戦いの基本は格闘だ。魔法や道具に頼ってはいけない   作:imuka

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お久しぶりです。

あんまりお話が進みませんが、書いてたら長くなったので分割です。

ではどうぞ。


休息と裁判

 

 イーニアが目を覚ますと見慣れてはいないが見覚えのある天井が目に入った。それを見てイーニアは無事シリウスの家へ戻ってきたことを確認する。外は暗くどれくらい寝ていたかはわからなかったが、体のだるさから丸一日は寝ていたことがわかった。

 体を起こすと、あの時手に掴まれた場所に包帯が巻かれている。イーニアは痛みが無いので包帯を取ったが、少し手の跡が残っていたので再び包帯を巻くことにした。

 包帯が巻き終わると騒がしい声が聞こえてくる。この声はハリーだ。ベッドから降りるとイーニアは声のする部屋へと足を運ぶことにした。

 

 

 

「―――だけど、何が起こってるかなんてどうせ僕に知らせる必要ないよな!?誰もわざわざ僕に教える必要なんてないものな!?」

 

 部屋に居たハリーは自分の大きな声でイーニアが部屋に入ってきたことに気が付かなかった。

 そんな声を荒げている姿を見てイーニアはハリーがダンブルドアたちから満足のいく答えをもらうことができなかったことを察した。しかしそれは当然であり、ハーマイオニーたちにも該当することでもある。

 ひとまずイーニアは何も知らないハーマイオニーたちに当たり散らすのはどうかと思い、ハリーの背後に立つと低い声でハリーを呼んだ。

 

「ハリー、そこまで。」

 

「イー…ニア…。」

 

 少し威圧した意味があったのかハリーは顔を強張らせながら振り向いた。ハーマイオニーやロンたちも緊張した顔でイーニアを見る。

 

「怪我はもういいの?」

 

「大した怪我じゃないから大丈夫。心配してくれてありがと、ハーマイオニー。――――ハリー、ハーマイオニーたちは何も知らないからこれ以上問い詰めても答えは得られないわ。」

 

「じゃあ、イーニアは何か知ってるのかよ。」

 

「知ってる。私は騎士団員だから。」

 

 不満そうに聞いてきたハリーにイーニアは隠さず告げるとハリーは掴みかからんと言わんばかりの勢いで接近したので手を顔の前に置き、制止させる。

 

「ハリー、落ち着いて。感情に任せてちゃ話もできないよ――まぁ何の連絡もしなかったこっち(騎士団)こっち(騎士団)で悪いんだけどさ。」

 

 イーニアはそこまで言うと、立っていたハリーたちに一度座り落ち着くように促した。全員が座ったことを確認するとイーニアも近くの椅子に腰を掛ける。

 

「ハリー、君が聞きたいことは私が答える。答えられないものあるけどね。」

 

 椅子に座ったハリーはある程度落ち着きを取り戻したのかゆっくりと肯いた。

 

「何が聞きたい?」

 

「アイツ、ヴォルデモートはどうしてる。」

 

「現在調査中。」

 

「騎士団は?」

 

「言って大したことはしてないわ。皆、仕事があるから。今は仲間集めってところ。」

 

「何もしてないの?」

 

「仕方ないわ。魔法省が頑なにヴォルデモートの復活を認めないから、大ぴらに動けないの。」

 

「……………どうして僕をあの家に居させたの?」

 

「あそこに君の血縁者がいるからって私は聞いてる。」

 

「どういうこと?」

 

「ここからは私の推測なんだけど、―――ハリーはハリーのお母さんが命を賭した護りでヴォルデモートから生き延びたわ。たぶん、それは今も続いている。

 そしてそれを強く発揮するのがハリーと血の繋がりがあるあそこの家。」

 

 ハリーは渋い顔をしながらその話を聞いていた。イーニア自身も、理屈はわかるがあそこの家に滞在させるのはハリーのためになるとは思っていない。

 

「今日はこれくらいにしましょう。」

 

 イーニアは立ち上がるとハリーたちの様子も確認せず下の部屋へと下りて行った。リビングではリーマスとシリウスが話しており、イーニアが部屋に入ってきたのを確認すると立ち上がり駆け寄ってくる。

 

「イーニア!体はもういいのかい?」

 

「うん。もう大丈夫。すこし痕がまだ残ってるけど。」

 

「そうか。――さっきまで上が騒がしかったようだが…?」

 

「ダンブルドアや皆がちゃんと説明しないからハリーが怒ってたのよ。当事者なのにって。」

 

「それで、…説明したのか?」

 

「もちろん言っても問題ない範囲で、だよ。だいたい私だってこっちに来たばっかりだから全容把握してるわけじゃないし。」

 

 イーニアが椅子に腰かけるとリーマスが”何か食べるかい?”と聞き、イーニアは”軽く”とだけ答えた。リーマスの持ってきたパンとスープを受け取り、ゆっくりと食べ始める。

 

「そうだ、君が起きたら状況を聞けとダンブルドアが。」

 

 リーマスの言葉にイーニアは食事を取りながら移動中にあったことを話し始めた。

 

 

「――なるほど。影か…。」

 

「考えていたよりも死喰い人たちが力を付けてる。」

 

「わかった。そのことは私からダンブルドアに報告しておこう。」

 

「ん、お願い。――ごちそうさまでした。」

 

 イーニアはそういうと立ち上がり”今日はもう休むね”といい、寝室へと戻っていった。

 

 

* * *

 

 

 数日後、ハリーの裁判になぜか立ち会うことになったイーニアは時間の変更やファッジの錯乱っぷりに大きな溜息ついたり、隣にいたドローレス・ジェーン・アンブリッジ上級次官というガマガエルのような女性に嫌悪感を抱いたりと、とても嫌な印象を受ける魔法省訪問となった。

 良かった点といえばハリーが無事、無罪放免となったこと。当然の結果ではあったがファッジは意地でもハリーを犯罪者に仕立て上げたいようでわけのわからない理屈をずっと言っていた。

 

「疲れた。色んな意味で。」

 

 ハリーより先に退室したイーニアは、入り口の正面の椅子に座っていたアーサーの隣に腰かける。

 

「お疲れ、イーニア。」

 

「アーサーおじさん。こんなので魔法省は大丈夫なんですか?」

 

 イーニアはあまりにもひどいこの裁判でついストレートに聞いてしまったがアーサーは苦笑いをするだけでそれには答えず、違う話を振ってくる。

 

「ハリーは?」

 

「もうすぐ出てくると思いますよ。無罪放免でしたから。」

 

 その言葉と同時にハリーとダンブルドアが出てくる。

 

「お疲れ様、ハリー。―――ダンブルドア、私なんで立ち会うことになってたんですか?」

 

「役に立つと思っての。」

 

 どこか含みのある笑いにイーニアは少し眉を顰めたが”ハリーを頼む”と告げると足早にその場を去った。

 

「ダンブルドア、忙しそうだね。」

 

 急いでその場を去ったダンブルドアにハリーの呟くと2人は肯き、無罪となったことを喜びつつ、魔法省を後にした。

 

 

 




亀更新に拍車がかかっている私ですが実は最終話までの構成は決まってたりします。
良い言葉が浮かばないんです。
PUPGが楽しいんです←こら

ぜひとも早く書け、と感想でもなんでもいいので急かしてください。(他人任せ




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