しかしながら時間が足りず、ちょっと季節外れな話となってしまいました(汗)今回の話は次回以降、数話に渡っておくる予定ですが…現実の季節感等は一切気にせず見てくださいませ!!(苦笑)
これでもかという程見事に晴れた空からはジリジリと暑い日が差し、今が夏だという事を思い知らされる。しかし、その暑さとは他に夏を実感する事の出来るような…そんな光景が彼の前に広がっていた。よく知る彼女達が、水着姿で浜辺にいるのだから。
由紀「うわぁ~っ!ひっろ~い♪」
由紀が着ているのは以前、彼と一緒に選んだビキニだ。
上下ともに綺麗なピンク色をしたそのビキニには小さなフリルが付いており、彼女が動く度にそれは揺れる。色だけで見れば少し子供っぽい気がするが露出はわりと多く、意外と女性的だ。
胡桃「いや~。遂に来たなぁ…」
胡桃が着ているのは青…というよりは紫色に近い、濃い色のビキニ。
シンプルな作りであり、由紀のビキニのようなフリルは付いていないが、それでも見栄えするのは彼女のスタイルが良いからだろう。いつものツインテールも短く纏め上げており、動きやすそうだ。
悠里「走るのもいいけど、足元には気を付けてね」
悠里が着ているのは、緑色のビキニ。
ボトムの方は胡桃の物と同じくシンプルな作りだが、上のビキニのちょうど中央…そこには真っ白なリボンが付いており、可愛らしいデザインだ。ただ、彼女の大きな胸の谷間のインパクトがあまりにも凄くて、リボンの存在が薄れているような気も…。
由紀「ほら、みんなもはやく~♪」
晴れた空の下、彼女達は目の前に広がる海を見て表情を明るくする。前々から来たいと思っていた場所へ、ついにやって来れたのだ。テンションの一つも上がるだろう。彼女達はこの日の為に選んできた水着を見に纏い、砂浜の上を歩く。
美紀「予想してたよりも更に空いてたね」
水色のビキニに身を包んだ美紀が、辺りを見回す。彼女の水着は他の娘らのような三角ビキニではなく、大きなフリルタイプの物だ。上下共にフリルの揺れるその水着は胸や尻の形が出にくく、美紀はそこを気に入ったらしい。その横に立つ圭も上は美紀と同じような紺色のビキニを着ていたが、彼女の方のボトムにはフリルが無く、美紀よりも少しだけ色っぽい雰囲気だ。
圭「ほんと。これじゃ貸し切り同然じゃんっ♪」
広い浜辺には彼女達以外の人がおらず、圭の言う通り貸し切りのようになっている。悠里が言うには隣町に有名な海水浴場があるらしく、多くの人はそっちへと行っているらしい。しかし、今日訪れているこの場所もそう悪くはない。確かに、人気のある場所と比べると海の家の数が遥かに少ない……というか一軒だけだが、砂浜や海自体はとても綺麗だ。
果夏「おお~っ!…う~ん?」
フルーツ柄の、カラフルなビキニを纏った果夏が茶色のポニーテールを揺らしながら遠くを見つめる。その格好はわりと露出が多く、スタイルも悪くはないのにあまり色っぽく見えないのは、彼女の活発すぎる性格のせいだろう…。そんな果夏の隣に立つ真冬は、少し大きな紺色のパーカーを羽織っている。前面のチャックが閉じてあって完全防御の状態だが、パーカーの裾からは真っ白い太ももが見えていた。一応、パーカーの下に水着を着ているらしいが、見せるのが恥ずかしいようだ。
果夏「す~っごく遠くの方に人がいるね。行ってみる?」
真冬「なんで…?」
果夏「いやぁ、ナンパとかされるかなって…」
テヘヘと笑う果夏を見て、真冬は深いため息をつく。こんな事を言っているが、果夏の事だ……別にナンパされて彼氏を手にしたいとか考えている訳ではなく、ただナンパされることが格好いいとか、大人の女みたいだとか思っているだけなのだろう。
真冬(ナンパなんて、ほんとにされたら困るクセに……)
しかも、よく見てみれば彼女が見ていた遠くにいる人というのは散歩中の老人だ。それも男性ではなく、女性の…
真冬「カナは、おばあちゃんにナンパされたいの?」
果夏「へっ?あれお婆さんなの?真冬ちゃん、目が良いなぁ……」
じっと目を凝らして見るが、果夏の目にはその人が小さな粒程度にしか見えない。彼女の視力は特別悪い方でもないと思うが、真冬には劣るようだ。
歌衣「お、お待たせしました…」
果夏が目を凝らして遠方の老婆を見つめる中、遅れてやって来た歌衣が彼女と真冬の後ろに立つ。水着を着るのに少し手間取っていたらしく、遅れてしまったらしい。
彼女が着てきたのは、ワンピースタイプの白い水着。下の方がスカートのようになっていて、そこだけ見れば清楚なデザインだが…問題は上の方だ。胸元にはV字の切れ込みが入っていて、彼女の大きな胸の谷間が惜しげなく晒されている。胸の大きさだけなら、悠里と彼女はほとんど同等の物かも知れない。
果夏「お~。歌衣ちゃん、ヤバいね…!」
歌衣「や、やばいっ!?何がですかっ!?」
もしかして、間違った着方をしてしまったのだろうか?そう思った歌衣は慌てて自分の水着を見直すが、おかしなところは無い。なら、果夏の言葉は何を意味しているのだろう…。その答えは、隣に立っていた真冬が教えてくれた。
真冬「胸が大きすぎてヤバい。カナはそう言ってるんだよ…」
歌衣「胸…ですか?大きいと、何がやばいんでしょう?」
真冬「…………ちっ」
歌衣も悪気があって言ったわけではない。そうだと分かっているが、彼女の大きな胸を…そのとぼけたような表情を見ていると、
バシッ!!
歌衣の胸目掛け、手のひらを振った。真冬のビンタをまともに受けたその胸はプルリと揺れ、歌衣は戸惑ったような表情を真冬へと向ける。
歌衣「ひゃっ!?な、なにするんですかっ!?」
真冬「……べつに。蚊がとまってたから…」
もちろん嘘だ。本当は蚊など止まってはいない。ただ、苛立ってしまったから彼女の胸をビンタした。真冬は彼女の横を通り過ぎ、言い知れぬ劣等感に頭を抱える。
真冬(…すっごく柔らかかった…!胸って、大きいとあんなに…!!)
歌衣の胸をビンタした際の感触は、まるで大きな水風船を叩いたかと錯覚するような物だった。真冬はその感触を思い出して赤面しながらこっそり、パーカー越しに自分の胸を触ってみる…。
真冬(ボクのだって柔らかい…よね?う、う~ん……
同じ女性だというのに、胸というのはこうも違いが出るものなのか…。真冬は自分と歌衣…更には悠里とのレベルの差を実感し、トボトボと歩く。そうして訪れたのは、砂浜の上に敷かれた一枚の大きなレジャーシートの上。そこには彼が一人で座っていたので、真冬はその隣に腰を下ろす。
真冬「キミは…みんなと遊ばないの?」
「ん?ああ、遊ぶよ。ただ、今はこの光景を目に焼き付けておこうと思ってね…」
由紀の太もも…胡桃のうなじ…圭や果夏の可愛らしい水着姿…少し恥じらうような雰囲気を見せる美紀…そして、悠里と歌衣の胸…。そのどれもがとても魅力的であり、どれだけ見ていても飽きない。
真冬「なるほど…やっぱりキミは変態だったか…」
「これだけの光景…。目を奪われない男の方がどうかしてると思うよ」
真冬「…ボクには全く興味なし?」
人差し指で彼の腕をちょんっと突っつき、真冬は首を傾げる。彼も彼女に興味がない訳ではないのだが、露出の関係上…どうしても水着姿の皆に目線がいく。
「せめて、そのパーカーを脱いでくれればね…。水着はちゃんと着てるんでしょ?」
真冬「…うん。じゃあ…ちょっと見てみる…?」
「おお、いいの?」
真冬「恥ずかしいけど、ちょっとだけなら…。笑ったりしたら殺すからね?」
「いや…笑いはしないと思うけどさ…」
真冬はそれだけを告げるとパーカーに手を伸ばし、首もとのチャックをつまむ。ジジジッ…と音を鳴らしながらそのチャックが徐々に下へと開かれていくのだが、恥ずかしさからだろうか…真冬は微かに顔を俯け、頬を赤く染めている。
ジジジ…ッ…
真冬「……っ……ぅ…」
(なんか、気まずい時間だな………)
チャックは胸元まで下げられ、綺麗な鎖骨が見えている。胸の谷間は未だ見えていないが、彼女の胸の大きさの都合上それは仕方ないだろう。というか、まだ水着も見えていない。
真冬「み、見すぎじゃない…?そんな目で見られると余計に恥ずかしい…」
「いや、見せてくれるって言ったのは真冬ちゃんでしょうに…」
真冬「まぁ…そうだけど……」
といったやり取りをした後、彼女はまた少しずつチャックを下ろしていく。胸元からへそ辺り…そして遂に一番下へとチャックを下ろし、彼女はそっとパーカーを開く。
真冬「へん…じゃない?」
パーカーを開いて恥じらいながら尋ねる彼女が着ていたのは、黒のビキニ。そして下には短く、半透明なパレオを着用しており、その隙間からは上のビキニと同じデザインの黒いボトムがチラリと見える。ビキニに覆われているその胸は確かに大きくはないが、真っ白な肌がとても綺麗でつい目を奪われる。
「…全然変じゃない。可愛いよ」
真冬「かっ…かわ…っ…?」
(あぁ……しまった…)
彼女は恥ずかしがっていたが、普通に可愛らしい格好だった。だからつい口走ってしまった言葉なのだが、彼はそれを後悔する。真冬が顔を真っ赤に染め、無言のまま口をパクパクと動かしているからだ。
真冬(お、落ちつけ…。落ちつけ狭山真冬…。彼が可愛いって言ったのは水着の事であって、ボクのことじゃない…。水着は可愛い…ボクは可愛くない…。水着は可愛い…ボクは可愛くない…)
心の中で自己暗示のように呟き続け、真冬は心を落ちつける。今まで男の人に『可愛い』などと言われてこなかった為、少し取り乱してしまった。しかし自己暗示の甲斐もあり、真冬はいつも通りの…涼しげな表情を取り戻す事に成功する。
真冬「………ふぅ」
「………?」
真冬「キミは…少し言動に注意したほうがいい。今みたいなことばかり言ってると、遊び人だと思われる」
「は、はぁ……気を付けます…」
思わぬタイミングで説教され、彼は戸惑いながらも頭を下げる。しかし彼だって、相手が女なら誰かれ構わず『可愛い』と言っている訳ではない。ただ、彼の周りに集まる女性達は総じて可愛らしかったり、綺麗な娘が多く、お世辞抜きに褒めたくなる時があるだけだ。
真冬「でも…せっかくの可愛い水着、隠してたらもったいないか…。やっぱり…これは脱いでおこう」
彼に見せた事である程度の自信がついたのか、真冬は羽織っていたパーカーをシートの上に脱ぎ捨てる。パーカーを脱いだ彼女は少しだけ恥ずかしそうに自分の胸元を確認した後、そっと立ち上がってから彼の方を向く。
真冬「みんなのとこ…いこ?」
「んん、そうだね」
シートの上にはそれぞれの荷物が置いてあるが、そんなに離れた場所に行くわけでもないし、辺りには人もいない。盗まれたりする心配はないだろう。彼は真冬に続いて立ち上がり、彼女と共にみんなの元へ向かう。
胡桃「真冬。そいつに変な目で見られたりしなかったか?」
真冬「うん…大丈夫だよ」
「いきなり失礼な事を言ってくれる…」
水着姿の真冬が彼と一緒に歩いてきたのを見て、胡桃がイタズラに笑う。しかし彼がここであまり強く言い返さなかったのは、真冬はおろか…ここにいる全員を多少ながらそういう目で見てしまっていたからだ。
真冬「果夏と由紀…もう海に入ってる」
胡桃「ははっ、大はしゃぎだなぁ~。どれ、あたしも行くか」
圭「美紀ちゃん、私らも行こっ」
美紀「あっ、うん」
海に足をつけ、バシャバシャとはしゃぎ合う由紀と果夏に続くようにして胡桃、圭、美紀の三人がそこに向かう。彼や悠里、そして歌衣もそれに続こうとしたが、真冬だけはUターンして荷物の置いてあるシートの方へと歩き出す。
悠里「狭山さん、泳がないの?」
狭山「泳がないんじゃなく、泳げない…。だから、浮き輪を取ってくる…。みんなは先に行ってて」
バッグにしまっていた、水玉模様の描かれている浮き輪。それは真冬に息を吹き込まれ、少しずつ膨らんでいく。彼女を待っていても良いが少し時間がかかりそうだった為、悠里達は由紀達の待つ浅瀬へと向かった。
そんな訳で、今回はみんなの水着をお披露目するパートでした(^^)
次回はみんなが戯れる様を書く予定ですので、そちらの方も是非ご期待いただければと思いますm(__)m
また、せっかくの海回…いや、水着回といった方が良いでしょうか…。
ともあれ今回はイベント回ですので、どうせならと…本作オリジナルキャラの『狭山真冬』…彼女の水着姿を描いてみました。これを見て、彼女が今回どんな格好で現れたのか…その参考になればと思います(*^^*)
【挿絵表示】
と、いうような感じで…。
私の脳内にある、真冬ちゃんの可愛さを10%も表現出来ていない気がしますが…今の私ではこれが限界!!(汗)絵を描くのは難所ばかりでしたが、個人的に一番苦労したのが作中でも何度か語られている、彼女の胸のペッタン具合です(苦笑)因みに彼女が着ている水着ですが、これは友達の果夏ちゃんに選んでもらった物ですね。
以前からオリジナルキャラの内、誰か一人の水着姿を描こうと決めていたのですが、恐らくオリキャラの中では真冬ちゃんが一番人気なので…今回の水着イラストは彼女になりました(^^)
今回は時間が無かったので真冬ちゃんだけ(しかもモノクロ)となりましたが、また後日『紗巴果夏』ちゃん、そして『那珂歌衣』ちゃんの方も描いてみたいと思っています(*´-`)いや…どうせなら原作キャラも描いてみたいですね(ノ´∀`*)