やっぱりコックリさんなんかやるもんじゃないね   作:hotoke 814

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仲間入り

天邪鬼との一戦があった日の夜。

のとの部屋に三人はいた。

のとと狐と天邪鬼の三人だ。

天邪鬼に取り憑かれていた了は、狐が天邪鬼の頭を砕いた後にのとが介抱して家路につかせた。

どうやら、了は葉桜と別れた後に意識を乗っ取られたようだ。

「さて、何故わらわ達を狙ったか喋って貰おうか」

縄のようなもので縛られた天邪鬼に蔑みの目を向けながら問いただす狐。

頭を砕かれたはずの天邪鬼だが、当の本人はピンピンしていた。

どうやら、妖に常識というものは通用しないようだ。

「いや、特に理由はないんですよー。久しぶりにこっちに来て同じ妖に出会えたので挨拶替わりとして…」

「俺と了は挨拶替わりとして殺されかけたのか?」

今までにないくらい睨みつける。悪霊に取り憑かれて死に至るなんてオカルトの世界ではよくある話だ。

実際、取り憑かれていた了は目を覚ました後死にそうな感じになっていた。

のとから睨みつけられた天邪鬼はしょんぼりとしてしまった。

「悪気はなかったんですよー…。すみませんでした」

縛られた状態で器用に頭を下げる天邪鬼。どうやら本気で反省してるようだったのでのとは許すことにした。

「なんなら思いっきりぶってください!それで罪が晴れるのなら思いっきりどぎついのかましてください!」

前言撤回。こいつだけは許さん。

鼻息を荒くしている天邪鬼をまるで養豚場の豚を見ているかのような目で見下ろす。

どうやらのとの周りに集まる妖はノーマルな奴はいないらしい。

「おら!これが欲しかったんじゃろ!」

「あぁん!もっと!もっと!頂戴!」

「おら!このド変態めが!」

「…こいつらはもうダメだ。ほっておこう」

のとはSMプレイに勤しんでいる2人を放っておき、1人でお茶でも飲もうとリビングへ向かった。

 

それから時は経ち翌日。

のとはお茶を飲んだ後、そのままリビングで夜を明かした。

リビングで寝てる間、上の階からガタガタと慌ただしい音が聞こえてきたが全力で聞こえないふりをして寝たのだった。

「…あいつらのせいでまともに寝れなかった…」

眠気で霞む目をこすり洗面所まで行き、顔を洗う。

冷水のお陰で多少の眠気は消えたが、いつもより体のだるさは消えない。

「あいつら…後でぶっ叩いてやる…」

恨めしい声で呟き、だるい体を引きずってリビングへ戻る。

「あ、おはようございます、のとさん。よく眠れましたか?」

「おはよう、のと。昨夜はわらわがいなくて寂しかったかの?」

何事もなかったかのような清々しい笑顔でのとを出迎える天邪鬼と狐。

…こいつら、マジでしばいてやる。

2人のせいで眠れなかったというのに当の2人は至って健康、というのがのとの癇に障った。

「…こちとらお前らが夜な夜ななんかしてっから全然寝れんかったんじゃこの野郎」

「まぁまぁ、落ち着いてくださいよ。初対面の人とはやはりコミュニケーションが大事ですよ?」

「そーじゃそーじゃ。これは妖も人も同じことじゃぞ?」

「殴った殴られたがコミュニケーションか?」

バッ。

ほぼ同時に明後日の方向へ顔を向けた。

狐は極力のとと目を合わせないように。

天邪鬼は口笛を吹いて知らんぷりをかましている。

2人とも全く違う行動だが唯一共通してるのはこれでもかという程に汗をかいているということだ。

…幾ら何でも焦りすぎだろ…。

2人の焦りようを見ていると先程までの憤りを忘れてしまった。

「はぁ…。もう、次から俺の睡眠の邪魔だけはするなよ…」

ため息混じりに2人に言い渡すと天邪鬼と狐は顔を輝かせた。

「ありがとうなのじゃ、のと!これから気をつけるのじゃ!」

「のとさんって優しい方なんですね!狐さんが甘えるのもわかります!」

そう言って、2人はのとに抱きついてきた。

「あぁもう!鬱陶しい!離れろ!」

2人を引き剥がそうとするが上手くいかない。体のだるさもあったのでもうこのまま流れに身を任せることにしたのとであった。

かくしてのと家に新しい妖、天邪鬼が加わったのであった。

 




はい、お久しぶりです、ほとけです。最近六月になっても五月病が治りません。助けてください。
なので今回遅れたのもしょうがないよね(
出来るだけ早く投稿できるようにしたいです…はい…。次回は内容が進むようにしたいと思います。では、次回で会いましょう。

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