いつものバスの行き先は...?   作:風月 雪桜

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一日一回ペースで更新したいのに最近中々出来ない...

時間さえあれば...


艦娘は兵器か、人間か?

マルナナサンマル

 

「うん...」

赤城がもぞもぞと動く

 

「ん?

赤城?起きたか?」

 

「...ッ!?

すみません、司令官!!

定時に起きることが出来ず...」

直ぐに謝ろうと赤城はベッドから出ようとする

 

「謝る程じゃないって!

赤城もお腹空いただろ?

食堂に行くから、着替えなよ」

そう言い俺は医務室から出て吹雪達を待った

 

 

暫く待っていると、二人とも患者の着るような白い服から、いつもの服に着替えていた

 

「ん、じゃあ、行こっか」

 

俺は食堂に向かって歩く

 

後ろでは、吹雪が赤城に話しかけているのだが、赤城はあまり返事をしない

 

そんなこんなで食堂に着いた

 

「おはよ、高雄、羽黒」

 

「おはようございます」

「お、おはようございます...司令官と吹雪ちゃん...

あの翔鶴さんもう怪我は大丈夫ですか?」

オドオドしながらも、翔鶴を気遣う羽黒

優しい子だなぁ

 

「大丈夫です、羽黒さん

心配をかけてすみません...」

申し訳なさそうに翔鶴が返事をする

 

「それは良かったです...!

所で、赤城さんはいつ着任したのでしょうか?」

 

「ん?

ああ、羽黒はちょうど遠征に出ていたから知らなかったのか

昨日だよ、佐世保第一から転属になったんだ」

 

「よろしくお願いいたします...赤城さん」

 

「航空母艦赤城です

よろしくお願いいたします

 

所で司令官、一つ質問が」

羽黒に挨拶した後、俺に無表情で向き直る

 

うわ、凄い嫌な予感がするぞ

 

「何故、艦娘を──」

 

「ちょい待った、赤城

 

吹雪、ちょっと先に朝飯食ってて」

 

吹雪に目配せすると、吹雪は顔をしかめて翔鶴はそのやり取りを見て察する

 

「さ、羽黒さん、高雄さん、先に朝飯食べましょう!」

笑顔で吹雪は羽黒と高雄と一緒に食堂に入った

 

翔鶴も心配そうに一瞥すると、食堂に入っていった

 

俺は他の艦娘が食堂から出てきても聞こえないように、少し来た道を戻る

 

「で、質問ってなんだ」

 

「何故、艦娘をニンゲンと同じように扱っているのですか?

私達は、兵器です

ニンゲンではないのですよ?」

濁った目で俺を見つめる赤城

 

「俺は赤城がどんな辛い経験をしてそんな考えをするようになったのかは知らないし、多分理解するのも難しいと思う

でも、俺は艦娘を人間と同じように接する、勿論赤城も

赤城はエゴや偽善だと思うかもしれないけどね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はぁ...

溜め息が零れる

 

今日は念願の秘書艦だったのに、司令官の自室に起こしに行ったら司令官はいなかったのだ

 

吹雪ちゃんに訊いたら、

「朝、司令官を起こすのは秘書艦の仕事ですよ!」

って言われていたから楽しみにしていたのに

 

二階から一階に階段で降りて行く

 

「で、質問ってなんだ」

一階から司令官の声が聞こえ、走ろうとするが赤城さんの声で立ち止まった

 

「何故、艦娘がニンゲンと同じように扱っているのですか?

私達は、兵器です

ニンゲンではないのですよ?」

 

え...艦娘は兵器...?

人間じゃ...ない...?

 

「俺は赤城がどんな辛い経験をしてそんな考えをするようになったのかは知らないし、多分理解するのも難しいと思う

でも、俺は艦娘を人間と同じように接する、勿論赤城も

赤城はエゴや偽善だと思うかもしれないけどね」

私は、司令官の声で我に返る

でも、赤城さんの発言が頭に残る

 

「えぇ...

貴方のやっていることは偽善に過ぎません

この鎮守府の子達しか守れてないのですから

ただの自己満足でしょう」

赤城さんの冷たい声が廊下に響く

 

「好きに言って構わないが...

他の艦娘には言わないでくれ

頼む」

 

「分かりました」

 

「そうか、ありがとう

 

さ、朝飯を食いに食堂に行こうか?」

そのまま、司令官と赤城さんは食堂に行ってしまったようです

 

艦娘は、兵器...

人間じゃない...

もしかしたら、本当は司令官もこう思って...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ...

これで、執務も終わりだな...」

司令官が背伸びをする

 

「そうですね、執務お疲れ様です!」

 

「よし...

お茶の用意を...」

 

「私は準備万端ですよ?」

私はクッキーの入った紙袋を持ち上げ、司令官に手渡す

 

「おぉ!

この前は紅茶と一緒に食べれなかったからね~

楽しみだなぁ...」

執務している時のキリッとした顔ではなく、ふにゃけた顔に私も嬉しくなりますが、朝のことを思い出しました

 

艦娘は兵器──

 

「?

どうした、初霜?」

 

「いえ!?

何でも、ありません」

 

「なら、いいんだけど...

なんかあったら、直ぐに相談してよ?」

心配そうに尋ねる司令官

でも、そんな司令官も

 

「私は大丈夫です!

そういう、司令官は大丈夫ですか?

いつもより、元気がないような気がしますが...」

 

「そーかな?

寝不足かもね~」

司令官はおどけたように返事をします...朝のことは話してくれないみたいです...

 

バン!

 

「(・∀・)キタコレ!!」

「朧も紅茶が飲みたいです!」

漣ちゃんがドアを開け、朧ちゃんも入ってきました

 

コンコン

 

「ノックくらいして、入ろうよぉ...」

潮ちゃんがオドオドしながら、朧ちゃんと漣ちゃんに注意する

 

「くそ司令官、私にも紅茶を寄越しなさいよ!」

 

「了解~」

そう言いながら手際よくコップに紅茶を注ぐ...慣れてますね

 

「はい、召し上がれ!」

司令官は全員に紅茶を手渡す

紅茶は暖かく、仄かにいい香りがする

紅茶もとても美味しい

 

「紅茶ウマー!!

このクッキーも美味しいですぞ!」

 

「そのクッキーは初霜が焼いたんだ

な、初霜?

 

...初霜?」

司令官が訝しげに私の顔を覗きこむ

 

「え?

は、はい

お口に合って良かったです!」

私は顔を背け慌てて返事をする

 

「くそ司令官にしては紅茶美味しいじゃない」

 

「そう言うけど、ぼのたんご主人様の紅茶楽しみにしていたくせに~」

 

「ぼのたん言うな!

というか、楽しみになんかしてないし!」

曙ちゃんは、顔を真っ赤にして必死に否定してますが、司令官も他の子達もコロコロ笑ってます

 

私は笑う気になれない疎外感を感じながら、紅茶を口にしました




最後まで読んで下さりありがとうございます!

艦これの映画見ました!
個人的にはとても面白かったのですよ
夜戦とか航空戦とか格好いいし、艦娘可愛いし
(あくまで、個人的な感想ですよ?)

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