青春ラブコメ神話大系   作:鋼の連勤術士

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十六話

会場裏は会場の熱気とは裏腹に、皆が頭を抱えさながらお通夜のような雰囲気になっている。

 

「ああ、やってくれたわね」

 

「本当にどうしようか」

 

「どうするもこうするも、相模さんはこの事知らないだろ」

 

一番マシな結末としては相模さんが師匠と共謀してこの企画を考えていた場合だが、十中八九師匠の深謀で成り立った企画だろう。

 

「そうね。そう考えていた方がいいかも知れないわ。今となっては時間稼ぎも意味を成さないし、とにかく私達に出来るのは、参加している人間よりも早く彼女を保護すること」

 

「確かに、それしかないのかもな」

 

「この人数でか」

 

見渡すと、俺に雪ノ下、葉山、由比ヶ浜、戸部、三浦さん、その他有象無象。それに初期の頃から真面目に仕事をしていた実行委員の十人しかいない

 

十対体育館満杯の人数。

 

それに、あっちの総指揮は師匠である。

いつの間に実行委員を味方、いや、手下につけたのかは知らないけども、結局、俺に呟いたときからこうなることは決まっていたのだろう。

こんなのスパルタ軍でも即時降伏するレベルだ。

 

「でも、ここでぐだぐだしたって仕方ないよ。私と優美子は女子トイレを見てくるから、ゆきのんは放送室に。ヒッキー達は心当たりのあるところを片っ端から」

 

「あーしたちにもインカムかしてよ。見つけたときに連絡しやすいっしょ」

 

実行委員Aからインカムを受け取り、彼女達は走っていく。

 

「はぁ、どうしてこうなっちまったかね」

 

「でも、陽乃さんの思惑通りを阻止できる機会なんて早々ないだろ」

 

「確かにな。もうこうなりゃ自棄だ。さっさと相模さん見つけるぞ」

 

「今は良いけれど、帰ってきたら何故姉さんを師匠と呼ぶのか教えてもらうから」

 

「わかったって。それと雪ノ下、放送室に着いたら相模さん用のカンペ作っておいてくれ」

 

雪ノ下の返事を待たずに、葉山達と早足で会場裏を出ていく。

 

 

校庭はすでに多くの人が溢れ色んな所をさがしている。

火の中、水の中、草の中、森の中、鞄のなかも机のなかも、向かいのホーム、路地裏の窓、そんなとこにいるはずもないのに。

 

この混乱に乗じて、これ幸いにと意中の女性に告白しようとしている野郎が居たが、振られていた。

振られた悲しみで校庭を走りながら去っていったが勿論、人混みの中で走るのは禁止と実行委員に写真を撮られていた。

 

こんな意図明白意味不明な行動に走り出し、ロマンチックエンジンを噴かしながら、自分だけのハッピーエンドを探す手前勝手な妄想を垂れ流し、迷走することの何が楽しいのか。

 

今まさに主役にならんとして委員長を探し回っている奴、時間を稼ごうと言った戸部達、由比ヶ浜に何かを言おうとした俺……

 

どいつもこいつも阿呆ばかりだ。

 

「この、御都合主義者共め」

 

隣を走る葉山達に聞こえるか聞こえないかと小さく呟く。

 

「そういえばさっきのあれ、なにげ俺っちも気になる」

 

「さっきのあれってなんだよ」

 

「そりゃー、なんかあのお姉さんを師匠とか呼んでた事に決まってるっしょ」

 

この非常事態に変わらぬ軽薄さで訊ねてきた戸部だが、ある意味その軽薄さが沈んでいた心を浮かせてくれた。

 

「お前には教えん」

 

「酷くないヒキタニ君」

 

「まあまあ、早く行こうじゃないか。俺はこっち側を探すから」

 

「うっし。じゃあ、二年後にシャボンディ諸島で」

 

「一人で行ってろ。ついでにレッドラインの向こうから帰ってくんな」

 

「意外と良いツッコミじゃん。ヒキタニ君サッカー部戻ってこない?」

 

「何が悲しくて、お前と漫才するためにサッカー部に戻ならいけん」

 

楽しげに笑う戸部と葉山二人と別れて、校舎へと走っていく。

 

一人になり、委員長はどこにいるかと考えを廻らせる。

見付けづらい場所と言えば女子トイレや体育館裏の焼却場近く、又は立ち入り禁止区域だろう。きっとああいうタイプは自尊心と劣等感の間で震えているような小さい肝っ玉の持ち主に違いない。ソースは俺。

ましてや、副委員長が自分よりも優れていて、自分がただ足を引っ張ってしまう存在だと気付いてしまったら、誰だって隠れたくなるだろう。

隠れる事によって、誰かが困り、それによって自分の必要性を確認したい。

誰かに見つけてほしい。

でも、簡単には見つけてほしくない。

誰かに糾弾してほしい。

でも、一方的には責められたくない。

 

そんな人間が隠れるのは、女子トイレなんかじゃない。見つけようと思えば誰でも見つけることができ、且つ探すためだけでしか足を踏み入れない所。

 

つまりは、立ち入り禁止区域の何処かになる。

立ち入り禁止区域は多分五箇所以上はあったはずだ。

 

手当たり次第に捜そうにも回りきれないだろう。

何ヵ所かを回れる最短距離を選びながら校舎の中を進む。

 

 

校舎内では、既に参加しているだろう人間が色んな教室やロッカーの中を探していた。

 

二階に上がると前を走る人が、一つの教室に吸い込まれるように入っている。

 

先を越されたかとその教室をよく見ると、すらりとした背丈のメイド服を着た人が立っていて、それに釣られるかのように男達が入っていってるらしかった。

 

その教室まで近付き、メイド服の人物に声をかける。

 

「本当にお前は何をやってるんだ」

 

「全員がコーヒー連合になったあと、喫茶店になった」

 

恥ずかしがって居るところが男心をくすぐるのだろう。教室内の視線は全て彼女に向かっている。

 

「意味不明だな」

 

「それよりもお客から話は聞いたよ。相模さんなら結構前に泣きながらここを走って行った。この先は階段しかないから、多分屋上じゃない?」

 

確かに屋上は立ち入り禁止区域。探そうとしなければ見向きもしない所であり、それっぽいお手軽な青春気分も味わえるだろう。

 

「ここまで来る人達は足止めしといてあげるから、早く行ってあげな」

 

彼女の素っ気ないよう言う口調と、それに反した服装と柔らかい表情。それに目標がどこにいるかが判り、俺の頭の中は常夏にでもなってしまったに違いない。

 

「サンキュー、愛してるぜ川崎」

 

と思い返せば、自室に引きこもり布団にくるまりながら叫び出すのが確実な台詞を口走っていた。

 

「バ、ババババカじゃないの……」

 

教室の中から来る彼女に釣られて入ったであろう野郎達の視線と、真っ赤になった川崎を横目に走り出す。

他の人に気付かれないように、培ったステルス性能を全力で高めて屋上へと向かう。

 

階段を上りきり、息を整えながら逸る気持ちを抑え、屋上の扉に手をかけた。

 

 

「どうせみんな、影で無能とか役立たずとか思ってたに決まってるじゃん」

 

「うんうん。分かるぞ、その気持ち。何が『ははっ、結構真面目な御方なんですね』だよ。ははっ、の部分からドン引きしてるのが手に取るように分かったぞ。教師がそんなにダメなのか。教師がダメで保母さんが良いのは何でなんだ」

 

「2人とも、そんなことないですって。ああ、はちまーん。ちょうど良いところに、助けてくれ」

 

扉の先では、こたつで鍋を囲みながら愚痴る相模さんと、ぐずる平塚先生と、それをあやす材木座の姿があった。

 

「いや、この状況は想定外だわ」

 

「何を言っているのだ八幡。いいから何とかしてくれ」

 

「いや、うん。まあ、はい」

 

それまで、どうやって相模さんを会場に連れ戻すかを考えていたが、もうこのまま何も見なかったことにして、家でカマクラと小町を猫可愛がりしたい気持ちをがむくむくと沸き上がってくる。

 

流石にそれでは今まで頑張ってきた雪ノ下に申し訳がないのと、相模さんがほんの少しだけ可哀想に思えて、開いていたこたつの一画に入った。

 

「何があってこうなったんだ。というか、韋駄天コタツってお前のことだったのかよ」

 

「うむ。よくぞ聞いてくれた。我の韋駄天コタツは、立ち入り禁止区域を移動しながらカップルをこたつに連行して、破局に導くように囁いて居たのだ。その輝かしい戦績はーーー」

 

どうにも話が長くなりそうだった為、鍋の中のちくわを材木座の鼻に突っ込んでおいた。

 

「熱っ、ちくわ熱っ」

 

「いや、どうでもいいからそこら辺は。何で先生と相模さんが居るのかだけ教えろ」

 

「わ、わかった。先ずは平塚教諭だが、何やら妖気のようなモノを垂れ流していた立ち入り禁止区域を通ろうとしたときに、その奥からフラフラになった教諭が通りがかって、それからずっと居座られて愚図っている」

 

大方、占い師の所にでもいって、結婚できませんとか何とか言われたのだろう。

ちらりと先生達を見ると、どこか虚空を見つめながら二人ともぶつぶつと呟くだけで、会話にすらなっていなかった。

 

「その後、教諭の愚痴を屋上で聞いていたら、これまたフラフラとこちらのお嬢さんが来て、教諭がこの中に誘って今に至る」

 

「大体わかった。ほら、先生に相模さん。もう文化祭も終わりですよ」

 

二人に声をかけたら、他称腐った目をしている俺よりも腐った四つの目が睨んでくる。

 

「どうせあんただって、無能とかって思ってるんでしょ。でも、あんたがあんなことさえ言わなければ」

 

「私の何が悪いって言うんだ。軽い女の方がいいのか。もういい、比企谷。お前が結婚してくれ」

 

「材木座、捌ききれない。平塚先生は任した」

 

喚く材木座を無視して、相模さんと対面する。

相模さんは俺を睨み付け、今にも掴みかかってきそうな雰囲気になっている。

 

「確かに、自分達が楽しむことが大事、と言ったのは俺だよな。でも、予算の決定、進捗状況の把握、外来の対応、書類整理、どれかひとつでもちゃんとやったのはあるか」

 

「そんなこと言われたって」

 

「全て雪ノ下任せで、会議の進行もろくにできない。無能って思われても仕方ないとは思わないか」

 

「でも、雪ノ下さんはうちがやらなくても」

 

涙目で訴えかけてくる彼女だが、段々と語尾が小さくなり、心なしか縮こまってきてるような気もする。しかし、今は構わずに続ける。

 

「そこは、あいつも悪い。相模さんの中にもあると思うけど、自分の中で一定ラインに達してない奴は、全員そこらのモブみたいな考え方。多分、あいつはその一定ライン、求めるものが高すぎるんだと思う。しかも、人をたてるとかは苦手だろうし、自分で出来ることは全てこなす節がある」

 

「なら」

 

「でも、委員長は相模さんだ。役職には責任がある。それが嫌だったら、それこそ、そこら辺のモブにでもなっていたらよかった。だから、無能って思われても仕方ない」

 

言うだけのことをいってから、改めて相模さんを見ると手で顔を隠し、肩を震わせていた。

その姿をボーッと見ながら、なぜか小学校の頃の学級委員会を思い出した。

 

もちろん立場は逆で、三十人対一人だったが。

 

「でも、それは実行委員会限定だ。会議に参加してない大多数の人間は、相模さんのことをまだ有能かも無能かも分かってない」

 

相模さんの肩がピクリと動く。

 

「御都合主義者」

 

「えっ?」

 

「文化祭とか修学旅行とかのイベント事になると、誰もが勝手に大団円を求め、自分に都合の良い結末を願う御都合主義者になると俺は思ってる……馬鹿みたいだよな。そんな御都合主義が罷り通るなら、今頃世界は平和になって、バブルは弾けず経済はうなぎ登り、俺は成田山の御本尊として祀られ目が煌めいてた筈だろ……それでも……」

 

勿論、大多数が文化祭の主役足り得ず、その幕をひっそりと降ろすだろう。

俺だって精々、走り回って空回りした男Aだ。

 

本当に馬鹿みたいだ……それでも、ちょっとぐらい信じても良いじゃないか。俺が願っても叶わなかった、薔薇色のスクールライフを。

 

きっと、どこかにある俺の可能性を。

 

一息吐いてから、なるべく大仰な言い方をしようと立ち上がる。

 

「文化祭とは青春の押し売り、叩き売り。闇市ならば手段を選ばず。この手をとれば、今までの不祥事を一切合切引っくり返して貴女を御都合主義者たらしめてしんぜよう」

 

「ふふっ、なにそれ」

 

彼女は少しだけ笑った後、戸惑いながら差し出した手と俺を交互に見る。

 

「ねえ……まだ、間に合うかな?」

 

「今だからこそ」

 

「……わかった。うち、やってみる」

 

顔をあげた彼女の目元には涙がたまっていて、声も震えているが、俺を見るその目はさっきまでの目よりもいつも鏡で見る目よりもずっと綺麗だった。

 

「ありがとう。あと、色々ごめん」

 

「よし、行くか」

 

ごしごしと目を袖で擦りながら彼女は立ち上がった。

 

「え、我もしかしてこのまま」

 

「まだ話は終わってないぞ材木座」

 

「……お空、綺麗」

 

中空に何かを見つけたのか、平塚先生の甘い初恋話を上の空で聞く材木座に手を合わせ、なむなむと拝んでから、インカムで雪ノ下に連絡をいれる。

 

「聴こえるか、相模さんを見つけた。体育館、いや校庭に集まるよう放送頼む」

 

「わかったわ。それとカンペ渡すから一回こっちに来て」

 

「ああ」

 

連絡を終えて、未だ上の空になっている材木座に声をかける。

 

「それと材木座。お前の事だから文化祭終了間際、浮かれている学生に花火でも打ち込もうと屋上に来たのだろう。で、その花火はこたつの中にでも隠していると。それで、のこのこお前の誘いに乗って屋上に来た俺を花火襲撃の共犯に仕立て上げようとした。そんなとこだろ」

 

人の邪魔をする事にかけては、師匠とどっこいどっこいのこいつの事だ。そんな下らない計画でも立てていたに違いない。

 

「ぐぬぬ、良く分かったな。流石は我が朋友ーーー」

 

「その花火。俺の合図で空に打ち上げろ」

 

「う、うむ。あいわかった。だが、その前に平塚教諭を何とかしてくれないか」

 

その言葉を無視して、相模さんの手を引き屋上から降りる。程なくして校内放送が響いた。

 

 

放送室に着いた俺達は、雪ノ下を交えて今の状況を斯く斯く然々と伝えた。

 

「うそ、今そんなことになってるの」

 

「そうよ。あのままだと事情を知らずに、見知らぬ誰かに追い回された挙げ句、強制的に壇上に上げられていたわね」

 

「一生もんのトラウマだな」

 

あと一歩で大惨事になるところということで、相模さんの顔からは血の気が引き、小刻みに震えていた。

 

「放送では二十分後に校庭に集合と言ったから、十分でこのカンペを覚えて頂戴」

 

そう言って雪ノ下が渡した紙は、少なく見積もって原稿用紙二枚分はあろう物だった。

 

「いや、覚えられるか。二、三回読んだだけで時間なくなるわ」

 

「そうかしら」

 

可愛らしく小首を傾げられても困る。

誰もが、雪ノ下みたいにできる訳じゃないというのに。

 

「内容を忘れたら余計パニックになるだろ。こういうのは、ある程度言うべき言葉をメモするだけで十分だっての」

 

「……ありがとう。雪ノ下さん」

 

「依頼は達成できたようね」

 

深く頭を下げる相模さんに雪ノ下が微笑みながら答えた。依頼とは何だったのか、雪ノ下の微笑みはどんな意味なのか。聞きたいことは山ほどあったが、それを飲み込み雪ノ下の原稿から幾つかの単語を見繕ったメモ帳を相模さんへと渡し、放送室を後にした。

 

 

「えーっと、見つかっちゃいました」

 

夕暮れ時、夜が徐々に支配の手を伸ばす中、壇上に上がった相模さんは開口一番そう言った。

目は赤く少し鼻声になっているのが遠くからでも分かるが、オーディエンスにとっては些細なことなんだろう。ガヤガヤと騒ぎ立て、文化祭最後のサプライズの余韻に浸っている。

 

「ぶ、文化祭が終わったら……わ、私はきっと先生方に怒られてしまうかもしれませんが、えー、皆さんにとって……高校生活最初の文化祭、若しくは最後の文化祭、二度目の文化祭を少しでも盛り上げることができたのなら嬉しいことです」

 

喧騒が波のように引いていった。

けれども、白けたという事ではなく、外に向けて出ていた熱気が内側に籠ったような、そんな静けさの様に感じた。

 

その様子を見て材木座に連絡をかける。

 

相模さんはメモを持った左手を見ようとして顔を下に向けるが、そのメモを見ることなく顔を上げた。

 

「ある人が言いました。文化祭は誰もが自分にとっての大団円、ハッピーエンドを求める御都合主義者になるって。確かに雰囲気に浮かれて自分勝手に動いて怒られたり失敗した人も居たかもしれない」

 

「でもうちら高校生だよ。一日は短いし、春はもっと短いし、人生なんてきっともっと短い。今、阿呆になってハッピーエンドを求めないでいつ求めんの!ってうちは思う……大丈夫、失敗しても誰かが手を伸ばしてくれるし、うちだってある人達みたいにしてもらったみたいに手を伸ばすから。だから、文化祭が終わっても、みんな阿呆になって学校生活たのしもう!!……だから、ありがとう」

 

材木座に命を下し、色とりどりの花火が夕焼けを染めていく。

 

籠っていた熱が爆ぜた。音は波になり人を飲み込んで伝搬され、師匠の演説の時よりも大きな歓声に包まれた相模さんはちらりとこっちを向いて照れたように笑った。

 

「以上!閉会前に先生方への言い訳でした。続きまして、地域賞の発表にーーーー」

 

「貴方、彼女に一体どんなメモを渡したのかしら」

 

雪ノ下が見つめて来るが、全くもって見に覚えがない。高校生活阿呆になろうだなんて、メモに書くほどパッパラパーではない。

 

「いや、待て、冤罪だ。俺はそんなこと書いた覚えはないし、相模さんに阿呆になれだなんて言った覚えもない」

 

「そう。まあ、いいわ。どうかとも思うけれど結果的には、そう悪い事にはならなかったのだから」

 

「そうだな。色々あったが、終わりよければ全て良しって感じだ」

 

「あら、何時から貴方は御都合主義に傾倒するようになったのかしら?」

 

「……今日だけは、阿呆になってもいい日だろ。文化祭だしな」

 

「ふふっ。確かにそうね」

 

声を弾ませ楽しそうに話す雪ノ下の声が珍しく、思わず顔を向けると夕焼けが眩しいのか、少し目を細めた雪ノ下が微笑んでいる横顔が見えた。

 

 




相模さんの背中をそっと押してあげたい人生だったと思いましたまる
こんな娘じゃないって意見も先刻承知だが、御都合主義という事でここはどうか一つ

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