今の私は盗賊のクリスだよっ!   作:ひきがやもとまち

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遅れに遅れて申し訳ないです。迷走しまくってました。
エロ要素を入れたらエロくなり過ぎ、試行錯誤する度に悪化する。
なので今回は割り切ってギャグ回です。お色気回は折を見てという事で

もういっその事そう言う作品でも書いてみようかと思っています。
原作としては私的に「さぁ、ゲームガルドを攻略しようか。」を押したいですね。
世界観が「このすば」に比較的近く、少年少女以外は冒険者になれない。女の子冒険者たちの鎧はビキニアーマーかゴスロリアーマーの二択のみ。・・・何時の時代なんでしょうね。

なお、今話は即興で書いたため普段よりかは短めです。

*学園エロコメも考え中です。一度失敗したので投稿はしていませんが、何らかの形でソッチ系の話を投稿したいと思います。


3話「初めての仲間加入イベントだよっ!」

「「私たちの拳が光って唸る! クエストこなして報酬寄越せと輝き叫ぶ!

  ばぁくねつ! ダブル! ゴォォォォッド・ブロォォォォォォっ!!」」

 

 水と幸運の女神二人が同時に放つ、当たれば死ぬゴッド・ブロー×2。

 これで死なない相手なんているはずなーー

 

「くわぁぁぁぁっ!」

「「き、きゃぁぁぁぁぁぁっ!!??」」

 

 カエルさん(初級討伐クエストモンスター)には効きませんでしたーっ!

 

「いやー! もういやあああ! カエルに食べられるのは、もういやああああっ!!

 昨日も食べられたの! 一昨日も食べられたの! 一昨々日も、そのまた前もずっとずっと前から食べられ続けてるのっ!

 ねちょねちょぐちょぐちょな生活はもう嫌よーっ!」

「叫んでる暇があったらもっと早く走ってください先輩! カエルが! カエルがすぐそこまで迫ってきてるんですよぉぉぉっ!!」

 

 あの巨体で速度がアークプリースト以上っておかしくありませんか!? 絶対に生態系が狂ってますよ、この異世界!

 過酷な世界だからこそ、その時を精一杯に生きる生き物たちの傍迷惑さここに極まれりです! 大人しく狩られてくれたら苦労しないで済んだのに!

 

 この面倒くさい世界に生きる冒険者たちに楽なクエストを!

 

「そうだわエリス! 良いこと思いついた! こう言うときこそあの変態を使うのよ!

 あいつは私たちに惚れてるわ! 呼べばすぐに飛んでくるはずよ! そしてあいつがカエルに食べられてる隙にカエルを仕留めーーいやぁぁぁっ!?」

「ああっ! アクア先輩がカエルに食べられーーきゃああああっ!?」

 

 私までカエルに食べられちゃいましたーーっ!!

 臭いけどいい感じに温かい口内にーーっ!!

 

「ぶはぁぁぁぁーーぶっ!

 ぶはぁぁぁぁーーぶっ!」

「うわぁぁはぁぁんっ!

 あぁん! あぁん! あぁん!」

 

 脱出しようと必死にあがいて口から出たと思ったら引き戻されるなんて、まるで地獄ですーっ!

 

「誰か助け・・・ぶはぁっ!」

「もうイヤ! こんな生活もうイヤ!

 誰か私たちに祝福をーーっ!・・・うあぁん!」

 

 こうして私たち女神エリスと女神アクアによるジャイアント・トード討伐クエストは、六回目の大失敗という形で幕を閉じたのでしたーー。

 

 

 

 

 

 

「アレね。二人じゃ無理だわ。仲間を募集しましょう」

「・・・え?」

 

 ねちょねちょぐちょぐちょの姿で街に帰還してきたアクア様は真顔でそう言った。

 これにはさすがのボクも思わず唖然。びっくりおったまげたー。

 

「なによ? 何かおかしな事言ったかしら私。別におかしくもないでしょ?

 少しは考えてもみなさい。私とエリスはアークプリースト、回復職の上位職よ。攻撃系スキルも無くはないけど専門じゃないわ。後衛を私たちがやって前衛に戦士職を配置するのは冒険の基本でしょ」

 

 うん。ボクもそう思う。思うんだけどもぉ。

 

「今更すぎない? もう二人が冒険者登録してから一週間以上経ってるよ?

 その間ずっと食費も馬小屋宿泊代も大衆浴場の入浴代も、あとは何より討伐失敗の度に壊して還ってくるレンタル武具代も全部ツケなんだよ? ツケって借金のことだよ?

 どうせならもう少し早く仲間を募集した方が良かったんじゃないかなぁ」

「言わないで! それは言わないでよぉ! 分かってるから、すっごくすっごく分かっているから言わないでぇぇっ!!

 そうよ!夢見てたわよ! 冒険者ってなんか格好良さそうだし、楽して大金稼いで左団扇で大金持ち、いい男たちに囲まれてチヤホヤされたいなって青写真抱いてたのよーっ!」

「いやー、それは無理だわー。絶対に無理だわー。

 それこそ伝説級の武器防具をドラゴン狩りして日常的に手に入れ売り飛ばさないと出来ないわー。MMOでもそれくらいは必要だわー。ドラクエは少し生温い」

「アンタはいったい何様のつもりだーっ!」

「ボクの名前を言ってみろーーっ!」

「それもう飽きた! マンネリを私は拒絶する!」

 

 相変わらず日本のサブカルチャーに詳しい女神アクア様。超好み。性交を前提に結婚したい。

 

「ううぅ・・・ついにお風呂やさんにまで出禁を食らわされちゃいました・・・。

 私たち、これからカエルに食べられたとき何処に行けば・・・」

「いや、まずは食べられないですむ方法を考えようよ」

 

 こっちも相変わらずマイナス思考な女神エリス様。幸運の女神様だけどマイナス思考。御利益なさそうだね! ボクが分け与えてあげたいな!お代は当然その身体でねっ!

 

 ちなみにアクア様があえて「二人じゃ無理」ってボクを数に入れなかったのはボクの職業が盗賊だから。

 盗賊=探索職。戦えません。戦闘時には役立たず化するので戦力に計上されていなかったり。

 実際ファンタジーラノベで戦う盗賊が出てくるの、あんまり無いんだよね。ドラクエやFFだと結構強いのに。

 例外の代表は「魔法戦士リウイ」のミレルちゃん。盗賊でアサシンでもある戦える盗賊美少女キャラ、最初はツンケンしてるのに途中からはデレデレ。サブキャラかと思ったらメインヒロインだった意外性満点のボーイッシュな半ズボン美少女ちゃん。

 

 ーーあの格好も良いなぁ。今度はアレを装備してみようかな? うん、明日にでも街の服屋巡りをしよう。誘う相手はもちろんこの二人! 女神様二人とダブルデート!

 アクア様とボク。エリス様とボク。二人とも幸せ、ボクも幸せ。万事めでたしめでたしです。

 

「う~ん。でも難しいかもしれないよ?」

「・・・? なんでよ?簡単じゃないの。この私がいるんだから仲間なんて募集かければすぐよ。

 なにせ私は最上級の回復職アークプリースト! あらゆる回復魔法が使えるし、補助魔法に毒や麻痺なんかの治癒、蘇生だってお手の物。どこのパーティーも喉から手が出るくらい欲しいに決まってるじゃなーー」

「借金総額500万エリス越えてなかったらねー。

 借金の連帯保証人にされそうで誰も近寄ってこないと思うけど?」

「・・・私は悪くない! みんな貧乏が悪いのよーっ!」

「神は私たちを見放したんです! だから、これは全て神様のせいなんです!

 ーー私は悪くないんです、悪いのは私以外の人たちなんです。

 私じゃなくて世界が間違ってるんですぅ!」

「二人とも、それ厨二。痛いから卒業しなさい」

 

 なんか女神様が言っちゃいけないことを叫んでるっぽい二人の女神様。とっても痛々しい。厨二的に。

 

 だけど現実問題どうしたもんかなぁ。

 ボクは探索職の盗賊で戦闘はできない。他の人たちのパーティーに傭兵として参加しながらクエストこなしてて、普通にモンスターと戦ってレベル上げたりお金稼いだりしたことがない。て言うか出来ない、職業的に。やれば死ぬ。

 と言って、二人が二人だけで冒険できるかと言えばかなりギモ~ン。

 ただでさえ箱入りっぽいエリス様と甘やかされて育ったお嬢様系アクア様。この二人だけで冒険とかマジムリゲー。難易度高すぎ半端ない。

 例えるなら「たけやり」で竜王に挑むレベル。絶対勝てない、死ぬ。

 

「・・・となると、やっぱり仲間捜すしかないのか~。

 ーーこの街に出会いと別れの店、ルイーダの酒場ってあったっけ?」

「「ここよっ!(ですよっ!)」」

 

 さすがは剣と魔法と冒険の世界。ギルドが酒場を兼ねてるのってそう言うことかぁ。

 なぁ~んだ、ログホラのギルドと勘違いしちゃったよ。テヘペロ☆

 

「上級職の冒険者募集を見て来たのですが、ここで良いのでしょうか?」

 

 お? 意外なことに第一パーティー参加希望者発見。

 やっぱり秘境の街には物好きが多いんだね。

 

 その子は気怠げで眠そうな赤い瞳をしてて、黒くてしっとりした質感のボブカット。黒マントに黒いローブ、黒いブーツに杖を持ってトンガリ帽子という、いかにも時代錯誤な魔法使い見習いの女の子スタイル。

 人形のように整った綺麗な顔の左目に、十字架の描かれた眼帯付けてる姿を見て、ボクは即座に彼女の正体を見破った。

 

 間違いないーーこの子、厨二病だ!

 

 鳳凰院凶真だ! ギルディア・シン・呪雷だ! 霧龍・ヘルドカイザ・ルシ・ファーストだ! クローズドクロックだ!

 エンドレスパラドックスの灯代ちゃんだぁぁ! いのバト大好きです!

 

「我が名はめぐみん! アークウィザードを生業とし、最強の攻撃魔法、爆裂魔法を操る者・・・!」

「めぐみん・・・・・・エロマンガ先生?」

「ち、ちがわい!

 ――と言うか、誰ですかその卑猥な名前の方は!?」

「えっとね。可愛い女の子のおパンツとお兄ちゃんのことが大好きな女の子で、趣味はエッチな絵を描くこと。必殺技は「エロマンガフラッシュ」!」

「変態だっ!すごいレベルの変態だ! なぜ衛兵はそのような変態を放置しているのですか!

 やはり、この世界は間違っている!」

 

 大絶叫のめぐみんちゃん。エロマンガ先生もそうだけど俺妹も楽しいよね!

 でも、めぐみんちゃんはエロマンガ先生本人じゃなくて友達(志望)だよ?

 

「あと、アークウィザードってクラス名であって職業は冒険者だよね? 生業がアークウィザードって変じゃない? 魔法でご飯食べられないから冒険者になったんでしょ?

 その辺はどういう設定になってるの? 参考にしたいから聞いても良い?」

「ふぇっ!? え、え~とですね・・・わ、我ら紅魔族は生まれつき高い知力と強い魔力を持った魔法使いのエキスパート種族であり、種族名の由来となっている特徴的な紅い瞳と・・・・・・こ、個性的な名前をそれぞれが持っている種族なのです!」

「へぇ~。そう言う設定なんだぁ」

「設定ちゃうわい! 現実じゃい!」

「・・・え? 生まれついての高い・・・知力・・・?

 ーーそのネーミングセンスで・・・?」

「おい、そこの偽乳アークプリースト。私の名前について言いたい事があるなら聞こうじゃないか」

「偽ち・・・!? 失礼な! これは本当に私のおっぱいです!詰め物なんてしてませんー!

 自分の胸が小さいからって人に八つ当たりしないでください!」

「なっ! だ、誰の胸が小さいですって!

 黙って聞いていれば言いたい放題し放題・・・もう我慢できません! 決闘です!表へ出ろ!」

「上等です! 人間が女神にたてつくとは生意気な! 身の程というものを教えてあげましょう!」

「まぁまぁ、落ち着きなさいよアンタたち。人前で決闘だなんて大人げない。もっと理性的に解決しなさい」

「「ですが・・・」」

「そう、例えばーー二人とも私の持ってるモノと比べたら取るに足らない」

「「貴様ぁぁぁぁぁぁっ!!!」」

 

 またしても始まるキャットファイト。新しいメンバーも加わって被害の規模も増大です。

 ルナさんが落ち着き払って避難誘導をはじめ、機織り職人のオイちゃんが混乱してる人たちをなだめて落ち着かせる。

 

 すっかりアクセルの街名物になっちゃたなぁ。そのうち観光客とか来るかしらん。

 

「ーークリスさん、申し訳ありませんが、またお願いできますか?」

「ん? いいよー、ルナさん。まっかせといてぇ。ルナさんのためならえーんやこーら、ルナさんのおっぱいのためならえーんやこーら、どっこいしょっと!」

「仰ってる意味は分かりませんが、とにかく了解していただき有り難うございます。

 報酬はいつも通りに」

「ほいほーい。それじゃあ、いっちょ行ってきますかー」

 

 こうしてボクはアクセルの街冒険者ギルドの依頼を受け、速やかにある場所へと向かう。

 その場所の名はーー衛兵隊の詰め所もある牢獄。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「私たちは無実よー!(なんですー!)」」」

「いいから、じきに王都から拷問係が派遣されてくるから、それまで大人しくしていろ。

 ーー暴れると縄が食い込むだけだぞ・・・?」

「ああっ! 縄が大変なところにー!」

「うう、寒い・・・せめて・・・せめて服だけでも・・・」

「あぁん、見ないでくださーい!」

 

つづく


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