幼馴染といちゃつくだけの短編集   作:さんれお

6 / 28
ギャップ系生徒会長幼馴染み。

黒髪ポニーテール。有乳。


鈴①

 

 

 

「りーん、おい、鈴!起きろよ、時間だぞ」

 

「・・・ぅん、あと5分」

 

「それ5分前に聞いたよ。ほら、起きるの」

 

「・・・むぅ・・・起きたくないよぉ・・・」

 

「ダメだよ、体調悪くないんでしょ?頑張ろ?」

 

「や〜だ〜」

 

「生徒会、大変だろうけど僕も手伝うからさ。ね?」

 

「うぅ〜・・・」

 

のっそりと起き上がる鈴。髪はボサボサで、目がむくんでる。

 

「・・・洗面所まで連れてってぇ・・・」

 

「はいはい」

 

毎朝おんぶで洗面所連れていくまでが僕の仕事。シャワーを浴びるとアラ不思議。

 

「おはよう。今日もありがとう」

 

「ううん、学園祭も近いし、頑張ろうね」

 

「あぁ、そうだね」

 

キリっとした我らが生徒会長の誕生である。

 

 

登校。

 

背筋はピンとのび、半開きだった目はキリっと開かれ、歩く速度は男子よりも速い。

 

「あ、会長さんだぁ!おはようございまーす!」

 

「あぁ、おはよう」

 

「会長さぁーん!」

 

「おはよう、あぁおはよう」

 

容姿もあいまって、鈴は男子にも女子にも人気の生徒会長だ。登校時には常に声をかけられている。僕はその3歩前を毎日慎ましく歩く。

 

「あの、副会長さん、おはようございます」

 

誰にも声をかけられず密かに悲しんでいると、書記の後輩の佐藤さんが声をかけてくれた。

 

「おはよう、佐藤さん」

 

「相変わらず会長はすごいですね」

 

「そうだね」

 

「そういえば、今日の仕事のことなんですけど・・・」

 

そのまま、声をかけられ続ける鈴の後ろで、仕事の話をしながら登校した。

 

「さて、副会長。備品のチェックだけ朝してしまおう」

 

学校に到着するや否や、そう言う鈴。

 

「うん、わかった」

 

「あの!私もご一緒しましょうか?」

 

「いや、佐藤さんは大丈夫だ。そこまで量があるわけじゃないからな」

 

「そ、そうですか・・・」

 

シュンとして、佐藤さんは自分の教室に向かった。

 

「佐藤さん、真面目ないい子だよね。仕事もできるし」

 

「・・・そうだな」

 

2人で倉庫に向かう。すこしいつもより歩くのが早い。倉庫につくと、僕は昨夜渡されていた備品リストを鞄から出して、チェックを始める。すると、後ろから扉の鍵を閉める音が聞こえた。どうしたのかと振り向くと、突然鈴が抱きついてきた。

 

「・・・」

 

「・・・り、鈴?どうしたの?」

 

「・・・楽しそうだった」

 

「え、な、なにが?」

 

「さっき。登校してる時、佐藤さんと楽しそうにしてたもん」

 

「え?そ、そうかな?普通に生徒会の話してただけだよ」

 

「・・・私だって」

 

そこで、いっそう抱きつく腕の力が強くなった。

 

「・・・昔は、ずっとあなたとお話しながら登校できてたのに・・・」

 

「・・・鈴」

 

「・・・うぅん、ごめんなさい。その、今日も私頑張るから、もう少しこのままでいさせて?」

 

「・・・もちろんいいよ」

 

僕も鈴の背中に手を回して、背中を少しさすってあげる。

 

「・・・ふふっ、あなたにこうされると、安心するなぁ」

 

「昔から、泣いてる時とかはこうしたよね」

 

「も、もう、昔の話はやめてよ・・・恥ずかしいなぁ・・・」

 

「泣き虫だった鈴が、今はみんなのあこがれの生徒会長だもんね」

 

「・・・あなたが・・・かっこいい女の人が好きって・・・」

 

「え?なに?」

 

「・・・なんでもないもん!」

 

額を僕の胸に擦り付けてくる鈴。犬みたいで可愛い。

 

「鈴、そろそろ、ね?」

 

「・・・うん」

 

ちょっと名残惜しいけど、生徒会長と副会長が遅刻でもしたら流石にまずい。

 

「また、これやってね?」

 

「はいはい、お易い御用だよ」

 

結局、放課後にもしてあげた。

 

 

 

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。