いつものバスの行き先は...?   作:風月 雪桜

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長くなってしまい遅くなりました...

攻略作戦の説明回です


カムラン半島攻略作戦、敵空母を撃沈せよ!

僕は食堂で他の子達と一緒に司令官を待っている

今日はきっと、カムラン半島攻略作戦のことだろう

 

ヴェルや仲間を殺した(撃沈)した機動部隊と戦うのだから、必然と怨みの気持ちが湧く

けど、ここは舞鶴第三じゃない、私怨は抑えないと

 

司令官と吹雪、そして七人の艦娘が入ってくる

 

「みんなおはよう!

今日は作戦を伝えるのと新しい仲間の紹介だ

まず、紹介から...横須賀第二鎮守府から転属してきた、霧島、榛名、山城、蒼龍、飛龍、時津風、天津風だよ」

 

『......』

 

七人は黙りこくっている

時津風は緊張しているだけに見えるが、他の子は違うみたいだ

 

司令官も頭を悩ませそう...僕が言えたことではないのだけど...

 

「え、えっと...

みんな仲良くしてくれ

あ、空いてる席にテキトーに座ってくれ」

 

霧島達は黙って席に着く

周りの艦娘達も雰囲気に飲まれて話しかけることが出来なかったのだが...

 

「ヘイ!

榛名!霧島!」

 

「え!?」

「金剛お姉様!?」

 

金剛がいきなり二人に抱き付く

無表情だった二人も驚きと戸惑いの表情を見せる

周りにいた艦娘達も突然のことに呆然とする

 

「?

みんな元気ないですが、どうしたのデース?

新しい仲間が七人も増えたんですから、歓迎しないト!」

 

ネ?と首を傾げる金剛、一呼吸空いた後どっと笑いが起きる

 

「なんで、みんな笑っているデース!!」

 

「気にするな、金剛

 

私は、日向

隣にいるのが、姉の伊勢だ

主に姉が迷惑かけるが改めてよろしく、榛名、霧島」

 

ちょっと、酷くない!?という姉の発言をスルーしつつ日向は榛名に手を差し出す

 

榛名は戸惑ったように司令官と日向に視線が行き来し、暫く考えると握手に応じる

 

「よろしく...お願いいたします」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今作戦の説明をする

 

まず、この地図を見てくれ」

 

その地図には日本列島に中国大陸、台湾、P諸島、トラック泊地が含まれている

 

「我鎮守府と横須賀第一鎮守府が攻撃するのはここ」

 

司令官さんはカムラン半島の一点を指す

 

「ここには敵の大規模な棲地があり、強力な機動部隊が居座っている

 

カムラン半島に本来戦術的価値は薄いのだが...」

 

カムラン半島からスーとM諸島私達の世界ではマリアナ諸島と呼ばれていた所に指示棒を動かす

 

「M諸島にある沖ノ島にいる飛行場姫を威力偵察した艦隊が帰路カムラン半島に居座る機動部隊の艦載機らしき編隊に襲われ、壊滅した

 

M諸島は戦術的にも重要でかつ同飛行場姫は本土空襲時、重爆撃機を送り込んで来たと推測されている」

 

司令官さんはM諸島から日本へ指示棒を動かし軽く呉辺りを叩く

 

「そのため、M諸島攻略の前段作戦としてカムラン半島を攻略する

ここまで質問は?」

 

数人の艦娘が手を挙げる

 

司令官さんは電の隣にいた響ちゃんを指名する

 

「本土を攻撃した飛行場姫がM諸島にいるんだよね...?

もし、私達がカムラン半島を攻撃している時、飛行場姫が呉を空襲したらどうするんだい...?」

 

確かに...それは大変なのです

 

「その点は大丈夫だと思われる

威力偵察に出た艦隊が飛行場姫に甚大なダメージを与えたという報告から、後二週間は活動出来ないと上層部は考えている」

 

「それは推測じゃないのかな...?

もし、万が一のことがあったら...」

 

「万が一の時は、直ちに住民を避難させ残っている艦娘全員を海へ逃がす

大淀や明石、間宮、伊良湖は地下倉庫に逃げるから大丈夫だ」

 

「司令官や提督は...?」

 

「当然避難するよ

ま、まずないとは思うけどね

他に質問は?」

 

二人位が手を挙げる

 

扶桑さんが指名され、立ち上がり質問する

 

「前段作戦を仰られていましたが、沖ノ島攻略はいつ頃行うのでしょうか?」

 

「今回の作戦が成功しないとなんとも言えないが、1ヶ月後にしようと考えている

カムラン半島を奪取したことで敵も沖ノ島攻略を察知し本土空襲はしないと思うが、場合によっては前倒しで作戦を始める可能性があると思ってくれ」

 

他には?と司令官さんが尋ねたが誰も手を挙げなかったので、司令官さんは話を続ける

 

「次に敵情と編成だ

 

敵主力部隊は、鬼級を旗艦とする機動部隊だ」

 

一部の艦娘を除き、艦娘達は首を傾げる

 

「鬼級、姫級は飛行場姫を含む特殊な深海棲艦だ

flagshipより上回る実力を持っていて

今の所、飛行場姫、防空駆逐棲鬼、そして今回の目標の装甲空母鬼が確認されている」

 

司令官さんは吹雪、白雪、翔鶴に目配せして資料を配る

 

「具体的には装甲空母鬼は驚異的な艦載機運用能力に加え、戦艦並の砲撃能力、雷撃能力、耐久力を有している」

 

地図が写し出されていた画面が切り替わり、一隻の深海棲艦を写し出す

それを見ると電は思わず息を飲む

 

今まで何回か艦娘と深海棲艦は似ていると思った事があったが、今回は本能的に艦娘と同じだと電は思った

見た目はこんなに違うのに...

 

「こいつの厄介な所はさらに取り巻きが多い事だ

八隻の空母に五隻の戦艦、十隻の重巡洋艦と多数の小型艦が装甲空母鬼を守っている」

 

また別の画面に切り替わる

複数の艦娘の艦隊を模した物が敵主力艦隊に向かっていくが、道中敵水雷戦隊や機動部隊に攻撃されている

 

「いつものような編成で戦えば道中の敵との戦いと主力艦隊の戦いで大損害を被るだろう

そこで今回は特別な編成で攻撃をする」

 

今度は二つの艦隊が現れる

片方の艦隊は主力艦隊のかなり前で艦載機を発艦

道中の機動部隊と主力艦隊を叩く

主力艦隊が機動部隊を攻撃している間に、もう1つの艦隊が水雷戦隊を撃破し、主力艦隊に突入する

という動画だった

 

「このように、機動部隊が敵を漸減し、水上打撃部隊がその後、敵を殲滅する

実際の戦いでは、横須賀第一鎮守府と合わせて機動部隊三水上打撃部隊三を考えている

 

次に編成だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まずは機動部隊

機動部隊は六人編成を止め、打撃力と防御力を重視する

 

旗艦 翔鶴

赤城

瑞鳳

祥鳳

千歳

鳳翔

阿武隈

由良

第十一駆逐隊

第六駆逐隊

第二十七駆逐隊

第八駆逐隊

 

次に水上打撃部隊

通常と同じように六人編成だ

 

旗艦 伊勢

日向

青葉

五十鈴

陽炎

不知火

 

旗艦 扶桑

羽黒

北上

名取

 

以上

 

ここまでで質問は?」

 

呼ばれた娘はやった!と喜んだり、不安そうに隣の娘に話しかけたりしている

逆に呼ばれなかった娘は悔しがったり、ホッと胸を撫で下ろしている

そんな中、

 

「はい」

 

霧島が手を挙げる

司令官は予想していなかったのか虚を衝かれたような表情をしていたが、我に返り質問を促す

 

「私達の出撃はないのですか」

 

「ない

まだ、連携が取れるか心配だからな」

 

「私の分析によると私達を負かせた艦載機をもってしても、制空権を取るのはかなり厳しいと思いますが」

 

「......」

 

「なので、私は機動部隊に蒼龍、飛龍を加えることと私、榛名、山城を水上打撃部隊に組み込むことを具申します」

 

「......許可しかねる

お前達の精神状態を俺はまだ完全に把握していない

近海で様子を見てからだ」

 

司令官は渋るように返事をする

 

「艦娘達を大切にしているのではないのですか」

 

「大切にしている

勿論、お前達も含めて、だ」

 

「それならば、出撃を許可してください

私達は出撃を望んでいます」

 

司令官は考えるように黙り溜め息をつくと、翔鶴に質問する

 

「翔鶴、蒼龍と飛龍が加わった場合制空権を確保することは可能か?」

 

「敵情が不確定なので断言は出来ませんが、制空権を確保することが現実味を帯びてくると思います

ただ...」

 

「リスクがある...か

ありがとう、翔鶴

 

霧島の意見具申は検討しておく

今日の昼までに結論を出しておくから、準備だけはしておいてくれ」

 

「「「「「分かりました」」」」」

 

「他にはあるか?」

 

北上が手を挙げ、質問する

 

「あのさ~

甲標的はまだ実戦で使ったことないけど、今回投入しちゃって大丈夫?」

 

「ああ、問題ない

 

後、装備についても言っておく

大方、そこの紙に書いてある通りだ

 

新装備だけ言っておく

翔鶴が97艦攻村田隊二部隊

赤城が流星一部隊

北上が甲標的

空母艦娘や戦艦娘が噴進砲を計四基積んでいる

 

もし、まだ慣れてない装備があったら事前に言っておいてくれ

 

他にはあるか?」

 

「はい」

 

私は手を挙げ、意見具申する

 

「私は数回装甲空母姫と戦いましたが、この深海悽艦の実力はかなりのものです

この編成でも勝てると確信を持てるか疑問です」

 

「ちゃんと考慮に入れている

寧ろこちらが本命かもしれない」

 

画面が暗くなり、水上打撃部隊と機動部隊が撤退すると新たな艦隊が出現する

水上打撃部隊と小規模な水雷戦隊が主力艦隊へ進んでいく

 

「高速の艦娘のみで編成した水上打撃部隊と前哨の水雷戦隊でけりをつける

夜戦なら、重巡洋艦でも...いや駆逐艦でも奴を倒すことが出来る」

 

「夜戦は危険が付き物ですが」

 

「ちきんと、照明弾、探照灯、電探の充実と夜戦演習での訓練と秋刀魚祭りでの夜戦経験がある

十分な実力を有している...と判断した」

 

「なるほど、分かりました」

 

私は席に着く

 

ざわざわと駆逐艦が話し出す

軽巡も誰とは言わないが、興奮している

司令官は話している娘達を宥め、話をする

 

「編成を発表する

前哨の水雷戦隊

旗艦 吹雪

白雪

初雪

深雪

那珂

 

旗艦 神通

時雨

夕立

白露

村雨

 

旗艦 川内

朝潮

大潮

満潮

荒潮

 

水上打撃部隊

旗艦 金剛

青葉

古鷹

那智

高雄

舞風

 

 

駆逐艦娘は連戦になってしまうが、大丈夫か...?」

 

「問題ないです」

「大丈夫っぽい?

寧ろ、夜戦が出来て嬉しいっぽい!」

 

皆一様に返事をする

 

「装備は機銃等の一部の装備を照明弾や探照灯に替えてくれ

金剛は新装備の33号対水上電探をつんで、敵の早期発見に努めるように」

 

「りょーかいデース!」

 

「最後に...二隻の艦娘待機船の護衛を行う艦娘を発表する

一応、座学でまだ艦娘待機船のことを習ってない娘に簡単に説明すると、工廠を兼ね備えた移動用の船のことだ

 

護衛するのは

球磨

多摩

由良

阿武隈

第三十駆逐隊

第二十二駆逐隊

第十九駆逐隊

第七駆逐隊

 

以上の艦娘でローテーションしながら、二隻の護衛を頼む

また、攻略本隊の援護を行って貰う可能性もあることを覚悟しておいてくれ

 

質問は...ないな

 

では解散!」

 

その言葉を合図に、艦娘達が話を始めたり司令官や提督の所へ行き会話を始める

一人の軽巡は夜戦だぁ!!と騒ぎ姉妹に口を塞がれる

 

その光景は佐世保に居た頃を思い出させ、今回の作戦への想いをたぎらせる

絶対、あの娘を沈める...と




最後まで読んでくださりありがとうございます

呉第三の艦娘をほとんど投入して挑む戦い...
主に今回の三人をメインに書いていきたいな~と思います

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