帝side
今日は日曜。リアスは宣言通り俺の家に引っ越してきた。今は荷物運びもひと段落ついて昼食をとっている。
帝「あぐっ、く、がぁっ、くぅ・・・」
突如俺の右眼が痛み出した。焼けるような熱さと痛みに思わず呻き声をあげてしまった。眼を抑え必死に痛みを抑えていると、父さんは俺を不思議に思ってか近づいてきた。
誠「帝、大丈夫・・・お前、その眼・・・!」
どうやら父さんはこのことに心当たりがあるようだった。
帝「父・・・さ・・・ん・・・これ・・・うっぐぁ・・・」
誠「暫く痛みが引くまで休んでおけ。いいな?」
リアス、白音、マルタ、美優、イッセーは心配そうにこちらを見ていた。
帝「大丈夫だよ。こんな痛み、大したこと・・・っ!」
安心させるように笑ってみたが、痛いものは痛い。眼帯でも探してこないと腕も疲れる。
それから少し経ち、痛みも引いてきたので、父さんに聞くことにしたかったが、リアス、白音、マルタ、美優には、俺達の血筋、家系を理解した上での話を聞いて貰わないといけないため、俺のーー皇家の正体を教える必要があった。そして俺はソファーに深々と座り込み、自分の正体を、皇家の正体を語った。
帝「さてだ。単刀直入に言う。俺、イッセー、父さんは皇家という勇者の一族だ。・・・因みに言っておくが・・・はぁ・・・俺は27代目の勇者の一族の筆頭だ。そして同じく皇家の24代目の筆頭だ。昨日なったばかりだが・・・」
女子メンバーからは予想通り、驚いたような反応を示していた。
自分から「俺勇者の一族の筆頭やってるんだ〜!」とか、正直言いたく無い。くっそ、父さんめ・・・後で覚えてろよ・・・
帝「さて、この後俺が父さんに聞くことは、皇家の家系を知っている状態でないと結構混乱するだろうから説明しておく。」
その事にみんなが首を縦に振っていた。
帝「まず勇者の一族とは、神剣ーー神の施しや祝福を受けた剣を唯一扱える一族だ。それ以外の人物が使うと、その剣の真価は発揮され無い、唯のなまくらになる訳だ。そして皇家とは、勇者の一族の中でも秀でた才能を持つ一族だ。」
俺は勇者の一族である事、皇家の者である事に誇りを持っているが、自惚れたりはしないし、傲慢にもならない。なるつもりもないし、なりたくもない。だから俺は相手にはある一定の尊敬を持っている。
帝「そして俺の祖父は、かつて勇者の一族最強と呼ばれた、皇 龍仙だ。」
リアス「皇 龍仙・・・!あの3大勢力の戦争中に入ってきた勇者軍の鬼神・・・!」
帝「その通り。俺達勇者の一族は人類を守る砦と言っても可笑しくない故に、人類を見守っている。人外や怪物共から人類を守るために勇者の一族はみんな数千年単位で生きている。平均寿命が大体2000歳くらいだな。だから俺の祖父多分まだ生きてる。」
美優「でもお兄ちゃん、それだったら何で強制的に悪魔にされている人がいるの?」
そうだ、その質問を待っていた!
帝「勇者の一族は現在進行形で滅びに向かいつつあるんだ。ある日に起きた事件の所為で・・・な。」
マルタ「それってどういうこと?」
帝「勇者の一族は本来、富士の樹海の中にひっそりと暮らす一族だった。だが、ある悪魔によって一晩で壊滅だ。生き残っている人は、人外や怪物を倒した後に帰ってきた人々か、その悪魔に呪いをかけられたかだ。今生き残っている勇者の一族の大半は後者、俺の祖父は前者だ。」
白音「その悪魔の特徴って今は分かっているのですか?」
帝「大体・・・だな。特徴は、まず外見は老人だった。男のな。そして口調はかなり軽かった・・・らしい。そして一番はそいつの力だ。勇者の一族を一晩で壊滅させる辺り、かなりの強者と言える。しかも、そいつは暇つぶし程度でやったらしい。多分超越者に数えられていている可能性がある。そしてどうやら、そいつは自分を殺さないと解けないタイプの呪いをかけたようだ。呪いをかけられた人らは皆植物人間状態。まともに動ける人は十数人程度だ。」
リアス「それじゃあどうやって勇者の一族の筆頭になったの?」
帝「・・・父さんがLI○Eで確認取ったようです・・・」
それにはみんな何とも言えない顔をしていた。
帝「んで父さん、俺の右眼が痛み出した事に心当たりがあるみたいだけどどういうわけ?」
誠「帝、お前にはまだ話してないが、お前の婆ちゃん、実は魔眼の一族だったんだ。」
帝「何その厨二病的新設定・・・」
なんか今凄いこと口走った気がする・・・気のせいか。
誠「リアスさん、詳しい話は昨日こいつから良く聞いたから聞くけれど、戦闘中のこいつの右眼に何か変化はあったかい?」
リアス「はい、途中から右眼が黄金に輝いていて、少し性格が変わっていた気がします。」
誠「そう、魔眼を発動させた者はみんな少し性格が変わるんだ。帝もきっとその影響を受けたんだろう。加えて魔眼は開眼したときはまともに動いたケースは少ない。そして開眼してから一週間は不安定で、さっきのお前みたいにいきなり魔眼が開眼した方の眼がいきなり痛み出して発動する場合がある。しかも制御不能に近い状態だからどんな能力が発動するか分からないから、眼帯を着けておけ。」
帝「あーはいはい。どうだみんな。俺が父さんに質問してもあんま驚かなかったろ?」
美優「じゃぁお兄ちゃんはもしかして?」
帝「おう、いきなり普通の人間だと思ってた人らが魔眼とか勇者とか言ったら混乱するだろうから、今の内にさっさと自分の正体明かしてから聞いた方がそういうのがなくなるって思ったくらいだ。」
マルタ「流石エミル!私達のこと考えてくれるなんて、やっぱりエミルは勇者様だよ!」
帝「ははは・・・まぁ、俺には勇者を名乗る資格なんて無いけどな・・・」
白音「・・・」ジーッ
俺はそう呟くと、白音は俺をジーッと見ていた。彼女は猫又故に耳がいいのだろうか。多分俺の呟きは聞こえていただろう。
誠「それより帝、写真撮っていいか?」
帝「はぁ?何で?」
誠「いいじゃないか。眼帯姿の帝なんて貴重だろう?」ジリジリ
帝「ジリジリ寄って来るな。気持ち悪い。」
そう言うと、父さんはがっくし項垂れていた。そう言えば俺の親2人共親バカだった。
帝「美優ー疲れたー。頭撫でさせてー。」
美優「うん、いいよ♪」
ぁー癒されるー。やっぱ妹は癒しの存在だ〜。って俺も親のこと言ってらんねぇな。
そう思いつつも妹を撫でるシスコンな俺だった。
To be continued