帝side
最近俺の心がおかしい。部長を見るたびに胸の奥が張り裂けそうになって苦しい。この気持ちが何なのか、全くわからない。俺は考えても考えても答えが出せなかった。
ドライグ【大丈夫だ。相棒なら答えを見つけ出せるはずだ。】
そう、俺は今、精神世界に寝ながらいる。正確には、体は寝ているが、精神は寝ていないという、自分でも頭おかしぃんじゃねぇの?と思うようなことを、最近できてしまうようになったのだ。
ーーーそれはそうとして、ドライグ、聞きたいことがある。ゼノンもこっちきてくれ。
ドライグ【何だ?一体。】
ゼノン【内容次第では主といえど噛みちぎるぞ。】
ゼノンは昨日精神世界に潜ってたら出会った。身体の色は、白と黒を基調した色だ。だからこいつの神器が白黒なのか。
ーーーいや、少し気になったんだが、龍同士の神器を融合させようとするとどうなるんだ?
ゼノン【何かと思えば・・・お前は死にたいのか?】
ーーーどういうことだ?
ドライグ【まぁ待て。俺が説明しよう。龍同士の神器を融合させようとするとどうなるか。それは大きく分けて3つある。今から言う2つはほぼ失敗だ。まず1つは、死ぬ可能性。もう1つは寿命が大きく減る可能性だ。】
ーーー最後の1つは?
ドライグ【最後の1つは、体の一部を龍の体とする代わりに、死ぬ可能性も寿命が大きく減る可能性もなくなり、完璧に龍同士の神器を融合させることができる。】
ーーーマジか!
ドライグ【だが、最後の1つができる可能性は極めて低い。だから龍同士の神器を融合させようとするのは極力控えてくれ。】
ーーーそっか。教えてくれてありがとな。それじゃ、もう行くわ。
ゼノン【待て、主よ。】
ーーー・・・何だ?
ゼノン【もうじき、俺の能力が開花されるだろう。だが、それは主の努力次第の話だ。これも一応忘れるなよ?】
ーーーあぁ、わかった。
俺はそう言うと、精神世界から姿を消し、体の方は目を覚ました。
帝side out
美優side
美優「お兄ちゃんどうしたの?」
私たち皇兄妹(イッセーを抜きにした)とマルタさんは、いつものように通学路を歩いている。あぁ・・・今日もお兄ちゃんはカッコイイなぁ・・・それにいつもは作らない目の下のクマもちょっと可愛い❤︎
帝「ん。いや・・・昨日部長に告られた。」
その一言は私の、もしくは私たちの眠気を吹き飛ばすにはあまりに丁度よかった。
美優「ち、因みにお兄ちゃん、どう告白されたの?」
帝「あー、なんだっけな・・・確か、''私は1人の女性、リアスとして、エミルのことが好きです。''だっけなぁ・・・」
私はそれを聞いた直後、リアス部長に問いただすことに決めたが、あっさりとその決意は砕かれた。
帝「あんまりこういうことはわかんねぇし、・・・その・・・自分の気持ちも、正直まだわかんねぇからその告白は保留にした。」
お兄ちゃんは少し引っかかることを言った。でも、恋のライバルが増えたことには変わりない。お兄ちゃんは絶対誰にも渡さないんだから!