幻想郷の怖い話   作:ごぼう大臣

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なんか自分の中で正邪が狂気を孕んできた。


六周目・四話目-鬼人 正邪

 「私は鬼人 正邪だ。四話目は私がやるんだな。まあ、退屈させない程度に頑張るよ。

 

 阿求、アンタすごろくをやった事あるかい? サイコロ放って、出た目の数だけ進んで競争するんだ。知識としてはまあ、知っているだろ?

 外の世界にさ、それを人の一生に例えたゲームがあるんだ。出た目によって金のやりとりがあったり、結婚したり荒れ地に引っ越したり、イベントがそれぞれ現実の人生になぞられてある。時々変な事件が起きたりすんだがよ。

 

 私が言うのもなんだが、ありゃ良く出来てるぜ。サイコロの目が小さくとも、思わぬラッキーがあったり、逆に出た目が大きくともまさかと思う落とし穴があったり、一筋縄じゃいかないんだ。

 仕事選びで就職後のコースが丸っきり変わっちまったりする。そうなりゃどんなに頑張って前に進もうとしても成果がまるで違ってくるんだ。もし私が作るなら、スタート地点から裕福な出身のコースと貧乏人あがりのコースで分けるんだがなぁ、はははは・・・・・・。

 

 おっと悪い悪い。別に私は人生がどうとか大袈裟な事を話すつもりは毛頭ないんだ。ただ、真っ直ぐ進もうとして必ず上手く行くとは限らない、って事さ。

 

 ひねくれた見方? いや、私だって何の根拠も無しに言ってんじゃない。実際に考えさせられる事件があったのさ。

 

 今からお話しするよ。ちょいとだけ "不運だった" 男の話を・・・・・・

 

 

 

 

 里に、二人の兄弟がいた。

 兄の方は真面目に育ち、周囲も良くできた若者だと口々に言う、人徳のある青年。

 ところが弟の方は、どうにもだらしなく育って仕事もいい加減。兄と比べてお世辞にも性格が良いとは言えなかった。

 

 それだけならまだ良かった。時々、似ても似つかないなんて陰口を叩く奴は居たにせよ、二人とも気にしちゃいなかったし、お互いに一人立ちして稼ぐ程度は出来ていたしね。

 

 ただ、ある時から弟が少々、酒にはまり始めた。

 少しだけと飲み出した酒が毎日少しずつ増えていって、いつしか毎日毎時間毎分、アルコールを手放さなくなっちまった。ま、自制心に欠けていたって事さ。

 兄は何度も訪ねては注意したんだけど、てんで聞かずに流されるばかり。家の中の酒を没収してもいつの間にか買って飲んでしまう。それどころか里を回る薬売りまで折を見て口を出したんだが、それでもダメだった。

 

 かくなる上は強行手段に出なければ取り返しのつかない事になる。そう考えた兄は、永遠亭に入院させてしばらく根本的に治療させようと考えた。ちょうど永遠亭から出向いている薬売りと顔を合わせては溜め息をついていた頃さ。

 

 兄は薬売りに協力を頼んだ。二人で立てた作戦はこうだ。

 

 まずは二人で家に押し掛け、一応入院を勧めてみる。聞かなければ二人で取り押さえて放り込んでしまうというものだ。

 やり過ぎに思うかも知れないが、念には念。目立った症状が出ない内に治した方がお互いに得だろうと考えての事だ。

 

『すまん、このまま放ってはおけないからな!』

 

 かくして弟は永遠亭のベッドに押し込まれた。あ、言っとくけど説得は無駄だったよ。

 

 それからは退屈な生活が始まった。しばらくは酒から引き離して個室に入れられ、慣れてくれば生活リズムを揃える為にも掃除や洗濯なんかの手伝いをやらされる。出される食事は味気ない病院食さ。酒とそれに合う高カロリーの食物を食べながら気ままに過ごしていた弟には、不満だらけの日々だった。

 立地が竹林だもんで、知り合いなんか来やしない。永遠亭の主も無愛想なもので親しくする様子はなかった。淡々と日課の検査をされ、業務に戻り、暇があれば訳の分からん研究に没頭する。

 愚痴を吐ける相手といえば、見舞いにくる兄くらいだった。しかしそれも薬売りに同伴してもらっての事だったから、下手な事は言えなかったらしい。

 いつも仏頂面の弟に、兄は会うたびに

 

『元気か? 治るまでつまらないだろうが、勘弁してくれよ』

 

と謝っていた。

 

 その内そんな兄に、薬売りと一緒にもう一人くっついてくる奴が増えた。

 

 因幡 てゐ。永遠亭に住み着いた長生きの兎だ。多分竹林を歩く中で出会ったんだろうが、弟が初めて見た時からとても上機嫌でついてきていたらしい。

 それはそれは兄を好いていたようで、初めは薬売りと兄の三人で見かけていたのが、次第に薬売りの方が気まずくなり、里に迎えに行く役目をてゐに任せたりする程だったという。

 てゐって奴は、聞く所によれば悪知恵の働く生意気な奴だったと思うんだが、兄の心が広かったのかてゐの態度が特別良かったのか、多分両方かね。わりかし仲良くやれていたみたいよ。弟からすればますます愚痴を溢す余地は減ったんだが。

 

 それはそれとしても、気兼ねなく回復に専念出来る恵まれた環境にいた弟。だけど、それでも充実感ってのは得られないものでね。仕方ないんでてゐの毎日はしゃぐ様子に耳を傾けていた。そんなもん第三者が聞いても楽しいか知らないが、無いよりはマシだったんだろう。

 さぞかしラジオの如く喋りまくったんだろうねぇ。女って好いた男の前では本当に態度が変わるからさ。

 

 そんな事を続けていたある日、気になる言葉が耳に入った。弟が廊下を掃除していた時、向こうから兄とてゐが並んで歩いてこんな会話をしていたんだ。

 

『本当に良かったのかな、あんな大金・・・・・・』

 

『大丈夫だって。持ち主はもう仏だろうし、使うのがせめてもの供養だよ』

 

 大金、その言葉に弟はピクリと反応した。生まれてこの方謙虚だった兄からそんな言葉を聞くのは珍しかったから。そしててゐの口ぶりから使う権利は兄にあるらしいとも感づいた。

 

『・・・・・・ありがとう。ちょっと永淋先生に薬貰ってくる』

 

 兄はてゐと一、二言交わしてから、曲がり角に消えていった。弟はその隙を狙って、てゐにさっきの事を詳しく尋ねた。大金がどうのと言ってたが、何かあったのかと。てゐは一瞬白けた顔をしたが、渋々こう話してくれた。

 

 聞けば、兄が例によっててゐと永遠亭に向かっていた途中、金が詰まった荷物が落ちていたんだそうだ。竹林では迷ったまま亡くなる奴も多くて、兄も悩みながら拾ったんだと。

 弟は驚いたが、てゐは大袈裟だと笑った。なんでも彼女には幸運を招き寄せる力があって、傍にいると良いことがよく起こるんだとか。

 弟は思わず羨ましがったけれど、てゐはそんな彼を鼻で笑い、嫌みったらしく一歩離れ、しっしっと追い払う仕草をした。

 

『言っとくけど、アンタとプライベートでの付き合いはゴメンだよ。アイツだからこそ私も嬉しいんだ。

 ありゃ本当に見所があるね。大国主様に次ぐ魅力だ。私が五百年も若けりゃ、放っておかないんだけどなぁ』

 

 前段と後段の言い様の差に、弟はゲンナリと肩を落とした。てゐはそんな弟の肩を叩き、投げやりな調子で言う。

 

『まあ、アンタもここに長くいるんだ。そのうち一回位は良いことがあるんじゃないの?』

 

 しょげたままの目付きで顔を上げる弟。するとちょうど目線がてゐとぶつかった。てゐは少しだけ真剣な顔になると、弟の鼻先にびっと指を突きつけて言った。

 

『いつまでも甘えるんじゃないよ。兄貴は、アンタの為に疲れを取る薬まで使ってんだから』

 

 そこまで言って、背後で足音がした。兄が戻って来たんだ。てゐは途端に顔色を明るくして兄に駆け寄った。

 

『用事は済んだかい?』

 

『ああ、今日は大事を取って帰るよ。お前も、無理はするなよ』

 

 兄は笑顔で声をかけるとてゐに案内されて廊下の先に消えた。てゐは背中越しでもウサギのように跳ねてウキウキとし、兄はその影のように細く、痩せて見えた。

 

『無茶はしないでくれよ。幸運の後には不運が付きものだ』

 

 そんなてゐの忠告が、微かに聞こえ、遠くなっていった。

 

 てゐに言われた叱咤は、その様子を見ても当て擦りや意地悪ではなかった。気に入った男の弟に向けた心配もあったろう。

 けど、所詮他人にそんな事を言われても心に響くものじゃない。弟の頭には兄の授かった "幸運" 、そのおこぼれの事で一杯だった。

 

 

 また日が開いて、兄が見舞いに来た日の事だ。てゐや薬売りが席を外したのを見計らって、弟は兄に話しかけた。

 

『なあ、竹林で金を拾ったって本当か?』

 

『ん・・・ああ、この前な』

 

 兄は嘘も下手だった。金絡みの話なんてろくなもんじゃないだろうに、あっさり白状したんだ。弟は食いつくように顔を寄せた。

 

『いくら? 大金って本当か?』

 

『・・・・・・三十万くらいか。拾うにしちゃ十分過ぎる』

 

 弟の勢いに押されてか、兄は歯切れの悪さを見せ始めた。それでも弟は不遠慮に質問を続ける。

 

『すげえ! なあ、何に使うんだよ、俺にもくれるんだよな!?』

 

 お預けされた犬のごとく目を輝かせる弟。すると兄はさっと目を曇らせ、目をそらした。いかにも言いにくいという仕草に、弟はふと眉をひそめる。演技も隠し事も慣れていない兄の事、良くない話だとすぐ想像した。

 しばしの沈黙の後、兄が愛想笑いしながら口を開く。

 

『もう半分以上、お前の入院費に充てちゃったんだ。ゴメンな』

 

 永遠亭は良心的な価格でやってはいるが、それでも長い間世話になれば金もかかる。

 ましてやこの兄弟は兄一人しか稼げなかったし、弟は貯金なんて柄じゃない。これ幸いと医者に支払ったんだ。表は愛想よくしていても、兄も薬を買っていた辺り辛かったんだろう。

 弟は自分の為にとただで金を貰ったようなもので、本来なら感謝すべき立場だ。それでも、思わず跳ね起きて怒気を露にした。

 

『なに!? 何でそんな勝手な事した!? 俺は何も聞いてねえんだぞ!』

 

『仕方ないんだよ。ただでさえ待ってもらった状態だったし・・・・・・。相談したら、多分反対しただろ?』

 

 弟にしてみれば降って湧いた金なぞは自分の楽しみに使う物と決まっていたんだろう。今のつまらん生活を続ける為じゃない。

 兄もそれを分かっていたから、なるだけ穏やかに言い聞かせた。

 それでも弟は収まらず、終いには何を思ったか兄をはね除けて病室を飛び出した。

 

『おい!?』

 

 兄は慌てて追いかける。複雑な永遠亭の中を走り回り、追い付いたのはもう門の前だった。後ろから肩を掴むと、弟は鬱陶しげに振り返る。

 

『何考えてんだよ、勝手に出歩いて!』

 

 流石の兄も呆れていると、弟は手を振り払って、こんな事を言い出した。

 

『今から兄貴の家に行く。本当は隠してんだろ?』

 

 兄は一瞬呆気に取られた。自分ではこんな疑われ方は想像していなかったから。その間にも弟はズンズンと先を行く。兄は取り乱しそうになりながら追いかけ、叫んだ。

 

『ちょっと待てよ、俺が嘘ついてるってのか!?』

 

『ああそうとも、口でなら何とでも言えるさ』

 

 弟は聞く耳を持たずに吐き捨てる。兄は息急ききらして弟の前に回り込んだ。

 

『待て、とにかく今は戻れ。金は退院したら残りを全部やる。だから・・・・・・』

 

 兄は焦る気持ちを抑えて必死に頼み込んだ。その時はどうしても出歩かせる訳に行かなかったんだ。何の力もない人間が、人里以外をうろつく危険は死に直結するから。

 けど、弟はいまいち緊張感に欠ける顔でこう言った。

 

『離せよ、今度は俺に幸運が回ってくる番なんだ。じっとしてたら逃しちまうよ』

 

 いつかてゐが言った言葉、それが弟を増長させていた。心のどこかで、死ぬわけがない、それどころか外に出れば兄以上の棚ぼたが舞い降りるだろうと。兄を疑う気持ちも相まって、見返して笑ってやろうと都合の良いビジョンばかり浮かんでいた。

 

 兄の方は幸運とやらの意味がよく分からず、困惑しながら固まっていた。それに苛立った弟はまた心ない台詞を吐く。

 

『大金を他人の為にポンと使うもんか。俺が兄貴の事いつでも信じると思ったら大間違いだぜ』

 

 その一言で、兄が切れた。丸出しにしないよう気を使っていた心配と怒りと疲れが、一気に噴出する。

 

『何だその言い草!! お前は誰の弟だよ!? お前だけの命じゃないんだぞ!!』

 

 恐らく本心から出た言葉だったろう。そう確信させる程に大きく、力のある声だった。弟も気圧されて肩が跳ねる。

 一瞬、兄が息をつき脱力する。けど、この大声は弟を止める以上に最悪の結果を招いてしまった。

 

 ふと、二人の傍からバキバキ、と音がした。重みで竹がへし折れる音。続いて、低く濁った唸り声に、鼻が曲がりそうな獣臭さ。

 

 竹林では、迷った人間を狙う妖怪がウヨウヨいる。大声なんか聞き付ければ、寄ってくるのは明白だった。

 

 二人が錆びた歯車のように振り向く。そこには二人を合わせてもまだ優に越しそうな高さの、毛むくじゃらの妖怪が鋭い牙からヨダレを垂らしながら二人を睨んでいた。

 

『あ・・・・・・あ・・・・・・』

 

 弟は口をパクパクさせ、案山子のように突っ立って震えだした。幸運がどうのと言った威勢はどこへやら、小便を垂れながら汗と涙で顔を歪ませた。

 『死』は、大抵の人間を圧倒する。一人ならまず助からなかったろう。

 

 けど、もう一人の人間が躍り出た。立ち竦む弟の前に、兄が。

 

『逃げろ! 早く逃げろ!!』

 

 弟はハッと我に返り、踵を返して駆け出した。今までどこをどう通って来たかも忘れて、無我夢中で。

 どんどん藪が多くなる。道だと思っていたものが先細っていく。それでも彼は止まれなかった。足を止めたら、すぐ後ろにあの妖怪がいる気がして。

 

『のわっ!?』

 

 不意に、弟の足が沈んだ。踏んだ場所が軽くなり、続いてあっという間に体全部が落っこちる。

 てゐが竹林に作った落とし穴だった。尻もちをついて、戸惑いが一瞬恐怖を上回った、その直後。

 

 穴の向こうから男の悲鳴が聞こえた。声と一緒に何かを吐き出すような、耳をつんざく動物のような悲鳴。

 見なくとも直感した。兄の断末魔。自分を逃がす為に、兄は・・・・・・

 

 弟は咄嗟に耳を塞ぎ膝を抱え、穴の底でじっと震えていた。

 

 

 しばらくして、穴から這い出た弟は、あの声のした場所を目指した。歩く間中、ひょっとしたら、という思考が目まぐるしく浮かんだ。

 

(あれは、兄貴の声じゃ無かったかも知れない)

 

(兄貴だったとしても、死んではいないかも知れない)

 

(そうとも。そうに決まっている。大体兄貴がどんな悪いことをしたっていうんだ)

 

 脂汗が浮かんでも、躓いてひっくり返っても、弟は都合の良い考えを止めようとしなかった。

 そして、藪を抜け、それを目の当たりにする。

 

 ハラワタを引きずり出され、顔は半分にかけ、手足はねじ曲げた針金みたいに齧られ潰された。

 兄の死体。

 

 すぐには認識出来なかった。瞬きして、視線を泳がせて、何度も、何度も確認して。

 やがて諦めて、フラフラと歩き出した。医者なんぞ役に立たない。それでも弟の頭には永遠亭が浮かんでいた。兄へ好意を抱いていた子に、伝えねばと思っていたから。

 

 やがて、その子は向こうから現れた。兄弟を探していたようで、弟を見るなり怒ったような顔で駆け寄る、てゐ。

 

『何やってんだ、こんな場所で!』

 

 てゐは金切り声を上げる。が、ぼんやりと自分を見下ろす弟を見ているうち、怪訝な顔で辺りを見渡した。

 

『・・・・・・なあ、アイツは? 兄さんはどこ行った?』

 

 迷子のように不安げなてゐの顔を見て、弟の顔が微かに歪む。てゐがそれに気づくと、弟は涙の粒をポロポロと溢して、それに釣られるように先程あった事を話した。

 

 

 ・・・・・・あらましを伝え終えた後、弟は気まずさと申し訳無さで土下座すら出来ずに俯いたままだった。対するてゐも心のない人形のように立ち竦むだけ。時間が止まったように目さえ合わせず対峙したまま、段々と日が傾いていった。

 

『以前・・・・・・』

 

 突如てゐが、消え入りそうな声で呟く。弟はびくりと芯を硬直させた。

 

『アンタにも良いことがあるかもって、言ったよね』

 

『ああ・・・覚えてる』

 

 廊下で気休めのように言われた言葉。大して気にして無かったのに、今になって謎の言葉として脳内にざわざわと甦る。

 

『幸運を、アンタは今日使いきった。兄さんが付いていたのが幸運で、向こうにとっては逆だったんだ』

 

『え・・・・・・』

 

『ああ、なんて事だい』

 

 弟は何も言えなかった。代わりにてゐがすすり泣く声が、日が沈みきるまで竹林の一角にいつまでも聞こえていた。

 

 

 

 

 ・・・・・・善人、賢人、悪人、俗人・・・・・・

 

 世の中色々いるよなぁ。んでそれぞれ色んな人生がある。

 

 実に上手く出来てるよ。何だかんだで釣り合いが取れている。誰かが放り出しても、肩代わりする奴がいる。甘えても、立ち直らせる奴がいる。

 

 この弟もそうだった。この事件以来、見事立ち直ったとさ。今は素行も良いんだと。

 

 てゐがどんな気持ちだったかは分からない。話しちゃくれなかったからな。

 けど、チラッと、運勢を歪める自分の力を恨んでいたよ。『何でアイツが生きるんだ』って、言外に含んで。

 

 兄が助けたからに決まってる。今はどうしているか? 天界に登った? さあ、知らないね。

 

 ・・・・・・なあ、私を見なよ。 "天邪鬼"。

 人間が考えた妖怪だ。悪意そのものみたいな人間がいれば、逆の人間もいる。ただそれだけの話なんだよ。

 感謝? そんなん求めない奴が山ほどいる。

 

 とにかく、世の中そんなもんってこった。この話をどう思おうが勝手だがな。

 ・・・・・・嫌な空気になったな。次の話にいっちまおうぜ」


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