いつものバスの行き先は...?   作:風月 雪桜

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第一章 始まり...鎮守府正面海域
初めての建造は...?


翔鶴は、気が付くとベッドにいた

艦娘としての記憶がここは工厰で周りにいる小さな女の子が妖精さんだと言うことを教えてくれた

 

(とりあえず、提督に着任報告をしなければなりませんね)

そう思い立ち、工厰を出ていった

 

時々、妖精さんに道を尋ねながら、ついに執務室にたどり着く

一呼吸してからドアをノックする

 

コンコン

 

だが、中からの応答はない

 

コンコン

 

再びノックするも応答はない

仕方がないので、ドアを開ける

「失礼します」

 

執務室には、だれもいなかった

その代わり、机と床を埋め尽くす量の書類と居心地悪そうに隅っこにぽつんと置かれた荷物しかなかった

 

翔鶴は余りの書類の量に一抹の不安を抱いた

 

 

 

 

 

 

執務室を出て、他の艦娘を探そうと来た道を向いたら、仲良く話ながらこちらに来る艦娘と青年に気が付いた

 

艦娘の記憶から、艦娘は特型駆逐艦一番艦の吹雪と分かり

青年も提督になる人物と分かった

 

向こうもこちらに気が付いたので、自己紹介をした

「翔鶴型航空母艦一番艦の翔鶴です

一航戦や二航戦の先輩方に少しでも近づけるように瑞鶴と共に頑張ります」

 

すると二人は小声で話始めました...何か不味いことをしたでしょうか...?

 

『ど、どうする、本当に正規空母出来ちゃったよ』

『空母が欲しかったのではないのですか!?』

『いや、あれは吹雪を驚かそうとしてね

普通に最小にしようと思ってたんだよ?』

『ご、ごめんなさい...(涙目)』

『い、いや吹雪は悪くないから(汗)』

 

「あ、あの...」

 

「あ、いえ、すみません

俺...いや、私は今日の朝着任しました

まだ、艦娘は隣にいる秘書艦の吹雪と...」

 

「わ、私秘書艦だったのですかぁ!?」

 

「吹雪驚きすぎだよ?

後は、吹雪型二番艦の白雪と大淀、明石しかいませんから

私も新米ですし苦労かけるかもしれませんがよろしくお願いします」

 

「あれ?

司令官が礼儀正しいですよ?

私の時と対応違い過ぎません?」

と司令官と名乗った青年を上目遣いで覗きこむ吹雪

とても仲良さそうです...とても今日着任したようには見えません

 

「し、正直、翔鶴が可愛くて緊張してるんだよ」

 

「司令官は、私が可愛いと思ってないんですね」

 

「いや、別にそんなわけは...吹雪は可愛いけど話しやすいんだって拗ねないでよ」

 

「す、拗ねてなんかいません!

書類を執務室に置いて早く昼食べましょう」

 

「はーい」

 

と言って二人とも執務室に入っていった

 

 

 

 

 

 

火照る顔を隠しながら、俺は吹雪と執務室に入った

冷静を装い、積み重なる書類と混ざらないように手に持っていた書類を床に置く

ちょっとからかい過ぎたかなと反省し、執務室を出ると翔鶴がセーラー服の女性と若いのに威厳のある男性と話をしていた

 

翔鶴が俺の紹介をしてくれた

「彼が今日の朝着任した司令官です」

 

セーラー服の女性は敬礼をし

「大淀です

任務の管理や通信室で通信を受け取っています」

 

「提督代理として来ました

奥田 吉成です」

 

「よろしくお願いします

とりあえず、お昼食べませんか?

昼過ぎですから」

 

さっきから、俺のお腹は鳴りっぱなしだし、恥ずかしいし

 

 

 

 

 

 

吹雪と白雪と翔鶴が一緒に作った昼飯を食べた後、大淀が吹雪に尋ねた

 

「吹雪ちゃん

司令官にちゃんと尋ねました?」

 

「あ、えっと...その...」

 

「聞いてないのですね

 

...司令官、貴方は本当に司令官になりますか?」

 

「え?どういう意味?」

 

「今まで、貴方のいた世界からこの世界迷いこんだ事例は数件あります

司令官にならずに普通に暮らすことも可能なんですよ?

残念ながら、世界を移動させる装置は完成していないので、貴方のいた世界には戻れませんが

どうします?」

 

「......」

選択肢があるとは思っていなかったので、思わず迷ってしまう

 

一瞬、普通の日常に戻れるなら...と思った

だけど、吹雪のすがるような目や白雪、翔鶴、明石の不安そうな表情を見て決断した

 

「うん

司令官をやるよ、覚悟は出来てるよ...多分」

 

「「「し、司令官...」」」

吹雪達が感動したように呟く、明石も嬉しそうだ

正直、代理の奥田さんもいるし大丈夫なんじゃ?と思わなくもない

 

「そうですか

なら、代理の方は明日の朝の輸送船で帰って貰いましょう」

 

「ちなみにさ

執務室の書類って俺が片付けないといけないのかな?

正直出来る気がしないのだけれど」

 

「基本的提督が行うことになっています

例外として、提督代理が行うことになっていますね」

 

「んー

だったら、代理の奥田さんには、居て貰った方がいいと思うんだ

それに、18歳の提督って世間体的に大丈夫?

奥田さんが嫌なら頑張るけど」

 

「私は別に構わないよ

元々、提督が着任した後も補佐をするよう命令されていたからな」

 

「それじゃあ、今度から奥田さんを提督と呼ぶように

俺は司令官と呼んで区別するこれでいいかな?」

 

「「「「「了解(です)!!」」」」」




最後まで読んでくださりありがとうございます

次の回では出撃出来そうです
作者も楽しみです!

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