ヤンキーデレ風世話焼き幼馴染。
金髪ロング、いつもアメの棒咥えてる。微乳。
「オイ、オイコラ起きろアホ助」
体が揺すられている。目を開けると、長い金髪が目に入った。
「ん、おはよう、香織」
「おう。朝飯出来てんぞ」
味噌汁のにおいがする。朝ご飯作ってくれたみたいだった。
「今日もありがとうね」
「けっ、律儀なやろーだ相変わらず。気にすんなっつってんだろ」
「あ、美味しい」
「そーかよ」
二人で味噌汁をすする。アサリの出汁がきいてておいしい。
「今日授業なんだったっけ」
「現文、古文、日本史、数学、体育、情報」
「体育あるんだっけ。じゃあ体操着持っていかないとだね」
「もう玄関置いといたぞ。数学と情報宿題出てんぞ」
「げ、数学はやったけど情報やってないや」
「ったくしょうがねーな、昼休み見してやっから写せ。どうせタメにもなんねーからマジメにやるだけ無駄だろ」
「そうなんだ。ありがとう」
「いいって。ほら、食い終わったんなら準備してこいよ。寝癖たってるぞ」
「香織も寝癖たってるよ?」
「あー、今日ちょっと寝坊したからな。まぁいいんだよ、アタシは」
「良くないよ。女の子なんだから、ちゃんとやってきなよ。俺はすぐ済むからさ、短いし。ほら、食器洗っとくから」
「・・・ちっ、わーったよ。頼んだ」
洗面所に向かう香織。そんなこんなで家出発。道中いろいろな子に声をかけられる。
「あ、おはようございます!香織さん!」
「ちわーーっす!姐さん!旦那さん!」
「姐さん今日もカッコイイっす!」
「香織さん!旦那さん!おはようございます!」
同じ高校の子だったり、他校の制服だったり。普通の子だったり、ヤンキーだったりギャルだったり。
「あいかわらず凄いね」
「朝からうるせー奴等だぜ全く」
「でも、旦那さんっていつから呼ばれ出したんだろう・・・」
「・・・嫌ならアタシからやめるよう言ってやろうか?」
「ううん、俺は全然嫌じゃないよ?嬉しいくらい」
「っ!そ、そうか、・・・そうか。」
えへへ、と笑う香織の手を握る。
「うぇっ、な、なんだよ急に!」
「いや、ちょっと寒かったからさ。嫌だった?」
「べつに・・・いいけどよ」
そのまま、二人で囃されながら学校に向かった。冬に入りたての寒さは気にならなかった。
昼休み。
「オイ、弁当だ」
「うん。ありがとうね」
「だからいーって」
「あとほれ、情報のプリント。ちょっちここの字がきたねーから気ぃつけろよ」
「あはは、香織器用なのに、字は汚いよね」
「うっせーハッ倒すぞ」
「!このだし巻きタマゴめちゃくちゃ美味しい!」
「・・・そーかよ、ほら、アタシのも一個食え」
「え?いいよ。わるいし」
「黙って食え」
ズボッとタマゴを口に突っ込まれる。うん。うまい。
「・・・今晩何食う?」
「うーん、カレー?」
「またかよ、好きだなお前も。他になんかねぇのか?」
「香織の食べたいもの、とか?」
「・・・気持ちわりーヤローだ」
「なんでさ、香織の食べたいものは?」
「お前が食いたいもの、かな」
「なんだ、香織も気持ちわりーヤローじゃん」
「うっせぇバカ!」
頭をパコンと叩かれた。晩御飯はカレーになった。