やっぱりコックリさんなんかやるもんじゃないね   作:hotoke 814

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天邪鬼

それから数十分後。了と葉桜と別れて、雨の中を1人と1匹で帰っていた。

雨が楽しいのか狐はふよふよと縦横無尽に飛び回っていた。

「何年も生きてんじゃねーのか」

「暫くはこっちに来れてなかったからな、新鮮じゃ」

そういう狐は嬉しそうにふよふよと浮いていた。

「ま、程々にな」

 

ーーーーーーー

 

それから家路を歩き初めて10分程が経過した。

その時に事件は起きた。

 

「むっ」

狐が何かに反応した。

ふよふよと浮かんでいた狐が急になにかの臭いをの在り処探るようにあちこちに飛び回る。

狐は道のわきに生えている木々の間や立てものの物陰などを一つ一つ探っていった。

「いきなりどうしたんだ、なんかおかしいぞ」

その狐の奇行を不審に思ったのとは思い切って狐に切り出した。

「いや、なにか似た匂いが…」

狐は不快なものの匂いを嗅いだように目を細めた。

「似た、匂い?」

「あぁ…これは"同種"の匂い…」

そういうと狐は勢いよく後ろへ振り向いた。

のとも釣られて後ろを振り向く。

そこには、男がいた。しかも、高校生だということがわかる。

何故ならば、その男はのとと同じ制服だったからだ。しかも、その男にのとは覚えがあった。

「了…」

思わず、先程まで共に帰っていた級友の名をつぶやく。

しかし、名を呼ばれた当の本人は反応一つ見せない。

「憑かれとるな、妖に」

狐は了を睨みつけた。その目には戦意が灯っていた。

「出てこんかい、もうバレとるわ」

それは了に向けたものではない、了の中にいる妖に向けてだった。

「なーんだ、もうバレちゃったの」

その声が聞こえると、了の背後から黒い霧が噴出した。

その霧は徐々に形を作っていった。

「私の名は天邪鬼。さぁ、手合わせ願おうか!」

一人の少女がそう叫んだ。

黒い髪をショートにし、その黒い頭から日本の角が見えている。

それは、のとも知っている妖怪"鬼"によく似ている特徴だった。

服装もどことなく着物に近いが、現代風な服装にも近かった。

上半身は和服だが、下半身は黒のスカートを着用している。スカートには蝶の模様が入っている。

上半身と下半身とで全く合わないと思うのだが、何故か彼女が着ると謎の一体感があった。

天邪鬼はスカートを翻し、狐に向かって突っ込んだ。赤い目には明らかな敵意と少し面白がるような色が滲んでいた。

 

ーーーーーーー

 

勝負は一瞬だった。

突っ込んできた天邪鬼。そこまでは良かった。

狐は突っ込んでくる天邪鬼の足をかけ、体制を崩した。その後、狐に倒れかかる形になった天邪鬼の頭にヘッドロックをかけた。

最初は抵抗していた天邪鬼だが、狐が少し力を込め、ヘッドロックを強めた瞬間に何かが砕けるような音と共にその抵抗をやめた。

 




毎度毎度遅れてすいませんと、ほとけです。今回から新キャラの天邪鬼の登場です。今のところ何も言えませんがひとつ言えるとしたら僕は天邪鬼が登場キャラの中で一番好きだということです。はい。次回ではもう少し展開させたいな(白目)それでは、次回でお会いしましょう。

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