いつものバスの行き先は...?   作:風月 雪桜

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間に合わなかった...

ちょっと突貫で書いている上に眠気のあるなか書いたので変な点があるかもです...


横須賀との演習3

はぁ...はぁ...

 

わたしは、必死に逃げ回る

 

ひゅん

 

すぐそばに砲弾が飛んでくる

 

必死に必死に逃げ回る

 

いつもと違って、砲弾に当たっても轟沈することはない

けど、当たるとしれーに殴られる

 

ざばーん、ざばーん

 

水柱が辺りに乱立する

少しでも動くを止めれば瞬く間に轟沈判定が出されてしまうだろう

 

かちかちかちかち

 

しれーに怒られることを想像してしまい、恐怖のあまり歯の当たる音がする

 

いやだ、こわい

せめて、一隻でもみちずれにしないと

 

わたしは全速力で敵艦隊に突貫する

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時津風は逃げ回っていたが、方向を変え、私達の方に向かってくる

 

砲撃もせず、一心不乱に突貫する時津風に嫌な予感がし命令する

 

「三時の方向に転舵!」

 

『『『『『了解!』』』』』

 

転舵してT字有利にするが、時津風はほとんど進路を変えず突っ込んでくる

 

「当たってください!」

 

私が放った砲弾は時津風に命中したと思ったのだが、時津風は乱立する水柱を突っ切って、私に向かって突撃する

 

『吹雪ちゃん、危ない!』

 

「白雪ちゃん!?」

 

私と時津風の間に白雪ちゃんが割り込む

 

時津風は目標を変えたのか、間違えたのか分からないが白雪ちゃんに抱きつき...

 

自爆した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「な...」

 

時津風が自爆し、白雪が巻き込まれる

 

幸い、自爆させたのは魚雷で中は演習弾だから両者中破程度怪我で済んでいる

 

時津風は轟沈判定

白雪は大破判定が下る

 

「これは...どういうこと...ですか?」

 

怒りで声が震えるが、努めて敬語で尋ねる

 

せせら笑うように湖上中将は答える

 

「どういうことって見れば分かるだろう?

 

駆逐艦に自爆させたんだよ

そうすれば、役に立たない奴も少しは役に立つだろう

 

貴様の言った艦娘の装備を更新したり、役割を考えるのが作戦というのなら、これも作戦のうちだよ

そうではないか?」

 

「そんなの作戦でもなんでもない!

提督の役目は皆が死なずに帰って来れるように、犠牲を出さないためにいるんだろ!!」

 

犠牲が前提の作戦などあっていい筈がない

艦娘達は死を誉れとするような軍人ではない

美味しい物を食べたり、駄弁ったり、遊んだり

そんな事が好きな女の子であり、だけど人間を護りたいと強く思うから戦いに身を投じているだけなんだ

 

「ふふ...

兵器が壊れることは良くあることだ

犠牲のうちにも入らないな」

 

「こいつ...!?」

 

「護さん、落ち着いて!」

一緒に演習をみていた暁さんがたしなめる

 

「...ごめん、少し熱くなりすぎた...」

 

俺は、再びタブレットに目を向けた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

横須賀第二

霧島 小破

榛名 大破

山城 小破

飛龍 損害軽微

蒼龍 轟沈

時津風 轟沈

 

呉第三

吹雪 損害軽微

翔鶴 小破

祥鳳 損害軽微

古鷹 小破

白雪 大破

時雨 損害軽微

 

霧島、榛名、山城と吹雪、古鷹、時雨との戦闘が始まり

ほぼ同時に飛龍と翔鶴、祥鳳が第二次攻撃隊を発艦する

 

第二次攻撃隊が到着する頃には、呉第三は吹雪と時雨が小破

古鷹が霧島の副砲を受け中破していた

 

しかし、横須賀第二も榛名が吹雪と時雨の猛攻を受け主砲以外の攻撃手段を失い

主砲さえも第一第二主砲は破壊され、第三第四主砲も旋回不能になっていた

 

山城も古鷹の攻撃を受け大破、運が悪く測距儀を破損し各主砲で距離を測らなくてはならなくなり、命中が大幅に下がる

 

そこに呉第三の第二次攻撃隊が襲い掛かる

 

榛名と山城は機関部損傷で速度制限がかかっているためいとも容易く撃沈判定を出されてしまう

 

霧島も複数の雷撃機や爆撃機に狙われたものの、大破判定で持ちこたえ、逆に古鷹に攻撃し大破させる

 

古鷹は後退し、吹雪と時雨が霧島に突撃する

 

霧島は副砲や高角砲で足止めをするが、主砲の装填が終わる前に吹雪と時雨は魚雷を発射する

 

間も無く霧島に轟沈判定が下った

 

その後第三次攻撃隊により飛龍に轟沈判定が下り、演習は終了した

 

「横須賀第二、撃沈六

呉第三、大破二、中破一、小破三

 

よって呉第三の勝利」

 

両者の艦隊が埠頭に帰ってくる

 

みんな多かれ少なかれ塗料が体に付いてしまっている

 

「お疲れ!

大丈夫、白雪?」

 

「大丈夫です、司令官

大した怪我ではありません」

 

「良かった

ドックに行って、塗料を落としたり、怪我を治して来なよ

食堂で、お茶でも淹れておくから

 

時津風も怪我は──

あれ?」

 

時津風がいない、他の艦娘もいない

ついでに彼奴もいない

 

「横須賀第二の子達は?」

 

「どっかに行っちゃいましたけど...」

 

「彼奴...!

すまん、吹雪、入渠終わったら食堂で待っててくれ

俺は、横須賀第二の提督を追う」

 

「え、どういうことですか!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちょうど、湖上中将は迎えの車に乗る所だった

 

「湖上中将...

何処行くつもりですか」

 

「ああ、そういえば、『約束』をしていたんだったね

どれが欲しい」

 

「...そうですね

湖上中将が連れてきた7人の艦娘をうちに転属させてください

いいですよね?」

 

「何を言っているんだ

私は6体しか連れていない

君も7体目を見てないだろう?」

 

「惚けないでください

提督は基本他の鎮守府を訪問する際必ず、秘書艦を連れていかないといけません

業務が行いやすいまた、万が一の時の提督の護衛として

 

そうだよね、天津風?」

 

草むらに隠れている駆逐艦娘に問いかける

 

「なんで分かったのかしら?」

 

敵意丸出しの声で天津風は尋ねる

 

「連装砲くんが見えてれば、そりゃ気がつくでしょ

湖上中将、いいですよね?」

 

「...ああ

 

天津風、早く乗れ」

 

天津風は車に乗り込もうとするが、俺が立ち塞がり通さない

 

「あ、言い忘れていましたが

霧島、榛名、山城、蒼龍、飛龍、時津風、天津風は一時的に横須賀第一に転属させますから、わざわざ横須賀第二に連れていかなくてもいいですよ

ちゃんと、山口大将にも許可を取りました」

 

書類を湖上中将に見せると、明らかに中将が顔をしかめる

その様子を見て俺は深々とお辞儀する

 

「本日はありがとうございました

うちの子達も格上の鎮守府との演習を楽しみにしていましたから」

 

それでは、そう言い俺は敬礼して中将の乗る車を見送った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とりあえず、演習に参加した艦娘達を入渠させ

天津風が持っていたものを返してもらう

 

天津風は烈風や紫電改二の設計図のコピーや噴進砲、照明弾そのものを隠し持っていた

 

この事を山口大将に相談する

結論、上には報告しないことにした

 

今報告すれば、中将は逮捕されるだろうが、事が大きくなるだけでなく、根本的な解決にはならないだろうと考えたからだ

 

「では、山口大将

俺はちょっとお茶してくるので」

 

そう言って、執務室から出ようとしたが、山口大将に呼び止められる

 

「ちょっと待ってくれ

実はな

私からも相談というか、提案があるんだ」

 

「そうなのですか?

俺で良ければ」

 

「狩川 奈々さんを提督にしたいんだ」

 

「......え?」

 

俺は耳を疑った




最後まで読んで下さりありがとうございます!

結構、司令官はゲスかったりします
ただ、本当に怒った時にしかその一面は見ることはないでしょう

ちなみに次回はかなり内容が重くなるかもです

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