今の私は盗賊のクリスだよっ!   作:ひきがやもとまち

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遅くなりましてすみません。ありがたいアドバイスを頂いたので書き直してました。
アクア様とエリス様の両方を出すことにしたのであらすじを一部削除しました。
ついでに「全裸ネタ」と「女性キャラは不幸」をタグに付け加えました。

基本的にはヒロインの誰かが不幸になって終わるのをパターンにしたいです。
それと、今回は急遽話を変更したので文章がいつも以上に雑です。次回から気を付けます。


1話「喧嘩するほど仲良く牢屋行きだよっ!」

 白い光に包まれていた視界が晴れて、目の前に草原と茶色い煉瓦の城壁が聳える光景が広がっていた。

 

「おお! なんか異世界っぽいね! ファンタジーだね! 現実では建設するのに幾らだろうね! お金持ちの貴族が支配してなきゃできないね!」

 

 RPGプレイヤーにはおなじみの夢のないツッコミを入れた後、ボクは自分の身体について確認をする。

 理由はもちろん、ちゃんとTSしたのかどうかを調べるため。

 ついでに、TSしていた場合は胸やお尻の大きさと形を触って確かめたかめて置きたかったんだ。

 

 お触りは厳禁! セクハラは性犯罪!

 でも、自分の身体で色々ヤるのは合法。自分の身体をオカズにするのは禁止されていないのです。

 

「うん、ちゃんと女体化してるね。おっぱい大きいね。お尻もキュッと締まっててセクシーだね。不二子ちゃんもびっくりのバランスだね!」

 

 数値では負けてるけど、バランスでは勝っていると断言できる。

 だって、バスト99.9。ウエスト55.5。ヒップ88.8センチってバランスが可笑しいもん。

 数字で見ると綺麗なんだけどなぁ~。

 実際にいたら、多分キモいと思う。

 

「まぁ、それはいいとして。

 女体化して最初にやることはーーひとつしかないよねっ!」

 

 ボクはお約束に素直に従い丈の短すぎるショートパンツのホックに手を伸ばしーー

 

「「ダブル・ゴッドブロー!!」」

 

 ーーた所で、二人の女神様から当たれば相手は死ぬゴッドブローを一つずつ頂戴しました。

 それでも死んでないのは手加減してくれたんだろうね。優しいね。

 

「もしかして、ボクに惚れーー」

「エリス、手加減はいらないそうよ。

 次は全力で仕留めなさい」

「はい、アクア先輩。

 今度は必殺のシャイニング・ゴッドブローで確殺します」

「調子に乗ってごめんなさい。

 土下座しますから殺さないで?」

 

 即座に土下座。

 さすがに本気のゴッドブローをレベル1で受けたらオーバーキル過ぎる。絶対に助からない。

 

 ・・・でも、女の子になってから女の子に対して初めてやった行為が土下座って、なんか背徳的だね!

 アブノーマルだね! 感じちゃいそうだね! トイレはどこかな?

 

「まだ邪な思いを感じるんですけど・・・」

「エリス、そいつは存在自体が邪なのよ。考えるだけ損だから割り切りなさい」

 

 酷いことを言われちゃいました。

 ・・・あれ?

 

「なんでアクア様もいるの? 一緒の部屋にいなかったよね?」

 

 そう、なぜかこの場にいるはずのないアクア様までが同席しているという珍事。不思議だね。

 まぁ、ボクの記憶には青色おぱんちゅの事しか残ってないから、どうでもいいんだけどね。

 

 そんな軽い気持ちで訊いただけなのに、アクア様としてはどうでも良くなかったみたい。

 真っ赤な顔して額に青筋立てまくった彼女に掴みかかられちゃった。

 

「アンタのせいに決まってんでしょうが!

 あのあと部屋に戻ろうとしたら神様から、“あんな変態を異世界に押しつけるなバカ! 異世界を滅ぼす気か!? とっとと天国に強制連行して永遠に塀の中に閉じこめておけ!!”って言われて、元の部屋に戻された瞬間にワープ魔法発動。

 頭上からエリスの悲鳴とアンタの変態発言が聞こえてきたわ・・・」

「うわぁ、アクア様マジ災難」

「おかげで、アンタにスカートの下を見られなかった事を喜んでしまったわ・・・」

「うわぁ、アクア様マジ幸運」

 

 履いてないもんね、アクア様。さっき確認済みです。

 ・・・あれ? これって意味なくない? 普通に見られてるよ、ボクに。

 

 ーー気づいてないみたいだから、それでいっか。あと、とくに関連性はないんだけど天国って「生徒会の一存シリーズ」に出てた「楽園」みたいな扱いなのかな?

 

「ねぇ、ところでアクア様~。あっちのちっぱいな後輩(?)女神様は紹介してくれないんですか~?」

 

 アクア様とはまた違った可愛さを誇る美少女女神様。

 ゆるふわヘアーと、ちょっとだけタレている大きな瞳が堪りません。

 そして、ぺたんこ! 無い乳はすばらしい。ひんぬーは正義。巨乳も正義。

 すなわち、オッパイは絶対正義。異論は認めない。

 

「ああ、エリスね。アンタの想像通りに私の後輩女神よ。

 一応、幸運を司っているんだけど、実際は運の悪さが人一倍の残念駄女神よ」

「アクア先輩にだけは駄女神って言われたくないんですけども・・・」

「ギャルゲーとかに出てくる、貧乏な残念女神ヒロインだね!

 段ボールがマイホーム!」

「貴女にだけは何一つとして言ってほしくないんですけども!

 あと、イヤな思い出が蘇るからそれは言わないでぇぇ!!!」

 

 エリス様も元気一杯。

 この調子で異世界生活を満喫したいなぁ~。

 

 そして、女神エリス様は黒歴史持ちなのが確定しました。

 

「そういえばアクア様。ボクって、もう盗賊になってるの?

 ステータス欄とか出ないから自分じゃ分かんないんだけど」

「ゲームのやりすぎよ、アンタ・・・。

 はぁ、少なくとも能力値は即盗賊になれるだけのモノを用意しといたけど、実際に盗賊になっているかは私にも分からないわ。

 この世界の担当はエリスで、私は時々遊びに来たり、地球で死んだ奴を適当に選んでチート武器与えて転生させたりしてただけだから」

「いかにもな神族だなぁ」

 

 ギリシャ神話の神様よりかはマシだけど、アクア様も相当いい加減に天界を運営してるっぽい。

 んで、尻拭いはエリス様に押しつける、と。

 

 うん、良い人間関係だね!

 世話焼きの幼馴染は、貧乳が基本だし。

 

 ぜひとも女神様同士による百合展開を希望します!

 

「ーーだいたい、先輩のそのいい加減さが今回の事態を招いたんですよ! コレ完全に不祥事じゃないですか!言い訳のしようもないほどに! 適当に選んだ人間に神器を与えるだけなら私が回収できます。できますけど、この人だけは無理ですからね!!

 て言うか、この人だけは絶対にイヤです!!呼吸音を聞いただけで妊娠しちゃったら、どう責任をとってくれるんですか!?」

「ボクの初めて・・・要る?」

「要・り・ま・せ・ん!!」

 

 真っ赤な顔をさらに真っ赤にして怒鳴りつけてくるエリス様。

 白い肌に赤い頬。落ち着いた雰囲気に激怒の色と羞恥の朱。

 素晴らしきかなコントラスト。

 わびざび? あるいは黄金比?

 うん、よく分かんないからどうでもいいや。

 

 ボクが自分の中で適当に自己完結をしたあとも、エリス様によるアクア様への非難と弾劾は続いてるみたい。

 

「だから言ったじゃないですか! 誰でも彼でも「死んだらとりあえず転生させとけ」みたいなやり方だと、いつか絶対に大変なことになるって!

 どうするんですか!? どうするつもりなんですか!? どう責任とるつもりなんですかぁっ!!

 大変なことよりも先に、大変な変態がきちゃったじゃないですか! それも、とんでもない大変態がっ!!」

 

 上手いこと言ったつもりかもしれないけど、あんまり上手くないと思います。

 エリス様は冗談スキルを習得すべきだね! 宴会芸とかオススメだよ!

 

「うう・・・。

 だって、いちいち勇者を選定するの面倒くさかったんだもん・・・」

「その結果がコレなんですよ!?

 魔王よりも質の悪い色欲魔人を転生させてどうするんですか! 七つの大罪の一つですよ! 魔王と並ぶ大悪魔ですよ!」

「・・・ゴウセル?」

「そっちの七つの大罪じゃありませんっ!」

「・・・ラスト姉さん?」

「ハガレンでもないですっ!」

「・・・あっ!分かった!パッションリップ!

 あの大きさは色欲魔人レベルだよね!」

「あれは駄肉ですっ!!」

 

 女神エリス様は、日本のサブカルチャーにとっても詳しい。

 もしかしたら、隠れオタクなのかもしれないね。

 

 でも、ぺたんこだからデカパイには厳しいね!お約束だね!

 アクア様とエリス様でシャルティアちゃんとアルベド様コントやってくれないかなぁ~。

 できればぷれぷれの方でお願いします!ボク、シズちゃんやりたい!

 

「こんなのが異世界を救う勇者に見えますかっ!? あきらかに犯罪者予備軍でしょう!? それも性犯罪! もしも「世界中の女の子からパンツを盗む」のが目的だったら、どうするつもりだったんですかっ!」

「ううぅ・・・それ、あり得るかも・・・。

 そいつの願った転生特典「銀髪巨乳の美少女“盗賊”になることだったし・・・」

「と、盗賊!? 天職すぎますよ、それ! 完全に犯罪者ルート一択じゃないですか! 女勇者からもパンツを盗み出しかねませんよ!」

「ああ、それ思った。Ⅲの女勇者ちゃんに「盗む」コマンド使いたいなーって。同じⅢでもFFの方にはあったのになぁ~、味方には使えないけど。

 あと、一番お尻を触りたいと思ったのは、Ⅳの女勇者ちゃんとⅥのセリス様!」

「変態は黙っててください!」

 

 怒られちゃった。

 優しそうで天然系っぽい女神様だけど、こう言うキャラほど怒らせると怖いんだよね。時々病むし。

 

 ヤンデレ系ゆるふわぺったん娘超ボク好み!ぺろぺろしたい!

 そして、お仕置きされたい!とってもHなのを所望しまっす!

 

「あぁぁ・・・。ど、どどどうしましょう・・・。

 変態と駄女神が私の管轄する世界にやってきちゃいました・・・。

 これ、天界に帰ったとき神様になんて報告すればいいんですかぁ・・・」

 

 蹲って自分の運命を嘆く、幸運の女神エリス様。

 その後ろでアクア様が「いや、そもそも戻れないんだけどね。世界移動の門を閉じちゃったし・・・」って、致命的なことを小さな声で呟くのが聞こえちゃったけど、もちろんボクは他言しません。ボクは空気が読める良い子だからです。

 

 誰だって、不幸なぺたんこ美少女僧侶様の冒険が見られるんだったら、見てみたいよね! 男の子だったら当然だよね! 元男の子な女の子でも一緒さ! 人類皆エロ大好き!

 

 ぜひともRー16くらいのを希望します!18禁なら、同人ゲーム風のが良いな! 最近のはツクールで作ったの多いよね! ファンタジー世界を舞台にした王道設定のRPGが、同人のエロRPGばっかりになってきてるのは正直どうかと思います。

 

 楽しいけどね!同人RPG! 美少女が全裸で冒険は基本だよ!

 負けて脱がされ犯されるのは、女冒険者としての義務だと思う(断言)

 

「・・・決めました。私が魔王を倒します!!」

「ええぇっ!?

 ちょ、ちょっとエリス! それだと戻った後に神様からお仕置きされるんじゃーー」

「必ず魔王を倒し、神々から送られる、どんな願いでもひとつだけ叶えてくれる権利を使って・・・私は、この変態を元の世界に強制送還して見せます!」

「ち、ちょっとまってエリス!

 それやられちゃうと私の立場が! アンタだけじゃなく、私までお仕置きされちゃうんだけど!?」

「待っててください、異世界の皆さん。私が・・・この幸運の女神エリスが皆さんとこの世界の平和を守って見せますからねっ!」

「聞いて!お願いだから聞いて!ヤバいって絶対!

 それやったら間違いなく私たちの未来が閉ざされちゃうから! むしろ、私たちが犯罪者扱いされちゃうから! 最悪の場合、そこの変態に口止め料代わりとして支払われちゃうわよ!?」

 

 おお、それは嬉しい。さすがは異世界、転生者に都合の良すぎる設定だ。

 チート無くても特典はちゃんとあって、お得だね!

 

「そうと決まれば、まずは冒険者登録です。冒険者ギルドに行って冒険者に登録してもらいましょう。そこで職業選択もできますし、職業に就けばスキルを覚えてクエストも受注できます。

 名前の記入が必要なんですが、私はこの世界においてエリス教の御神体として崇められていますから、名前を変えないといけません。

 なので、とりあえずは一文字変えてクリスと名乗ろうかとーー」

「あ、それボクの名前っぽい。なんか頭の中に自分の名前として浮かんできたんだ。

 多分、アクア様が考えたんじゃないかな?」

「先輩ぃぃぃぃぃぃっ!!??」

 

 ブルータスに裏切られたカエサルの顔でアクア様へと向き直るエリス様。

 それに対して、ラディカル・グッドスピードよりも速い速度でエリスの視線から顔を逸らすアクア様。

 

 好対照な女神様達がすっごく可愛い。

 まさに百合ラブコメだね、少女タイムきららだね!

 あ、ボクが好きなのは桜trickよりもゆゆ式!唯ちゃん可愛すぎるよね!

 絶対にあの子は真性のドMだと思います。

 

「・・・ごめん、考えるの面倒くさかったから・・・」

「だからって、なんで私の名前と似た名前にしたんですか! クリスが使えなくなっちゃったじゃないですか!

 なんで、もっと変態にふさわしいクズっぽい名前にしなかったんですかぁぁっ!!」

「・・・・・・ごめん、クズっぽい名前を考えたら最初に思いついたのがエリスだったの・・・・・・」

「クズ!?私の名前が!?なんで!?

 私、アクア先輩がイヤがることしたことありましたっけ!? 無いですよね!?

 いつだって迷惑をかけられるのは、私の方だったじゃないですかぁぁぁっ!!」

「・・・・・・ああ、もう! さっきからゴチャゴチャうっさいわね!

 昔っからアンタの人気の高さが気にくわなかったのよ! 悪い!? なんか文句あんの!? あるなら言ってみなさい、聞くだけなら聞いてあげないから!」

「開き直り!? ひ、酷い、酷すぎます・・・。ううぅ・・・アクア先輩のバカぁぁっ!! 考え無し! アンポンタン! 年中ノーパンの露出狂変態女神ぃぃ!!」

「誰が露出狂ですってぇ!? そう言うアンタだって、なによそのお子様パンツは!

 幼女趣味の女神エリス様は八歳までオネショが止まらなかった、お漏らし女神様~♪」

「むきぃぃぃぃっ!! 絶対に秘密だって言っておいたのにぃぃっ!! アクア先輩なんか性悪女神の癖にぃぃぃぃっ!!!

 そんなだから昔から男の人たちに身体目当てでしか声をかけられないんですよ~っだ!」

「なぁ~んですってぇ! この胸無し引き篭もりぃっ!」

「なぁんですかぁ! この胸とお尻に栄養全部持って行かれたアホビッチぃっ!!」

 

 おお、スゴい。

 美少女女神様同士のキャットファイトが始まっちゃった。

 どっちが勝つかなぁ~。

 

 あ、エリス様がアクア様のコスチュームを破いた。部位破壊だ。クイーンズ・ブレイドだね。

 

 おお、今度はアクア様がエリス様の上に馬乗りになってお尻ペンペン攻撃だ。スカートはめくってもパンツは下ろさないのが女神の優しさだね。

 

 ああ!それは駄目だよエリス様! 見えちゃう!見えちゃうから!

 え!? アクア様はそこまでしちゃうの!? それはマズい、マズいよ! 部位破壊は全部が壊れちゃうと裸になって、戦死扱いになっちゃうんだよ!? 戦闘後に衣服が戻るのはゲームだけなんだからね!?

 

「このこのこのーーーっ!!」

「えいえいえいえーーーっい!!」

 

 ・・・うん、放っとこう。

 あのままの格好の二人と町中を歩くのは、さすがのボクでもちょっとだけイヤだ。

 

 粘液塗れだったらプレイの一種と言い張れるけど、あの格好だとなぁ。

 プレイしてましたって言ったら牢屋行きになりそう。

 

 さぁ、とりあえずはボクの冒険を始めよう! まずはエリス様の言葉通りに冒険者ギルドに行って冒険者登録だぁ!

 選ぶ職業はもちろん盗賊! 装備も最低限身につけてる!

 

「行くぞ~っ! 目指せ世界中の女の子との出会い!

 異世界に出会いを求めるのが間違っているわけがない!!」

 

 声に出して決意表明し、ボクは「駆け出し冒険者の町、アクセルへようこそ! 市街地図は門を入ったすぐ横です」って書かれた看板を横目に、アクセルの町へと入っていくのであった。

 

 どんな冒険と出会いと女の子が待っているのかワクワクするね!

 是非ともビキニアーマーを装備した女戦士に会いたいです!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・それで? あんたらなんで、そんな格好のまま町を徘徊してたの?」

「いくらズタボロだからって、女神の羽衣バカにする気!?

 此処よりも酷い地獄に突き落とされたいの!?」

「そうですよ! 私たちが誰なのか判明したら、貴方は大変な目に遭わされるんですからね!

 わかったら早く此処から釈放してください!」

「・・・・・・とりあえず、明日の夜までそこで頭冷やしな。

 ーー拷問係を呼ぶかどうかは領主様に聞いてからにするわ・・・」

「「いやぁぁぁぁぁぁぁっ!?

 お願い、誰か私たちを此処から出してぇぇぇぇぇっ!!!!」」

 

 アクセルの町の地下牢より。

 

つづく




「Re:地下牢から始まる異世界生活」書いてみたいですね。エリス様主人公で。
ちなみに毎回最後は地下牢に戻ります。
別案として「Re:全裸から始まる異世界生活」というのも書いてみたいですね。こちらも最後は全裸に戻ります。

どちらも原作は「このすば」で主人公はエリス様。

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