戦いの基本は格闘だ。魔法や道具に頼ってはいけない 作:imuka
短いですがどうぞ。
ドラコが廊下を歩いているとクラスメイトたちの話声がする。
「だ ルシウス ば。」
「こ で、あいつも 」
自分の父親の名前がクラスメイトの会話から聞こえたのでドラコは会話に入っていった。
「父上がどうかしたか?」
「ッ!!――マルフォイ。そうだ、君からも君のお父上に言ってくれよ。」
「何を?」
「あのウドの木がやったことさ!!危険な生物を使い!!生徒を怪我させたとね!!」
「ハグリッドの授業のことか?」
「ああ。あんな奴、教師であっちゃいけない。追放するために話をしてくれ。」
「怪我をしたのはイーニアだが、それを君たちが言うのか。」
「そうだ。誰も言わないから代わりに僕たちが言うんだ。問題だということを。」
ドラコは口元に手を当て考える。
「そうか。――伝えても構わないがどう問題だったか教えてくれ。」
「は?」
男子生徒は何を言っているか理解できていないようだった。
「彼の授業のどこに問題があったかを聞いているんだ。
――ハグリッドはバックビークを連れてきた際に事前にやってはいけないことを伝えた。皆、それを守ってバックビークに触れたりしていたわけだが。
――お前たちはそれを守らず、バックビークを刺激した。ハグリッドの落ち度はどこだ?」
「そもそも危険な生物を授業に連れて来ること自体が――。」
「そんなことを言ったらスネイプ先生の魔法薬学の授業も十分危険なものだが?あれは調合を間違えれば人が死ぬぞ。」
「それはそんな馬鹿なことをした奴が問題――。」
「ならばハグリッドの件も事前に注意されていたことを守らなかったお前たちが問題じゃないのか?それともホグワーツの授業のほとんどを否定するつもりか?」
「うぐッ…」
反論できなくなり黙る男子生徒たち。ドラコは軽くため息を吐くとその場を去った。
ドラコはあのように粗捜しのようなことが行われているのは知っていた。そしてそれが父親の耳に入ることも。去年のことといい、ずいぶんと無茶をする。そこまでしてダンブルドアやその周りにいる人間を排除したいようだった。
また、ため息が出る。自分を介さずクラスメイトを使役している。これがどういう意味か分からないドラコではない。父親、ルシウスの考えに同調する純血は大人子供問わず多い。小数派である自分の考えはいつかは潰されてしまうかもしれない。
幸い、自分に同調してくれる仲間はクラスにもいるが、今後を考えると彼らも事も踏まえて考えておくべきだろう。
「最悪の可能性を考えておかないとな…。」
思わず口からでたその呟きは誰にも聞かれることなく消えていった。
今後の自分と仲間のことを考えるドラコでした。
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