ハイスクールD×D 光と闇のラタトスク   作:カルパン

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月光校庭のエクスカリバー
その悪夢は何を示すか


帝side

荒れ果てた戦場の跡地のように折れた剣の刃や屍が転がる荒地に俺は1人と立っていた。

 

ーーんだよ、これ・・・。

 

そして俺は見覚えのある死体を見つけた。

 

ーーリアスッ!!!!

 

リアスの体を抱え、揺すっても反応は無かった。

 

ーーなんなんだよ!これ!ッ!?

 

周りを見渡しながら叫ぼうとすると、さらなる追い打ちと言わんばかりに知った死体があった。

 

ーー美優!?マルタ!?

 

そう、俺の仲間の死体が転がっていた。

 

ーー木場!イッセー!朱乃さん!アーシア!白音!

 

それだけではない。

 

ーー嘘だろ!?父さん!母さん!

 

親の死体までもがあった。

 

ボゴッ

 

地面から3つの影が這い出てきた。

 

ーーオマエノセイデ、ミンナ、シンダ。

 

そんなことはない!!!!

 

だが俺は声に出せなかった。いや、声を発すること自体がかなわなかった。

 

ーーオマエガヨワイカラ・・・。

 

やめろ・・・やめろ・・・!!

 

ーーオマエガオレタチヲコロサナケレバ・・・。

 

違う違う違う違う違う!!!!

 

影の1つが刃物を振り上げ、俺に言った。

 

ーーオマエガイルセイデ、ミンナガシヌンダ・・・。

 

次の瞬間、刃物は振り下ろされ、頭が重力に従って落ちていく感覚がした。

 

帝「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!」

 

布団を飛ばすように飛び起きた。背中や顔、身体中から汗が噴き出していた。

 

帝「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・夢・・・か・・・ハハッ・・・ハハハハハハハハハハ・・・。」

 

夢であったことを確認すると、乾いた笑いが漏れ出した。

 

帝「ったく、いい睡眠だったよ・・・クソが。」

 

不満たっぷりに呟くと、体育座りを少しずつ崩した座り方になった。

 

帝「マジでなんなんだよ・・・ハァ・・・。」

 

だがこうなるには心当たりがある・・・いや、心当たりがある“かもしれない”。それは俺が魔界で過ごした10年の内の空白の、モヤがかかった9年間のなかにあるのかもしれない。

 

帝「っ・・・・・・マジで思い出せねぇ・・・。」

 

結局のところ思い出せなかった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

誠「いやぁしかし、リアスさんも料理が上手いことで。」

 

リアス「日本での生活が長いものですから。それにエミルに相応しい花嫁になるには当然のことですわ、お父様。」

 

一誠「はぐはぐ・・・本当に美味しいですよ、リアス姉。」

 

リアス「ありがとう、イッセー。エミル、私が作ったご飯美味しい?」

 

帝「・・・・・・。」

 

リアス「どうしたの?美味しくなかった?ねぇエミル?エミル!」

 

帝「あ、あぁ。美味しかったよリアス。でもごめん、俺腹減ってねぇから。・・・じゃ、先に行ってる・・・。」

 

リアス「う、うん。行ってらっしゃい。」

 

リアスが作ってくれたご飯を中途半端に残し、俺は苛立ちを覚えながら家を出た。

 

To be continued


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