夏です、水着です、修羅場です!
帝side
さて、俺たちオカ研のメンバーはプールで遊んでいる。が、俺は泳いだりしてない。何故なら…
帝「……腰痛ぇ……。」
昨日調子に乗ってやりすぎた……。何とは言わんぞ!絶対にだ!
帝「……にしてもなぁ。」
俺は左腕を天に掲げていた。俺は腰よりもっと気にしていることがある。それは俺の力だ。記憶を戻した際に“本来の力の一部”を取り戻せたのだが、これがまたタチの悪い力だった。何せ、ゼフィ、ルアン、シエルを殺した時に使った力だからな。余計に気が滅入る。
帝「“アレ”を使えるのはまだまだ先…か。」
覇を超えたあの力、神器自体は変わってしまったが、しっかり力が戻ったなら、“アレ”を使うことも可能だろう。
リアス「ねぇねぇエミル。」
帝「ん?どした?」
リアス「ちょっとオイル塗ってくれないかしら?」
帝「別にいいぞ。ほれ、そこに寝転がってくれ。」
丁度近くにあったシートを指差し、リアスを寝転ばせた。
しかし何故だろう……嫌な予感がするぞ……。
リアス「エミル、前もお願いできる?」
帝「……やるよ……。」
一瞬躊躇したが、あんなことをしたんだ。今更恥ずかしがる必要もないだろう。……言わんぞ!
リアス「んっ……くふっ……んんっ……!」
面倒くさいところからやろうと胸に塗っていたが……やめろ!そんな艶っぽい声出すな!
そんなこんなでなんとか胸を塗り終わり、他の場所を塗ろうとしていると……。
ムニュン
……嘘だろ……嫌な予感が的中しやがった……。
朱乃「あらあら、部長だけだなんてずるいですわ。」
美優「お兄ちゃんお兄ちゃん、私にも塗って?」
Oh……2人に抱きつかれてるせいで動けねぇ……。
リアス「ちょっと朱乃!?美優!?貴女達何やってるの!?」
朱乃「何って、私の可愛い後輩とのスキンシップですわ。」
美優「私のお兄ちゃんと触れ合ってるだけだよ?部長。」
リアス「何言ってるのよ!エミルは私の彼氏よ!」
……これが俗に言う修羅場か……。
朱乃「ねぇ帝君?今から私達でいいことをしてあげましょうか?」
帝「ふぇっ?」
美優「皆で一緒に気持ちよくなれるよ?はむっ。」
帝「ひぅっ!?」
朱乃さんと美優は一緒に俺の耳たぶを甘噛みしてきたわけで……いきなりだった為に声がつい裏返った。
バンッ!
プールサイドの飛び込み台が一瞬にして壊れた。俺のアホ毛も少し焦げていた。恐る恐る目を開くと、そこには滲み出た赤黒いオーラを身に纏うリアスの姿が……。
うわぁぁぁ!超怖ぇぇぇ!!!!
リアス「そろそろいい加減にしたらどうかしら?淫らな雷の巫女さん?ブラコン姫さん?」
朱乃「あらあら、それは酷いんじゃないかしら?紅髪の痴女姫様?」
美優「今のがお兄ちゃんに当たったらどうするつもりだったんですか?紅髪の牛姫様?」
朱乃さんは雷のオーラを纏い、美優は色々な魔方陣を展開させていた。
……やばい……逃げよう……!
そう思った瞬間の俺の速さは俺史上最高の速さだった。……情けない……。更衣室の方に逃げ込むと、俺は用具室の前の段差に座った。
?「ん?そこにいるのは……。」
帝「帝かエミルでいいぞ。しかし随分時間がかかったんじゃねぇか?ゼノヴィア。」
俺のすぐ側には、ゼノヴィアがいた。水着を着るのに四苦八苦していたと聞いたが、今着替え終わったのだろう。
ゼノヴィア「うん、こういうのには慣れていなくてね。どうだろうか、似合っているか?」
帝「まぁ似合ってんじゃねぇの?」
ゼノヴィア「それはそうとエミル、こちらに来てくれるか?折り入って君に相談があるんだ。」
帝「ああ、別にいいが。」
用具室の中に入るように促された。それほど大事な話なのだろうか?
帝「で?話って何だ?」
ゼノヴィア「あぁ、私はなーー
君との子供が欲しいんだ。」
帝「…………は?」
ゼノヴィア「先日、リアス部長に悪魔としてどう生きればいいか聞いたんだ。そして返ってきた答えがーー。」
リアス[悪魔は欲を与え、欲を喰らい、欲に生きる者。好きに生きなさい。]
ゼノヴィア「ーーというものだったんだ。」
おい待て、これでリアスに責められたら俺は躊躇なくリアスに反撃するからな。
ゼノヴィア「私は君の強さに惚れ込んでしまってね。君との子供を産みたいと思っていたんだ。大丈夫、できたらできたで、あとは私が何とかしよう。だが偶には顔を見せてやってくれ。その方がきっと喜ぶ。」
ゼノヴィアはそう言いながら、水着を外していく。
帝「待て待て待て!?話が飛躍し過ぎだ!それと段階ってもんがあるだろ!?第一俺は既にリアスと付き合ってる訳でだなーー!」
ゼノヴィア「なら私をすぐに捨ててくれても構わない。さぁ、早く!」
帝「やめろぉ!そんなクズみたいなことできるか!ってか人聞きが悪すぎるぞ!?」
バタンッ!
用具室の扉が開き、助かった!と思ったのも束の間ーー
ゼノヴィア「どうしたエミル?早く子作りをーー!」
白音「なっ……!?」
リアス「子!?」
朱乃「づ!?」
美優「く!?」
マルタ「り!?」
あ……終わった……。
このあと、鬼の形相をしたリアス、朱乃さん、美優、白音、マルタに怒られたのは言うまでもない……。リアスは分かるが他は何故……?
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帝「よっと。」
今は夜、俺は急にきたはぐれ悪魔の討伐をリアスに頼み込んで、1人で来ていた。
しかし夜の森は暗いもので、悪魔の暗視能力がなければ道に迷っていただろう。
シュンッ!
俺の横を何かが通った。俺は気配を感じていたため、避けることは容易だった。そしてそこにいたのは、下半身が馬、上半身が人間のケンタウロスだった。
帝「さて、あんたかな?はぐれ悪魔、ブラム・フォージさん?」
ブラム「ほう、我が騎士の全速力の攻撃を最も簡単に躱すか。貴殿、何者だ?」
帝「俺は皇 帝。一応エミル・キャスタニエって名前もある。これでも今代の赤龍帝だ。」
なに、嘘は言っていない。
ブラム「ほう、貴殿があの赤龍帝か。歴代最弱と聞いているが、中々やるようだな。まぁいい。ここで貴殿を喰らい、その赤き龍帝の力、貰い受けるぞ!」
まぁ確かに歴代最弱の赤龍帝はいる。だが、俺は全く別のやつなんだよなぁ。
こちらに走ってきたブラムは中々のスピードだったが、攻撃を躱し、足を引っ掛けると、すぐに転んだ。そしてすぐさま、“アレ”を召喚するための詠唱に入った。
帝「ー紅蓮に燃ゆるは滅びの刃
ー沈みゆく理想は光を失う
ーされど理想に眠りし我らが想いは一振りの刃となりて蘇らん
ー我らが意思を聞き給え!
ー我らが願いを叶え給え!
ー今ここに、かの理想郷が滅びと共に蘇る!
〈終の聖剣(エクスカリバー・ファントム)理想郷(アヴァロン)〉!!!」
詠唱を終え、左腕を右手で握り、剣を抜くが如く振り抜くと、柄はX字、頭身の付け根はひし形で、その真ん中がひし形に空いている剣が現れた。
ブラム「な、何だそれは!?そのオーラは聖剣!?貴様、何故それを扱える!?」
ザンッ!!
帝「はぁ、口動かす前に体動かせよ。じゃないとーー」
ブラムの体はずれ、上半身と下半身が綺麗に別れた。
帝「こうなっちまうぜ?」
俺は左右に聖剣を振り払い、手で回転させながら、左腕に突き刺した。そして剣は、腕の中へと収まった。
帝「さて、帰るか。」
そして俺は家へと向かって踵を返して歩き出した。
To be continued
どうも、カルパンです。
久しぶりに後書きに手をつけましたが、今回、どうだったでしょうか?あとそれと、この章のあとは、2つほどオリ章を入れたいと思います。ではでは、また次回。