ぐだ男と野獣のクッキーkiss   作:野鳥先輩

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新しいfate×淫夢小説が始動した様です。
(ミーム汚染が)広がってないか?


クリスマスイベは何か思いついたら書きます。


SCOOOP!!! 種火イカせ隊結成!

 エクストラクラス・ビースト。カルデアでは観測出来ていなかったそれについて、ダヴィンチちゃんを始めとする研究員達に別口で解析を行って貰っていた。そもそもビーストという名称自体自然と受け入れてこそいたが、出所さんは曖昧なままだった。

 

 ――黙示録の獣。

 

 解析を続けた結果、浮かび上がったワード。そしてピンキーの口内に残留していた残滓から、レフ――魔神柱の残滓と照合した結果、ビーストと似通った霊子構成をしている事が判明したのだった。ソロモン72柱、そして黙示録の獣。野獣先輩は果たして、それらと同一視されるほどの悪行を成したのだろうか。仮にも人類史焼却を回避する為に、召喚に応じた彼が。

 

 

「――Target.Body Sensor」

 

 無辜の魔獣は黄金の皮を纏い、ゴーグル越しに狙いを定める。その体躯は人の身を遥かに超え、300cmはあろうかといったほどに達している。手を振るえば重厚な金属音が響き、移動は僅かに浮いた足裏から有り余る魔力を噴射して行う。圧倒的、規格外。

 

 サイクロップス先輩。解析が進んだ結果、変化可能だと判明した新しい形態。魔神柱にも迫るような、破壊の権化。その魔力反応は悪魔そのものであり、最早サーヴァントの域を軽く超えている。

 

「――戊辰戦争(Body Sensor)

 

 対象は3㎞ほど前方に群れている、黎明の神腕という名の敵性存在。人理には特に影響がない為、本来ならば捨て置いても良いはずなのだが……彼らを撃破することで手に入る、通称種火と呼ばれる存在。それをサーヴァントに用いることで、サーヴァントを強化できるのだ。となれば人理修復のため、犠牲になっていただくより他ないという結論は、誰しもが導けよう。

 

「EMRATED EMRATED EMRATED――」

 

 ビーストのゴーグルから光が漏れだし、それは光線として射出された。光線であるが、極限まで鍛え上げられた武の達人であれば見てから躱せる程度の速度。しかし腕というフォルムでそのような挙動を行え、というのが土台無理な話。束の間に光に呑まれた。

 

『――生体反応なし。戦闘終了だ、帰還してくれ』

 

 ロマンに告げられると同時にビーストの体は縮小を始め、元の姿に戻った。いつでも元に戻れるのだが、あの形態を保つのは魔力供給以前に時間制限が存在する。精々数分程度といったところ、連続使用も出来ない。実戦では切り札として温存することも視野に入るだろう。変化を終え元の体躯に戻ったビーストを伴って、帰還した。

 

 

 

 

「さて。すぐ行くぞビースト」

「ぬわああああん疲れたもおおおおん! 辞めたくなりますよ~周回~」

 

 駄々をこねるビースト。だがしかし種火は、そもそも一度の出撃では必要量に全く届かないのだ。一つや二つで限界まで強化できる訳ではない。そして喜ばしい事でもあるのだが、カルデアは非常に賑わっており、右も左もホモビサーヴァントが闊歩している。その頭数全てを強化していかねばならないのだが、ここで追い討ちをかけるように飛んできたのがGOからの、『限界突破』の提案だ。

 

『俺が作った聖杯でさ、パパパッと転臨して、終わり!』

 

 聖杯転臨。万能の願望器たる聖杯を、それを得る為のサーヴァントに注ぐという一見して本末転倒な用い方。およそ幾つもの聖杯を英霊たちと得る機会がある今回の案件以外で活躍するシステムとも思えない上に、貴重な聖杯を用いるという時点で二の足を踏んでいた。だがそれも聖杯を『作れる』GOの登場によって、数という枷は消えた。元々問題点さえ解消すれば、霊基が大英霊たちに比べて弱く単純なスペック面で劣るホモビサーヴァント達とはきわめて合致するシステムだ。利用しない手はない――

 

 という訳で。一体一体の上限まで上がったから、必要な種火の数は更に増した。こちらはこちらで度重なる周回を効率よく終わらせるため、周回用のチームというのを模索してはいるのだが、上手く定まらない。サイクロップス先輩は腕の一群を一瞬にして破壊する攻撃力こそ有しているが、変身の為の魔力を蓄積する際のロスが大きかった。サイクロップス化が、宝具に相当するからである。

 

「魔力生成出来るKMRを入れて……あと一人といった所か」

 

 さて誰を連れていくか。単純に戦闘力の高いサーヴァントを連れて行ってもいいだろうが、悲しいことに強いサーヴァントはAKYSといいHNSといい虐おじといい、個人戦に特化している。GOに至っては正に神そのもの、その神性の高さから主従関係というものが全く成立していない以上、こういった苦痛を伴う作業に駆り出すのは難しい。

 

「兄ちゃん、わしも連れて行ってくれや!」

 

 珍しく、変態糞親父に声をかけられる。

 

「……大丈夫? 戦える?」

「あのGOとかいう兄ちゃんが言うには、わしの能力は戦闘補助にはうってつけらしいんや」

「……なお不安になったんだけど」

 

 GOの言う事は、基本的に適当過ぎて当てにならない。たまにもう一つの意味で適当な事を言う事もあるが……神話の神様が完璧な助言をくれ、先導してくれる確率を考慮すれば、当てにしようとは思わない。だがまぁ今回ばかりは連れて行こう。実のところ、今まで変態糞親父を外へと出した事はなかった。一度目で見て把握しておきたいのは、確かにあった。

 

 

 

 

 

 

 

「なんで不毛なマラソンに付き合う必要があるんですか」

 

 至極嫌そうな顔をしながら、KMRに毒突かれる。今回の種火狩りに連れて来たのは、野獣先輩、KMR、そして変態糞親父の三人だ。

 

「ああ^~外の空気はたまらねぇぜ! ケツの穴がひくひくしてくる」

 

 陽光の元ではしゃぐ変態糞親父。やはりというか、感性は性癖関連を除いて一般人のそれに近いように思う。野獣先輩は出会い頭から雑に戦闘をこなしていたし、他の淫夢サーヴァントも一部を除き自然と戦闘に参加していたからこれまで疑問を抱かなかったが、果たして出自からしてサーヴァントでない変態糞親父に戦闘が可能なのだろうか。

 

「ビースト、KMR。手筈通り」

「ん、おかのした」

「わかりました……」

 

 此方の作戦は接敵前の魔力集中。サイクロップス化を終えてから索敵を開始、アウトレンジからの一蹴を狙う。相手は特に知能などは無さそうな謎生命体なので、こちらの作戦が読まれている等という事は――

 

 

「ッ!? 兄ちゃん、敵や!」

 

 変態糞親父が指さす先、こちらと100m程度ほど離れた木陰に黎明の神腕はいた。ご丁寧にも三体揃って。

 

「どうする、まだビーストが変身するには魔力が……」

「僕が覚醒して撃破しますね……」

「いやそれは魔力供給が滞るしな……」

 

 特異点修復に比べれば、あくまである程度安全が確保された作業である以上、KMRを覚醒させてまで時間効率を落とす必要性も薄い。

 

「対魔力の高いKMRに受けて貰う、その間に魔力を溜めて一網打尽に――」

 

 そう、言いかけた所だった。

 

 

『――やらないで』

 

 どこからともなく聞こえて来た、変態糞親父の低く渋い声。

 

『やらないで。投稿者:川の土手――』

『やらないで。投稿者:堅木――』

『やらないで。投稿者:腐葉土――』

 

 やったぜ。の文章の改変コピペの様な文章が、断続的に、幾度となく発される。しきりに懇願している声の主はすぐに分かった。この大地、自然だ。

 

 変態糞親父の方を見やると、ぶつぶつと何かを唱えている。そして、全てを唱え終えると――

 

 

『――黄金煌く白濁の狂宴(おうごんきらめくはくだくのきょうえん)

 

 変態糞親父を起点に、怒涛の勢いで大地から吐き出される"鼻腔をつんざく様な悪臭を放つ、茶色い半固形物と白い液体"。余りの惨劇に戦慄が走るのと、野獣とKMRと共にそれに巻き込まれるのはほぼ同時だった。

 

「う、うわああああああああ!?」

「やめてくれよ……!? あれ、マスター……」

 

 KMRが驚きの声を上げる。それもそのはず、怒涛の勢いで押し寄せた謎の物体は、こちらの予想している不快極まる物質とは、明らかに乖離していたのだ。確かに触感は嫌なものであり、物量に押し込まれるが決して押し潰されることはない。ダメージを受ける事はなく、むしろ身体的な疲れを吸収し、更に得体の知れない力が体の奥底から沸き上がるのを感じた。

 

 そうこうしている内に物体は、影も形もなく消えていた。文字通り、服にすら一切の残留物は残らなかった。残ったのは俺達と神腕、そして全てを吸い取られ、荒廃し果てた自然だけであった。ビーストの魔力量は、あの奔流の前は、KMRの魔力生成込みで後五分は必要であろうといった量であったのに、いつの間にか充填が完了していた。後は指示を出すのみ。

 

「やっちゃえ、ビースト!」

「いきますよーイクイク、ヌッ!!」

 

 声と共に肥大化し、黄金の獣は咆哮をあげる。神腕たちが殲滅されたのは、それから間もなくの事であった。

 

 

 事が終わり、カルデアと通信を取った。

 

「……ロマン! 今の見てたなら解析!」

『ねぇホント無理無理無理!』

「ロマン、ひでレベルの精神崩壊起こしてるな……ダヴィンチちゃん!」

『はぁい! こちらで観測できたのは、"それ"は大量の魔力を伴った幻影で、見かけによらず数人しか巻き込めない対人宝具。それも味方の魔力やステータスを補強する効果を持ってるらしい! 本人の申告通り、補助用だね!』

 

 ……生きた心地はしなかったが、確かに物理的殺傷力はほぼ有していないようだ。もしかしたら変態糞親父側である程度のコントロールが効くのかもしれないが。ともかく臭いと感触さえ我慢すれば、速攻でビーストをサイクロップス化させられるという事か。

 

「これは……もしかしたら種火パ完成じゃな?」

「ファッ!?」

「やめてくれよ……というかやめてください。本当に」

 

 KMRが敬語で訴えてくるあたりが、必死さを感じられる。束の間の辛抱だ、我慢してもらおう。そして今は、最速周回種火パが完成したことを喜ぶとしよう。

 

「「――やったぜ。」」




【真名】変態糞親父
【クラス】キャスター
【性別】男
【属性】混沌・悪
【ステータス】
筋力 B 耐久 B
敏捷 E 魔力 C
幸運 A 宝具 A
【スキル】
陣地作成 B:
道具作成 D:サーヴァント化した結果、イチジク浣腸くらいなら自作できるように

無辜の怪物 A
黄金律(体) D:何故か彼の周りには同志が集まる。
高速執筆(パソコン) E:高速詠唱の亜種で、タイピング速度に影響。掲示板での報告が達筆であったことに起因。パソコンと魔術の相性が悪い為、有効活用は難しそう。
【宝具】
黄金煌く白濁の狂宴(おうごんきらめくはくだくのきょうえん)
 かつてキャスターが岡山の県北の川の土手で敢行した糞遊びの心象風景を依り代として、莫大な魔力を伴った幻影を作り出す。魔力は周辺の自然などから吸収する為非常にリーズナブル。幻影により敵を押し返すことも可能ではあるが、本来の使い方は数人の味方のステータスを補強する事。ついでに自然側からしたら問答無用で魔力を取られるだけなので、対抗手段があれば切ってくる可能性が高い。

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