やっぱりコックリさんなんかやるもんじゃないね   作:hotoke 814

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プロローグ

みんなコックリさんって知ってるか?

簡単に言うと五十音表の上に10円玉を置いて聞きたい事を言うと10円玉が勝手に動いて10円玉がその答えを導き出すってやつ。

一時期ブームを起こしてたけど学校では危ないからってできなくなっていって結構早めに聞かなくなった。

でだ。なんでこんな話してるのかって言うと。

「コックリさん、コックリさん、おいでください」

今、それをやっているからだ。

俺の名前は高島のと。友達からはのっさんとか普通にのととか呼ばれてる。

基本的に10円玉から指は離しちゃいけないので必然的に片手が使えなくなる。これが結構不便だったりする。

「えーっと、まず何聞く〜?」

そんな事を言ってるのは高校一年から友達の城崎了。了は言っちゃあ悪いが頭が悪い。だが、どうでもいいことに関しては天才的な才能を発揮する。

このコックリさんをやろうと言い出したのも彼だ。

今現在、このコックリさんに参加している人数、2名。

…コックリさんって3人とか4人でやるもんじゃねーのか。

結局、ジャンケンに負けて俺の部屋でやることになったんだが。

ぶっちゃけ怖い。なんかコックリさんやって精神に異常をきたした人もいるらしいじゃん?そんなことをする奴らの気がしれないね。

「お前確か好きなヤツいたろ。それ聞けよ」

我ながらかなり素っ気ないと思う。

まぁ、聞きたい事もないし了にあとは任せた方がいいという結論に至った。

「えー、もういいって。いい加減そのネタでいじるのやめろよな〜」

何がいいのかは知らんがどうやら諦めたらしい。了はいい意味でも悪い意味でも諦めが早い。結構お似合いだと思うんだがなぁ。

「俺の事よりお前の事聞けよ〜」

とうとう俺に振ってきやがった。

指は10円玉から離さず少し考える。

……

………

何もねぇ。

いや、ほんとに毛程も聞きたい事がねぇ。

「何もねぇよ」

空いている方の手で髪を掻きむしる。

それを聞くなり了は盛大に溜息をつきやれやれと方を竦めた。

なんだこいつ腹立つ。

「お前もさぁ、もう高2だぜ?彼女の1人ぐらい作れよ」

「だが断る」

「即答かよ!」

彼氏彼女というのはあまり好きではない。大体告白して付き合えてその後は?と考えてしまう。了からはそれだから彼女出来ねぇんだよと叱られたこともあった。俺は出来ねぇんじゃねぇ

作んねぇだけだ。

「じゃあそれ聞こうぜ!」

「それ?」

「人を好きになるってのはどういうことですかって聞くんだよ」

どうでもいいこと聞くなぁ。これに答えさせられるコックリさんも大変だな。と同情を少し。

「あー、もうそれでいいんじゃね?」

かなり投げやりだったがそんなことお構い無しにどんどん進める了。

「コックリさん、コックリさん、人を好きになるってどういうことですか?」

なんと、10円玉が…動かない。

まぁ、当たり前だわな。

「ほらみろ。コックリさんなんて嘘っぱちだよ嘘っぱち」

そこまで言うと俺はとうとう10円玉から手を離してしまった。

これが俺の運命を分けた。

突如、上から聞こえる声。

「んなもん、わしに聞くな」

声の聞こえた方を見るとそこには、

狐の尻尾と耳を持った人が浮かんでいた。

その後、俺の視界は真っ暗になった。




はい、お久しぶりです。東方剣槍録という小説を投稿しておりました、hotoke814ことほとけでございます。
今回からこの「やっぱりコックリさんなんかやるもんじゃないね」というオリジナル小説をメインでやっていきたいと思います。不定期です。多分、失踪すると思います。
それでもいいという方はぜひ読んでいただけると嬉しいです。前書きに書けよって話ですよね。すみませんでした!
それでは、これからもほとけをよろしくお願いします!

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