幼馴染といちゃつくだけの短編集   作:さんれお

2 / 28

ヤンキーデレ風世話焼き幼馴染。

金髪ロング、いつもアメの棒咥えてる。微乳。


香織①

 

 

 

「オイ、オイコラ起きろアホ助」

 

体が揺すられている。目を開けると、長い金髪が目に入った。

 

「ん、おはよう、香織」

 

「おう。朝飯出来てんぞ」

 

味噌汁のにおいがする。朝ご飯作ってくれたみたいだった。

 

「今日もありがとうね」

 

「けっ、律儀なやろーだ相変わらず。気にすんなっつってんだろ」

 

「あ、美味しい」

 

「そーかよ」

 

二人で味噌汁をすする。アサリの出汁がきいてておいしい。

 

「今日授業なんだったっけ」

 

「現文、古文、日本史、数学、体育、情報」

 

「体育あるんだっけ。じゃあ体操着持っていかないとだね」

 

「もう玄関置いといたぞ。数学と情報宿題出てんぞ」

 

「げ、数学はやったけど情報やってないや」

 

「ったくしょうがねーな、昼休み見してやっから写せ。どうせタメにもなんねーからマジメにやるだけ無駄だろ」

 

「そうなんだ。ありがとう」

 

「いいって。ほら、食い終わったんなら準備してこいよ。寝癖たってるぞ」

 

「香織も寝癖たってるよ?」

 

「あー、今日ちょっと寝坊したからな。まぁいいんだよ、アタシは」

 

「良くないよ。女の子なんだから、ちゃんとやってきなよ。俺はすぐ済むからさ、短いし。ほら、食器洗っとくから」

 

「・・・ちっ、わーったよ。頼んだ」

 

洗面所に向かう香織。そんなこんなで家出発。道中いろいろな子に声をかけられる。

 

「あ、おはようございます!香織さん!」

「ちわーーっす!姐さん!旦那さん!」

「姐さん今日もカッコイイっす!」

「香織さん!旦那さん!おはようございます!」

 

同じ高校の子だったり、他校の制服だったり。普通の子だったり、ヤンキーだったりギャルだったり。

 

「あいかわらず凄いね」

 

「朝からうるせー奴等だぜ全く」

 

「でも、旦那さんっていつから呼ばれ出したんだろう・・・」

 

「・・・嫌ならアタシからやめるよう言ってやろうか?」

 

「ううん、俺は全然嫌じゃないよ?嬉しいくらい」

 

「っ!そ、そうか、・・・そうか。」

 

えへへ、と笑う香織の手を握る。

 

「うぇっ、な、なんだよ急に!」

 

「いや、ちょっと寒かったからさ。嫌だった?」

 

「べつに・・・いいけどよ」

 

 

そのまま、二人で囃されながら学校に向かった。冬に入りたての寒さは気にならなかった。

 

 

昼休み。

 

 

「オイ、弁当だ」

 

「うん。ありがとうね」

 

「だからいーって」

 

「あとほれ、情報のプリント。ちょっちここの字がきたねーから気ぃつけろよ」

 

「あはは、香織器用なのに、字は汚いよね」

 

「うっせーハッ倒すぞ」

 

「!このだし巻きタマゴめちゃくちゃ美味しい!」

 

「・・・そーかよ、ほら、アタシのも一個食え」

 

「え?いいよ。わるいし」

 

「黙って食え」

 

ズボッとタマゴを口に突っ込まれる。うん。うまい。

 

「・・・今晩何食う?」

 

「うーん、カレー?」

 

「またかよ、好きだなお前も。他になんかねぇのか?」

 

「香織の食べたいもの、とか?」

 

「・・・気持ちわりーヤローだ」

 

「なんでさ、香織の食べたいものは?」

 

「お前が食いたいもの、かな」

 

「なんだ、香織も気持ちわりーヤローじゃん」

 

「うっせぇバカ!」

 

頭をパコンと叩かれた。晩御飯はカレーになった。

 

 

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。