いつものバスの行き先は...?   作:風月 雪桜

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ついつい書いていると書きたいことが増えて投稿が遅れてしまう...

言い訳はこれくらいにして本編をどうぞ!


号外

俺は自室を出て、食堂に向かう

最近、寒いから起きるの辛いなぁ...

今日の秘書艦は、文月だったっけ

 

そんなこと思いながら、食堂のドアを開ける

「おはよ~」

 

食堂がシンと静かになる

ふぇ...?俺なんかしたのか?

 

吹雪が呆けている俺に駆け寄ってくる

吹雪の手には数枚の新聞紙が

 

「し、司令官...

これに書かれていること本当ですか...?」

 

青葉新聞と書かれた紙...

とてつもなく嫌な予感がする

 

ちなみに、青葉新聞とは青葉が出している新聞で、娯楽の少ない鎮守府の楽しみの一つだ

俺も毎日読んでいて日常の何気ないことを記事にしていることが多い

また、この前青葉が二日間秘書艦を務めた時に出した新聞は艦娘にとても好評だったらしい

 

要約すると

俺が昨日翔鶴を工廠に呼び出して、翔鶴に何かを渡し愛の告白をした...という内容だ

 

何かとは多分ネックレスのことだと思うが、愛の告白って...

うーん...そんなこと言ったかな?

 

「司令官、答えてください!」

吹雪が詰め寄ってくる

周りの艦娘も興味津々な様で朝飯も食べずに耳を傾けている

 

「と、とりあえず落ち着けって」

その時、食堂のドアが開き翔鶴と赤城が入ってきた

 

「司令官、おはようございます」

「おはようございます」

 

「翔鶴、赤城、おはよ!

ちょっとこれ読んでくれ」

俺は翔鶴に新聞を手渡す

 

「これは、青葉さんの書いている新聞?」

 

「そうなんだけどさ...

昨日のこと話していいか?」

 

「昨日のことですか?

いいですよ、今日話すつもりでしたから」

ちょっと申し訳なさそうに翔鶴は了承したので、昨日のことをみんなに話した

 

「そんなことが...

翔鶴さんは転属しちゃうんですか...?」

吹雪の言葉を皮切りに艦娘達が俺に頼み込む

 

「なんとかならないでしょうか、司令官?」

「翔鶴さんにはお世話になったので、居なくなって欲しくないのです...」

「そうだクマー!」

「出来る限り私もお手伝いします

だから、翔鶴さんを転属しないようにしてください!」

 

「俺もみんなと同じで翔鶴に居なくなって欲しくない

だから、出来る限りのことはするつもりだ

 

...所で青葉」

 

「は、はい!」

 

「何故こんな新聞を書いたんだ?

いつもなら、きちんと取材して裏取りとかするのに」

それと、青葉新聞はいつも夕食の時に配られる

号外って書いてあったし、だから朝に配ったのだろうか?

 

「そ、それは...」

言いにくそうに青葉は俯く

 

「昨日のテレビが原因なんです...」

 

「テレビ?」

妖精さんによって食堂に二台、執務室に一台ずつテレビが設置されたのだ

昨日の夜御披露目され、凄い人気だった

 

「テレビで、もしかしたら私の新聞を読んでくれる人が居なくなってしまうと思ったんです」

なるほど、だからこんな記事を...

やっぱり、艦娘も恋ばなとかは興味あるのかな?

 

「大丈夫だよ、青葉

青葉の新聞は面白いし

まぁ、ちょっと恥ずかしいこともあったけど...」

二日間秘書艦した時にこっそり撮影された(盗撮とも言うが...)寝顔の写真が一面でデカデカと載っていた時は本当恥ずかしくて死ぬかと思った

でも、初めて青葉の新聞を読んだ時は一瞬で虜になったからな

 

「本当ですか!

恐縮です!」

青葉は、弾けるような笑顔で敬礼した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よーし、これで執務はひとまず終了にしよう

今、紅茶淹れるからな~」

 

「司令官、あたしも手伝う~」

文月はパタパタと食器棚に駆けていく

 

紅茶を淹れて、布団を敷く

 

「司令官、なんで布団を敷いたの~?」

 

「直ぐ分かるよ

 

お、文月手伝いありがとな」

文月の頭を撫でる

サラサラした髪だな...

 

「えへへ

司令官の役に立てて嬉しいよぉ~」

 

コンコン

 

吹雪達来たか

「どうぞ~」

 

「失礼します!」

「お邪魔します」

「深雪様参上!」

「司令官...緑茶ほしい...」

 

とりあえず、四人に紅茶を用意する

 

「今日は金剛さんに教えて貰いながら、スコーンを作って見ました!」

 

「一ついただき~」

吹雪の持つ皿からスコーンを一つ掠め取り頬張る

サクサク...だけど、甘くない?

 

「司令官...スコーンはジャムをつけて食べるんですよ?」

吹雪は苦笑いする

 

「なん...だと...?」

 

「司令官...これ緑茶じゃないんだけど...」

不満そうに初雪は呟く

 

「マンガ読みながら布団で寝てていいから我慢しなさい」

 

「分かった...!」

初雪は本棚からマンガを何冊か取り出すと布団に寝転びながら読み始める

 

俺はスプーンでジャムを掬ってスコーンにつける

ハム...

ん...甘くてサクサクしててうまい...

 

「司令官...どうでしょう?」

 

「美味しいよ...ありがとな、ブッキー!」

 

「ぶ、ブッキーじゃないですぅ!」

吹雪は手を振り回して抗議する

 

「ん?

美味しそうだな

オレにもくれよ」

天龍と龍田、第十九駆逐隊の子達と時雨が入ってくる

 

「タンカー護衛お疲れ~

ちょっと待って...おっと」

立ち上がろうとするが、ふらついて立ち上がれない

 

「大丈夫か?

疲れているんだったら、休めよ」

 

「提督、少し寝なよ

もし、提督に何かあったら、僕ら...」

時雨の心配そうな目にたじろぐ

そ、そんな目で見るなよ...

 

「わ、分かった、今日はきちんと寝るよ」

 

「「駄目です(だよ...)

今すぐ寝てください(寝てね...)」」

吹雪と時雨が同時に有無も言わせない口調で言う

 

「りょ、了解

でも、熟睡したら横須賀第一から連絡来たとき対応出来ないからここで仮眠するでいいかな?」

横須賀第一に連絡したら、提督がいないから追って連絡するとのことだった

 

「それでいいと思います!」

「仕方ないかな...」

吹雪と時雨が納得してくれて良かった

 

「済まない天龍

紅茶は自分で淹れるか、吹雪に淹れてもらってくれ...

俺は少し寝るよ...おやすみ......」

俺はソファーに凭れ掛かり、目を閉じる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「呉に着いたよ、電」

 

「はわわ!

司令官さん、ちょっと待ってなのです!」

たくさんの荷物を抱え、フラフラと電は歩く

 

「だから、荷物多すぎるとあれほど...」

 

「これくらい大丈夫なのです!

電の...本気を...はにゃー!?」

何かに躓き、荷物をばらまく

 

「ほら、これは私が持ちますから

これなら、大丈夫でしょう?」

 

「うぅ...ごめんなさい、なのです...」

顔を紅くして電は俯く

 

「元気だして、電

第三では吹雪さんと白雪さん、時雨さんがいるんですよ」

 

電はハッと顔を上げると、一瞬で散らばった荷物をまとめる

 

「じゃあ、行きましょうか電さん」

私は電に手を差し出す

 

「電って呼んでっていつも言っているのです!」

そう言って電は手を取った




最後まで読んで下さりありがとうございます

山城が改二になったので次は比叡を改二にしたいです
そうしたら、金剛型四姉妹全員が改二になりますから...

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