いつものバスの行き先は...?   作:風月 雪桜

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意外と長くなったので2分割します…


初めてのお正月1

ごーん

 

除夜の鐘の音がテレビから聞こえる

 

『おお…!』

 

艦娘達には除夜の鐘はあまり馴染みがないのか、歓声があがる

 

「あけましておめでとう

今年もよろしくね、吹雪、翔鶴、時雨」

 

「はい、あけましておめでとうございます!今年もよろしくお願いしますね、しれーかん!」

「あけましておめでとうございます…

本年もどうぞよろしくお願いいたします」

「あけましておめでとう…今年も僕を…僕達をよろしくね…」

 

3人とも笑顔で返事をする

同時に責任も感じる…

学生には重すぎるよ…きっと、今まで通りやれば大丈夫…だよね?

 

「司令官?

あけましておめでとうございます

今年もよろしくね!」

「あけましておめでとう…

今年もよろしく…」

「あけましておめでとう、司令官!

今年ももっともーっと私に頼ってね!」

「あけましておめでとうございます

今年もよろしくなのです!」

 

「あけましておめでとう、今年もよろしくな!」

 

第六駆の子達は俺と少し話し、また別の所に挨拶しに行ったようだ

俺の方にも挨拶しに来た艦娘達が列のようになっている

 

暫くは、挨拶だけで忙しそうだ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まだ食堂に残っている艦娘達に早く寝るようにと釘を刺し、吹雪と俺は食堂を後にする

タブレットで時間を確認するともう1時半になっていた

 

「じゃあ、また明日

吹雪、おやすみ」

 

「おやすみなさい、司令官!」

 

艦娘寮まで吹雪を見送ると俺は自室に向かう

欠伸を噛み殺しつつ、今後のことに思いを馳せる

 

南西諸島海域奪還する

これが終わると次は北方海域と西方海域か…

現状、日本の北方を護るのは大湊警備府のみ…最近攻勢がないことから敵はかなりの戦力を蓄えてる可能性もある

かと言って西方海域も攻勢しなければ、南西諸島海域に反攻される可能もある…

 

…と、考えすぎた…早く自室に入ろう

ストーブは…すぐ寝るから付けなくていっか…

 

バフッとベッド倒れ込む

 

あー、やばい

まだ歯磨きとかしてないのにこのまま寝たら…zzZ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うーん…」

 

ムクリと起き上がり、タブレットで時間を確認する

マルロクマルマル…

1時間くらい寝過ごしたか…

 

掛け布団退かし、シャワーを浴び、歯磨きをする

洗濯物をカゴに入れるとそれを持ち、執務室に行く

 

「おはようございます、司令官!」

 

「ああ、おはよう吹雪…

朝から元気なお前が羨ましいよ…」

 

カゴを執務机の裏に置き、目覚ましにコーヒー牛乳を飲む

 

「さて、執務を開始しよう!」

 

「はい!

司令官はこの書類に目を通してください!」

 

「おう!」

 

「ほかの書類はもう終わらせたので!」

 

「…マジか」

 

「司令官が私のいない時に全部やっちゃうからじゃないですか!

だから大して残ってなかったんです!」

 

プクッと頬を膨らませて吹雪は怒る

 

「ごめん、ごめん」

 

「反省してくださいよ?」

 

「いや、反省はしないけど…」

 

「もう!

司令官なんて嫌いです!!」

 

吹雪はぷいっとそっぽをむく

ちょっとからかいすぎてしまったな…

 

「まあ、吹雪、俺の気持ちにもなってくれよ」

 

「司令官の気持ち…?」

 

「うむ

俺は戦いには出れないし、執務室にいるといつも自分の無力さと責任を感じるんだ…」

 

それがストレスになって精神衛生上あまり宜しくないことは自分でも分かってる…

 

「そ、そんなことは…!」

 

「……」

 

2人の間に気まずい雰囲気が流れる

 

「だからって、なんでも背負いすぎるのは良くないよ…」

 

唐突に声をかけられ驚く

 

「し、時雨!?

いつの間に」

 

「ちゃんとノックはしたよ…

はい、これ、今朝の哨戒の報告書…

特に異常はなかったね」

 

「わかった」

 

「で、さっきの話だけど

司令官は背負いすぎなんだ…

少しは僕達を頼ってよ…」

 

「でも…」

 

「それに、頼ってもらえないもの結構堪えるんだよ…?」

 

「!!」

 

「司令官がなんで頑なに僕達をできるだけ頼らないようにするのかは分からないけど

頼ってくれないと僕達も不安になるんだよ…

その結果が、思わぬ事になるかもしれない」

 

その言葉に少し思うことがない訳では無い

 

俺はみんなを思ってだったが空回りだったかな…

 

「わかった…

少し考え直してみるよ

 

吹雪、今日はありがとう

いつも助かる」

 

「どういたしまして!」

 

「…お正月から暗い話になっちゃったな…

さっさと執務終わらせたら、3人で初詣にでも行こうか?」

 

「はい!」

「うん、いいね…!」




最後まで読んで頂きありがとうございます!

明日(?)はもしかしたら別作品の投稿になるかもしれません
よかったら、読んでいただけると幸いです!

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