前の話でも有りましたけど、パロディ的なセリフが今後出てくると思うのでタグに追加しときます。
「勝利を約束された…剣ですか…?」
「ああ、今ので大体、7割程度の威力といった所だな。」
「なんと…まだ全力では無いと…」
月光の聖剣は溜め攻撃で光波を撃つ事は、bloodborneの時から出来たのだが、DLCの最初のボスで月光の聖剣の入手先でもある、ルドウイークの物より大分大人しめな技に調整されていた。実際、bloodborneというゲームの世界観にはその程度が丁度良い調整であるとも思える。
しかし、新しく追加されたスキル、《真の月光の使い手》ではそのボスであるルドウイークの使う大技を水銀弾の大量消費で使用する事を可能にするスキルであった。
(…そもそも、スキルってのは何だ?まあ便利だからいいが。それより、10~100発の任意弾数分の消費か。これ自体、基本20発しか持てなかったヤーナムの時では有り得ない。此方の世界専用の能力だな。)
先程のムーンライトソードは70発使用した威力。これが100発の時と、どれだけ違うかは流石に実験は無理だろう、今目の前の惨状がそれを物語っていた。
「…では、降参という事でいいか?ちなみに聞きたいんだが、今日ここに来たのは、国の命令だよな?ニグン殿?」
「はい、降参致します。我々の負けです。質問の答えはその通りでございます。」
「ふむ、ガゼフ殿?」
「何だろう?ルドウイーク殿。」
「今日の所はあなた方の命を救ったという事で、手打ちにしないか?このままニグン殿達には一旦国に帰ってもらいたいのだが。」
「な!何故!?」
「先程言ったように俺は最近この辺りに来たばかりだ。まだ王国に完全に肩入れした訳じゃない。今回はガゼフ殿の事を死なせたくないから助けた。これで彼らを捕らえたり殺せば、もうスレイン法国とは完全に敵対するだろうからな。どうだろうか?」
「…ふ、あなたがそこに立つなら我々は何も出来んな。」
「戦士長!?いいのですか!?」
「彼が立っている場所をよく見ろ!」
ルドウイークは両軍の間に引かれた線、ムーンライトソードの爪痕の向こう側に立っていた。引かないなら彼ら側で闘うという意味だろう。
「な…!?」
「ありがとう。理解頂けたようで何よりだ。だが、ニグン殿、条件がある。」
「な、なんなりと!」
「実行犯である騎士たちはほとんど死に、一人はこのままガゼフ殿に連れて行ってもらう。しかし、それでスレイン法国の罪は消えたとは思えない。だから、あなた方には金という一番分かりやすい形であの村に賠償してほしい。どうだ?」
「畏まりました。直ぐに国に帰り金を持ち、帰ってきます!!」
「ああ。来なかったら…此方から取り立てに行こう。」
「は!各員全速力で国に帰るぞ!二週間、いえ一週間程お待ち下さい!」
「了解した。気をつけてな。」
ニグン達を見送り、ガゼフ達を聖歌の鐘で回復してやり、村に帰る。
「…済まなかったな、奴らを帰して。」
「いや、あなたの言うことも最もだ。それに先程の賠償という事後処理がこの村に取って一番益があるだろう。」
「ああ。そう言ってくれると助かるよ。其方はこれからどうする?」
「今晩はこの村に泊まり、明日王国に出立する。貴方は?」
「一週間、ニグン達を待ち、その間に身の振り方を考えるよ。」
立ち止まり少し考えるように話すガゼフ
「…出来れば王国で冒険者をやって欲しい物だ。一週間か、では我々も貴方に対する礼とこの村に援助を出してもらえるよう、国に頼んで戻ってこよう!」
「そうか…いや、冒険者とは?」
「金で仕事を受け、モンスターを退治する。まあ、対モンスターの傭兵のような物だな。しかし、最高位ともなれば貴族と同格に並び評される存在だ。それに、貴方は獣狩り、腕もいい、最適だと思うが。」
「…エランテルでも冒険者になれるのか?」
「ああ。エランテルにも冒険者組合は有るぞ。しかし、何故エランテルなんだ?」
「ここから近い!」
「なる程な!ははは。なら、また来るときには推薦状をしたためて来るとしよう。では今日は村の寄り合い所で休むとする、お休みルドウイーク殿。」
「ああ、お休み。ガゼフ殿。」
そこでガゼフを見送り、しかしルドウイークはまた村の出入り口に踵を返す。
「…俺の夢の世界はこっちなんだよなぁ。ああ、水盆の使者はいるのかな…、そして水銀弾買えるかな。大盤振る舞いし過ぎた…くそぉ、買えなかったらどうしよう…」
灯りを見つけた事で気がゆるみ、つい使いすぎたことに後悔しながら灯りに向かうルドウイークだった。
ちなみに、攻勢防壁や監視阻害のスキルやアイテムなんぞ持っていないので戦闘中にスレイン法国に全部覗かれていました。