水と間違えて酒を飲むなんてことは、絶対に有り得ない。間違いなくニオイでわかる。もし口に含んでしまっても、味の違いに驚いて吹き出すのが普通だろう。
「おい・・・美陽」
「ほへぇ~?な、なにぃ~?」
さて、なぜかここに出来上がった幼馴染が1人。
「いや、酔っ払いすぎだろ。ふにゃふにゃになってるぞ」
「酔っ払ってないですよ~・・・お水で酔っ払うわけないですよ~・・・」
美陽が飲んだ後のグラスを嗅ぐと、日本酒の匂いがした。酔っ払ったほうがちゃんと喋れるんだな・・・いや、喋れてないけども。
「はれ・・・?あなたが3人に見える・・・」
「酩酊じゃねぇか」
「・・・えへへぇ~、3人もいるなら、もっと構ってもらえるかなぁ・・・?」
「・・・いや、いつもお前にしか構ってないんだけど」
「たくさんなでなでとか、ぎゅーってしてくれるかなぁ・・・?」
「・・・」
こいついつもこんなこと思ってるのか・・・
「ほい、こっちこいよ」
「うん・・・ふぁ・・・」
千鳥足の美陽をハグする。
「はふぅ・・・あったかい・・・」
「そりゃ酔ってるからな」
「むぅ~・・・酔ってなんかないれふよぉ・・・」
ぐりぐり頭を擦り付けてくる。とりあえず頭を撫でてみた。
「えへへへぇ・・・だいすき・・・今日はいい夢だなぁ・・・こんなに嬉しいことしてもらえるなんて・・・」
「別に、こんくらいならいつでもやったるのに」
「うん・・・そうだよね・・・明日は、頑張って、甘えてみようかなぁ・・・」
「はいはい、いつでもいいから、今日はもう寝ろ」
「うん・・・そばにいてね・・・?」
コテンと美陽の頭が落ちた。そのまま抱っこしてベッドに運んだ。帰ろうと思ったけど、腕を離してくれなかったのでベッドにお邪魔して寝ることにした。
翌朝。
「ホワぁぁあァあああ!?!???」
「なんだ!?敵襲か!?」
あ、美陽の部屋に泊まったんだった。
「ちっちっ、ちかっちっ・・・!?」
「知佳っち?誰?」
「あ、え、な、なんで!?」
「落ち着け、お前が昨日ダウンしたから介抱してやったんだよ」
「だ、だうん・・・?」
「酒飲んでよっぱらってさんざ甘えてきたろうに」
あ、美陽の顔が青くなった。と思ったら赤くなった。信号かこいつは。
「あ、あの、あのっ、・・・昨日、私、何か言いました・・・でしょうかっ!?」
「いや特に・・・いっぱい構って~とか甘えたい~くらいしか」
「~~~~~っ!」
猛ダッシュでどっかに行ってしまった。1週間くらいまともに口を聞いてくれなかった。一生お酒は飲まないそうです。
お久し振りです。未成年の飲酒は(ry