流されてカルデア   作:三島溪山

3 / 7
遅れてすいません。マシュのドスケベ礼装はやれますね(意味深)


第二話

 現れたのはアサシンと背中に武器背負った長身の男だった。異様に腕が長く大きく奇怪なのは呪腕のハサンだろうが、もう片方は誰だ…?

 

 「アーチャー」

 「ふむ…君達はアサシンの方を頼む。あの腕は少々厄介でな、決して直接触れられるな。それだけを心がけろ」

 「はい!」

 

 そう言ってアーチャーはクラスが分からないサーヴァントに突っ込む。多分だが奴らを引き離す為だろう。

 

 「話シ合イハ終ワッタカ?」

 「態々待ってくれるとは有り難い」

 「未熟者ノ足掻キホド面白イモノハナイ!」

 

 ッチ、心の中で舌打ちする。確かに奴の言う通りだ。例え人数で優っても経験やステータスの差で戦況はひっくり返る。こっちには切札は愚か、切れる手札すら限られている。

 

 「…それでも戦うしかありません。死中に活を見いだします!」

 「…ああ、そうだな。結果はやるまで分からんか」

 「ハ、死ンダゾ小娘…!」

 

 そう言ってアサシンは俺達に短剣ダークを投げつける。だがそれは空中で弾け飛んだ。

 

 「ヌゥ…!何者ダ…!?」

 「何者って…そんぐらい見ればわかるだろ。目ん玉まで腐ったかご同輩?」

 「貴様、キャスター!ナゼ我々ノ邪魔ヲスル!?」

 「あ?そりゃお前らが気に入らねえからに決まってんだろ」

 「キャスター…?何か風貌というか今までのサーヴァント違いますね…」

 

 ありゃクー・フーリンか…?全身青タイツじゃないから分からんが似ているな。

 

 「そこの嬢ちゃんに小僧、気張って構えな。番狂わせの可能性は十分あるぜ」

 「は…はい!頑張ります!」

 「坊主がマスターかい?自ら戦場に立つなんて見上げた野郎じゃねえか」

 「生憎キリエライトのマスターはあっちでアーチャーを見ている」

 「アーチャー?…げ」

 「キャスター?」

 

 この反応はクー・フーリンだな。エミヤとは水と油みたいな関係だし。

 

 「まあいい。故有って奴さんとは敵対中でね。敵の敵は味方ってワケじゃないが今だけは信頼してもらっていいぜ」

 「では後衛は頼む。行くぞキリエライト!」

 「はい!」

 

 

 

 *

 

 

 

 キャスターの助力を得て何とかアサシンを撃破した。疲労困憊でキリエライトは肩を息をし、盾を支えにしている。

 

 「キャスター…キサマァアアアアアア…!!」

 

 恨み言を残しながら霧となって消えるアサシン。そこに残るカラフルな石を拾ってアーチャーの様子を見る。どうやらあちらも終わったようで所長の所に集まる。

 

 「所長、戦闘…終了しました」

 「…ちょっと、そこのサーヴァントは誰よ」

 『まあまあ所長、彼はまともな英霊の様だ。事情を聴いてみよう』

 「おっ、話が早い奴がいるじゃねえか。ほらそっちの事情を話してみろよ」

 

 ドクターがキャスターにカルデアの事情を話す。次にキャスターはこの地で起きた聖杯戦争の状況を話す。どうやらキャスターを除く五騎はセイバーに倒され、黒く使役されているらしい。キャスターを殺害し、聖杯戦争を終わらすという目的のために。

 

 「手っ取り早い話、手を組もうぜ。利害はお互いに一致しているんだ。いいだろ?」

 「…それが合理的な判断ね。それで貴方はどちらをマスターにするの?」

 「そりゃこっちの坊主だろ。あそこの坊主は既に二騎も従えているみたいだしな」

 「決まりね。藤代、そいつをうまく使って見せなさい」

 「この街限定の契約だが、よろしく頼むぜマスター」

 

 

 

 *

 

 

 

 その後もフユキが特異点になった原因をキャスターから聞いたり、キリエライトの宝具出現の為に特訓したり、骸骨倒したりで色々濃い一日だった。今は火災の影響が少ない住宅で休んでいる。どうせ人間なんていないのだから勝手に食料拝借して英気を養った。所長、キリエライトは休んでいる。

 

 「所長とキリエライトの様子は?」

 「二人ともぐっすり寝ているよ」

 「まっ、そうだろうよ。無茶やったから暫く寝かせてやれ」

 「無茶したのは主にキャスターのせいだがな」

 「あ?」

 「まあまあ…」

 

 煽るアーチャーにすぐ喧嘩腰になるキャスターを諫める大樹。協力し合うマスターってのはサーヴァント同士の相性も良くないといけないみたいだ。目の前の光景にそう思ってしまう。

 

 「そういやマスターは前線で戦えるみたいだな」

 「まあ不本意ながらな。アーチャー来るまでキリエライトだけに戦わすのも…」

 「代行者なんだっけ」

 「代行者…うっ」

 「アーチャー?」

 

 麻婆神父の事トラウマなのかね。むしろキャスターが苦手意識を持つべきだろうに。自害せよランサー(笑)

 

 「時計塔に所属してたが死徒を倒してから何故か聖堂教会に移籍してな。訳のわからん宗教の教えを律儀に守って化け物退治だよ。最初の一年は死にそうだった」

 「待て…色々とおかしいがひとまず置いておこう。人の身で死徒を倒す時点で…人間か?」

 「男の弱点突き刺しただけだ」

 「「「あっ」」」

 

 あの時は何も感じなかったけどあれほどあっさりやられると人類の上位種と思えないな。同僚にも怪訝な目で見られた。

 

 「まああれだけ戦えれば後衛としてはありがたいね。槍を持ってればマスターに戦わす事もないんだが」

 「槍?」

 「マスター、キャスターの真名はクー・フーリンだ。ケルトの光の御子と言えば分かりやすいだろう」

 「クー・フーリン?」

 「…マスターは神話などに詳しくはなかったな」

 

 まあ一般応募枠だし、しょうがないか。

 

 「しかし聖杯…それにアーサー王か」

 「このメンバーで挑むには強敵難敵以上だろう」

 「セイバーの対魔力は実に抜きづらいもんだ」

 「戦力増強が一番なのだがないものねだってもしょうがあるまい」

 

 戦力増強か…俺はポケットを探って一枚の符を取り出す。

 

 「もう一枚有ったんですか!?」

 「ああ。これで何とかできるはず」

 「私を呼び出した呼符というものか。やれやれ…サーヴァントの召喚もお手軽になったものだね」

 「とりあえず呼んでみようぜ。一人増えれば戦略の幅も広がるってもんだ」

 

 クー・フーリンに急かされ召喚の呪文を紡ぐ。

 

 「天秤の守り手よ―――!」

 

 呼符から魔方陣が敷かれ、光が溢れる。辺りを照らした光はやがて収まり、人影ができる。

 

 「牛若丸、まかりこしました。武士として誠心誠意、尽くさせていただきます」

 

 そこには軽装過ぎる鎧を纏った少女がいた。これが義経かあ…アーサー王よろしく日本の歴史書も間違いだらけなんだろうなあ。




アイリスフィールのドスケベ礼装は凸れた。それと主人公強化案は三つ絞ったところで迷ってます。多少強引な展開かもしれないのでご了承下さい。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。