いつものバスの行き先は...?   作:風月 雪桜

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お気に入り25、UA 5000、話数50記念です!

前回少しだけ出てきた大和と武蔵が出てきます
メインは大和です


箱入り娘の転属先

私は、目を開ける

広く綺麗な部屋

どの艦娘も共通の個室は、質素なのに上品だった

 

ここは、横須賀第一鎮守府

精鋭の艦隊が最新の装備を持って

帝都東京を守備する活躍を望む艦娘の憧れの地

 

私は、個室を出て妹を待つ

 

「おはようございます、武蔵」

 

「おはようございます...だ、大和」

 

朝食を食べるために食堂に向かうと、艦娘に囲まれて困っている提督に遭遇した

 

「あ、大和さん、武蔵さん

おはようございます」

 

「提督、おはようございます」

「ああ、おはよう

相変わらずだな」

 

「あはは...

助けてくれませんか?」

 

「それは、無理な相談だな

流石の私でも幾つ命があっても足りそうにない」

 

提督は、作戦指揮も艦娘の体調管理もなんでもこなす

私は、提督がいつ寝たり休憩しているのか気になって仕方がない

 

「大和は、助けてくれるよね?」

半泣き状態の提督が助けを求めてきた

 

「私もご遠慮したいのですが...

それにきっと、助けがそろそろきますよ?」

 

「みんな何をしているのです?」

提督の周りにいた艦娘達がギクッとする

 

声の主は駆逐艦電

提督の初期艦の一人でかなり古参の艦娘でflagship戦艦と戦う方が数倍ましと言われる程の訓練を課す鬼教官だが、彼女の訓練では怪我人が出たことがないという

 

「い、いや、なんでもないぜ」

「ちょっと、司令官に用事があっただけで...」

と言って、周りにいた艦娘はいなくなった

 

「なんだったのです?

あ、司令官さん

今日は、電が秘書艦をやらせて頂くのです

よろしくお願いするのです」

提督にペコペコとお辞儀をする電さん

 

こうして見ると普通の可愛い女の子ですね

 

「武蔵、私達もそろそろ食堂に行きましょう」

 

「そうだな!

演習で、練度も上げないといけないからな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日の演習相手は...

旗艦大和

武蔵

飛龍

蒼龍

雪風

綾波

 

旗艦長門

陸奥

赤城

加賀

 

長門達ですか...

とても手強そうですね

 

「横須賀最強の戦艦が相手か

腕が鳴るな!」

 

「そうですね、最強の戦艦の矜持にかけて負けられませんね」

 

演習場に向かうとすでに全員集まっていた

 

「すみません、遅れてしまいました」

 

「大丈夫よ!大和さん

暁達も今来たばかりよ!」

暁さんが胸を張る

 

「あら、そうでしたか」

 

その様子が可愛いくて、笑ってしまう

 

「もー

なんで、大和さん笑っているのよ!」

 

「ごめんなさい、暁さん」

 

これでも、電さんと同じく初期艦で古参なのですけど

ギャップが...

 

艦隊が二つ分かれて演習開始の合図が鳴る

 

飛龍と蒼龍が攻撃隊を発艦する

最近、横須賀第一鎮守府の全空母艦娘に配備が行き渡ったばかりの新鋭機零式艦上戦闘機五十二型と天山、彗星を発艦する

これ以上強い艦載機はないみたいで、赤城さん達も練度を高めて来る戦いに備えているようです

 

制空権は...こちらが劣勢

これでは、水偵は飛ばせそうにないですね

 

私と武蔵は、主砲の仰角を最大にする

 

「仰角最大!!

全主砲!薙ぎ払え!!」

三基九門から放たれる46cm砲弾は敵編隊で炸裂する

 

「む、やったか?」

 

確かに、半数近くの艦載機が墜ちているように見える...が

 

「駄目です!

信管の調節ミスにより、敵編隊より前で炸裂しました!」

蒼龍が報告する

 

「く、再装填完了次第攻撃します

今度は信管調節をミスしないようお願いします!」

 

艤装妖精さんが敬礼して準備する

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結果は...D敗北だった

私と武蔵、蒼龍、綾波が轟沈判定

飛龍が大破

雪風が小破だった

 

対して、向こうは

赤城大破判定

陸奥、暁が中破判定

長門が小破判定

電と加賀は損害軽微だった

 

赤城と加賀の攻撃隊で蒼龍大破、武蔵中破となり

砲撃戦で、陸奥をなんとか中破させるものの私も武蔵も大破で、飛龍が一矢報いるため攻撃隊を放つもことごとく赤城と加賀の制空権隊により撃ち落とされた

 

赤城が大破しているのは、雪風が放った魚雷に命中したからである、慢心、ダメ絶対

 

「むぅ、練度が足りないとはいえ、この結果は悔しいな」

悔しそうに呟く武蔵

 

「そうですね...」

私は、考え事があったためおざなりに返事する

 

「お疲れ、大和、武蔵」

長門さんが話しかけてくる

 

「お疲れ様です、長門さん」

「長門は、やはり強いな

横須賀の守護神の一人と言われているだけはある」

 

「私など、戦うことしか出来ないからな

 

大和、やはり不安なのか?」

 

「ええ...

まぁ、初めて横須賀第一鎮守府以外の鎮守府に行きますから

ちゃんと活躍出来るのかと...」

 

「他の鎮守府がどんな鎮守府だろうと大和は強い

ちゃんと運用してくれるような鎮守府なら、活躍出来る

ビックセブンの私が保証しよう」

 

何故か、長門さんに言われると安心出来る

 

「ありがとうございます

安心出来ました!

大和どんな鎮守府でも推して参ります!!」

 

「その心意気だ」

長門さんは、そう言って武蔵と話し始めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ...

なんで、こうなるかな」

私は、目の前の書類に目を通す

 

内容は、先日告知した大和と武蔵の転属先の報告だ

 

「司令官さん

やっぱり、止めた方がいいと思うのです」

電は、おどおどしながらもしっかりとした口調で言う

 

「トラックのじいさんは気を利かせて立候補してくれたが、他の()()()な鎮守府は全部断ってきた」

 

苦笑を隠しきれない

まぁ、秘書艦は電だし問題ないだろう

 

「あの...前に司令官さんが話していた呉第三鎮守府?はどうだったのです?」

私の役に立とうと必死に考えている電...正直とても可愛い

 

「あそこも、遠慮するだと

案外、あそこの鎮守府指揮している司令官知識があるのかもね」

 

電達がいた世界から来た学生らしいが、最近出来た鎮守府とは思えない程の戦果をあげている

しかも、秋刀魚漁を手伝う等面白い作戦を立案したりと色々気になる鎮守府だ

きっと、あの真面目な駆逐艦娘が頑張っているんだろうな

 

「電も久しぶりに吹雪ちゃんに会いたいのです!」

電も昔を懐かしむように言う

 

「じゃあ、今度あそこに行ってみようか

秘密にして行ったら、面白いかも」

 

正直、ブラック鎮守府の可能性も否定は出来ない

あの娘がいるから大丈夫とは思うのだが...

 

「サプライズなのです!」

ぴょんぴょん跳び跳ねる電を横目に私は、考えを巡らせた




最後まで読んでくださりありがとうございます

この世界では、通常開発で烈風、流星、紫電改二等の一部の装備が出てきません
また、村田隊もなかったりします
直ぐ登場しますが...

次は、鎮守府秋刀魚祭り六日目です
艦これでは終わってしまいましたが、もうちょっとで終わりますので、大丈夫です!

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