いつものバスの行き先は...?   作:風月 雪桜

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今回も、とても長めです

UA3000越え嬉しいです


転属してきた艦娘が着任しました

バーベキューの準備をしているグラウンドに着く

 

「バーベキューコンロ設置作戦完了のお知らせなのです!」

「木炭の準備が出来た...

いつでも、火を付ける準備は出来ている」

「僕もう待ちきれないよ!」

 

「はいはい、準備完了だねー

あーもー、駆逐艦うざい」

そう言いながらも、駆逐艦娘に囲まれて満更でもない北上と北上を囲む睦月達

 

「鮭も用意したから、万全クマ!」

球磨がじっと用意した鮭を見ながら言った

 

いや、バーベキューで魚焼くのか?とは思うがスルーする

 

「司令はん、護衛艦隊の帰投ぼちぼちやで!」

「お、そうか

じゃあ、みんな火を付けて~」

 

そういい、俺も目の前のコンロに火をつける

カチカチ...

なかなか、火が付かない

 

そういえば、新聞紙とか使うんだっけ?

 

「余った新聞紙ってあったっけ?」

 

「あ、僕が持ってるよ!

自室にあるから取って来るね~」

 

「ありがとう、皐月!」

 

「あ、あたしも取ってきます~」

 

「文月もありがとう」

文月は、逃げるように艦娘寮へ駆けていく

 

おい、転びそうで心配...ドサー...言わんこっちゃない

 

「大丈夫か?文月」

 

「見ないで、見ないで~」

目にも止まらぬ早さで文月は走っていった

 

俺がそんなに嫌いなんかな...

 

はぁー

思わずため息が出る

 

「何か気になることでも~?」

 

「うお!

いきなり、背後に回るの止めてよ、龍田

心臓が止まるかと思った」

 

「あら~何か疚しいことでも、考えていたんですか?」

 

「疚しいことって何だよ...

いや、なんか避けられてるような気がしてな」

 

「気のせいだと思いますよ~」

 

「そうかな~?」

 

「司令官、新聞紙取ってきたよ~」

「司令官、文月も...持って来ました」

何かに期待して目をキラキラさせる二人

 

「ありがとう、後で二人にお菓子をあげよう」

と言って二人の頭を撫でた

 

「まっかせてよ、司令官!」

「えへへ...お役にたてて嬉しいです」

幸せそうな二人を見てると俺も幸せな気持ちになってくる

やっぱり、お菓子の力ってスゲー

 

周りの駆逐艦娘は、羨ましそうに二人を見ていた

 

そんなこんなしていると護衛艦隊が帰投した

 

「作戦お疲れ様

すまん、まだ飯の準備出来てなくて、先入渠するか?」

 

「じゃあ、入渠させて貰おうかな~」

「司令官に感謝します!」

中破している川内と朝潮が入渠する

 

他の娘も服を着替えて、飯の準備をし始める

 

護衛艦隊の入渠が一通り終わった頃、攻略艦隊も帰投した

 

「お疲れ様、暁達は足止め頑張ったな

飯は、もう食べ始めちゃっているが、入渠はどうする?」

 

「私は、入らせていただきます...」

逃げるように翔鶴が、立ち去る

 

「雷も入ってきなさい

私達、外で待ってるから」

 

「雷は、大丈夫なんだから!」

 

「いや、無理は良くない...

入渠しよう...」

 

「なのです」

第六駆のみんなに引きずられていく雷を見送り、電の様子をさりげなく伺う

 

その様子はいつもの電で、あの時の面影は全くない

 

「心配ですか?」

 

「!

提督ですか

はい、とても...」

 

「でも、あまり思い悩むのも良くないですよ

今は、祝いの席なんですから」

 

「そうですね、ありがとうござ...」

 

「テーイートークゥー」

 

「え、ちょっと金剛さん勢いつきすぎ...」

 

「Burning Love!!」

 

ゴフゥ

思いっきり抱き着かれた提督は金剛に押し倒される

 

「テートク、私の活躍見てくれた?」

 

「あぁ、大活躍でしたね!

とりあえず、退いてく...」

 

「Wow!これからも、目を離しちゃNO!なんだからネ!」

 

「あの退いてくださると...」

 

「Oh!テートク、sorryネ!」

そう言って金剛が退いて、提督が立つと金剛は提督の手を取り引っ張っていく

 

「司令官、食べないのですか?」

いつの間にか隣にいた吹雪が尋ねる

 

「ん...?

勿論、食べるよ

吹雪も的確な指示ありがとうな」

 

「いえ、そんなことないです...」

恥ずかしそうに、顔を隠す吹雪

 

「これからも頑張って...な」

頭を撫でながら、ワイワイしている艦娘の輪に入った

 

 

 

 

 

 

 

そろそろ、目的地の鎮守府に着く

夜になってしまったが、目的地の鎮守府...呉第三鎮守府は煌々と灯りがついていた

 

『あそこが、呉第三鎮守府...時雨ちゃんともお別れですか

寂しいですね』

 

「......」

 

『呉第三鎮守府でも元気で...』

 

「......」

 

『たまには、私達の鎮守府に遊びに来るのね!』

 

「......」

 

『...黙ってないで、なんか言いなさいよ!』

 

「......」

 

『あっそ、私達なんかと話すことは何もないってことね』

 

『こら、霞ちゃん

そんなことを言っては駄目ですよ?』

 

『ふん』

 

そして、呉第三鎮守府に着き着任報告をするため近くの艦娘に話し掛ける

 

「あの、すいません」

 

「んー?

陽炎に何か用?」

 

「提督に転属届けの出ていた艦娘が着任したと...」

 

「司令ね?

司令なら、彼処で駆逐艦娘に囲まれて困ってる人よ」

 

「ありがとうございます」

 

「いいって大したことじゃないわ...

って霞と霰じゃない

元気してる?」

 

「ええ、元気よ

って一応艦娘になってからは初めてよね?

会うのは」

 

「元気...です...」

 

「いいじゃん細かいこと!

不知火もいるから一緒に話そうよ」

 

「ここに、長居したら迷惑でしょ

すぐ、出ていくわよ」

 

「えー」

 

 

 

 

 

その頃、祥鳳は司令官に話し掛けていた

 

「あの、提督、転属届けの出ていた艦娘が着任しました」

 

「えっと...祥鳳はうちの鎮守府にはいませんよね

貴女は何処から来たのです?」

 

「舞鶴第三鎮守府から、転属する艦娘いるって聞いてませんでした?」

 

「...いえ、全く

提督知ってました?」

 

「私も知らないです」

 

「ちょっと、大淀確認してきて貰ってもいい?」

 

「はい、分かりました」

 

「済まないね

 

祥鳳、お腹が空いてるなら、みんなに混ざって食べてもいいぞ

瑞鳳もいるし、一緒に話とかしたらどうだ?」

 

「え、でも...」

 

「いいって気にするなよ

吹雪?まだ、寮の部屋空いてるよな?」

 

「はい!

祥鳳さん達に貸すのですか?」

 

「もちのろんだ

後で、案内してくれ」

 

「分かりました!」

 

「そんなに、してくださらなくても...」

申し訳なさそうに言う祥鳳

後ろでは、護衛していた艦娘が目を輝かせている

 

「だから、気にするなって

助け合いは大切だろ?」

 

「...本当にありがとうございます」

 

「所で、着任する艦娘は?」

 

「...あ、はい...

この娘です」

祥鳳の前には、改二姿の時雨がいた

 

へぇ、改二かぁ...相当な練度なんだろうな

「これから、よろしくな」

 

「......」

時雨は何も言わず、俺を見る

彼女の瞳は濁り焦点を結ばない

 

まるで、この世には絶望しかないと言っているかのように

 

「時雨...ちゃん!?

お久しぶり!横須賀以来だね」

 

「ん?吹雪知り合いなのか?」

 

「そうなんです!

私も時雨ちゃんも同じ横須賀出身なんです!

ちょっとしか、一緒に居られなかったけど、大事な、大事な仲間なんです」

 

「なるほど、じゃあ明日時雨の旅行をしてくれ

積もる話もあるだろうからな!」

 

「はい!

 

でも、時雨ちゃんなんだか様子が変ですね

時雨ちゃんどうしたの?」

 

突然、時雨は吹雪に質問する

「...吹雪貴女は、司令官を信頼しているのかい?」

 

「え?それは、勿論!」

 

「そうか」

 

それ以外、時雨は何も話さなかった

時雨は、いくら艦娘に話し掛けられてもあまり話をしないし、食べ物もあまり食べなかった

 

「司令官、艦隊司令部と確認が取れました

明日届く書類に着任することが書かれていたそうで

これが、時雨のプロフィールです」

 

そこには、数々の海戦に参加し、武勲をあげていると書かれていた

 

「なるほど、艦隊司令部に優秀な艦娘を配属してくださりありがとうございます

これからも、身を粉にして努力しますと伝えてくれ」

 

「分かりました」

 

...確かに優秀な艦娘だが...過去に一体何が...




最後まで読んでくださりありがとうございます

バーベキューしたことはないのですが、バーベキューで魚を焼くことってあるんでしょうか?

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