黒猫side
目を覚ますと見たことのない景色が広がっていたにゃ。
ここは一体何処にゃ?
「え?え?えっと・・・えぇぇぇえぇぇ!」
声が聞こえた方向を見ると、金髪の少年が目を丸くして腰を抜いていたのにゃ。
なんでこんなに驚いているのか分からないけど、お礼はしないとね。
「助けてくれて、ありがとう・・・?」
「あ、もしかしたらあんた、さっきの黒猫かい?」
「当たりにゃ。私は猫又の黒歌にゃ。隣で寝てる子は私の妹の白音だにゃ。」
「そっか。じゃあ俺も自己紹介しないとな。俺は皇 帝、もとい、エミル・キャスタニエだ。呼びやすい方で呼んでくれ。」
「わかったにゃ。さっきは助けてくれてありがとう、帝。」
「どういたしまして。さて、早速だけど話を聞かせてくれないか?」
私は頭を縦に振って、質問された内容について、全てを語った。すると帝は、
「はぁー、そっちもそっちで大変だな。あ、そうだ!黒歌、白音ちゃんと一緒に俺の家族にならないか?」と、目を輝かせて言った。
黒歌side out
帝side
俺は今、黒歌と白音以外の家族で、家族会議を行っていた。議題内容は、黒歌と白音を養子として迎え受けるかどうかなのだが、みんなが賛成だったために、謎の脱力感を味わった。俺の思い描いた家族会議は、もっとこう、賛成派と反対派の激しい口論だったのだが・・・まぁ考えたら負けだな。そんなわけで、新しく、義姉と義妹ができた。
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それからしばらく後の日、俺たち5人兄妹は買い物に、行っていた。だが、ある1つの神社に似た家の前を通ると不穏な空気を感じた。
「ごめん、用事思い出したから、先にみんなで帰ってて。」
「うん。でも早く帰ってきてね。お兄ちゃん。」
「あぁ、わかってるよ。」
そう言って、俺はその家に向かった。
そこに感じる気配は、6つあった。1つは怯えきった気配、もう1つは誰かを守らんとする気配、残る4つは殺意を持った気配だった。これぐらいなら、本気の5%も出す必要はないな。まぁ念のためにラタトスク化するか。
「さて、そろそろ突っ込むか!」
ガシャーーン!
「グボァァ!」
足の裏からは人を蹴る感覚が伝わってくる。おそらく、殺気を放っていた4人中の1人だろう。
「誰だ!貴様はぁ!」
「俺か?そうだなぁ、名乗るとすれば俺は・・・
ラタトスクだ!」
帝side out
三人称side
それは誰が見ても圧倒的だった。髪の端が、鮮やかなエメラルドグリーン色に染まった金髪で、右眼は中央が赤く、左眼は中央が赤く、その周りを黒くした少年は、まばたきをすると共に一瞬にして、男達を葬り、何事も無いように、背後にいた1人の女性と、1人の女の子に少年は語りかけた。
「大丈夫ですか?」
「はい、大丈夫です・・・」
ポニーテールが特徴的な黒髪の女性はそう答えると、少年は、「そうですか。」と言い、去ろうとした。だが、それはある少女によって止められた。
「まって!あなたはだれ?」
「言っただろう?俺はラタトスクだ。」
「違うの!貴方の本当の名前を教えて(涙目)。」
「・・・えっとだなぁ・・・」
「ダメ?(涙目+上目遣い)」
「・・・皇 帝、ただのしがない7歳児さ。」
そして少年は去っていった。
To be continued