時間は少しさかのぼる。
シュトリル達の拠点は山の穴蔵からこの小さな宇宙船に変わりつつあった。といってもあの穴蔵の方が広々としていたが外の風が流れ込んできたりすぐ近くまで誰かが寄ってきたりなどと生活の拠点としてはダメダメであった。さらに最近死神と呼ばれるもの達が活発化してきた事と怪我人の看病もあるので『拠点はアークスシップにしよう』となった。
そして現在、シュトリルはフォトンによって人になったのかも知れない猫とキャッス姉弟と共にいる。姉弟とこの猫は昼から夕方の間この猫の飼い主を探していた。
理由は簡単、この猫に発信機らしきものがあったのと傷を治療した後があったので誰かこの猫との知り合いがいるとシュトリル達は考えている。そしてその飼い主との繋がりを元にこの地球へと根を改めて下ろしたいと思っている。
そんなこんなでこの猫の飼い主がいたのかどうかなどの会議を今行っている。そんなに堅苦しいものではないが。
シュトリル『で、どうでした。身に覚えがある場所ありました?』
猫『ダメじゃった。わしがどこから来たのかも何者なのかもまっ~たく思い出せん。』
ナーコヤ『記憶喪失の改善傾向は未だにありませんよ。どうしたら』
この猫、夜一である。しかし記憶喪失を起こしているため、昔のことは自分の名前や暮らしていた場所も含め全て忘れてしまっている。そのためここでは夜一のことこの猫はシュトリル達に黒と呼ばれている、恐らく毛が黒ことから来ているのだろう。
リュシ『それをこれから考えるための会議でしょう。案としてはもう一度あの機械を調べてみたらどうですか?逆探知するみたいに出来ないですかね。』
シュトリル『それはもうマキナが試したけどバレたみたいでもう通信すら出来ない。そこから得た情報を元に調べようとしたんだけどその情報の欠損が酷すぎて無理だね。情報ログを見ようとしたんだがもともとオンライン専用みたいだからこっちからも無理っぽい』
この猫がマキナの手によって浄化した後怪我をしてしまっま京楽や伊勢をここアークスシップに連れ帰ってきた。その後、京楽や伊勢の様態が落ち着いてある程度安全になった。更にその後に、マキナが猫だった女性の体を調べている時、赤い小さな球体を見つけた物を見つけたのだ。シュトリルがフォトンでその赤い球体がなんなのかを調べ発信機だというのは分かったのだ。がそれがどこから電波らしき物が出ているのかを調べていた時、突然熱暴走みたいなのを起こし壊れてしまったのだ。
リュシ『黒ちゃんどうしましょうか、ねー♪』
夜一『そんな名前じゃったかな~。』
シュトリル『せめて名前さえ分かればなんとかなると思うのだが』
『ハァ』と言う2つのため息が部屋に響く。この部屋は本来装備をそろえたり、回復アイテムを買ったり、出撃したりと戦闘準備等をするところなのだがここで4人はだべっていた。
ナーコヤ『破損したデータって復元できないの、師匠?』
シュトリル『無理だ。個人が持つ端末にも出来る限界があるし、マザーシップの俺の部屋のネットワークに繋げればいけなくもないがそれが出来ないからな。』
夜一『もしかして猫だから分からないのかの?』
夜一はそう定案する。しかし、リュシやナーコヤは今ひとつわからないという感じになっている。
リュシ『と言うと?』
夜一『目線の違いとでも言えばええかのう。ほら猫と人の目線とかそう言うのって違いがあるから、それで分からないのかと思ったのじゃが。』
それを聞いたシュトリルはうーんと考えながら話す。
シュトリル『目線の違いか...。
(目線ね目線...。確かに猫と人じゃあ色々違うと思うけどそれはこの黒ちゃんが猫も人も両方なれるからこそかな。しかし、それを理解してるのは黒ちゃん自身で俺らにはそう言う違いって奴は分からないと思うのだが。うーんこう言う時は年配に聞くのが良さそうなんだけど今いる年配って京楽さんしか。)
あっ!』
夜一『どうしたシュトリル殿。』
シュトリル『ちょうど保護している死神がいるからそいつに聞いてみたらどうだ?少しはここに土地勘あるみたいだしもしかしたら黒ちゃんの事分かるんじゃねーか。』
ナーコヤ『あ、伊勢さん達にって事ですか。』
ナーコヤは笑顔ではなす。リュシは何か納得したような夜一はいまいちわからないという感じだ。
するとマキナと伊勢七尾がこの部屋に入ってきた。
マキナ『マスター、ふたりの今日の治療を終えました。伊勢さんの方はもう大丈夫ですが。やはり京楽さんの方はまだまだ時間がかかると思われます。因みに伊勢はリハビリを兼ねてこの船の案内をしています。と言って三部屋しか無いんですけどね。』
伊勢『ご迷惑をおかけしました。』
伊勢が頭を下げると、皆笑顔だったり安心した表情を見せる。シュトリルが軽く話す。
シュトリル『気にするな、人生こんなことだらけだし、アークスはこう言うのもやる決まりだから。』
夜一『噂をすればなんとやらじゃな。』
マキナ『噂?』
マキナと伊勢は互いに不思議そうな顔をする。
場面は河川にいる一護達に移る。
ルキア『一護、作戦内容は頭に入っているな。』
一護『追っかけてあの公園の開けた場所に誘導すればいんだろ。』
リリン『浦原さんの調査によればあのモドキ達は広い場所でどこかに繋がる結界みたいなのを張って出入りしてるみたいなのよね。その結界を開かせた所をガツンと叩いてシュシュシュと捕まれるのよ。』
リリンが言うモドキ達はたびたび目撃情報が上がっている。死神に対して何かしらの敵意ありと伝わっている。しかし、問答無用で斬りかかるのはルキアは出来ずにいた。
ルキア『一護、お前はここで待っていろ。』
ルキアは一度接触を試みる。ルキアのほぼ直感もあるが、話せば分かり合える可能性が少なからずあるからだ。
一護『おい、大丈夫なのかよ。』
ルキア『私もただただ時間を無意味に過ごしてきたわけではないのだぞ。』
りりん『頑張ってルキア~。』
河川にかかる橋の下、そこにいるのはバイクのヘルメットのようなものを被っている一人の人。色はシルバーで普通のヘルメットのと見た目は変わらない。服装は全体的に暗めな配色で上のジャケットにいったっては迷彩模様で下は黒のジーンズで服が多少傷つきそこから白くほつれている事がわかる。この姿は他の死神からも目撃情報が出ている。バウントモドキで情報があがってる人物でもあるが、どんな手段を使ってくるかの情報は入ってこなかった。
そんな得体の知れない奴にルキアは近づく。体や服装の感じからして男であると思われる。
ルキア『貴様、ここで何をしている。』
???『!!..。』
ルキアは刀を抜いてはないがいざという時のために刀に手をかけ、いつでも抜いて戦えるように構える。腰を低く落とし、目の前の男を警戒している事が分かる。向こうもルキアの事を警戒している。
ルキア『...(こいつがあのホロウモドキを操っている親玉なのか。)
貴様には、二番隊隊長並びに八番隊隊長副隊長への誘拐及び殺人未遂の容疑がかかっている。手配書もある、容疑を否認するならまずは顔を見せる事だな。』
ルキアは慎重に言葉を選びつつ話す。手配書を見せて顔には出さないが威嚇しているようにも見える。
???『一つ聞く、その手配書の顔は京楽春水本人又は伊勢七尾本人からちゃんと確認を取り、しっかりと聞いた物か。』
ちゃんとやしっかりと等と言った言葉を強調しながら話す男にルキアは不思議思った。
ルキア『...その質問に一体何の意味がある。』
???『いいから答えろ。お前さんには意味がなくても俺らには重要な事柄だ。』
ルキア『(どうする。正直に答えるべきなのか。しかし、正直に答えた所で私にメリットはないがそうおめおめと話して良い物か。...私自身直接聞いてみた訳では無いが四番隊や六番隊の聞き取り調査では確かにそう言っていたらしい、ただ浮竹隊長は少し妙な感じだったが。...というかこやつ、俺ではなく俺らと言っていなかったか。...ならば執る手段は)
ならば説得して見せろ。その重要な事柄と言う奴で。』
男は手をあごに当て考えているのか、しばらくうつむく。すると男は突然、上を向きこう話し始める。
???『済まない、どうやら時間切れらしい。』
ルキア『時間切れ?』
そして男は回れ右をすると姿が透けてが見えなくなってしまう。透けて行く最中ルキアから遠ざけるように歩いて行ったのが理解できた。
ルキア『な!?まて』
一護『ルキア、大丈夫か。』
りりん『ちょっと、待ってろってルキアに言われたでしょう』
ルキアの事がやはり気になってしまった一護が我慢できずに駆けつける。りりんがポカポカと一護を叩いているが、一護に『おい、やめろりりんと』言いつつルキアが見つめていた方角を見る。
ルキア『おい一護、どうやら貴様が近づいてきたおかげで私はせっかくのチャンスを取り逃がしたのだぞ。』
プルプルとルキアの拳が震える。一護は引きつった顔をしつつ、ルキアに冷静になって貰おうと試行錯誤する。
一護『え!?俺のせいなのか、あ、いやとりあえず落ち着いてくれルキア。』
りりん『あーあ、私の霊圧にも引っかからないからもうどっか遠くに行っちゃたんじゃない』
ルキアはさっきまで訳の分からない男がいた場所をビシッと指し一護に怒鳴る。
ルキア『せっかく奴が見つかっていよいよ作戦開始と言うときに、しかも和解のチャンスをぬけぬけと貴様は何という事をしてくれたのだ、このたわけが!!』
一護『しょうがないだろ!!だいたい、お前が霊圧を乱しているからわざわざ心配してこっちは駆けつけたのに、その言い方は無いだろう...に?』
一護はルキアが刺していた方角を見つめた。すると一護はこんなことを言い始めた。
一護『そこにいるのが、今回のターゲットじゃねえのか?』
ルキア『何を言う、奴はもう消えてどこかえ行ってしまったのだぞ。あの独特の霊圧も感じない』
ピクッと男の足が止まる。すると男は河川の川の水の上を走る。かなりのスピードで水面を走り始める。それによって当然のごとく川に不自然な水柱がたち、バジャンバシャンと音が出る。
りりん『一護、何あれ。』
ルキア『何だ、川に突然!』
りりんやルキアには見えていないのか、一護は戸惑う。
一護『お前ら、あれが見えねーのか?』
りりん『な、何のことよ。』
一護にはバイクヘルメットをかぶった男がこちらに気付いて逃げているようにも見えた。
一護は『くそ!!』と声を上げ、男に近づく。
一護『とまれ、いきなり逃げるとはどう言うつもりだ。』
一護の方が速かったのか謎のヘルメット男が対岸につく前に一護がいた。一護はヘルメット男の顔の方角的に自分を見ていると気付く。
一護『あんた、一体なにもんだ。死神かホロウかそれともバウントなのか。答えろ。』
一護は冷静に淡々と斬月を構え、落ち着いて話す。目を離さないようになるべく顔を見る。しかし、不意にカプセルが目の前に現れた。一護がそれをちゃんと視界のピントを合わせて認識した頃にそれは閃光とともに弾けた。防御行動は出来ずそれをもろに受ける。
一護『ぐぁ!?...くっ、何をしやがった、テメェ!!』
たまらず膝をつき、目を閉じる一護。斬月を杖代わりに何とか立とうとする。目も無理矢理開けるが赤く充血した目がしっかりとあのヘルメット男を捕らえることは出来なかった。が、白く霞む視界ではあったがヘルメット男がそこにいると言う物は掴むことが出来た。そのため次に一護が行った行動は。
???『死神代行か...ん?』
一護『月牙』
ヘルメット男が発した言葉など今の一護は気にもしなかった。むしろ敵を一時的にとは言え戦闘不可能の判断したこのヘルメット男は油断していた。そして突如高まっていく一護の霊圧に反応が遅れてしまう。
???『な!?』
一護『天衝!!』
轟音と共に放たれたその技の衝撃で高さは10㍍にもなる
青白い柱がそのすごさを物語っていた。
それはそれぞれの場所のそれぞれにも伝わっていった。
公園の中。
松本『隊長、いまのって。』
日番谷『ああ、間違いねぇな。黒崎の霊圧だ。』
商店街の上空
綾瀬川『一角、今のって。』
斑目『黒崎のやろう、俺らを誘っときながら自分が最初とは。へ、いい度胸してんじゃねぇか。』
暗い山の中
平子『なんや、向こうも始めたみたいやな。』
雛森『あの平子隊長、私達は行かなくていいのですか?』
平子『阿呆!本来の任務を忘れたらアカンで、またひよ里達にどやされるのは嫌やしな。それにワイらに出来るのはあのホロウ擬きに邪魔されないようにしてやれるぐらいや』
雛森『は、はぁ~。て、また出てきた!!』
その頃また別で活動しているのも達がいた。
暗い夜の住宅街。
リュシ『...大丈夫かな?』
ナーコヤ『師匠なら、大丈夫だよ。それより速く行こうよ。あの人強いから。』
夜一『今の霊圧、どこかで...。』
どこかへ向かう子供二人と猫一匹。彼らは彼らはの特殊任務を行っている。それが吉と出るか凶と出るかは、まだ分からない。
ぬ?本格的なバトル?
あれはうそだ(`・д・´)
ワイもこれほど話を盛る必要はないと思うのだが書いてたらこうなった、後悔はしてない(・ω・)
とりあえず向こうの更新もしないと...(;¬_¬)
次回予告は戦闘入れたいな(願望)