タグにはついてないけどこの作品はシリアス<ギャグだと思ってます。それと戦闘描写が難しいって共通の悩みだと思う。
第一話
目を開けるとまた赤が視界に移る。その場を飛び起きて武装して気配を探る。自身に危険はないと判断しつつも武装を解かず、彼を探す。数分ぐらい周囲を探索すればそこには彼と見知らぬ女の子が謎の骸骨に襲われていた。取り敢えず死徒狩りで培った戦闘法で加勢することにした。
「加勢する」
「っ!?あ、あなたは」
「無駄口は後でいい」
「は、はい!」
魔術礼装ナイフと強化の魔術で難なく骸骨を切り裂く。女の子の方も盾で殴打を加えている。数分もせずに骸骨を駆逐した。
「駆逐完了。戦闘を終了する」
「あ、ありがとうございます」
「気にすることはない。彼の知り合いなのだろう?」
「先輩のことですか?確かに顔は互いに見知ってますが…そういえばお怪我はないですか先輩?」
「あ、うん、大丈夫。ありがとうございました。え~と…」
そういえば名前を名乗ってなかったな。
「聖堂教会から出向してきた代行者、藤代航太だ」
「マシュ・キリエライトです」
「藤代さんありがとうございました。代行者というのは…」
「簡単に言えば聖堂教会の教義に反する者を狩る戦闘職だ。あの程度なら簡単に倒せる」
死徒に比べると脆すぎると思うが彼等にとっては驚きの範疇らしい。
『ああ、やっと繋がった!こちらはカルデア管制室だ、応答頼む!』
「こちらAチームメンバー、マシュ・キリエライトです。現在、特異点Fにシフト完了しました。藤代航太、具志堅大樹、両者に心身の異常は見られません。正式な調査員として登録してください」
『やっぱり二人ともレイシフトしてたのか…コフィンなしでよく意味消失に耐えてくれた』
ドクター・ロマンは素直にこちらを心配している。所長とは大違いだ。その後も状況交換し、キリエライトが謎のサーヴァントと融合したこと、俺達以外にレイシフトした人間がいないこと、通信の為に2km先の霊脈ポイントまで移動してほしいなど伝えて通信が途切れた。
「通信消えちゃったね…」
「ドクターの言う通りに移動しましょう。いつまでもここに留まっても仕方ありません」
「そうだな。キリエライトを先頭に、大樹、俺の順に移動しよう」
異論がないのか二人とも頷いてドクターが示したポイントに移動する。順番はただ戦闘のできる存在を前後に置きたかっただけだ。
「見渡すかぎりの炎、資料の中のフユキとはまるで違います。待機中の魔力マナ濃度も現世のものとは考えられません」
「…これは俺達がいた地球の過去というわけじゃないのかもな」
「どういうことですか?」
「過去があるから今があり未来がある。その過去に一石投じれば波紋が生まれ水面を揺らす。大きな波紋となれば今や未来に大きな影響がくる」
「…ではフユキに今の人類の滅ぶ原因が生まれたからそれらを探すのが私たちの役目、ですか」
「当初の試みはそのようなものだったけど、だいぶバイオレンスになっている」
問題は誰が過去を改竄したか…そう思考の海に嵌まっていると人間の悲鳴が聞こえた。
「今のは…女性の悲鳴ですね。急ぎましょう!」
急いで悲鳴のポイントに向かうと所長がさっきの骸骨に追われていた。所長が何故ここにいるのかは不明だが助けておこう。
「キリエライトと俺で迎撃する!大樹は後方で所長を確保しろ!」
「「はい!」」
黒鍵と魔術礼装ナイフを両手に骸骨を駆逐する。慣れた手つきで骨の接着部分を解体し、武装を無効化後、蹴飛ばして粉々にする。何体か壊していると数が少なくなりキリエライトが所長に歩み寄って状況を説明する。俺が残りを片付けた後にはある程度の説明は終わっていた。周囲を見回しながらキリエライトに近寄る。
「この街のレイポイントは所長の真下みたいですね」
「では、そこに貴方の盾を置いてちょうだい。宝具を触媒にして召喚サークルを設置するわ」
「分かりました。それでは始めます」
キリエライトが盾を地面に置けばカルデアの召喚実験場が投影される。
『シーキューシーキュー。もしもーし!?よし、通信が戻ったぞ!』
それからは所長とドクターとで状況交換が行われる。俺はそれに必要ないと思い、その場を離れて周囲を警戒する。俺はただの戦闘員であり、カルデアの施設や研究員などを聞いたところで役に立たないだろう。暫くそうしているとキリエライトが近づいてきた。
「藤代さん、通信終わりました」
「ああ」
「…何故藤代さんは通信を聞かなかったのですか?」
「聞く必要がない。所長が音頭をとるならそれに従っていればいいし、通信中の俺達は無防備だったから警戒していた」
「なるほど…」
俺に指揮の経験はないし、所長は命令してた方が気分を害さず面倒でなくていい。さっさと合流しよう。
「見回りご苦労だったわ。ほら行くわよ」
「どこに行くんだ…?」
「…所長は橋に移動しようとしています」
「橋か」
冬木大橋。未遠川を跨ぎ、深山町と新都結ぶ大きな橋で交通の要所となる場所。手始めにこの橋から人類絶滅の原因を探索するつもりなんだろう。2004年のフユキならstay nightの聖杯戦争で円蔵山の大聖杯が原因だろうが根拠に乏しいし黙ってついて行く。所長が何も知らない大樹に講義し、時々骸骨に襲われながらも橋を調べる。
「特にめぼしいものはなかったわね。次に行きましょ」
その後も港跡、教会跡を調べるが焼け野原が続くだけで骸骨しかなかった。俺としては言峰綺礼がこの程度で死ぬ奴じゃないと思うのだが…ん?
「藤代さんどうかしましたか?」
「いや、何でもない」
瓦礫の下から見つかったロザリオを懐に仕舞う。場所から愉悦神父のものだろう。後で調べておくか。
「マシュも戦闘慣れしてきたわね。サーヴァントとしてやっていけそうじゃない?」
「そう…ですかね。まだ実感が湧きませんが…」
『四人ともすぐ逃げるんだ!まだ反応が残っている!しかもこれは!?』
「な、まさかあれって!?」
サーヴァントだ。真っ黒で見えにくいが、バイザーを両目に被せた麗しい長身の美女。あれはライダー・メドゥーサ!
『まだマシュにサーヴァント戦は早いよ!』
「だが、逃げられる雰囲気じゃない様だな」
「マシュ、迎撃しなさい!相手は同じサーヴァントよ!」
キリエライトが盾を構えて戦闘の準備をする。俺は隣に立ち黒鍵を構える
「キリエライト、相手の目に気をつけろ。バイザーを取らせたら負けと思え」
「え…」
「戦闘でも外さないバイザーの下には強力な魔眼が隠されている可能性が高い。それにああいうなりでもこっちの居場所がわかる手段があるだろう」
「はい、分かりました」
「所長!」
「何よ!」
俺は後ろで震えている所長の足元にレイシフト前に配られた呼符を投げる。
「こ、これは呼符!?」
「レイシフト前に配った奴です!大樹にこれの使い方を教えてサーヴァントを召喚させてください!サーヴァントが何体いるかわからない以上素早く戦力を整える必要があります!」
「わ、わ、分かったわ!具志堅!」
「はい!」
所長と大樹が慌ただしく動くとライダーもそれを察知してかこちらに駆けてくる。
「キリエライト!」
「はい!戦闘開始します!」
「―――!!」
早速黒鍵を投擲するが鎖が付いた短剣で弾いてくる。キリエライトは弾いた短剣を持つ右手を殴打しようとする。勿論空いた左手で防ごうとするが距離を詰めた俺が
「―――!!」
「こっちを忘れるなよ」
痛みで動きが止まる一瞬を狙うがかするだけで後退を許してしまう。傷つけられた激昂か執拗にキリエライトを狙おうとする。
「っく…!」
「―――!!!」
黒鍵でカバーするが最小限で抑えられる。盾で捌いていくが相当なプレッシャーがかかっているだろう。ミスをする前に指示を出す。
「盾の丸みで攻撃を受け流せ!当たる瞬間に盾を斜め左に引いてみろ!」
「!!」
勝負は一瞬。相手の左手の短剣がキリエライトを襲うが俺の指示通りに盾を引く。突き出す形になった左手は受け流された結果伸びきってしまう。俺は右側から奴の首を突き穿とうと突進する。奴の右手は俺を迎撃しようとするが先に投擲した黒鍵が短剣の道を阻む。
「これで終わりだ!」
「ーーー!!?」
一度止まった短剣が俺に届くことはなく、喉笛にナイフが穿たれる。そのまま胴体と首を切り離すと霧の様にサーヴァントが散っていく。散った跡には何か石のようなものが落ちていたので拾っておく。
「はぁ―――はぁ―――、か、勝った…?」
『いや、まだ終わってない!同じ反応がこちらに向かってくる!』
「なんですって!?」
「召喚は済んだか!?」
「はい!クラスはあ、アーチャーらしいです」
「アーチャー!?」
「ああ、私がそのアーチャーだ。事情は聞いている」
そこにいたのは浅黒い肌をした白髪の青年だった。ヒャッホーエミヤだー!後でサインもらおうと固く誓って経験豊富なエミヤに意見を聞く。
「疲弊している戦闘員二人と非戦闘員二人とあんた、敵はサーヴァントが多くても二体だ。アーチャー、撤退か迎撃か」
「迎撃だな。並の人間ではサーヴァントに追い付かれる。数で優っているなら足を止めた方が無駄な体力の消費もない」
「だそうだ。どうします所長?」
「…マシュ、もう一踏ん張りしなさい。アーチャーのサーヴァントなら実戦経験も豊富でしょう。ならばここは彼の言うことを聞くべきだわ」
「頑張ってマシュ!」
「分かりました所長、先輩。必ずや勝利を!」
『来るよ!』
襲いかかってくるサーヴァント迎撃のため、三人は武装を構える。
ブライドネロ様は4万で出ました。
中途半端なところで切ったけど誤字脱字あればよろしくお願いします。