いつものバスの行き先は...?   作:風月 雪桜

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なんとか投稿出来ました~


話し合い

~横須賀第1鎮守府視察前~

 

俺は山口大将を会議室に案内する

 

提督と大淀、翔鶴が集まった所で話し合いを始める

「やはり、話し合いとは翔鶴のことでしょうか...?」

 

「その事についても話す予定ですが、本題は違います

 

電?」

 

「これを読んでほしいのです」

 

『カムラン半島攻略作戦

呉第三鎮守府は単独で、カムラン半島に居座る強力な機動部隊を撃破せよ

 

なお、敵機動部隊には装甲空母鬼と命名された未知の深海棲艦が含まれている

この艦を確実に撃沈せよ』

 

「...装甲空母鬼ですか」

ゲームならもっと後の海域に登場するが...

まだ、装備も練度も完璧とは言えない状況だが、大丈夫だろうか

 

提督の表情も険しい

 

「今までの他の鎮守府の情報によると、圧倒的な艦載機運用能力に加え戦艦並の砲撃能力と雷撃能力を備えている

 

だが、問題はその能力ではない」

 

俺は首を傾げる

それ以外の問題ってなんだろ?

 

「装甲空母鬼には常に八隻の空母と戦艦五隻、重巡洋艦十隻、小型艦多数の護衛が付いている

その他にも小規模の機動部隊と水雷戦隊が周辺海域を遊撃している」

 

「そ、そんな...

うちの子に死ねというのですか!?」

 

俺は立ち上がって怒鳴る

吹雪と提督が俺をたしなめる

 

「司令官、落ち着いてください!」

「君の気持ちはよく分かる

けど、今は落ち着きなさい」

 

「すみません、山口大将」

 

「君がどれだけ、艦娘の子達を大切にしているかよく分かったよ

試すような事をして、悪かった

 

話の続きをするがいいか?」

 

俺は頷く

 

「他の鎮守府も攻略をしようと精鋭の部隊で攻勢をしたものの惨敗を喫し、数多の艦娘が大損害を受け行動不能となった

喪われた艦娘も少なくない

 

攻略作戦に参加できる状況にあるのは横須賀第一、呉第二、呉第三、大湊、トラックのみとなってしまった」

 

「......」

 

「よって、横須賀第一と呉第三で共同して攻略する事を提案しに来たんだ

 

散発的に攻略し、失敗すればもう我々に後はないからね」

 

山口大将は真剣な表情で話す

俺はその態度に信頼できる人かなと判断した

 

「分かりました...

一つ質問してもいいですか?」

 

「構わないよ」

 

「何故他の鎮守府や泊地は参加しないのですか?」

 

「連携を取りづらくなる...というのも一つの理由だが、他の理由もある

 

まず、トラック泊地と大湊警備府には、別任務がある

 

トラック泊地には南方海域や西方海域にある資源地帯から資源を運ぶという重要でかつ危険な任務が課せられており、敵もその重要性に気が付いているためそれおいと主力部隊を動かせない

 

大湊警備府は北方海域からの反撃を阻止する役割だ

北方海域は敵の活動が低調になっているとはいえ、いつ反撃されるか分からない

また、大湊警備府は出来てから日が経ってないため練度も低いからな」

 

「なるほど...

所で、呉第二は何故参加しないのでしょうか?」

 

「...呉第三と連携を取れるか心配なので辞退すると」

 

「......?」

俺は意味が分からず首を傾げる

提督が俺の様子を見て耳打ちする

 

「つまり、格上の横須賀第一となら未だしも格下の呉第三なんかと何故共闘しないといけないんだという意味だ...恐らくね」

 

「......こんな時でも人間同士は争うんですね...」

 

「残念ながらな...」

提督も呆れたように溜め息をつく

 

「カムラン半島共同攻略作戦については後日詳しく話し合うとして、まだまだ話すことがある

山ほどな

 

次はこの写真を見てくれ」

 

複数の深海棲艦が写されている

一隻の深海棲艦は白い旗のような物をもっているが、遠目なため深海棲艦の種類は判別がつかない

 

二枚目があったので、そちらも見る

そちらには白い旗を持った深海棲艦が拡大されている

 

黒い胸がはだけたようなレインコートを着ていて、尻尾のような艤装を持つ深海棲艦(悪魔)...

新米の俺は5-5までたどり着いてないから戦ったことはないが

友人は悪魔の化身とか僕が考えた最強の戦艦とか戦艦レ級じゃなくて艦隊レ級とか言っていた

 

「この深海棲艦と戦ったのですか?」

 

「ああ...

ヒ71船団を護衛中接近する深海棲艦を迎撃するため

電と暁、海風が戦った」

 

「結果は...?」

 

「電が大破、暁は損害軽微、殿を務めた海風は今も行方不明だ」

山口大将の隣に座る電が悔しそうに俯く

 

「艦隊司令部は戦艦レ級と命名したのだが、この深海棲艦について知っていることはあるか?」

 

「私のいた世界と同じなら...

大和型と同等、若しくはそれ以上の砲撃能力と装甲を持ち、かつ空母数隻分に相当する艦載機量と群を抜いた艦載機性能、そして高い雷撃能力です

甲標的のような小型潜水艇も持っていた筈です

 

正に艦隊級...と呼べるようなスペックです」

 

山口大将も電も驚いている

 

「そう...か...

ありがとう参考になった

 

次はな...」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、様々な事を話し、いくつか重要な要件を片付けた

 

「ありがとう、久しぶりだよ

こんなに初対面で腹を割って話し合ったのは」

 

「山口大将も優しい人で良かったです

吹雪から聞いてはいたのですが、やはり不安だったので!」

 

「では、護くんは先に執務室に戻っていてくれ

 

私は提督と話をすることがあるから」

 

「分かりました!

失礼します」

俺はドアを閉める

 

無事翔鶴もうちに居られるようになったし、山口大将も気さくな人で良かった...

 

「さ、執務室に戻ろうか!

所で、金剛、比叡何やっているの?」

 

壁に耳をあてて中の様子を聞こうとしているのか金剛が口に指を当て、Be quiet pleaseと言う

 

「金剛お姉様がどうしても、会議の話が聞きたいというので、仕方なく...」

比叡が若干呆れ気味に説明する

 

「なるほど...

話し合いの内容をどれだけ聞いたのか分からないが、他言無用だからね?」

 

「OKネ」

「はい!勿論分かっています」

 

「にしても、大将って年を取っているイメージあったけど、山口大将本当に若かったね」

 

提督が20代後半くらいなのだが、山口大将は20代前半くらいに見えた

 

「そうでしたね」

 

翔鶴が頷く

 

書類を持った吹雪が執務室のドアを開ける

 

「そうですよね!

私も初めて会った時驚きました!

その時はまだ大佐でしたけど」

 

「あ、そうだ、吹雪

明日電と訓練する約束したけど、吹雪が教官でいいかな?」

 

「私でいいなら是非!

電教官だから、多少厳しくても大丈夫だよね!」

 

吹雪は目を輝かせながらそう言った




最後まで読んでくださりありがとうございます

ちなみに、私は装甲空母鬼とは戦ったことがあるのですが、レ級とはまだないのです
ちょっとだけ楽しみだったりします

そろそろイベントですね
読書様もイベントに向け備蓄と練成頑張ってください!

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