いつものバスの行き先は...?   作:風月 雪桜

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なら、たくさんの人々に読んで頂けたのですね、嬉しいです!


提督が鎮守府に...

「...そろそろか...」

 

汽笛の音が船内に響く

それが、この前の戦いの記憶を呼び起こす

 

『レーダーには、異常なし』

『哨戒機が大編隊を発見』

『直掩機発艦間に合わず』

『敵機直上、急降下』

 

瞬く間に、状況が進み、各艦が自衛するのが精一杯だった

自身が救われたのも奇跡に近かった

私が退艦した時周囲は地獄だった

沈み逝く艦...蔓延する硝煙と錆びた鉄のような臭い...

重油で黒光る海...

 

あれ以来ずっとうなされる

この光景と声が聞こえる

 

「たすけてくれ」

「死にたくない」

「何故お前だけ助かった」

「憎い憎い憎い」

 

気が付くと、鎮守府に着いていた

輸送船から、タラップを使って降りる

降りた先には、セーラー服を着た女性がいた

 

「提督代理の奥田大佐

お待ちしていました

大淀です」

と敬礼をする

 

「奥田 吉成 階級 大佐

現在、マルロクサンヒトより呉第三鎮守府に着任しました」

と返礼する

 

「提督が着任するまで、指揮を執らせて頂きます」

 

「よろしくお願いいたします」

大淀と名乗った女性はどこか提督代理に冷たかった

 

 

 

 

吹雪が追い付けるか追い付けないくらいの速さで逃げ回りドックに近くで、立ち止まる

ちょっと遠くから汽笛が聞こえた

どうやら、艦娘は陸では普通の人と同じくらいみたいだ

 

「し、司令官やっと捕まえましたよ...」

吹雪は息を切らしながら、腕を掴んできた

 

「もう逃げないよ

お?これがドック?」

 

「はい!

これがないと大変です」

 

「ドックは、たった一つか...」

ドックの増設は急務だなと思った

 

「大淀さんが頼んではいるのですが中々...

予算が降りないみたいで

 

次は、酒保です!明石さーん!」

 

「あ、吹雪ちゃん!

あら?隣にいるのは?」

 

「ついに、司令官が着任したんですよ!

ついに!」

 

「良かったね!吹雪ちゃん

いつも、門の前で待っていたもんね」

 

「はい、ちょっと意地悪ですけど、嬉しいです!」

 

「意地悪で、悪かったな」

 

「冗談ですよ!」

と、満天の笑顔...

 

(守りたいこの笑顔...

おっと、そうじゃない

それにしても、酒保って言っても必要最低限の物ばかり...娯楽はないのか?)

 

「さ、司令官次行きますよ?」

 

「ん、分かった

ところで、そろそろ腕放してくれないかな?」

 

「嫌です

また、逃げるかもしれませんから♪」

 

声が弾んでいるように聞こえるのは気のせいかな?

 

(それに...吹雪がいつも待っていた...つまり、それくらい期待されてるってことだよな...)

 

そう考えると胃が少し痛む気がした

 

 

 

 

 

 

「ここが艦娘寮です

百人分くらいの部屋がありますよ!

調理場、浴場も完備です

あ、白雪ちゃんがいます

おーい!」

 

「あ、吹雪ちゃん

お隣は、お菓子をくれると妖精さんの間で話題になっている司令官さんですか?」

 

「そうですよ!

お菓子をくれるかは分かりませんが」

 

「なんで、そんな噂が流れるんだ...」

 

これは、上層部に甘味の補給を要請するかと思った

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、倉庫や今は使っていない食堂、大淀さんが使っている通信室、吹雪が時々使う資料室を見た後、執務室に戻っていた

一時過ぎなので、書類を執務室に置いてから、吹雪の作る昼飯を食べることにした

尚、俺は目玉焼きを作るくらいしか料理はできないので、論外である

 

執務室の前には銀髪の女性が途方にくれていた...




最後まで読んでくださりありがとうございます

中々、出撃になりませんね
文を書くのって大変と改めて思いました

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