HUNTER LORD   作:なかじめ

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早く佐川急便さん来て下さい…私のオバロ11巻を持って来て下さい…

最後ほんのちょっと加筆。自分の名前を言って無かったorz


6話 対人戦

賢王に乗りしばらく進んでいくと、やっと森の切れ目が出てきた。とにかくもうこの森の景色に飽き飽きしていたルドウイークは

 

「賢王、とりあえず向こうに進んでもう森から出てくれ。」

「でもまだ人間の村に行くには回り道でござるよ?」

「そんなに急ぐ事もない、急がば回れって言うだろう?」

「承知したでござる!では森から出るでござるよ!」

「宜しく頼む。」

 

道中、人間でも食べられそうな木の実等、賢王に見繕ってもらい食べたので、空腹も無かった。

夜になってしまったりしなければいいや、という気持ちでなんとなく言ったこの一言が、とある姉妹の命を救うとは誰も思わなかっただろう。

 

「やっっっと、森から出れたあ!…流石に、鬱蒼とし過ぎて圧迫感が凄かったもんな。凄い開放感だ。」

 

森から出たら一面の草原だった。

 

「いい景色じゃないか!…ん?何か遠くで光った?何かが日光に反射したか?」

「うーん、某には見えないでござるなぁ。」

 

ルドウイークは遠眼鏡を取り出し、そちらを見てみる。

 

「何だ?あれは?」

 

どうやら女の子2人が、3人の騎士に追われていた。騎士は既に剣を抜き、女の子逹は足がもつれて追いつかれるのも時間の問題だろう。

 

「どんな理由であれ無抵抗の女性2人に武装した男3人か…、どちらに味方するのか考えるのも馬鹿らしいな。賢王、向こうに走れ!全力でだ!」

 

「了解でござる!」

 

恐らく到着まで数秒だろうがその間にも作戦を考えるルドウイーク。

 

(このスピードなら何とか間に合うだろう。取りあえず相手の方が数が多い以上余り時間をかけたくない。…俺は余りきちんと連携の取れた人間との戦いはした事が無いんだよなぁ…さて、どうしたものか。)

 

bloodborneと言うゲームでの対人戦はレベルでのマッチングである。一番マッチングし易いのは、ある程度ビルドが完成してくる100レベル前後である。当然レベルカンストはマッチング

等望むべくもない。

しかもルドウイークを作成したプレイヤーは痛恨のステータスの振り分けミスをしてセカンドキャラに移ってしまった為、ほぼルドウイークは対人戦の経験が無かった。

 

《余談だが、ルドウイークをレベルカンストまで上げたのはこのプレイヤーのPS4最初のゲームがbloodborneであり、尚且つファーストキャラで、キャラメイクも3時間近くかけて作った力作であり愛着が有った事も有って、救済の意味を込め『何でも練習出来るマン』という名目でレベルカンストまで上げられたと言う経緯が有る。》

 

「取りあえず1人瞬殺して後は彼女達との間に割って入って何とかするか。」

 

そう言って懐から丸い石ころを取り出す。

(これを投げて相手の行動を見るか。3対1なんだ。卑怯等とは言わせないぞ?)

このときルドウイークの頭の中は賢王はまるっきり戦力として考えていなかった。完全にさっきの腹を向けてひっくり返った姿しか頭に無く、魔獣ではなく愛玩動物としか考えていなかった。

 

(石ころを投げてどうなる?まずは命中する。これがベストか。少なからず怯むだろうし、此方を見るだろう。その間に斬り伏せる。次の可能性は相手が気づいて盾や剣で弾かれる。これでもいい、注意がこっちに向くだろう。直ぐに寄っていって斬り伏せる。後の可能性は、相手が避ける、これもベターか?少女逹と騎士の距離が離れる。がこの場合相手がかなりの実力者の可能性有りか…その時は注意がいるな。最後は…少女逹に当たる…一応注意は引ける…か?後で彼女たちに土下座でもしなくてはな…あとは…)

騎士の装備を見る。

(プレートメイルにカイトシールド、ロングソードか。あれがこの世界の標準装備だとすると、もし水銀弾の補充が出来ても銃は使えないな。仕方ない、例外を除いて銃は封印だな。)

もし銃の無い時代、一つの国に銃を持ち込み、量産が利くようになったら、それはもうその国が天下を牛耳るだろう。ルドウイークはそんな物を易々と使う気にはなれなかった。

しかし何事にも例外は有る。例えば使わなければ絶対に勝てない敵が出た場合。まだルドウイークは死ぬつもりも無いし死ぬ訳にもいかない。

あとはあの騎士逹が少女逹を人質に取った場合などか。そんな事になったら

 

(即座に眉間に水銀弾をぶち込んでやる。)

 

そこまで瞬時に思考し視線を戻すと、小さい少女が転び、それを庇った女性が背中を斬られた。

距離的にはもう石ころの射程圏内だった。

 

「ちいっ!当たれよ!!」

 

(どの結果でもいい!頼むぞ石ころ!)

 

ルドウイークは明らかに賢王より石ころを頼りにしていた。

 

 

結果は………予想の遥か斜め上だった。

 

スナップを利かせてルドウイークの手から放たれた石ころは

本来放物線を描いて相手に飛んで行くそれは

ルドウイークからの信頼に答えるかのごとく

弾丸ライナーで、狙い違わず、騎士の兜の真ん中に吸い込まれて行った。

 

ゴチュン!と兜の中から籠もったような嫌な音がきこえた。

「…げ」

「殿!凄いでござるよ!」

「…そうだよな。いや、いいんだよな。これで。…うん、万事順調だな!…すっかり『枷』の事を忘れていた。これもその影響か?」

 

その通りだった。筋力99の球速に技量99のコントロール、あとは神秘99の若干の幸運の複合的な結果だった。

 

と、そんな事を言っていると少女が背中の騎士を見、次に此方に目を向けてくる

ルドウイークは思っていた結果と違い少し、いや大分動揺していたが、あまり動揺していると少女逹を不安にさせるかもしれないと考え、無理矢理いい笑顔を作り問いかける

「だ、大丈夫かな?お嬢さん方。」

「え、は、はい!」

(よく見るとこの子逹よく似てるな。姉妹か?怖かったろうに…、でも方角的に森に逃げ込もうとしたのか?正しい判断だな。何が出てくるか分からない森に逃げ込まれた場合、統率の取れた部隊なら深追いはして来ないだろうし。結果追いつかれはしたが…運も良いんだろうな。俺達が丁度遠回りして森から出てきた目の前だったし。おっと、まだ敵がいるんだったな。)

 

「君たちは正しく、そして幸運だった。つまり…」

 

「もう君たちは大丈夫だ!後は俺に任せておけ!」

 

そこまで言い、賢王から飛び降りて、彼女逹と残り2人の騎士の間に割り込んだ。

 

「…君は邪魔だな。退いてくれ。」

 

石ころが命中し、立ったまま絶命している騎士を指でそっと押すと、ガシャン!という音を立てて崩れ落ちる。

そこまでやって初めて残りの2人はその騎士が死んでいる事に気付いたのだろう。ビクッとなり此方を怯えたような顔で睨んでくる。

 

「き、貴様!何者だ?」

「そ、そいつに何をした!?」

「ふふっ。」

「何が可笑しい!」

「…いや、済まない。君達の台詞が余りにも典型的な悪党の台詞だったものでね。」

「何だとお!」

「…おい待て!?なんだあの男の後ろにいるデカい魔獣は!?」

「…え?…ヒィっ!」

 

(…もしかして、賢王に怯えているのか?…というか俺はコイツがいるのを忘れていたな…彼女の傷の治療もしなくちゃだし、賢王にやらせみるか?)

 

「やっと…理解したか?貴様等は狩る方から、狩られる方に立場が変わったと。…少しばかり遅かったな。彼女に傷を付ける前で有ればまだ慈悲もかけたが、無抵抗の女性を傷つけるような者には要らないな。あの時の貴様等は血に飢えた顔をしていた。貴様等の持っているそれは玩具じゃ無いんだぞ?それを抜いた時点で自分達もそれで斬られる覚悟もしているのだろう?という訳だ。賢王、お前に最初の命令だ。」

賢王に呼びかけ、右手を上げる。

「はいでござる!」

右手を振り下ろしながら

「殺れ。」

 

「承知でござるよ!さてお主ら、少し弱そうでござるが覚悟するでござる!」

「あまり彼女逹に悲鳴や呪詛は聞かせたくない。直ぐ終わらせろ。」

「任すでござるよ!」

 

「ひいいいい!」

「助けてくれえええ!」

 

「うんうん、最初の予想とは違ってそれなりに猟犬役も出来るじゃないか。さて、君は怪我をしていたな?今治療を…」

そこまで言ったときふと考える

(ちょっと待てよ?俺がもってる回復系のアイテムって…輸血液…?)

そう思ったが流石に輸血液をこの少女に使うのは少し、いや全然違う気がした。

(…えっと、本当に俺達狩人は戦闘以外で役に立たんな…んー、あっあれが有った!これだ!聖歌の鐘)

 

目当ての秘技用アイテムを見つけて早速鳴らす。

 

カランカラン

 

 

エンリ・エモットは目の前の男の人が分からなかった。傷を治療すると言ったのにいきなり鐘をカランカラン鳴らし始めたのだ。

(…え?この人大丈夫なの?私達はどうなっちゃうの?見た目は…なんかカッコいい感じなのに…頭がおかしい人なのかしら…)

見た目はプレイヤーの3時間の力作である。

しかし

 

「え?嘘!?」

背中の傷も、痛みも無くなっていた。

「ふう、効いて良かったぁ。何しろ使ったの初めてだしな。…いや、あんな酷い場所に有ったんだ。効いてもらわなければ困るな。」

「ありがとうございます!」

「ありがとうございます!」

姉妹の声がハモる。

「礼はいいさ。君達の村はどこかな?私はつい最近この辺りに付いたばかりでこの辺りの事が全く分からないんだ。もし良ければ君達の村の村長さんなどはいるのかな?」

 

「そうだ!!そうです!!」

「うおっ!」

突然大声を出した少女にびっくりするルドウイーク。

「お願いします。あの騎士逹は村にも大勢残ってるんです。こんな危険な事頼んでいい事じゃないって分かってます。でも他に頼れる人がいないんです!どうか…どうかお願いしますっ!」

「お願いします!」

ルドウイークは黙って先程の騎士逹を処理し終わった賢王のほうをほうを向き一言

「賢王、彼女逹を守れ。」

「殿はどうするのでござるか?」

「決まってるだろう?村に行ってくるのさ。」

「承知したでござる!」

 

エンリ・エモットは内心断るに決まっていると思っていた。

だからこう言った

「え?行ってくれるんですか?」

「ふふっ、可笑しな事を言うんだな。君が頼んで来たんじゃないか。」

「でも私達は今日あったばかりでなんの関係も無いのに、どうしてですか?

「君達は、困っている。」

「はい。」

「俺なら、助けられる。」

「え?…はい。」

「それだけだよ。勘違いしないで貰いたいのだが報酬は頂くぞ?」

「な、なにがいいですか?私に出せる物なら何でも出します!」

エンリは最悪、貰ってくれるのなら自分自身を差し出しても良いとおもった。

あの村が無くなればどの道私たちに行くところなど無いのだから。

「君の名前は?」

「エンリ、エンリ・エモットです。」

「妹の、ネムです!」

「エンリ、ネム、私は今とても腹が空いていてね。報酬には夕食を頂こう!」

 

「え?…それだけ?」

 

「空腹の人間には明日、明後日の大金より目の前の食事の方が大事なんだよ!んじゃ行ってくる!賢王、この子逹の危険を排除しろ。合図を出したら彼女逹を連れて来い!いいな?」

 

「合点承知でござる!では殿、後武運を!」

 

「待って下さい!あなたのお名前は!?」

 

「…名前か、俺の名前はルドウイーク。聖剣のルドウイークだ!」

 

 




長くなるのでぶった切ります。

そして、書き上げたときに佐川がきた。
オバロ11巻来たぜええええ!

んふぃーちゃん爆発しろ!!!

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