運良く残ってたので投稿しました。
それから、今作はぶっちゃけ当時の私が投稿できるように改善(性倫理的にです)した後の作品ですから、本来はもっとひどい扱いを受けてるアクア様とエリス様です。
その内そっちも出したいと思ってます。
廊下が広い。そして長い。どこまで拭いても、いつまで掃除しても終わらない。
しかも、廊下はここだけではない。当然ながら、バカみたいに広すぎる広大な屋敷のほぼ全ての部屋は廊下でつながっているのだ。
部屋数だけでも半端ない大貴族の邸宅に格安で雇われ使役されている最下級召使い(平たく言えば奴隷)の月収だけで保釈金を払うには、あと何年かかるだろう・・・?
「なんで、私がこんな目に・・・」
拘束具に包まれたメイド服を身にまとった女神アクアは、髪と同じく真っ青な顔色でボヤく。これに反発したのはもう一人の女神エリスである。
同じく拘束具付きではあるがスカートの丈はさらに短く、パンツが全然隠せていないミニスカメイド服姿で四つん這いになって雑巾掛けをしていた彼女は一度その手を取め、キッと鋭い視線で先輩女神メイドを睨み上げ、厳しく叱責する。
「誰のせいだと思ってるんですか!? こうなったのも全部先輩が悪いんですからね! 少しは反省してください! 私まで反省が足りないと判断されて牢屋に戻されたらどうしてくれるんですかっ!」
「私のせいだっていいたいの!? アンタだってあの時一緒になってゴッドブロー放ちまくってたんだから同罪でしょう! 自分の責任を棚に上げて他人に罪を擦り付けるのはみっともないから辞めてくれないかしら!? 同じ女神として私まで品位と常識が疑われちゃいそうなんだけど!」
「先輩のどこに品位と常識があるって言うんですか!? 部屋にはお菓子とゲームが散乱してて、寝起きにボリボリお尻をかきながら新聞読んで、冷めきったトーストかじりながら寝酒の残りをコーヒーで流し込む女神の一体どこをどう探したら品位なんて高級なモノが出てくるって言うんです!? 残念さの間違いじゃないですかねぇ!?」
「なっ・・・!? あ、アンタ人が隠してた秘密を大衆を前に大声で・・・! アンタだって似た者同士のくせに!
私知ってるんだからね、アンタが机の下にBL妄想小説書いたノートを隠してることも、実はエロDVDの視聴が趣味で毎晩それを観ながら一人でハァハァ、ハァハァとーー」
「きゃああああっ!? どうして言っちゃうんですか! どうして言っちゃうんですか! どうして言っちゃったんですかぁぁぁっ!!!
これが原因で私が婚期逃しちゃったら絶対に先輩のせいですからね!? どんな理由があろうとも責任取ってもらせますよ!? 覚悟しておいてください! 毟り取れるだけぶんどってあげるんですから!」
「上等よ!掛かってらっしゃい、この乳無し隠れクソビッチが! お望み通り相手してやるわよ! 格の差ってものを教えたげるわ! 先輩より優れた後輩などいねぇ!」
「なんですって!?」
「なによ!やる気!
やるんだったら表に出ーー」
ぺちん! ぺちん!
「こらっ!サボるんじゃない! ・・・はぁ、まったく君たちは・・・」
二人の頭をはたいて注意したのは、穏やかそうな顔立ちと程良く引き締まった肉付きのイケメン青年で、身嗜みにも立ち居振る舞いにも品格と礼節を漂わせた、まさに王子様と言った感じの王道貴公子好青年、屋敷の主アレクセイ・バーネス・アルダープの嫡子、アレクセイ・バーネス・バルターであった。
人柄がもの凄く良くて人望もあり、非常に努力家で民のために知識をつけようと日々勉学に励む完璧を絵に描いた様な男。最近では父親の悪政によく進言をしては軌道修正し、次期領主どころか今すぐ代替わりしろと言う声まで上がるほどの完璧超人。
本来の二人ならばーーまぁ、アクア様はともかくとしてエリス様ならば多少絆されてもしかたないルックスとスペック保持者なのだが。
残念だが、二人はすでにカオスな巨乳変態美少女との出会いで悪影響を受けすぎている。素直な憧憬や、年頃の女の子らしい恋愛小説じみたラブストーリーへの憧れなど微塵も持ち合わせていない。
(この苦労知らずのボンボン、よくも水の女神たる私の頭を叩いてくれたわね!
罰当たりな行いには後で天罰を加えてやるんだから!)
(ダメですよ、先輩。この世界で女神としての力を使って天罰を与えたりなんかしたら、私たちが神様からお仕置きされちゃいます。・・・なので、バレないように物理攻撃で殺っちゃいましょう)
殊勝に頭を下げる二人の美少女メイドによって散々にこき下ろされていることに気付くことなく、むしろ奴隷の身分に落とされた二人の“犠牲者”に哀れみと慈しみ、そして罪悪感と憤りを覚え、改めて彼は“決意”を胸に抱く。
「安心すると言い。これ以上、君たちのような犠牲者がでるのを座視する気はない。そろそろ王都も動き出す。いずれ、君たちも不当な奴隷の身分から解放されて正当な身分を取り戻せることだろう。
後少しの辛抱だ。我慢してくれ」
「「・・・は?」」
ぽかんとマヌケ面をさらす、この世界で崇められている崇高なる女神の二柱。異世界の未来が悲観される光景だが、それ以上にアクセルの未来を悲観しているのがバルターであり、つまりはまぁ、その、なんだ・・・正義と忠誠を奉ずる彼は信じ切っていたのだ。
二人の奴隷が猥褻物陳列罪の末に牢屋に放り込まれ、真夜中に眠りこけていた門番を全裸で誘惑し誘い込み気絶させると着ていた衣服を剥いで脱走し、夜遊びのために都市近郊までお忍びで赴いていた領主である父アルダープを人質にして国外逃亡を図ろうとした国家反逆罪レベルの凶悪きわまるテロリストであるなどという罪状は“彼女たちの身体目当てで父がでっち上げた偽り”に違いない、と・・・。
往々にしてラノベでの完璧イケメンキャラは残念な扱いを受ける。彼の場合は、善意と好意と正義感によって、“たまたま”凶悪犯罪者である二人の美少女受刑者を解放してしまう切っ掛けになったにすぎない。
なので、彼は悪くない。断じてない。全然無い。
・・・だが、究極的に責任を取らされるのは責任者でありながら責任逃れをする父に代わって責任を取りたがる息子の彼であるのもまた事実。
ああ、世の中とはかくも残酷な悲喜劇で満ちている。今頃きっとどこかのダンジョンでは仮面の悪魔が悦んでいることだろう。一人だけでも幸せになってくれて良かった。
・・・そう思わないと本当にやっていられない、そんな救いのない物語が今回のお話だったりするのである・・・。
「領主マルダーン? その人の家でエリス様とアクア様は働いてるの?」
「はい、その通りです。・・・いえ、正しくはマルダーンではなくアルダープですが。
て言うか、誰ですか? マルダーンって」
「マルダーン・ンフ・マルダーン! 戦士の中の戦士! ボクも斯くありたいと思います!」
「貴女の職業は盗賊です。戦士になりたいのなら、まず転職してください」
ボクの質問に快く答えてくれたのは、黒髪ロングでキリリとした表情の社長秘書風美人さん。いかにもエリートっぽい眼鏡とタイトスカートが良く似合ってるね。可愛い系より綺麗系だね。ぶっちゃけ、大人の余裕的な色気に欲情してます。
エリート街道まっしぐらに進んできた都会系エリート。周囲と隔絶された伝統あるお嬢さま学校で純粋培養された典型的な良い所のお嬢さま。幼い頃から厳しく躾られた結果、真面目すぎる堅物になったけど心の中では異性に対して興味津々。毎晩お部屋でイケない御本を読みながらイケない行為に耽ってる悪い娘ちゃん。
思わず、エッチなお仕置きしたくなっちゃうね! 快感を覚えさせたいね! 堕として溺れさせたいね! ・・・二度と抜け出せなくしちゃうよ? 恥国から。
でも、大丈夫! そんな悪事から彼女を守れるのはボクだけだからっ!
そして、助けた彼女とボクの二人はそのままゴールインだ! 夜明けのモーニングコーヒーを一緒に飲もう!
「と言うわけで、結婚を前提に抱かせてください」
「なにがどうなって、そういう結論になるのですか!?」
ありゃ、先走っちゃった。先っぽだけに、なんちて。
「あはは、冗談冗談。それで? 依頼内容の細かい部分を聞いちゃっていい? それとも聞かない方がいい? 王国が盗賊に盗みを依頼する内容を聞かせちゃっても大丈夫?
あっ! もしかしてウッカリ秘密を漏らしたりすると、お姉さんからエッチなお仕置きを受けられたりするのかな!?」
「なんで物凄く嬉しそうな笑顔を浮かべて失敗した後のことを語り出すんですか貴女!? こっちは真剣に頼んでいるのですから、まじめに仕事してください!」
「失敬な! ボクが真面目に仕事した事なんて一度もない!
つまり! 不真面目な態度で仕事に励むことこそ、ボクの真面目な勤労精神の現れなのだよ!(ドヤァッ!)」
「どデカい胸を反らして自分のダメな部分を誇るなぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!」
はぁはぁはぁ・・・・・・・・・。
王宮の一室で向かい合う二人分の巨乳。片方は四つん這いになってお尻を突き出しながら、はぁはぁしてます。
う~ん、なんて言うかモノすっごくエロい。抱きたい抱かれたい、お仕置きしたいし、されてみた~い♪ もっともっと、もっとイジメてお姉さま~ん☆
「・・・ああもう、ペース狂うなぁこの人・・・・・・。
ーーこほん。とにかくです。本来あなたに依頼する予定だった内容、不正の事実を知った姫様自ら乗り込もうとするのを必死に引き留めてるのに聞く耳持ってくれないから妥協案として仕方なしに提案した依頼内容は、アルダーブの屋敷に侵入し『賊が屋敷に金目のモノを盗みに入りましたよ』と言うメッセージを残し、それを世間一般にも公表して家宅捜査するための口実を作り出すことです。
ただそれだけです。それ以外のことはなにひとつしなくていいですし、しないでください。て言うかするな、絶対にだ。約束破ったら死刑」
「針千本飲まされるより怖い罰則だなぁ~」
う~ん、さすがは文明レベルが中世の異世界。権力者は時に国を守るため、平然と残酷なことをやらかすのです。
「わかったよ、国が依頼したことを秘密にするために名前を名乗ってくれない美人のお姉さん! ボク、がんばって依頼をこなして報酬もらう! だから成功した暁には十分に報いてね!?」
「もちろんです。国は信義によってのみ立つ物ですからね。
交わした約束を守らない国は、いずこの国からも信を得られなくなるのは明白。たかだか盗賊の少女一人に渡す報酬をケチって、その様なリスクを背負わされるのは割に合いません。キチンと提示した額の三割り増しでお支払いしますよクリスさん。
・・・・・・三割り増しになってる真意は、言われずとも分かりますね?」
途中から無表情にすごんでくるのは、交わした約束で信義を守る国の司法官さん。
う~ん、腐ってるなぁ・・・。さっすが中世。
「Yes.マイ・ロード」
格好良く答えてボクは口止め料を約束してもらうと第二の故郷アクセルの街へ、レッツ裸ゴー!
目指せ! 『屋敷の屋敷に進入したのに「入りました」と書かれた紙だけ置いて逃走する』パーフェクト・クライム! 完全犯罪クラブ! PCP!
こういうの、一度やってみたかった!
「・・・あれ? でもそう言えばPCPって、どんな内容のマンガだったんだろう・・・? 詳しい描写は載ってなかった気がするなぁー。金庫に入って「入りました」も最終目標みたいな扱いだった気がするし・・・。
ーーま、いいや。今回も、おもしろ楽しくお気楽に適当に依頼をこなそう」
真面目は不真面目な美少女巨乳盗賊クリスちゃん! それがボクの生き方だい!
「ーーとまぁ、そう言う事情なので。アクア様もエリス様も狭くて苦しくても我慢してね? 後でボクがちゃーんと、お仕置きされてあげるから」
「「ふごごごご! ふごー!ふごー!(何がどう、『そう言う事情』なのよー!(なんですかー!)」」
ボクは二人の女神様(in敵にコスチュームを奪われちゃって恥ずかしいぃ~状態)を適当な箱の中に詰め込んでからゆっくりと蓋を閉じる。
そして敵から奪ったコスチューム(ようするに女神様達から引っ剥がしたメイド服)の着心地を確かめてみる。
敵基地に潜入作品のお約束として屋敷で働いてるメイドさんのコスチュームを奪ってみたんだけど、気付いた時にはあら不思議。
なんと! そこには下着姿でふん縛られて床に転がされて「ふごふご!」言ってるアクア様のお恥態が!
あまりにも予想外すぎるタイミングで感動の再会を果たしたボクは感極まって、ノーパン状態から丸出し状態へランクアップを果たしたアクア様のお尻を撫で撫でしまくることで喜びを表現。
涙目になってボクを潤んだ瞳で見つめてくれるアクア様は、よっぽど感極まってくれてたんだろうね。隣の部屋へ危険を知らせる変なボタンを押してしまうほど、冷静さを失ちゃってた。
そして飛び込んできたエリス様を羽交い締めにしながら感動の再会パート2! やっぱりボクたちは運命の赤い糸で結ばれてたよ!
このとき既にコスチュームはアクア様から奪ったのがあったんだけど、エリス様の超タイトミニスカートのメイド服が魅力的すぎるあまり、思わずスティール使ってる暇もなく強奪しちゃってた。
さすがのボクも依頼遂行中の敵地において、二着もメイド服をドロップして持ち帰るほどの変態じゃあない。仕方ないから同じアイテムのうち先に手に入れた方をその場に捨てて、新しい方を装備しなおす。
「うん、やっぱりショートパンツも良いけど、超タイトミニスカートもスゴく良いね! えっちぃよ!
アクア様の着てた拘束具付きのも奴隷っぽくて大好きだけど、ボク的には断然こっち派かな。えっちぃのは良いことだと思います」
と、いつまでも姿見の前でポージングをしている場合じゃなかった。仕事の時間だ。
「スネーク、ミッションを開始する」
さぁ、行くぞ。段ボール箱はどこにあるんだ・・・?
「「むー! むー! むーーーっ!!!」」
「うーん・・・なんか違う気がするな・・・。左手がもってる鉄球の位置をもう少しこう・・・」
自分の作った作品の出来にとことんこだわる芸術家の気分になりながら、ボクは現在マルダーン邸内を探検中。
見かけたメイドさんは片っ端から脱がして剥いて、色々なポーズとシチュエーションの等身大メイドさんジオラマを制作して回ってます。
今回のは相部屋でイケナイコトしてたっぽい二人の上品なメイドさん。たぶん、貴族の家から行儀見習いで奉公に来てる人だと思うよ? 花嫁修業的ななにかの理由で。
貴族令嬢を見かけたら、とりあえずは脱がして縛るのがボクの礼儀作法です。
なので脱がして縛りました。二人まとめて捕まえたので合同作品ならぬ、合体作品として仕上げてみました。いや~ん♪ ボクのイ・ケ・ナ・イ・子☆ 後でたっぷりエリス様のお仕置きが待ってるぞ~♪ たーのしみー☆
「でも、まずはコレを完成させなきゃね! 作品を途中で投げ出しちゃったら、芸術家の名が廃るよ!
エロ芸術作品の奇才、レオナルド・ダ・ピンチと呼ばれたボクの名前が白い液体で汚されちゃうのは断じてNo.!」
と言うわけで完成です。
作品タイトルは「ミロのヴィーナス」ならぬ「見ないで!ヴィーナス」と「最後の審判」ならぬ「最後の審判されちゃってます」の二つです。
まず最初の「見ないで!ヴィーナス」。
これはシンプルに全部脱がせて手で隠させてるだけの代物です。造形としては平凡きわまりないですね。
でも、この作品で見てほしいのは形ではありません。場との調和です。
なんと! 彼女たちは現在、なぜか庭で放し飼いされてたワニさん達がいっぱい住んでる池の中央にある小島の上で、ぷるぷる震えながら倒れないようにバランスを取っているのです!
落ちたら当然ワニの餌です!
怖いですねー、恐ろしいですねー、ホラーですねー、すっごく愉しいですねー♪
「うんうん、絶景かな絶景かな♪ 下の子が支えてあげてる上の子が倒れちゃったら共倒れだから尚良いね! 友情だね!助け合いだね!
女の子同士の百合で不純な友情ってステキだよね!」
ボクは上機嫌で作品を見る目の視線をさらに上へと上げる。
「むぐむぐ・・・おひぃる! おふぃるーーーっ!!」
両手を左右に伸ばしてる子は、片手にひとつずつ鉄球もって涙目で慌てながらもフラフラしてる。
最初の子の上に、どうやって立っているのかと言いますと。
じゃじゃん! 実は下の子にはブラだけ残してあげてパンツを穿かせていないから、左手は下を隠して右手は上の子を支える足場にしてあげてる優しい助け合いの精神!
足場が右手の手のひらだけだから上の子は爪先足立に近い状態です。足先の指は全部ついてるけど、そこから後ろは角度を変えて必死にバランスを保っているのです!
ーーあ、当然のことだけど上の子には下も上も残してあるよ? 丸見えになっちゃうからね。盗賊にも盗んじゃいけない下着があるのです!
「じゃ、ボク行くね。朝になるまで頑張って生き延びてください!
あ。それからなんだけど、下の人はお尻冷やして風邪引かないように気をつけてね?
それじゃっ!」
「「ふぐーっ!ふぐーっ!ふんぐぐぐーーっ!!(お願い助けて!置いてかないでぇーー(>ュ<。)ビェェン)」」
さーて、どんどん脱がしまくるぞー♪
「ーーあれ? なんだろう、この部屋? なんか隠すように偽装されてる・・・」
あらかた脱がし終えて良い汗かいたと一息ついてたボクは、夜風に当たって火照った体を冷やしたいなと思ったから、冷たい地下へ地下へと潜ってきました。
中世時代の温度調整だったらとうぜん地下でしょ!
いつ行くの? 今でしょ! どこ行くの? 地下でしょ!
ーーと言うわけで地下室です。地下室の中に隠してあった隠れ部屋の中に、ボクは今います。
なんか暗くてジメジメした場所だなー。モトラドのエルメスくん辺りが喜びそう。
ま、いいや。とりあえずは盗賊らしく、お宝漁り♪ お宝漁りーっと♪
「ヒュー、ヒュー、ヒュー」
おや?」
「ヒュー、ヒュー、ヒュー。誰だい君は? 何者かに侵入されたみたいだけど良いのかいアルダーブ」
???? なんだか不思議な格好した人だな~。鎖につながれてるし、服はボロボロだし地下室にいるし、でも囚人プレイしているにしては顔が楽しそうだから徹底してないしなぁー。
ま、分からないときには、とりあえず真似てみよう。
よいしょっと。
ガッチャン。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
二人並んで仲良く鎖につながれてみました。
ーーうん。やっぱり、何がおもしろいのか良く分かんないや。
「ねぇねぇ、これやってて楽しいの?」
「ヒュー、ヒュー・・・。あんまり覚えてないけど、たぶん僕は君よりかはバカじゃないと思うよ」
「ヒュー、ヒュー! きゃーっ! エリス様ー!すてきー!抱いて抱かせてHなことさせてぇー!」
「ヒュー、ヒュー・・・は、そう言う意味で使ってるんじゃないからね?」
うん、一応真似てみたけど面白くなかったね。やっぱりかーえーろーっと。
「それじゃあボクは帰るけど、君はどうするの? ここでプレイし続ける? それとも新しいプレイに挑戦する?」
「ヒュー、ヒュー。ぷれいってなんのことだか分からないけど、せっかく来たんだし君の願い事を聞かせてくれないかい? 僕は悪魔だから人間の願いを叶えてあげられるよ?」
「え、いいの? 本当に? やったー!
じゃあねじゃあね! ボクのお願い事はね!
ギャルのパンティー、おーーーーーくれーーーーっ!!!!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・ヒュー?」
「だーかーらー。ギャルのパンティーだよ、ギャルのパンティー。男の子の夢でしょ? このお願いするのって」
「ヒュー、ヒュー。それは良く分かんないけど、パンツだったら君の頭の上にあるじゃん。被ってる状態で」
「これは別腹!」
「ヒュー、ヒュー。・・・ポケットの中いっぱいに詰まってる分は?」
「これは別ポケット!」
「ヒュー、ヒュー。・・・・・・盗んできたっぽいリュックいっぱいに詰まっているのは?」
「これは別アイテムボックス!」
「ヒュー、ヒュー。・・・ごめん。君の願いが良く分からないから叶えられないかも・・・」
「そっか。残念だけどしょうがないね。それじゃあ誰かは知らないけど、ボクの願いを叶えてくれようとしてくれた優しいお兄さん?お姉さん?オジサン?オバサン?オバタリアン? ま、なんでもいっか。
それじゃあねー♪ ババイキーン☆」
「ヒュー、ヒュー。・・・・・・二度と来るな」
ばたんっ!!!
この後、アルダーブの治める領地に点在して衣類各都市で、恥ずかしい恥態を晒して泣いている美女美少女達の姿が描かれた目のデカい肖像画が張りまくられているのが見つかり、大騒ぎになるのだが。
それよりも数刻前、夜明けが訪れる前に朝食の下準備を始めようとメイド長が(勤続35年の大ベテラン。お婆さんだからクリスのターゲットから外されました)食器棚の下に置かれていた箱がガタガタ揺れているのを発見し、不振を覚えて開けてみると、
「「クーリースー!(さーんー!)」」
箱から飛び出た下着姿の美少女二人が(片方はノーパン)怒り心頭。鬼となって暴れ回り、桃太郎さえ裸足で逃げ出すレベルの猛威を振るいまくった結果。アルダーブ家の屋敷は完全崩壊。
家宅捜査どころか自ら救援を要請しなければならなくなるほどの窮状に追い込まれ、起死回生を期したダクネス家への養子縁組み計画の実行を早める羽目になる。
その結果は諸君等の知っているとおりだが、それらの過程で失われた物の一つに領主の嫡男からさえ信頼を完全損失した二人の女神が借金返済&大罪に対する厳罰として、隣国への強制労働に処されたことを知る者はいまい。
真の歴史とは、歴史書に記されていない文脈の間にこそ存在する。
世界を司る二柱の女神が行き着く先は何処やーーーー?
「ーーだから私はちゃんとあの時に!!」
「アンタだって乗っかってきたじゃなーー!!」
「看守長ー。今日も牢屋の中が騒がしいんですが?」
「またかよ・・・。昨日の夜に、これ以上暴れられないよう顔だけ外に出てる壷の中へ裸全裸で押し込んでやったってのに・・・。
これはあれか? いっそ身体だけスフィンクスにしてピラミッドに奉納し、本物のスフィンクス様から直に教育していただく以外に頭を良くする道は残ってねぇのか?」
「質問だして答えられなかったら爆発するあれですかい? あれは確かに一度の爆発で服がボロボロになりますが、こいつらには利くのかなぁ~?
いっそのこと、賢いエルダードラゴンロード様にお願いして弟子にさせてもらったら如何ですかね? ほら、間違える度に尻尾で尻をたたかれるスパルタな奴。あれだったら少しくらいは・・・・・・」
「はぁ・・・。どれも長続きしそうにねぇが・・・まぁ乗りかかっちまった船だ。試せるモンは全部試すぞ。ヤス、付いてこいや!」
「ウッス! どこまでもお供しやすぜ看守長!」
・・・・・・・・・本当に二人の女神の行く末は何処なんだ!?
つづく・・・かも?