嫁毒舌幼馴染み。
黒髪ロング。有乳。
「起きなさい愚図」
「ブフォ!」
朝。ヒッププレスを鳩尾に叩き込まれて起こされる。
「ゲホッゲホッ」
「全く、17にもなってまだ一人で起きれないなんて、本当に愚図ね」
「エホッゲェホッ!」
「・・・はいはい、遠回しな批難はわかったからやめなさい。早く準備をして、ノロマ」
「ゲェッホ!ゲホッ!ゲホッ」
「・・・ね、ねぇ、大丈夫?そ、その、私・・・」
「なんつってね」
「ッ〜〜〜!!!」
バチィイイイイン!ビンタされた。目が覚めた。
そして登校。
「いてぇ・・・」
「自業自得じゃない。信じられないわ、毎日朝起こされて、朝食昼食も世話になっている恩人相手に悪質な悪戯をしかける神経が理解出来ないわ」
「はいはい悪かったよ」
「はいは1回よ、この愚図」
「・・・はい」
「それと貴方、今日の天気予報見てないでしょう?」
「おう・・・へ、まさか雨?」
「そうよ。午後から100%ね」
「マジかよ・・・」
「相変わらず愚図ね。自分で起きなければ食も用意してもらって、天気予報のひとつも見れないなんて貴方何して生きてるの?考えられないのだけど。愚図もそこまでいくといっそ清々しいわね」
「はいはいごめんね」
「はいは・・・」
「1回ね、はい」
「・・・この傘使いなさい。私は折りたたみ持って来てるから」
「お、マジか」
流石カンペキ女子。
「おーっす!元気かアホ面!冬夏ちゃんおはよ!今日も仲いいねぇ!」
女友達が後ろから肩組んできた。暑苦しい。
「・・・」
「暑苦しいから離れろって」
「お?なんだよー照れちゃってるのかなぁ?」
「お前のどこら辺に照れる要素があるのか教えてくれ」
「なにおー!?ボンキュッボンなおねえさんだろうが!」
「キュッキュッキュッだろうが、ジョイで洗った後の食器だろうが」
「キーーーッ!」
ボコボコ殴られる。普通に痛い。するの、冬夏に袖をつままれる。
「・・・ちょっと、遅刻するわよ、貴方達」
「お、マジか」
「わ、ホントだ!」
結局ギリ間に合わなかった。3人揃って注意を受けた。
昼休み。
「なんで貴方が愚図なせいで私まで注意を受けなければいけないのかしら」
「いや悪かったって」
「貴方も少しは自分で起きて、余裕を持って準備するくらいしなさい。はい、お茶」
「ん、さんきゅ。そうはいっても、どうにも朝はな」
「朝が強い人間なんてそういないのよ。それでも大多数遅刻せずに学校に来るし、会社となれば寝坊遅刻する人なんていないわ。やっぱり貴方が愚図であると言わざるを得ないわね」
「あーはいはいわかったよ。おぉ、塩唐揚げうめぇうめぇ」
「・・・当たり前でしょ。何回作ってると思ってるのよ」
「おう、ありがとな。しかしほんと、よく毎日俺の好みを捉えてくるな」
「・・・当たり前でしょ。そのうち夕飯も休日も私が作るようになるのよ。泣いて喜びなさい」
「・・・」
「ふん、せいぜい午後も足りない脳みそ絞って頑張りなさい」
「はいよ」
授業中。
(やべぇ眠い・・・)
古文の授業がお経に聞こえてきた。なんとか覚まそうとスマホをみる。休み時間まで寝っぱなしだったら冬夏になにされるかわかったもんじゃない。
ラインから丁度メッセージ通知。
『集中しなさい』
・・・。あいつ俺の2個前の席じゃねぇかよ。
下校。
「雨強いな」
「当たり前でしょ。周りを見て。傘を持ってきてない人なんかいないわよ。いかに自分が愚図が理解した?」
「・・・いや、置き傘してるやつとかさ」
「あら、貴方はいつ雨が降ってきてもいいように用意周到に学校に傘を置いている人間と、明らかに雨模様な空にも関わらず、私に傘を持ってきてもらわなければならない貴方を同等扱いするのね?随分図々しい愚図だわ」
「わかったわかった俺がわるかったよ。てか俺のために持ってきてくれたんかよ」
「当たり前でしょ」
「お、おぅ・・・」
方向上、先に冬夏の家、次が俺の家だ。いつも宿題を冬夏の家でやってから帰っているが、今日は一旦濡れたズボンを洗濯しようと自宅へ向かおうとした。
「・・・ちょっと、どこいくのよ」
ちょこんと、袖をつままれる。
「あ?いや、ズボン濡れたから洗濯だしてから行こうかなーと」
「・・・そう」
袖をはなされる。
「全く、違う家に住むのが面倒ね」
「・・・なんだそりゃ」
「・・・できるだけ早く来なさいよ、ばか」
「はいはい」
「はいは・・・」
「1回な」