一誠side
駒王学園で、俺達グレモリー眷属はコカビエルと対峙していた。だが俺はもっと気がかりなことがある。そう、帝兄だ。つい先ほど、リアス姉の使い魔が、傷だらけのイリナを発見。イリナをシトリー眷属のみんなにお願いしていると、コカビエルが現れ、駒王学園で面白いことをしている。皇 帝は先に来ているぞだの言い始めた。そこから考えられるのは帝兄が単独で突っ込んでいったか、捕まったかだ。ただ、帝兄はフリード達を追いかけて行ったため、駒王学園に行く必要はない。だから、最も考えられるのは、帝兄が捕まった、ということだ。
一誠「コカビエル!帝兄は何処だ!」
コカビエル「あぁ、そいつならあそこにいるぞ。」
コカビエルはそう言ってある場所を指差した。
そこには、バルパーとフリードがいた。
バルパー「おおおおおっ・・・!遂に、遂に完成したぞ!」
あの有り余るほどに溢れた聖なるオーラ、まさか!
バルパー「4つの聖剣が、遂に統合したんだ!ふはははははははははは!!!!・・・さて、フリード、こいつを使って奴らを皆殺しにしろ。」
フリード「あいさ!もーエクスカリバーちゃんったらこーんな俺様専用の超素敵仕様になっちゃうなんてー!んんんっ!たまらん!実にたまらん!早く誰か切りたいなぁ〜!」
やべっ!ありゃまずい!ってあれ?木場?
木場「バルパー・ガリレイ、僕は貴方によって集められ、殺されようとしていた1人だ!」
バルパー「ほう、まさか本当に生き残りがいたとはな。」
木場「僕達はずっと耐えていた!いつか、いつか必ず神からの救いが来ると、そう信じながらずっと耐えていたんだ!なのに、お前は、お前は!!」
バルパー「ふん、忌々しい名を口にしおって。まぁいい。長年の計画が成功したのだからな。ここはひとつ、なぜ聖剣計画を起こしたか、説明をしてやろう。」
聖剣計画を・・・起こした理由・・・!
バルパー「私はな、聖剣が大好きだったのだよ。様々な悪を次々と薙ぎはらって行くその力に魅了された。いつか自分も聖剣を使いたい。そう思っていた。だが、現実は甘くなかった!私は聖剣を使えないと言われた時はそれはもうショックを受けたさ。だから私は聖剣についての研究に没頭した。そして因子が必要と知ったとき、私は急いで近くの教会の子供達を集め、実験した。まぁ、実験は失敗だったがな。そして子供達を処理し終えた後、私は気づいたのだよ。聖剣を使う因子が足りないなら、補えばいいと。そして私は子供達の死体から因子を抜き出した。だが結局、教会は私を異端にした挙句、私の研究成果を盗んでいったのだ。まぁあのミカエルのことだ。因子を抜き出すだけ抜き出して子供を帰しているのだろう。」
木場「そんな・・・たった、たったそんなことだけのために・・・。」
カランカラン
木場「これは・・・?」
バルパー「あの子供達から抜き取った因子だ。既に量産化に成功している。好きに使うがいい。本当はもう1つあったのだがな。」
マルタ「どういうことよ!」
バルパー「簡単さ。そこのボロ雑巾のように転がっている小僧に使ったのさ。散々拒絶した挙句、取り込んだが、そのまま衰弱死するだろうな。」
こいつ!
バルパーを睨みつけていると、視界の端で光が起こった。そこには、さっきの聖剣の因子を握り締めている木場と、人の形をした光が木場の周りを囲っていた。
一誠side out
木場side
木場「僕は・・・ずっと、ずっとずっと思っていたんだ!僕だけが生き残っていいのかって!僕より夢を持った子がいた!僕より生きたかった子がいた!それなのに、僕だけがこんな平和な暮らしをしていいのか?」
「僕達のことはもういいよ。せめて君だけでも生きてくれ。」
声は聞こえなかった。でも、僕には分かる。彼らの言いたいことが。
「「「「「〜♪〜〜〜♪」」」」」
僕たちは聖歌を歌った。助けを求め、最後まで追いすがった聖歌を。
「大丈夫」
「僕たちは独りだったからダメだった。」
「でも、みんななら大丈夫だよ。」
そうだ、そうだったんだ。みんなは本当は僕が生きてさえいてくれればよかったんだ。
「聖剣を受け入れて。」
「怖くなんかないから。」
聖剣は、僕達を繋ぐ絆だったんだ。
「例え神が見ていなくても。」
「神がいなくとも。」
「僕たちの心はいつだってーー」
「「「「「ひとつだ。」」」」」
その瞬間、僕の中へと光が入り込んだ。本来光は悪魔にとって猛毒。でも、この光は違う。むしろ僕に暖かさを、力を与えてくれる!
?「行け!お前の力、見せてやれ!木場!いや、祐斗!」
ああ、行ってくるよ!帝君!
木場side out
帝side
帝「行け!お前の力、見せてやれ!木場!いや、祐斗!」
目が覚めて早々、何感動的なことしてんだ。ったくよ。
ゼノン【主、あの小僧・・・】
ーーああ、至ったよ。あいつは。
なぁ、そうだろ?祐斗。
木場「バルパー・ガリレイ。貴方を生かしておけば、第二、第三の僕が生まれる!僕が貴方を倒して、この悲しみの連鎖を断ち切る!」
バルパー「チッ!フリード!」
フリード「あいよ!お任せ!」
一誠「木場ァァァァァ!!!!お前の仲間との絆、聖剣以上だって示してやれぇぇぇぇぇ!!!!」
リアス「そうよ祐斗!私が騎士ならエクスカリバーごときに負けるはずがないわ!」
朱乃「祐斗君!信じてますわよー!」
白音「祐斗先輩!頑張って下さい!」
アーシア「木場さん!」
マルタ「木場君!そんなやつけちょんけちょんにやっちゃいなさい!」
美優「木場君!頑張って!」
祐斗は少しハッとした顔になっていた。
やっと気づいたか。あのバカ。
木場「僕は剣になる。仲間を守る剣になる!今こそ、あの時願いを叶えるんだ!僕の想いに応えてくれ!魔剣創造ッッッッッ!!!!」
祐斗がそう叫ぶと、祐斗の魔剣は徐々に聖なるオーラを纏って行った。
そうか、あれが祐斗の、祐斗だけの禁手!!
木場「〈双覇の聖魔剣(ソード・オブ・ビトレイヤー)〉。聖と魔を有するこの剣、とくと味わうといい!」
バルパー「バカな!?聖と魔など、合さるはずがない!!」
さて、そろそろ体動かすか。
ゼノヴィア「グレモリーの騎士、共同戦線はまだ生きているな?」
木場「そう思いたいね。」
ゼノヴィア「ならば共に破壊しようか。」
木場「大丈夫かい?」
ゼノヴィア「大丈夫さ。あれは聖剣であって聖剣でないほど禍々しい。それにまた破片から作り直せるさ。」
帝「俺も手伝おう。」
木場「帝君!もう動いて大丈夫かい!?」
帝「大丈夫。心配ないさ〜♪それに、俺とお前は友達だ。親友でもいいがな。そんなやつが壁を乗り越えようとしているんだ。手伝ってやるのは当然だ。それに、新しい力も試したいしな。」
ゼノヴィア「なら少し待ってもらおう。」
帝「じゃ、その間俺も準備するよ。」
ゼノヴィア「ペトロ、バシレイオス、ディオニシウス、そして聖母マリアよ、我が声に耳を傾けてくれ。」
ゼノヴィアが何かを詠唱すると、彼女の近くの空間に歪みが生じた。と思うと一つの巨大な聖剣が。
ゼノヴィア「この刃に宿りしセイントの名において、我は解放する!デュランダルッ!」
バルパー「デュランダルだと!?」
コカビエル「貴様、エクスカリバーの使い手だけでなくデュランダルの使い手でもあったのか!?」
興味のなさそうだったコカビエルが過剰に反応した。それもそうか。デュランダルは現在折れていない聖剣のうちの貴重な一振りだからな。
帝「ってことはゼノヴィア、お前ーー」
ゼノヴィア「そう、私は天然の聖剣使い。つまり真の聖剣使いなのさ!」
帝「聖剣と魔剣の融合が・・・できるかなぁ?」
木場「あ、あれ?帝君?」
帝「やってみっか。」
そうして俺は魔剣創造と聖剣創造・・・いや、今は変質して別の名前か。
帝「〈闇を喰らいし深淵剣(アドミレス・フォール・ソード)〉!〈神剣創造(エクス・ファルナ・ブレイド)〉!」
そう、魔剣創造は俺の“ヤツ”への恨み、怨恨を吸収し、変質した。俺の恨みと怨恨を吸収していなかったら“ヤツ”への憎しみとかでどうにかなってしまいそうだったから、まぁ結果オーライかな。聖剣創造は、ヤツが俺に使った聖剣の因子が中で強大化し、そのままくっついた。
帝「ーー神の祝福を受けし剣よ。
ーー闇を喰らう魔剣よ。
ーー我が元に集いて禁忌を解放せよ!」
すると、呼び出した深淵剣と神剣は互いに互いを喰らい始めた。暫く待ち、そこには一つの剣が刺さっていた。
帝「完成っと。これはさしずめ、〈神聖なる絶望の神淵剣(カリス・トゥ・カルナヴァル)〉ってとこかな?」
バルパー「そんな!?神聖なる力は魔などと絶対交わらないはずだ!」
フリード「そんな超展開いらないの!つか前置き長いよ!」
フリードはそう叫びながらゼノヴィアに襲いかかった。
ガキィィィィィィンッッッッ!!!!!!
フリード「受け止めてないで潔く切られろよ!」
フリードは後ろに下がり、姿を消した。4本のエクスカリバー中の一つの能力だろうか。
フリードくんはあいかわらずむちゃくちゃなやろうでした丸
帝「ぅおっと。」
バキィィィィィィンッッッ!!!
ふざけて小学生の作文みたいに感想を思っていると、恐らく〈擬態の聖剣〉で飛ばしてきた刃を神淵剣で叩き落とした。
帝「そこか?」
ザスザスザスザスザスッッッッ!!!!
フリード「ひぃやっ!?」
あ、逃がした。ま、いっか。
木場「はぁぁぁ!!」
フリード「んぐっ、くっ!」
祐斗とフリードが鍔迫り合いをしていた。
ビキビキビキッ
フリード「おいおい嘘だろ!?天下無双で伝説のエクスカリバーがこんな駄剣に負けんのかよ!?」
木場「僕たちの想いを舐めるな!」
ビキビキビキッ
バキィィィィィィン!!!
ズシャァァァン!!
祐斗は聖剣ごと、フリードを思い切り切った。
木場「みんな、僕たちの想いは、エクスカリバーを超えたよ・・・!」
帝「・・・おめでとう、祐斗。」
俺は羨ましげに、誰にも聞こえないように祐斗に賞賛の言葉を呟いた。
To be continued