帝side
日差しがきつくなり、風が心地よく感じる季節となった。今日、聖剣事件解決から既に8日が経っていた。あの後、神の不在を知ったゼノヴィアは、教会から追放され、破れかぶれで悪魔になった。イリナは聖剣の破片を回収し、教会本部に戻ったらしい。当たり前だが、勿論ゼノヴィアは転校してきた。では今俺は何をしているでしょう?正解は……リアスとのデートです!昨日突然リアスが、恋人らしいことをできていないと言い出したので、明日はオカ研のみんなでプールの清掃ついでに遊ぶということがあるので、駒王学園の近くのデパートで、デートついでに水着を買おうというわけだ。集合場所は駒王駅だ。ま、女性には女性の準備があるんだろう。あぁ、因みにだが、今の俺の服装は、黒い半袖のパーカーに、下には白いTシャツを着て、ズボンは紺色のジーンズを履いている。
ちょんちょん
?誰かな?
リアス「お待たせ。待った?」
おっと、我が愛しの姫様が来られたぞ。
帝「言うほど待ってない。全くもって大丈夫だ。」
リアス「よかったわ。……それより、その……私、どうかしら?」
ここは褒めなければならない重大なポイントだっ!!
リアスは白いワンピースに薄紫のショールを羽織っている。
うん、普通に似合ってるじゃねぇか!
帝「いつものリアスとはだいぶ違うイメージだが、可愛いリアスには似合ってるよ。」
リアス「ありがとう。」
ぅおぅっ!?守ってあげたい!その笑顔!!
リアスはいつもの雰囲気と違い、年相応のデートを楽しむ女の子だ。
チクショウ……俺を萌え殺す気か!?
きゅぅ〜
ん?何、今の可愛らしい音?
音のした方向を見ると……リアスだ……。
リアス「えと、ごめんなさい……朝、少し足りなくて……///」
顔を赤らめて恥ずかしそうに笑って俺に言って来た。
クッソ、なんだこの可愛い生き物は!!
帝「丁度近くに喫茶店があるから、そこ行こっか?」
−喫茶店−
帝「すみませーん。えと、いちごのショートケーキと、紅茶とあとアイスコーヒー1つ。」
店員「畏まりました。」
店員さんは、ぺこりとお辞儀し、その場を離れた。
帝「なぁリアス。」
リアス「何かしら?」
帝「今回のプールの清掃した後にプールで遊んでいいっての、やっぱりソーナ会長からか?」
リアス「そうみたいね。お礼として、だそうよ。それはそうとエミル、貴方兵士の昇格、きっちり使いこなしてるの?」
帝「そう言えばそんなのもあったな。今度機会があれば試してみるよ。」
店員「お待たせいたしました。紅茶、いちごのショートケーキ、アイスコーヒー、以上でよろしいでしょうか。」
帝「はい。ありがとうございます。」
店員「では、ごゆっくり。」
さて、アイスコーヒーでも飲もう。
リアス「あら、エミル、このケーキ美味しいわ。」
帝「そりゃよかったな。」
いつも使っているケータイで、ネット小説を見ている。ここ最近の俺の趣味だ。
リアス「エミル、はいアーン❤︎」
帝「ん?いいのか?」
リアス「いいわよ?エミルなら。はいアーン❤︎」
帝「アーン。」
ングング……うん、スポンジがふわふわしてて、クリームもまろやかかつ濃厚で、確かに美味い。ケーキ屋と比較しても劣っていない美味さだ。
帝「美味しいよ。ありがとな、リアス。」
1番美味い理由はリアスがアーンしてくれたからだけどな。
−数分後−
店員「ありがとうございました。またのお越しを。」
帝「さて、次は水着を買おうか。」
リアス「そうね。行きましょう。」
あー……人通りが多いな。
帝「リアス、手繋ぐぞ。」
リアス「え?う、うん……///」
あ、やっぱ恋人繋ぎですか。まぁわかってましたけど。
−服屋 水着売り場−
リアス「ねぇ、どうかしら?」
帝「お、おう。い、いいんじゃないか?……///」
さて、肝心の水着だが、今はリアスの水着を選んでいるんだが、その……なんだ、布面積が小さいやつばっか選んでくるからこっちも気恥ずかしい。少しは俺の気持ちも考えて欲しいものだよ///
リアス「エミル、ちょっとこっち来て?」
帝「どうした?何かあっどぅわっ!?」
俺はリアスに試着室の中に引き込まれた。
帝「リアス!こういうことはだなーー!」
リアス「ねぇエミル。私が着替えているところ、みててくれる?私、恥ずかしいけど我慢してエミルを満足させてあげるから!」
帝「はぁ……わかった。お前がそれでいいなら俺は黙って見てるが、これだけは答えてくれ。誰にそんなこと教えられた?」
今更逃げるなんてことはしたくない。決して下心は……ないわけではないが、少なくとも下心は抑えているから!ちゃんと抑えているから!
リアス「えっと……美優……から……。」
どうしよ、怒るに怒れねぇ……。
帝「仕方ねぇな、ったく。」
やっぱりいつまでも俺は甘ちゃんだ。
−数時間後−
帝「ふへぇ……疲れた……。」
あの後、俺は黒に緑のラインが入った海パン、リアスは布と布をリングで留めた水着を買った。その後は、2人で服を見たり、アクセサリーを見たり、色々してるうちに、夕陽が眩しい今の時間になった。俺的にはリアスとデートできただけでも大満足だ。
リアス「本当に今日は楽しかったわね。」
リアスが満足したような笑顔でそう言った。
あ、もう元気出たぜ!
帝「リアスと一緒だと何もかもが素晴らしく見えるよ。」
リアス「ふぇっ///!?」
あ、しまった。声に出てた。
リアス「あの、エミル……。」
帝「んぁ?どした?」
リアス「その、先週はごめんなさい。悪魔の出生率の低さにかこつけて……その……いっぱいエッチ……しちゃって……。」
う、やめろ……。あの後の日父さんにめちゃくちゃ弄られたんだけど……。
帝「あー……そう思ってるんならさ、その……今日しっかりやり直そうぜ?」
リアス「……うん!」
……やらかした……。しっかり言葉選べばよかった……。しかもリアスの笑顔が曇りのない笑顔なわけで……ぐふぉぁっ!!!!
俺はリアスの笑顔によって罪悪感に苛まれながら、家への帰路をまた一歩踏み出した。
そして夜、めちゃくちゃした。何がとは言わん。
To be continued