とある一方通行な3兄弟と吸血鬼の民間警備会社 作:怠惰ご都合
「おいレイ、これはどういうことか説明してもらおうか」
「何の事?」
蓮太郎に出会いがしらに突然そう言われたレイはと答えると、一方通行を連れて学校に登校して来た蓮太郎は昨夜にあった出来事をレイに話した。
「あ~、そういえば言い忘れてたよ」
それに対してレイは軽い調子で答えた。
「でも蓮太郎だけじゃなくて古城もみたいなんだよね~」
更に問い詰めようとするが、思わず「古城も?」と聞いてしまった。
「うん。蓮太郎の監視についての理由は知っているけど古城の方は全く知らないんだよね~。まあ、大体の予想はつくけどさ」
「へえ~、レイは理由を知ってんのか。だったら是非教えてもらおうか」
自分の事について話をしている二人の間に古城が入って来た。
「あっ、僕今日は日直だったんだ。またね~」
レイは逃げようとするが二人に腕を掴まれてしまう。
「日直はお前じゃなくてライだろうが。さあ~知ってる事を「詳しく」聞かせてもらおうじゃないか。なあ蓮太郎?」
「ああ、そうだな」
「なんで蓮太郎まで?」
「お前さっき理由を知ってるって言ってたからな」
レイはあっさりと自分の失言を追及され、二人に挟まれて校舎内に消えて行った。
それからしばらくして自分の席に荷物を置くと、なぜか当麻も加わって来る。
「さあ、説明してもらおうか!」
「・・・じゃあ、場所を移そうか」
ついに観念したレイは歩き出し、3人もレイに続いた。
そして、屋上に行くと一方通行とライ、姫柊雪菜がいたが4人は何も言わず、全員そろった事を確認したレイは口を開いた。
「まずは蓮太郎の事から。兄ちゃん、よろしく」
「あァ。つっても理由は蓮太郎が一番わかってンだろ?」
「ああ。最近ガストレアが頻繁に出現してるだろ?それに関係してアルデバランが来るかもしれない。俺はそう考えて上に援軍を出してもらうように頼んだんだ。おそらくそのために一方通行が来たんだろう。監視も兼ねてな。そうだろ?」
「あァ、そうだ・・・・・・オイ、俺やっぱりいらないだろゥが」
それを聞いたレイは古城を見る。
「今度は古城だけど、本当はわかってるんじゃないの?自分が第四真祖だって事がさ」
「ああ、知ってるよ。自分が世界最強の吸血鬼である第四真祖だってことぐらい。だが、怪我の回復が早くても眷獣が使えないから黙っていようって那月ちゃんと相談して決めたんだよ」
「えっ?眷獣が使えないんですか?第四真祖なのに?」
今まで黙っていた姫柊雪菜が思わず大声で聞いてしまった。
「古城さ、今までに血を吸ったことがないんでしょ?」
「・・・・ああ」
古城はライの言葉に頷く。
すると、ライが結論を告げる。
「眷獣を使えないのは古城が第四真祖のくせに血を吸った事がなく、眷獣に認めてもらえてないからだよ。まあ、その事については焦らなくて良いけどね」
「ねえ上条、あんたはどうして来たの?」
「・・・・・・知っとかなくちゃ、いけないからな」
ライが疑問に思っていた事を口にすると当麻は笑いながら答えた。
「・・・あんた記憶ないんでしょ?」
「・・・・・おいおい、何のことだよ?」
聞かれた途端表情が強張ったが、すぐに受け流そうとする。
「その反応がもう答えよ」
当麻は聞かた瞬間、抵抗するのを諦める。
「なんで、わかったんだ?」
「あんたここ最近、人と会っても相手が名乗るまで自分から声を掛けなかったでしょ?しかも最近は自分1人になると寄り道せずにまっすぐ帰ってるようだしね」
「ああそうさ。俺には最近の記憶は存在しても二週間以上前の記憶がないんだ。悪いな隠してて」
「みんな馬鹿だね~、相談してくれればいいのにさ~。別に記憶が無かろうが、第四真祖になろうが、ガストレアが攻めてこようが、友人からの相談を迷惑だと考える程腐ったつもりはないよ僕は。さあ、早く教室に戻ろうよ。でないと僕暑くて溶けちゃうよ~」
レイは怒らず、笑う。
そして、教室に戻ろうとしたので、姫柊以外は返事をして教室に戻ろうとする。
「まっ、そのうち敵がわんさか来るし」
「おい!」
「・・・不幸だ」
「ふざけんな!」
レイの一言で蓮太郎・当麻・古城が文句を言う。
レイは姫柊からの返事がなかったため、5人に先に行っててもらうように頼んだ。
「どうかしたの姫柊さん?」
「私、どうしたらいいのか分からなくて」
「古城の事?」
「はい。危険だと判断したら抹殺するように言われているのにそうは思えなくて」
「じゃあ、これから見極めて行ったらいいよ。古城が危険なのかそうじゃないのかを。もしまた悩んでいるなら聞きに来るといいよ」
「はい。それとこれいから私の事は姫柊と呼んでください。さん付けは恥ずかしいので」
「うん。じゃあ僕の事もレイって呼んで欲しいな」
「はい」
「ほら、古城が待ってるよ」
「おいレイ!ばらすなよ」
「今行きますよ先輩」
「もう少し上手に隠れて欲しいな、じゃないと見つかっちゃうよ。ねえ、矢瀬、土御門?」
レイは一人になったのを確認すると話しかける。
それに反応するようにして出て来たのは短髪をツンツンに逆立て、首にヘッドフォンを掛けた男子生徒と金髪グラサンにアロハシャツの男子生徒だった。
「何時から気付いてたのか聞いてもいいかにゃー?」
「いや~、壁の外とか気配でわかるだろ」
「俺は?」
すると今度は矢瀬が聞いてくる。
「矢瀬は風の
「どうする?今回の事を上に報告する?」
「まあ、考えさせてもらうぜい」
「俺もさ」
「だってさ、木更さん」
レイが隠れていたもう1人の人物に言う。
「そう、ならあたしもいいわ」
「どうしてあたしもいるってわかったの?」
一人の女子生徒が出てきて聞いてきた。
「勘です」
「・・・・・そう」
「ちなみに今回の事は、アレイスター、矢瀬幾磨、聖天子様合意の上だからね~」
「兄貴・・・・」
「あの魔術師め」
「聖天子様まで・・・・」
「なんでみんな声を揃えて驚くのかな~。しかも声大きいし」
彼らを驚かせたのは何なのか。
レイは考えながら、教室に戻って行った。
自覚が無いって怖い・・・
ある程度キャラクターが出たので次話から戦闘シーンを書きたいのですが、上手に書けるか不安です。