため、ひいては三大勢力のためにお使いください。」

 

サーゼクス「さて、次は私たちだね。」

 

兄様とリアスと朱乃さんが話をどんどん進めていく。

 

ピリリリリリッ!

 

そんな中、いきなり俺のケータイが鳴った。

 

帝「もしもし〜。美優どうした?」

 

美優「お兄ちゃん大変だよ!ギャスパー君がまた引きこもっちゃった!」

 

帝「あ”?」

 

帝side out

 

一誠side

 

ギャスパーが引きこもって、だいぶ時間が経った。ギャスパーが引きこもり始めると、みゆ姉は帝兄にすぐ連絡をかけてくれ、帝兄もすぐ来てくれた。

 

帝「おいギャスパー、そろそろ出てこいよ。」

 

ギャスパー「い、嫌ですぅぅぅぅーーーー!!!!」

 

こんなやりとりが何回目か分からないが、依然状況が変わらない。

 

ギャスパー「もう僕の大切な人達か止まっているところを見るのは嫌なんです!」

 

と思ったが、どうやら少しは状況が動いたようだ。

 

ギャスパー「僕は自分のこの力が怖いです……。帝先輩だって自分の力が怖いとは思わなかったんですか?」

 

帝「自分の力が怖い……ねぇ……。……俺はそんなことは一度もなかった。」

 

ギャスパー「自分の力が怖くないんですか?」

 

帝「あぁ、自分の力が怖くない。寧ろ、大切な人を守る為に必死になって使っていたから、そんなことを考える余裕はなかった。」

 

ギャスパー「どうして……ですか?」

 

帝「……俺は大切な人を3人……この手で殺した……。次にできた大切な人も、結局俺が不甲斐ないばかりに死んでしまって、俺が見殺しにした。だからかな……俺は大切な人や仲間に手を出す奴には一切の情をもかけなかった。仲間を絶対に守り切ってみせる……なんて焦りに近い感情で戦ってきたから、そんなことを一切考えなかった……としか言えないな。」

 

そうだ、前にもコカビエルは言っていた。一度友を殺し、一度人々を見殺しにし、それでもなお貴様は人を求めるか、と。帝兄には直接的には聞いていない。いや、聞けなかった。コカビエルがそれを言った途端、帝兄からは大量の殺気が感じられた。俺達が聞けば、帝兄はまた同じ感じになるのか、と。みんなはそこに触れないように、必死に平静を装っていた。でも、本当は帝兄にそのことを聞きたかったはず。でも触れてはいけないと自分で抑えている。だから俺達はどうするべきか分からない。

 

ギャスパー「どうして……どうしてそんなことがあったのに、帝先輩は平然としていられるんですか?」

 

帝「これが平然……か。側から見ればそうかもしれない。でも、これはただ……ただ………………ただ過去から逃げているだけだ。」

 

どんどん空気が重くなっていく。

 

この空気をどうにかしないと!

 

一誠「そ、それにギャスパー、俺はお前が羨ましいぞ!」

 

ギャスパー「な、なんでですか?」

 

一誠「決まってんだろ!時間を止めれるとはそれすなわち!時間が止まっている間は女の子の身体を触りたい放題じゃないか!」

 

帝「っはぁ……お前マジで馬鹿だよな。」

 

帝兄は溜息をつくと、呆れた表情でこちらを見ていた。

 

ギャスパー「す、凄いです!僕の力を褒めたと思ったらそんな煩悩の為に使うなんて!」

 

一誠「な、なんか腑に落ちないなぁ。」

 

木場「お、やってるみたいだね。」

 

一誠「おお、木場!丁度いい!俺が考えたオカ研男子メンバーの連携作戦を聞いてくれ!」

 

木場「面白そうだね。是非聞かせてよ。」

 

一誠「ああ聞かせてやるとも!先ずギャスパーが時間を停止させ……。」

 

木場「うんうん。」

 

一誠「俺が止まってる女の子の身体を触りまくる!」

 

帝「……は?」

 

一誠「その間木場と帝兄は迫り来る敵から俺を守ってくれ!」

 

帝「これはまた……酷すぎる……。」

 

木場「この作戦ってイッセー君しか得しないよね。」

 

一誠「い、いいじゃねぇか!帝兄は既にリア姉と付き合ってるわけだし木場だって女子にモテるからんなこと気にしねぇでもいいだろ!」

 

木場「そんなことないよ。実際、僕も人並みには性欲があるんだし。」

 

一誠「ぐぬぬぬぬ……!そこまで言うならば!第一回、オカ研男子メンバー猥談会!最初のテーマは自分が女の子に外見的な魅力を感じる所!先ず俺はおっぱいだね!」

 

木場「僕は足かな?」

 

一誠「ほ、ほう。何故だ?」

 

木場「女性の鍛え上げられた健康的な足には凄く魅力を感じるんだ。」

 

一誠「ギ、ギャスパーは?」

 

ギャスパー「ぼ、僕は鎖骨のラインとか肩とかです。」

 

一誠「ヘェ〜、結構マニアックな所だな。」

 

ギャスパー「だ、だってしょうがないじゃないですか!鎖骨なんて実際あまり目にすることも無いし、逆に見れたらドキッとするじゃ無いですか!」

 

木場「うん、確かにギャスパー君の言葉は一理あるね。」

 

一誠「い、意外と皆性欲がーー」

 

帝「おい待て、俺は無視か。」

 

一誠「だって帝兄性欲なさそうだし。」

 

帝「阿保か。俺だって人間であり悪魔だ。性欲がないとは限らんぞ。」

 

一誠「じ、じゃあ聞くけど帝兄はどこがいいんだ?」

 

帝「うーん……やはり女性の胸かな。」

 

一誠・木場・ギャスパー「「「ゑ!!!???」」」

 

帝「女性の胸とは母性の象徴であり、そこをつい気にしてしまうのも無理はない、と俺は思う。」

 

驚いた。まさか帝兄にも性欲があったなんて。

 

まぁそんなこんなで俺は案外と猥談会が賑やかだったこともあって楽しかった。それと今日の発見。

 

 

木場も帝兄もかなり変態だった!!!!

 

 

To be continued


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